本動画はこちらよりご覧いただけます:YouTubeリンク
妊娠中に赤ちゃんの染色体異常を調べる検査として、NIPT検査と羊水検査があります。この動画では、産婦人科医が両検査の違いについて詳しく解説しています。
NIPT検査(非侵襲的出生前遺伝学的検査)は、母体の血液を採取して行う検査です。動画内で説明されているように、母体の血液中には胎児のDNAが微量に含まれており、それを分析することで染色体異常の可能性を調べることができます。一方、羊水検査は羊水を採取して直接胎児の細胞を調べる検査方法です。
最も大きな違いは、NIPT検査が非侵襲的(体に針を刺すなどの侵襲がない)であるのに対し、羊水検査は侵襲的な検査であるという点です。羊水検査では、お腹に針を刺して羊水を採取するため、約0.3%の確率で流産のリスクがあると動画内で専門医が説明しています。
検査の精度と特徴動画内で専門医が解説しているように、NIPT検査と羊水検査では精度に大きな違いがあります。NIPT検査は、ダウン症(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)の3つの主要な染色体異常について、約99%の精度で検出できると説明されています。
しかし、NIPT検査は「スクリーニング検査」であり、確定診断ではないという重要な点が動画内で強調されています。つまり、NIPT検査で陽性結果が出た場合でも、それは「可能性が高い」ということを示すだけで、確定診断のためには羊水検査などの追加検査が必要になります。
一方、羊水検査は「確定診断」として位置づけられており、染色体の数や構造を直接観察するため、より正確な結果が得られます。動画内の説明によれば、羊水検査ではNIPT検査で検出できる3つの主要な染色体異常だけでなく、他の染色体異常も検出することが可能です。
動画では、NIPT検査における「偽陽性」の問題についても触れられています。偽陽性とは、実際には染色体異常がないにもかかわらず、検査結果が陽性と出てしまうケースを指します。特に若年層の妊婦では、染色体異常の発生率自体が低いため、陽性結果が出ても実際に染色体異常がある確率(陽性的中率)は低くなる傾向があると説明されています。
例えば、動画内では35歳未満の妊婦がNIPT検査でダウン症陽性と判定された場合、実際にダウン症である確率は約50%程度と説明されています。これは、若年層では染色体異常の発生率自体が低いため、検査の精度が高くても偽陽性の割合が相対的に高くなるためです。
一方、羊水検査では偽陽性の問題はほとんどなく、結果がより信頼できると動画内で専門医が説明しています。ただし、どちらの検査にも限界があり、すべての染色体異常や先天性疾患を検出できるわけではないという点も強調されています。
動画内の説明によると、NIPT検査は妊娠10週以降から受けることができます。これは、この時期になると母体の血液中に胎児のDNAが十分な量含まれるようになるためです。一方、羊水検査は妊娠15週以降が一般的とされています。
費用に関しては、NIPT検査は自費診療となるため、医療機関によって異なりますが、約15〜20万円程度かかると動画内で説明されています。一方、羊水検査も基本的には自費診療ですが、NIPT検査で陽性結果が出た場合や、35歳以上の高齢妊娠、過去に染色体異常児を出産した経験がある場合などは、保険適用となる場合もあると説明されています。
動画では、日本におけるNIPT検査の現状についても触れられています。日本では、NIPT検査は2013年から臨床研究として始まり、当初は35歳以上の高齢妊婦や、過去に染色体異常児を出産した経験がある妊婦などに限定されていました。
しかし、現在では認定施設以外でも検査を受けられるようになり、年齢制限なども緩和されてきていると説明されています。ただし、動画内では「検査を受ける前に十分な遺伝カウンセリングを受けることが重要」と強調されており、検査の意義や限界、結果の解釈などについて専門家の説明を受けた上で検査を受けることが推奨されています。
動画では、検査結果の解釈と心理的影響についても詳しく解説されています。特にNIPT検査で陽性結果が出た場合、確定診断のために羊水検査を受けるかどうかの決断を迫られることになります。
専門医は動画内で、「検査結果を受け取った後の選択肢についても事前に考えておくことが大切」と説明しています。例えば、NIPT検査で陽性結果が出た場合、次のステップとして羊水検査を受けるのか、あるいは羊水検査のリスクを避けて妊娠を継続するのか、また羊水検査で染色体異常が確定した場合にどうするのかなど、事前に夫婦で話し合っておくことが重要だと強調されています。
また、検査結果を待つ間の不安や、陽性結果が出た場合の心理的負担についても触れられており、必要に応じて心理カウンセラーや遺伝カウンセラーのサポートを受けることも選択肢の一つであると説明されています。
偽陽性の心理的影響動画内では、NIPT検査の偽陽性が妊婦に与える心理的影響についても言及されています。偽陽性の結果を受け取った妊婦は、実際には胎児に染色体異常がないにもかかわらず、大きな不安やストレスを経験することになります。
