ダウン症のある方たちの生活実態

ダウン症の生活実態

現在日本ではダウン症の方は約8万人、700人に1人の発症率といわれています。 実際合併症などの健康面は?どういった教育を受けられるのか?仕事など生活面ではどのように対応しているのか?など疑問または不安に感じている方も少なくありません。

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胎児の性別は10週目でわかる

染色体異常についてよく知らない人でも、ダウン症という言葉を聞いたことがある人も多いはず。自分の子どもがダウン症と分かったとき、どのような印象を受けるでしょうか?ダウン症の見た目の特徴を知っている人でも、そのほかの特徴についてよく知らない人が多くいます。

この記事ではダウン症の特徴や病気を取り巻く社会環境について紹介します。これからNIPT(新型出生前診断)を受けようと考えている人は、参考にしてみてください。

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染色体異常で最も多くを占めるのがダウン症

近年、日本でも出産の早い段階で胎児のNIPT(新型出生前診断)が行われるようになりました。現時点で、日本では倫理的な観点から、NIPT(新型出生前診断)はできる妊婦には条件があり、検査で分かるのは3つの染色体異常に限定しています。

この3つの染色体異常に含まれているのが、ダウン症です。特に、染色体異常による病気のなかでも、ダウン症が53%を占めるという報告もあります。

採血だけで済むNIPT(新型出生前診断)はその手軽さから、検査を受ける人が増えています。その一方で、NIPT(新型出生前診断)を通して、胎児にダウン症など染色体異常の可能性が分かると、人工妊娠中絶を選ぶ人も少なくありません。

NIPT(新型出生前診断)の統計によれば、以下のような結果になりました。

高齢出産を控える女性を中心に7740人にNIPT(新型出生前診断)を実施。検査では142人が陽性となり、うち126人が精密検査を実施。

精密検査を受けた人のうち、染色体異常が判明したのは113人で、うち69人はダウン症が判明。その後110人が人工妊娠中絶を選んだ。

胎児が病気であると分かったとき、不安や怒りなどさまざまな感情に襲われるものです。胎児がダウン症の可能性があるなど、NIPT(新型出生前診断)を通して大きな決断をしなければいけないとき、どのような病気であるか、また子どもにどのような未来が待っているのかを知ることが大切です。

そもそもダウン症とはどんな病気なのか?

ダウン症は染色体数の異常によって起こる先天性の病気です。染色体は23対あり、ダウン症は21番目の染色体が1つ多いことから、21トリソミーといわれています。

ダウン症の特徴

ダウン症は、成長の障害、筋肉の緊張の低下、特徴的な顔つきがみられます。また、ダウン症になると、心臓の奇形や消化管の奇形、耳や鼻、目などの病気を合併することも。

 ひと昔前までは、ダウン症を抱えている人は寿命が短いといわれていました。しかし、近年になり、医療技術や健康管理が発達したことで、ダウン症を抱えていても長い人生を生きられるようになりました(50~60歳くらい)。

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ダウン症と高齢出産の関係

ダウン症と出産時年齢には関係があり、35歳以上の出産では、ダウン症児が生まれる可能性が急激に高くなることが明らかになっています。現代の日本では晩婚化により、高齢出産が増えています。

そのため、胎児のダウン症であると分かったときに、自分自身を責めてしまうことが少なくありません。

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ダウン症の人の健康面

ダウン症の方について気を付けなければならない点として合併症があります。以前は平均寿命が20歳前後といわれていましたが、現在は医療技術の発展により合併症などの治療効果が上がったため50歳以上となっておりこれからも寿命が延びる傾向にあるといわれています。

乳幼児期からの早期発見で重症化を防ぐこともできるため、定期検診が必要とされます。どのような症状が見られるか年齢ごとに見ていきましょう。

乳幼児

内臓

ダウン症の合併症で最も多いのが先天性心疾患(房室中隔欠損など)で約40~50%の人に発症します。その他には肺高血圧や十二指腸閉鎖、食道閉鎖があります。

聴覚

外耳道が狭いため中耳炎になりやすく約40~80%に片耳または両耳の難聴がみられることがありますが、成長とともに改善することも多いです。

視覚

約60%に先天性白内障、屈折異常(乱視・近視・遠視)、眼振、内皮(まつげが眼球にあたる)、外皮(まぶたが外側に反転してめくれあがる)などがみられます。

難聴は言語発達や精神発達、視力の低下は視覚から脳への情報刺激にも大きく影響するため、早期から適切な処置や検診が必要となってきます。

また免疫力が低下するため風邪や肺炎になりやすいといわれていたり、ダウン症の特徴である筋力の低下により腹圧がかかりにくく慢性的な便秘になったり、舌の筋力も低下するため言語発達の遅れがみられます。

学童期

循環器

大食、偏食から肥満傾向になりやすいといわれており、そのため糖尿病や高尿酸血症などに移行する可能性が高くなります。

発達

個人差が大きいですが、運動能力、知能指数、社会性などは比較的ゆっくりといわれていますが適切な学校で支援をうけることで能力を引き出すことが可能です。

成人

内科

摂取水分量が少ないことや小児期から尿酸値が高く成人してから痛風になることがあります。また甲状腺機能の異常がみられ、機能低下では徐脈、便秘、異常な体重増加、むくみ、乾燥肌 機能亢進では頻脈、眼球突出、体重減少、下痢などがあります。

