ダウン症とロバートソン転座の関係性|NIPT検査で知っておくべき染色体異常の真実【YouTube動画解説】

ロバートソン転座とは?

🔬 ロバートソン転座は、13、14、15、21、22番染色体などの「短腕が非常に短い“常染色体”同士」で起こる構造異常です。
染色体の長腕同士が融合して1本になり、実質的な遺伝子量に変化がないため、保因者本人は健康・正常に見えることがほとんどです。

■ なぜ「見た目や健康に影響がない」のか?

  • 転座に関わる染色体の短腕部分には遺伝情報がほとんどない
  • そのため、融合しても必要な遺伝子は十分に存在し、本人はまったく無症状・無障害
  • これは「バランス型転座」の一種です(遺伝子の量は変わらないが配置が変わっている)。

■ しかし、子どもにはリスクがある

🔻 生殖細胞(卵子・精子)の形成時に問題が生じやすい

  • 減数分裂の過程で染色体が不均等に分配されることがある
  • その結果、「アンバランス型」染色体を持つ受精卵ができやすくなる
観点数値・説明
一般人での保因者頻度0.1%(1/1,000人)
染色体転座全体に占める割合10%
最も多いタイプ13;14転座(ロバートソン転座の約75%)
臨床的意義多くは無症状だが、流産や遺伝性ダウン症のリスク要因となる