18トリソミー(エドワーズ症候群)とは?特徴や起こり得る症状、治療法や予後について【医師監修】

エドワーズ症候群(18トリソミー)の特徴や起こり得る症状、治療法や予後

【医師監修】18トリソミー(エドワーズ症候群)の原因と症状・検査方法を詳しく解説/診断後の家族の心の持ち方や準備についても見ていきます。

ダウン症の検査
気になる費用はこちら

ダウン症の検査
気になる費用はこちら

新生児3,500~8,500人に1人の割合で発症すると言われる18トリソミー。

その症状や原因、検査方法、予後について詳しく解説していきます。

多くの合併症を患う場合が多く、自然流産や早期に亡くなってしまうケースが多いですが、NIPT(新型出生前診断)などの検査により早期に発見することで、出生後の治療やサポートを積極的に行うことが可能です。

18トリソミー(エドワーズ症候群)とは?

13トリソミー(パトウ症候群)とは?【医師監修】
13トリソミー(パトウ症候群)とは?【医師監修】
13トリソミーはパトウ症候群ともいい、5,000人〜12,000人に1人の割合で生まれる可能性のある先天的な染色体異常症です。...

人の体内には23の染色体があり、いずれも通常2本ずつペアになっています。

これが何らかの原因により、1本多い3本となる状態をトリソミーと呼び、さまざまな症状につながると考えられています。

よく知られた所では、21トリソミー(ダウン症)や13トリソミー(パトウ症候群)があります。

18トリソミーは、18番目の染色体が1本多い染色体疾患です。

1960年、イギリスのJ.H. Edwardsらにより報告されたことから『エドワーズ症候群』と呼ばれます。

受精しても出産まで至らないケースが多く、出生後もほとんどが1週間以内に亡くなり、生後1年まで生存する割合は10%未満と深刻な疾患ですが、10歳、20歳を過ぎても元気に過ごされている方もいます。

発生頻度と性別

現在、18トリソミー(エドワーズ症候群)の発生頻度は、出生児3,500~8,500人に1人、性別比は女児の方が多く、男:女=1:3であることが分かっています。

原因

18番目の染色体が1本多くなる原因として、『減数分裂』『体細胞分裂』の失敗が考えられます。

人の細胞は父親由来の23本、母親由来23本の計46本の染色体で構成されていますが、受精前に精子・卵子のもととなる細胞がそれぞれ染色体を23本1セットに数を減らしながら分裂していく事を『減数分裂』といいます。

この『減数分裂』が上手く行かず、18番目の染色体が分かれずに2本一緒に卵子、または精子に入ってしまう場合を『染色体不分離』と言い、それらが受精すると18トリソミーの状態となります。

『染色体不分離』は母親の加齢と関わりがあると考えられ、2015年の理化学研究所の研究藤田保健衛生大学の研究によると、加齢により正常な染色体の状態を維持するための因子が減少するためである可能性があることが分かっています。

下記は母親の出産年齢と18トリソミー、21トリソミーの発生率の関係を示した表です。

母体年齢 (出産時)18トリソミー発生率21トリソミー発生率
20歳1/100001/1441
25歳1/83001/1383
30歳1/72001/959
35歳1/36001/338
36歳1/27001/259
37歳1/20001/201
38歳1/15001/162
39歳1/10001/113
40歳1/7401/84
41歳1/5301/69
42歳1/4001/52
43歳1/3101/37
44歳1/2501/38
出展:昭和大学医学部産婦人科学講座「母体年齢と出生児の染色体疾患の発生率」

『減数分裂』の失敗が原因となる18番トリソミーは標準型と呼ばれ、罹患者の約95%を占めます。

受精後の体細胞分裂が正しく行われなかった場合に発生する18番トリソミーは『モザイク型』と言い、病状が軽症となる傾向があります。

特徴・症状

18トリソミーでは、下記のような身体的特徴、先天的疾患・合併症が多く見られます。

心室中隔欠損、心房中隔欠損、動脈管狭窄などの心疾患は90%の患者で発生しており、予後に大きく影響するため、早期の発見と治療が重要となります。

身体的特徴起こりやすい疾患・合併症
揺り椅子状の足底
あごが小さい
後頭部の突出
手指の重なり
胸骨が短い耳の位置が低い
口唇口蓋裂      など
先天性心疾患
精神遅滞
肺高血圧
呼吸器系疾患(横隔膜弛緩症・上気道閉塞など)
消化器系疾患(食道閉鎖・胃食道逆流など)
難聴悪性腫瘍(Wilms腫瘍,肝芽腫)       など
クラインフェルター症候群(47,XXY)とは?【医師監修】
クラインフェルター症候群(47,XXY)とは?【医師監修】
クラインフェルター症候群(klinefelter syndrome)は、男児にみられる先天異常です。具体的には、性染色体であるX染色体の過剰...

18トリソミー(エドワーズ症候群)の検査方法は?

18トリソミーの検査は、超音波(エコー)検査、NIPT(新型出生前診断)などにより行います。

これらの検査で、赤ちゃんに下記のような形態異常や染色体異常が認められた場合、さらに羊水穿刺や絨毛採取を行い18番染色体の数を調べ、確定診断をします。

18トリソミーが疑われる状態
胎児発育不全
羊水過多
小脳の大きさが小さい(小脳低形成)
手首や足首の形態異常
単一臍帯動脈
(通常2本あるべき胎児から胎盤に血液を送る動脈が1本しかない状態)
脈絡叢嚢胞
(脳室の内壁にある脈絡叢という器官の中に見える小のう胞で、26週前後で多くが消失する)心臓の異常 など

胎児の性別は10週目でわかる

NIPT(新型出生前検査)でわかる疾患
NIPT(新型出生前検査)でわかる疾患
ヒロクリニックのNIPTは、胎児の染色体の数の異常の他、全常染色体全領域部分欠失疾患や全常染色体全領域部分重複疾患といった染色体の構造異常の...

