こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。
このチャンネルでは、NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情ではなくデータで分かりやすくお届けしています。
「ダウン症の人が子どもを産んだら、その子もやっぱりダウン症になるの?」
ネット上で見かけるこの疑問。
どこか触れてはいけない話のように思えるかもしれませんが、実は、医学的にはちゃんと答えがあるんです。
まず最初にお伝えしておくと、ダウン症の人から生まれた子どもが、必ずダウン症になるわけではありません。
でも、ある“特定のタイプ”のダウン症の場合には、遺伝するリスクが高まることもあります。
つまり、すべてはダウン症のタイプによるということ。
この違いを知らないと、「なんとなく怖い」「遺伝するって聞いたことがあるから」というぼんやりしたイメージだけで偏見や誤解が広がってしまうんです。
実際、それが就労や恋愛、妊娠・出産の場面での“見えない壁”になっていることも。
でも逆に、ちゃんと仕組みを理解すれば、不安や誤解は消えていきます。
誰かを否定するためではなく、正しく知るために。
ちょっと勇気がいるかもしれませんが、ぜひ最後まで見ていってください。
というわけで今回は、
「ダウン症の子どもが生まれた場合、その子どもも必ずダウン症になるのか?」という、少しセンシティブだけど重要なテーマを、医学的な視点で解説していきます。
知らないままで済ませないことの大切さ、感じてもらえたら嬉しいです。
まずはじめに、ダウン症の当事者が妊娠・出産するケースも実際に存在します。
特に女性の場合、妊娠すること自体は可能とされていますが、妊娠しづらい傾向や、流産・早産といったリスクが高くなる傾向があります。
一方で男性の場合は、精子をつくる機能が制限されることが多く、妊娠させる確率はかなり低いとされています。
そしてここから、もう一歩踏み込んでお伝えしたいのが、親がダウン症でなくても、ダウン症の因子を隠し持っていて、子がダウン症になりやすい場合があるということです。
ダウン症というのは、21番目の染色体が1本多くなることによって起きる先天的な染色体異常のことです。
大きく分けて、3つのタイプがあります:
このうち、ロバートソン転座型と呼ばれる種類に関しては親がダウン症でなくても、ダウン症の因子を隠し持っていて、子がダウン症になりやすい場合があります。
両親がダウン症ではない場合、95%以上は、両親の遺伝とは関係のない、年齢由来の染色体の異常です。
ただし、「ロバートソン転座型」に関しては注意が必要です。 このタイプでは、ご両親のどちらかが転座の保因者である場合、遺伝によってダウン症になるリスクが高くなります。
たとえば、母親が転座の保因者だった場合、次の子どもにダウン症が現れる確率はおよそ10〜15%、 父親が保因者だった場合は1〜5%程度と報告されています。
では実際に、遺伝の可能性がある転座型がどのくらいの割合で起こっているのか?そもそも転座とは何なのか、ここをもう少し具体的に見ていきましょう。
遺伝の可能性がある転座型がどのくらいの割合で起こっているのか?そもそも転座とは何なのか簡単に説明していただく
ダウン症以外にも実は親からの遺伝による疾患があります。
全部が遺伝するわけではありませんが、一部は「親が持っている設計図の異常」がそのまま赤ちゃんに伝わるケースもあるんです。
たとえばこんなケースがあります:
親に症状がない場合でも起こりうるため、「見た目にはわからないけれど遺伝的にリスクがある」状態と言えます。
こうしたリスクを知るためにも、遺伝カウンセリングや必要に応じた検査が有効です。
「こうしたリスクを“できるだけ早く知っておきたい”というときに、有効なのが、次にお話しする『NIPTです。」
ただし、NIPTは「染色体の数の異常」を検出するものであり、 「転座型」のような染色体の構造異常については、検出が難しいケースもあります。
もしご家族に転座型のダウン症がいた場合は、NIPTだけでなく羊水検査などの確定検査も検討するとよいでしょう。
では、ここまでのお話をまとめてみましょう。ダウン症は遺伝するのか?という問いに対して、正しく備えるためのヒントを振り返っていきます。
今日は、「ダウン症の子どもが生まれた場合、その子どもも必ずダウン症になるのか?」というテーマでお話しさせていただきました。
各トピックまとめ
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