「学校に行きたくない」は甘えじゃない。不登校の原因に潜む「遺伝子」と「環境」の真実【YouTube解説】

こんにちは。未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。

NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情論ではなく「データ」を元に分かりやすくお届けするコラムへようこそ。

「うちの子、学校に行けるかな?」

「最近、朝になるとお腹が痛いって言うことが多い……」

そんな不安を抱えている親御さんは、決してあなただけではありません。

文部科学省の最新の調査(令和6年度)によると、不登校の児童生徒数は過去最多を更新し、中学生では15人に1人、小学生でも43人に1人が不登校という衝撃的な数字が出ています。

もはや、クラスに1人や2人は不登校の子がいるのが当たり前の時代なのです。

では、なぜこれほどまでに不登校が増えているのでしょうか?

「本人の根性がないから」「親が甘やかしているから」

いいえ、違います。

最新の医学的知見では、不登校の原因には、子どもの性格や育て方だけでなく、生まれ持った**「遺伝子的な傾向(脳の特性)」と「環境とのミスマッチ」**が深く関わっていることが分かってきています。

本日は、不登校の背景にある「遺伝子」と「環境」という2つの力について、医学的な視点から紐解き、お子さんが笑顔で過ごすためのヒントを探っていきます。


1. 「頑張ってもできない」の正体。遺伝子レベルの“なりやすさ”

「みんなができていることが、自分にはできない」

学校という集団生活の中で、そんな挫折感を繰り返し味わい続けるとしたらどうでしょう。学校に行くのが怖くなるのは、ある意味で当然の反応です。

実は、不登校につながりやすい背景には、生まれつきの脳の特性が関係している場合があります。代表的な3つの特性について解説します。

① 見過ごされやすい「境界知能」

知的障害(IQ70未満)とは診断されませんが、IQがおおよそ70〜85の範囲にある状態を「境界知能」と呼びます。

人口の約14%(クラスに数人)程度存在すると言われていますが、見た目では全く分からないため、「勉強が苦手な子」「やる気のない子」と誤解されがちです。

  • 学校でのつまずき:授業のスピードについていけない、黒板を写すのが間に合わない、複雑な指示が理解できない。
  • 心理的影響:「何度やってもできない」という無力感が積み重なり、自信を喪失してしまいます。

② 叱られ続ける「ADHD(注意欠如・多動症)」

集中力が続かない、じっとしていられない、衝動的に動いてしまうといった特性です。

  • 学校でのつまずき:授業中に立ち歩いてしまう、忘れ物が多い、友達との距離感がうまく掴めずトラブルになる。
  • 心理的影響:先生や親から日常的に「ちゃんとしなさい」「また忘れたの?」と叱られ続けることで、自己肯定感が極端に下がってしまいます。

③ 集団が苦痛な「ASD(自閉スペクトラム症)」

コミュニケーションの独特さや、強いこだわりを持つ特性です。

  • 学校でのつまずき:空気が読めないと言われる、急な予定変更にパニックになる、感覚過敏(音や光が苦手)で教室にいるだけで疲れる。
  • 心理的影響:集団の中で孤立しやすく、いじめのターゲットにされるリスクもあります。「みんなと同じ」を求められる学校生活そのものが、大きなストレスになります。

これらは決して「病気」ではありません。あくまで脳の機能的な「個性(特性)」です。

しかし、現在の日本の学校システム(一斉授業、集団行動重視)においては、これらの特性が「生きづらさ」に直結しやすく、結果として不登校という形でSOSが現れるのです。


2. 環境が変われば、子どもは変わる。「予防力」を高める工夫

「遺伝子で決まっているなら、もうどうしようもないの?」

そう絶望する必要はありません。むしろ、ここからが重要です。

特性(遺伝子)そのものは変えられませんが、**「どんな環境で過ごすか」**によって、子どものストレスや不登校のリスクは劇的に変えることができるからです。

それぞれの特性に合った「安心できる環境」とはどのようなものでしょうか。

境界知能の子には「ゆっくり、丁寧に」

彼らに必要なのは、スピードではありません。「わかった!」という成功体験です。

  • 学習:習熟度別のクラスや、個別の学習支援を利用する。
  • 家庭:「テストの点数」ではなく「昨日よりできたこと」を褒める。
  • 工夫:言葉だけの指示ではなく、図や絵を使って視覚的に説明する。