特に、NIPT検査で陽性と判定された後、確定診断のための羊水検査を受けるまでの期間は、妊婦にとって非常に不安な時間となり得ると説明されています。また、羊水検査には流産のリスクがあるため、「本当は染色体異常がないのに、確定診断のための検査で流産してしまうかもしれない」という二重の不安を抱えることになる可能性もあります。
このような心理的影響を考慮すると、検査を受ける前に十分な情報提供と遺伝カウンセリングを受けることの重要性が理解できます。動画内では、「検査を受けるかどうかは個人の価値観や家族の状況によって異なる」と強調されており、一人ひとりが自分自身の状況に合わせて検討することが大切だと説明されています。
動画では、NIPT検査や羊水検査で主に検出される染色体異常について詳しく解説されています。特に、NIPT検査で高い精度で検出できる3つの主要な染色体異常(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)について説明されています。
動画内の説明によれば、ダウン症は21番染色体が3本ある状態(通常は2本)で、最も一般的な染色体異常の一つです。特徴として、知的発達の遅れ、特徴的な顔貌、心臓の先天性疾患などが挙げられていますが、その程度は個人差が大きいと説明されています。
また、現代の医療や支援体制の充実により、ダウン症の人々の平均寿命は大幅に延び、多くの人が社会の中で充実した生活を送っていると動画内で強調されています。
動画では、エドワーズ症候群とパトー症候群についても触れられています。これらは、それぞれ18番染色体と13番染色体が3本ある状態で、ダウン症に比べて重度の障害を伴うことが多く、生存率も低いと説明されています。
特に、エドワーズ症候群やパトー症候群では、多くの場合、生後1年以内に亡くなることが多いと動画内で説明されています。ただし、医療の進歩により、以前よりも長期生存する例も増えてきていると付け加えられています。
動画では、NIPT検査で検出できる主要な3つの染色体異常以外にも、様々な染色体異常が存在することが説明されています。例えば、性染色体(XとY)の数の異常や、染色体の一部が欠損または重複する「微細欠失・重複症候群」などがあります。
これらの染色体異常の中には、NIPT検査では検出が難しいものもあり、羊水検査などのより詳細な検査が必要になる場合があると説明されています。また、すべての染色体異常や先天性疾患が検査で検出できるわけではないという限界についても言及されています。
動画では、NIPT検査や羊水検査を受けるかどうかの判断基準についても詳しく解説されています。専門医は「検査を受けるかどうかは個人の価値観や家族の状況によって異なる」と強調しており、一律に「受けるべき」「受けるべきでない」と言えるものではないと説明しています。
検査を検討する際の考慮点として、動画内では以下のような点が挙げられています:
動画内では、「検査を受ける前に、パートナーとよく話し合い、必要に応じて遺伝カウンセリングを受けることが重要」と強調されています。また、「検査を受けない選択肢」も尊重されるべきであり、それぞれの家族が自分たちにとって最適な選択をすることが大切だと説明されています。
動画の内容をまとめると、NIPT検査と羊水検査はそれぞれ異なる特徴と役割を持っています。NIPT検査は非侵襲的で安全性が高く、主要な染色体異常を高い精度で検出できるスクリーニング検査です。一方、羊水検査は侵襲的で流産のリスクがありますが、より詳細で確定的な診断が可能な検査です。
動画内で専門医が強調しているように、どちらの検査を選択するか、あるいは検査自体を受けるかどうかは、個人の価値観や家族の状況によって異なります。重要なのは、検査の意義や限界、結果の解釈などについて十分な情報を得た上で、自分自身にとって最適な選択をすることです。
また、検査結果を受け取った後の選択肢についても事前に考えておくことが大切です。NIPT検査で陽性結果が出た場合、次のステップとして羊水検査を受けるのか、あるいは羊水検査のリスクを避けて妊娠を継続するのか、また羊水検査で染色体異常が確定した場合にどうするのかなど、事前にパートナーと話し合っておくことが推奨されています。
最後に、動画では「検査を受けるかどうかに正解はない」と強調されています。それぞれの家族が自分たちの状況や価値観に基づいて、十分な情報を得た上で自己決定することが最も重要だと説明されています。また、どのような選択をした場合でも、医療者や社会からのサポートが得られることも付け加えられています。
この動画は、NIPT検査と羊水検査について考える妊婦さんやそのパートナーにとって、非常に参考になる情報を提供しています。検査を検討している方は、この動画の情報を参考にしつつ、担当医師や遺伝カウンセラーに相談することをお勧めします。
Copyright (c) NIPT Hiro Clinic All Rights Reserved.