18トリソミー(エドワーズ症候群)とNIPT(新型出生前診断)

羊水検査や絨毛検査を行う前の段階で、赤ちゃんの異常を発見するために用いられる検査の一つがNIPT(新型出生前診断)です。

お母さんからの採血により、血液中の胎児のDNAを調べることで異常を発見します。

NIPT(新型出生前診断)は羊水検査や絨毛検査のような、流産などの胎児への影響なく、妊婦さんの身体的負担・リスクの少ない血液検査のみで行えるため、受検を検討される方も多いようです。

しかし身体的リスクが少ないからといって、決して気軽に受けられる検査ではありません。NIPT(新型出生前診断)を希望される方は下記をしっかりとお読みになり、ご家族で理解をされたうえで受けてください。

赤ちゃんにとって、ご家族にとって、最も重要なことです。

NIPT(新型出生前診断)は『非確定的検査』です

NIPT(新型出生前診断)は、従来の母体血清マーカーや超音波検査と比較し精度が高い点がメリットですが、一方で母親の年齢が高いほど陽性的中率が上がり、年齢が低いほど的中率が下がるなど、100%正しい結果が得られるというものではありません。

あくまで『非確定的検査』であり、陽性の判定が出たからといって、必ず遺伝子異常があるというわけではありません。

正確な診断は、羊水検査や絨毛検査などの確定的検査により初めて行われます。

カウンセリングが可能な信頼できる施設を選ぶ

検査が比較的容易に行えることから、近年NIPT(新型出生前診断)を扱うクリニックは増加傾向にあります。

それに伴い、内容の説明も不十分なまま受検されるお母さんも増えています。

生まれてくる赤ちゃんのおよそ3%に何らかの先天性異常が発生すると言われます。

思いもよらない治療の難しい疾患が見つかる可能性もあります。

検査の目的や内容、非確定的検査であることを理解しないまま受検し、陽性の結果を受け、混乱・憔悴し、以降の判断が冷静にできなくなってしまうご家族もいらっしゃいます。

NIPT(新型出生前診断)とは、赤ちゃんに異常が見つかった場合、出産後ご家族でどのように迎え入れるか、またどこの病院で適切な治療・サポートを受けられるかなど、計画を事前に立てて準備するためのものです。

決して赤ちゃんの命を淘汰するためのものではありません。

NIPT(新型出生前診断)を検討される方は、しっかりとした知識・経験を持ち、事前にカウンセリングが可能なクリニックを選びましょう。

ヒロクリニックNIPTでは認定遺伝カウンセラーと連携しておりますので、より専門的なカウンセリングも対応可能です。

また、診断後も赤ちゃんへの迅速なケア、治療ができる小児科専門医の在籍するクリニックや、お母さんやご家族の精神面でのサポートが可能な精神科医・カウンセラーと密に連携がとれるクリニックを事前に調べておくのも重要なことです。

【参考文献】

【医師監修】18トリソミー(エドワーズ症候群)の原因と症状・検査方法を詳しく解説/診断後の家族の心の持ち方や準備についても見ていきます。

NIPTについて詳しく見る

NIPTについて詳しく見る

記事の監修者

水田 俊先生

水田 俊先生

ヒロクリニック岡山駅前院 院長
日本小児科学会専門医

小児科医として30年近く岡山県の地域医療に従事。
現在は小児科医としての経験を活かしてヒロクリニック岡山駅前院の院長として地域のNIPTの啓蒙に努めている。

略歴

1988年 川崎医科大学卒業
1990年 川崎医科大学 小児科学 臨床助手
1992年 岡山大学附属病院 小児神経科
1993年 井原市立井原市民病院 第一小児科医長
1996年 水田小児科医院

資格

小児科専門医

プロフィールページはこちら

関連記事

  1. XYY症候群(ヤコブ症候群)
  2. 先天性疾患とは?

    先天性疾患とは?【医師監修】

    2021.07.27

    • NIPT(新型出生前診断)

    • ダウン症(21トリソミー)

    • 不安

    • 出生前診断

    • 遺伝子疾患

    • 遺伝子

  3. ダウン症は遺伝するのか

    ダウン症は遺伝するのか?【医師監修】

    2021.06.04

    • ダウン症(21トリソミー)

  4. ダウン症(21トリソミー)

    ダウン症(21トリソミー)の特徴や検査方…

    2021.04.14

    • NIPT(新型出生前診断)

    • ダウン症(21トリソミー)

    • 羊水検査

  5. ネフロン癆(Nephronophthisis) 1 型(欠失2q13)

    ネフロン癆(Nephronophthis…

    2020.08.28

    • 全常染色体全領域部分欠失疾患

    • ダウン症(21トリソミー)

  6. グレイグ尖頭多合指症候群 (GCPS)

    グレイグ尖頭多合指症候群 (GCPS)は…

    2020.08.18

    • 全常染色体全領域部分欠失疾患

    • 遺伝子疾患

人気の記事

  1. 妊娠かな?と思ったら確認すべきこと
  2. 胎児の成長の画像 
  3. 妊娠中に食べた方が良いもの
PAGE TOP