ADHDの子には「動ける自由」を

じっとしているのが苦痛な子に「座れ」と命じるのは拷問と同じです。

  • 学校:授業中に少し立ったり、クールダウンのために教室を出たりすることを許可する(合理的配慮)。
  • 家庭:細かいルールで縛らず、エネルギーを発散できる場所を用意する。
  • 工夫:忘れ物は「本人の努力」でなく「仕組み(チェックリストなど)」でカバーする。

ASDの子には「見通しと安心」を

彼らにとって「想定外」は恐怖です。

  • 学校:1日のスケジュールを黒板に書いておく、席替えなどの変更は事前に伝える。
  • 家庭:静かに一人になれるスペース(避難場所)を作る。
  • 工夫:曖昧な表現(「ちゃんとして」「適当に」)を避け、具体的で明確な言葉で伝える。

このように、「普通」の枠に当てはめるのではなく、その子の特性に合わせた「オーダーメイドの環境」を用意してあげることが、不登校の予防、あるいは回復への一番の近道になります。


3. 「学校」だけが正解じゃない。多様な選択肢という希望

それでも、どうしても学校が合わないお子さんもいます。

そんな時、親御さんに持っていてほしい視点があります。

それは、**「学校に行くことだけが、社会とつながる道ではない」**ということです。

かつての日本では、丁稚奉公や職人の世界など、学校教育以外にも子どもが育ち、技術を身につけるルートがありました。

現代においても、選択肢は広がっています。

  • 通信制高校・サポート校:自分のペースで学習し、高卒資格を取得できます。
  • フリースクール:学校のような一斉指導ではなく、個性を尊重したカリキュラムで学べます。
  • インターネット上の居場所:オンラインでの学習支援や、趣味のコミュニティで社会性を育むことも可能です。
  • 特技を伸ばす道:プログラミング、アート、eスポーツなど、得意な分野に特化した環境を選ぶ。

「学校に行けない=人生の終わり」ではありません。

むしろ、その子にとって苦痛な環境から脱出し、才能を開花させるための「新しいルート」を見つけたのだと捉え直してみてください。

親御さんが「学校に行かせなきゃ」という呪縛から解放され、「この子が笑顔でいられる場所ならどこでもいい」と腹を括れたとき、子どもは初めて本当の意味で安心し、次のステップへと動き出すエネルギーを溜めることができるのです。


本日のまとめ

今日は、不登校の原因について、遺伝子と環境の両面から解説しました。

最後に、大切なポイントを振り返りましょう。

1. 不登校の背景には「脳の特性」がある

「怠け」や「甘え」ではなく、境界知能、ADHD、ASDといった生まれ持った特性が、学校生活でのつまずき(学びにくさ、集団生活の苦痛)の原因になっていることが多いです。

2. 環境調整が最大の特効薬

特性は変えられませんが、環境は変えられます。焦らせない、座り続けさせない、見通しを持たせるなど、その子に合った配慮(合理的配慮)をすることで、ストレスは大幅に軽減されます。

3. 学校以外の選択肢を知る

学校だけが全てではありません。フリースクールや通信制など、お子さんが安心して自分らしくいられる場所(居場所)を見つけることが、何より大切です。

「どうしてうちの子だけ……」と悩む親御さんへ。

お子さんは、決して「弱い子」ではありません。合わない環境の中で、これまで必死に頑張ってきた「強い子」です。

まずはその頑張りを認め、「辛かったね」と受け止めてあげてください。

そして、一緒にその子だけの「正解の場所」を探していきましょう。

これからも、未来のあなたと赤ちゃん、そして成長していくお子さんが笑顔で過ごせるよう、医学的な情報でお手伝いさせていただきます。