ダウン症とロバートソン転座の遺伝学 – 染色体異常の仕組みを専門家が分かりやすく解説【YouTube動画解説】

こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にするおかひろしです
このチャンネルでは、NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情でなくデータを元に分かりやすくお届けしていきます。

「NIPTを受ければ、赤ちゃんに障害があるか全部わかるんですか?」
実はこれ、妊婦さんからよく聞かれる質問なんです。

でも結論から言うと全部は分かりません。

最悪なのは、『何でもわかる』と思い込んで安心してしまい、出生後に聞いてなかったとショックを受けるケース。

出生前診断は、安心材料のひとつでしかありません。
何がわかって、何がわからないのかを正しく知って、後悔しない選択をしていただきたいと思います。」

今日は、NIPTでわかること、わからないことを、包み隠さずお話しします。

まずあなたが今感じている不安はですね、決して不自然なものではないんですね。
今後数十年間人生をともにするお子さんを授かったということは大きな人生の転機になることと思います。
その大事な転機で、想定外のことが起こってしまったら今後のライフプランが思い描いていたものとは全く違うものになってしまうかもしれません。
今不安なことは、それだけ授かったお子さんや、パートナー、そしてあなた自身を大切に思っているという証拠なんです。

そして、このチャンネルでは「後悔のない判断は、正しい知識から」という立場から多くの発信者が言いたがらないデータについても正直に発信していきます。

NIPTで分かる障害、分からない障害

NIPTとは?まず整理します

  • 母体血液から胎児の染色体の一部情報を検出
  • 原則「無侵襲」で妊娠10週〜可能
  • 精度は高いが確定診断ではない

NIPTで分かる染色体異常の種類についてお話しします

主な例
性染色体の異数性:

  • ダウン症候群(21番染色体トリソミー): 通常は21番染色体の3つのコピーがある状態
  • 一番検出精度が高い、染色体が1本多い状態(21番染色体)
  • エドワーズ症候群(18番染色体トリソミー): 通常は18番染色体の3つのコピーがある状態
  • 重度の先天異常を伴うことが多い、多くは胎内・出生後早期に死亡
  • パトウ症候群(13番染色体トリソミー): 通常は13番染色体の3つのコピーがある状態
  • 重度の脳や心臓の奇形、合併症多い、生命予後は厳しいが、検出率は比較的低め

NIPTで分かる性染色体異常について

  • クラインフェルター症候群(XXY)
  • 男性に多い。不妊、軽度知的障害あり        
  • ターナー症候群(XO)
  • 女性のみ。低身長、性成熟の遅れ        
  • XXX症候群/XYY症候群多くは無症状か軽度、診断されにくい

微小欠失症候群について
ヒロクリニックでは調べられます。

  • ディ・ジョージ症候群(22q11.2欠失)
  • 心疾患・免疫障害・知的発達遅延など
  • 1p36欠失症候群
  • 精神遅滞、てんかん、心疾患など
  • 4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)
  • 成長・知的障害、てんかん
  • スミス・マギニス症候群
  • 睡眠障害、行動異常、知的障害など

わからない障害について
例:自閉スペクトラム症(ASD)、知的障害、、小さな奇形など染色体異常ではないものはNIPTでは検出されない → だからこそ、「異常なし」=「健康確定」ではない

陽性の意味とは

陽性=確定」ではなく、羊水検査などの確定診断が必要
陽性的中率:年齢や疾患で異なる(例:ダウン症は高齢出産ほど的中率高い)

わかることわからないこと
ダウン症自閉症
エドワード症候群知的障害
ぱとー症候群心疾患
小さな奇形
△✖
常染色体の異数性ダウン症候群(21番染色体トリソミー)自閉スペクトラム症(ASD)
エドワーズ症候群(18番染色体トリソミー)知的障害
パトウ症候群(13番染色体トリソミー)小さな奇形など
染色体異常クラインフェルター症候群XXX症候群/XYY症候群多くは無症状か軽度
ターナー症候群(XO)
微小欠失症候群ディ・ジョージ症候群(22q11.2欠失)
1p36欠失症候群
4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)
スミス・マギニス症候群

今日はNIPTでわかること、わからないことについてお話しさせていただきました。

  • NIPTとは何か?
  • NIPTで分かる染色体異常の種類について
  • NIPTで分かる性染色体異常について
  • 微小欠失症候群について
  • わからない障害について
  • 陽性の意味とは