口唇裂とは?妊娠初期の形態異常スクリーニング検査とNIPTの重要性【YouTube動画解説】

こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする「おかひろし」です。

妊娠中、赤ちゃんの成長を楽しみにする一方で、「もし、生まれてくる子に障害があったらどうしよう」という不安を感じることは、親としてとても自然な感情です。

特に、お顔の外見に関わる**「口唇裂(こうしんれつ)」**は、多くのご両親が心配される疾患の一つです。

「エコーで見つかるの?」「どんな影響があるの?」「治るの?」

今回は、口唇裂の基礎知識から、妊娠中に見逃さないための具体的な検査方法、そしてヒロクリニックだからできる高度な遺伝子検査について解説します。


1. そもそも「口唇裂」とは? 確率と影響

口唇裂とは、お母さんのお腹の中で赤ちゃんの顔が作られる過程(妊娠4〜6週頃)で、唇の一部がうまくくっつかず、裂け目が残ってしまう先天異常です。

「珍しい病気」と思われがちですが、日本では約500人に1人(口唇裂・口蓋裂合わせて)の割合で発生すると言われており、決して稀なことではありません。

生活への影響は?

もし口唇裂を持って生まれた場合、主に以下の3つの課題が生じることがあります。

  1. 授乳の問題:唇の裂け目から空気が漏れ、おっぱいを吸う力が弱くなることがあります(専用の哺乳瓶などで対応可能です)。
  2. 発音の影響:「パ・マ」などの唇を使う発音が難しくなることがあります。
  3. 見た目(審美面):お顔のバランスや形に影響が出ます。

しかし、ご安心ください。現代の形成外科医療は非常に進歩しており、手術によって見た目も機能も劇的に改善することが可能です。

生後3ヶ月〜1歳頃に最初の手術を行い、成長に合わせて治療を重ねることで、傷跡も目立たなくなり、他の子と同じように生活できるようになります。

2. 妊娠中に見つけるには? 「エコー検査」の限界とコツ

では、生まれる前に見つけるにはどうすれば良いのでしょうか?

最も一般的な方法は、妊婦健診で行う**「超音波(エコー)検査」**です。

形態異常スクリーニング(妊娠18〜24週頃)

この時期に、赤ちゃんの顔の形を詳しくチェックします。特に3Dエコーや4Dエコーを使用すると、お顔の凹凸が立体的に見えるため、唇の裂け目を鮮明に確認しやすくなります。

エコー検査の「見逃し」に注意

ただし、エコー検査は万能ではありません。

  • 赤ちゃんが後ろを向いている
  • 手で顔を隠している
  • 羊水の量が少ない
  • 母体の皮下脂肪が厚い

このような条件が重なると、熟練した医師でも発見が難しいことがあります。「一度の検査で異常なしと言われたから安心」とは言い切れないのが現実です。

見逃しを防ぐためには、時期を変えて複数回検査を受けることや、より高性能な機器を持つ施設で精密検査を受けることが推奨されます。


3. 「NIPT」でリスクを知る。ヒロクリニックだけの強み

エコー検査は「形」を見る検査ですが、実は口唇裂の背景には**「染色体の異常」**が隠れていることがあります。

例えば、13トリソミー(パトウ症候群)や18トリソミー(エドワーズ症候群)などの染色体疾患では、合併症の一つとして口唇裂が現れる確率が高くなります。

ここで役立つのが、お母さんの血液だけで調べられる**NIPT(新型出生前診断)**です。

口唇裂に関連する「56種類」の遺伝子疾患をチェック

通常のNIPTでは、21・18・13トリソミーの3種類しか調べない施設がほとんどです。

しかし、口唇裂の原因はそれだけではありません。

ヒロクリニックでは、より細かい遺伝子の欠失(微小欠失症候群)まで網羅した検査を行っています。

当院が検査可能な**「116種類の微小欠失症候群」のうち、なんと56種類が口唇裂・口蓋裂に関連する疾患**です。

【例えばこんな病気も分かります】

  • 22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群:心臓疾患や免疫異常に加え、口蓋裂を伴うことが多い代表的な疾患です。

これらの疾患を早期に見つけることは、単に「口唇裂があるか」を知るだけでなく、生まれてすぐの心臓手術の準備や、療育の計画を立てるために非常に重要な情報となります。

まとめ:早期発見は、赤ちゃんの未来へのプレゼント

今回のポイントをまとめます。

  1. 口唇裂は治せる:決して珍しい病気ではなく、手術で綺麗に治すことができます。
  2. エコー検査の重要性:妊娠中期(18〜24週)のスクリーニング検査、特に3D/4Dエコーが発見のカギです。
  3. 遺伝子リスクの把握:NIPTを活用することで、口唇裂の背景にある染色体異常微小欠失症候群のリスクまで詳しく調べることができます。

「知るのが怖い」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、事前に分かっていれば、口唇裂治療の実績がある病院を選んで出産したり、専門医と早めに相談したりと、**赤ちゃんを迎えるための「最高の準備」**を整えることができます。

ヒロクリニックでは、エコーでは分からない遺伝的リスクまで含めて、あなたと赤ちゃんの未来をサポートします。不安なことがあれば、いつでもご相談ください。