【1】染色体と性別の基本「そもそも性別ってどう決まるのでしょうか?」
〈質問〉
先生、男の子と女の子そもそも性別ってどう決まるのでしょうか?
〈先生〉
性別は「X」と「Y」の組み合わせで決まる
通常、男性はXY、女性はXX
でも、稀にその組み合わせが崩れることがある → 性分化疾患や染色体異常として現れる
性染色体異常、出生児の約1/400に見られる、意外にも代表的な染色体異常の一つです。
〈質問者〉
なるほど…見た目ではわからない異常もあるんですね?
〈先生〉
そうです。見た目が男性でも女性でも、染色体に異常があると、体の成長や生殖機能に影響が出ることがあります。
【2】性別が“わからない”とはどういうことか?「性別がはっきりしないのはどうしてですか?」
〈質問〉
性別がはっきりしない性別異常とはどんな症状ですか?詳しく教えてください。
など、具体的にどういう症状があって、どういう不幸が待っているのかに言及。防ぎたいと思ってもらう狙い
〈質問者〉
そういった場合、子ども自身も混乱しそうですね…。
〈先生〉
はい、将来の性同一性やアイデンティティ形成に影響する可能性もあります。だからこそ早期発見と、家族と医療者が一緒に支えることがとても重要なんです。
【3】性別が曖昧になる染色体異常とは?「どんな染色体の異常があるのですか?」
〈質問〉
具体的に、どういう染色体異常があるんでしょうか?
〈先生〉
代表的なものは以下の通りです。
| クラインフェルター症候群(XXY) | 外見は男性でも、第二次性徴が遅れる・不妊など | 1/500〜1/1,000 |
| ターナー症候群(X) | 女性として生まれるが、性腺の発育が不十分 | 1/2,500~1/5,000 |
| モザイク型(例:45,X/46,XYなど) | 細胞ごとに性染色体が異なる → 性の発達にばらつき | 約1/6,666出生 |
| スワイヤー症候群(46,XY 女性) | 染色体は男性型だが、外見は女性 → 初潮が来ないなどで判明 | 出生 1/20000−80000 |
など各種病気についてご説明いただく
〈質問者〉
どれも珍しいと思ってましたが、実はダウン症より多いって本当ですか?
〈先生〉
実際、クラインフェルター症候群はダウン症(約800人に1人)より多いとされるデータもあります(WHO報告など)。
【4】なぜ性染色体異常が起こるのか?「どうして染色体異常が起きるのですか?」
〈質問者〉
そもそも、どうして染色体異常って起こるんですか?
〈先生〉
原因は主に減数分裂のエラーです。精子や卵子が作られるときに、染色体が正しく分かれないと、数が多かったり少なかったりする染色体異常が起きます。これを「非分離」と呼びます。
例:卵子が Xを2本持つ → 精子(Y)と結びついて XXY(クラインフェルター症候群)
例:卵子が 染色体なし(null) → 精子(X)と結びついて X(ターナー症候群)
高齢妊娠では、このリスクが上がることがわかっています。
【5】出生前診断でわかるのか?「染色体の異常はNIPTでわかるのですか?」
〈質問者〉
これらの異常って、NIPT(新型出生前診断)でわかるんですか?
〈先生〉
NIPTでは、性染色体の数的異常(XXY、Xなど)が高精度でわかります。
ただし、モザイク型や一部の症候群は検出が難しい場合もあるため、確定診断には羊水検査が必要です。
【6】もしわかったらどうすれば?「もし異常があった場合どうすればいいでしょうか?」
〈質問者〉
もし検査で性染色体異常がわかった場合、どうすればいいんでしょう?
〈先生〉
まずは落ち着いて、医師・遺伝カウンセラーと一緒に今後を考えることです。
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