精神面

急激に社会的適応能力が低下し、今までできていたことが急にできなくなったり表情が乏しくなったりとうつ症状や適応障害がみられることがあります。原因は十分には解明されていませんが、社会に出て急に環境が変わったり、ダウン症の人はこだわりが強く頑固なため周りの理解が得られずストレスのためといわれています。

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ダウン症児を取り巻く環境

わが子がダウン症であると知ったときに、多くの親御さんが戸惑ってしまうものです。しかし、育児を通して不安や怒りなどの感情がわくなか、実感するのがわが子の可愛さです。個人差はありますが、ダウン症を抱えている人は、性格が明るく人なつっこい傾向があるともいわれています。

ダウン症を抱えている人の中には、何らかの才能を開花させて、スポーツや芸術面で活躍している人も多くいます。

ダウン症の人のための社会サポート

ダウン症の子どもの多くは、保育園の加配(先生の追加をすること)があります。また、療育のためのクラスを利用しながら、地元の学校の支援学級や普通学級、支援学校へ通います。

ダウン症の人は、知的障碍のある人に与えられる「療育手帳」や身体障碍者手帳を取得することがほとんどです。これらの福祉手帳を取得することで、公共交通機関やタクシーの運賃が割引になったり、税金の控除を受けられます。また、携帯電話の利用料、レジャー施設の入場料も割引になります。

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ダウン症の人の教育

教育を受けるにあたり、学童期には①特別支援学校と②特別支援学級の選択肢があります。それぞれ

特別支援学校

これまでの聾(ろう)学校・盲学校・養護学校が統合されたもので、視覚・聴覚・知的障害または肢体不自由者に対して学習上または生活上の困難を克服するために必要な教育を行い、自立して社会に参加できるための生きる力を培うことを目的としています。

学習面では普通学校の小学校から高等学校と同じように算数や国語、音楽や美術などの教科を受けられ、障害を克服したり能力を伸ばしたりのできるようなそれぞれの特性にあった工夫がされた教育を受けることができ、高等学校では農業や理学療法・クリーニングなど特性にあった専門の教科が受けられます。

また生活面では言語表現力や行動のコントロール・対人関係や状況対応力といったことも受けることができます。

特別支援学級

小学校から中学校に、知的障害や肢体不自由者など教育上特別な支援を必要とする児童・生徒のために置かれた学級のことです。以前は特殊学級とよばれていました。障害が重い場合は原則として特別支援学校に通っていましたが2013年に制度が改正され、通学先を決めることができるようになりました。

またダウン症の方がすべて知的障害というわけではなく、幼いころから体質に合った学習を取り組むことで改善する方もいます。普通学校に入学し、高校卒業後に大学や短大、専門学校への進学または大学院を目指す人もいます。実施している大学はまだ少ないですが、障害のある方たちのためのオープンカレッジを設立する大学も出始めたり、制度上は大学ではありませんが障害のある方のためのカレッジを設立する動きとなっています。

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ダウン症を持つ人の就職

厚生労働省の基準により重度の知的障害がある場合でも働くことができます。

ダウン症児を育てるうえで、子どもの将来について心配している人もいるでしょう。企業の中には、一定の枠を設けてダウン症を抱えている人を雇用する人もいます。

海外ではダウン症の人の『特徴』を生かしたカフェレストランを運営している国もあります。 日本でも、作業所や飲食店などで多くのダウン症の方が働いています。

ダウン症の程度により、仕事内容はさまざまですが、彼らの間違いをからかったり、クレームを出したりするお客はほとんどいません。病気や障がいを抱える人との違いをあえて見せ、一般社会の中で関わりを持っていくことが、理想の形といえるでしょう。

産業別にみると、

1位 製造業 25.9%
2位 卸売り、小売業 23.7%
3位 医療、福祉 21.9%
4位 サービス業 10.6%
厚生労働省 平成30年度障害者の職業紹介状況等

となっており、ダウン症の人はコツコツ行う作業が得意な人が多いため事務作業に就く方が多いとみられます。

また一般企業に務めるだけではなく、努力と訓練から才能が開花し、リズムや音楽・ダンスなど音楽家や芸術、スポーツなど様々な分野で活躍する方もいらっしゃいます。

また平均賃金は1か月あたり約11万7千円で、雇用状況ですが無期契約の正社員が18.4%、有期契約の正社員が1.4%、無期契約の正社員以外が40.9%、有期契約の正社員以外が39.1%となっています。

そして働くことをサポートする制度に「就労移行支援」と「就労継続支援」があります。

就労移行支援

一般企業への就職を目指すために必要なスキルなどを習得するためのサービスです。雇用契約がなく賃金は支払われませんが、職業スキルだけではなくコミュニケーションや働き続けるのに必要な知識や研修を職場実習で受けることができ、ハローワークや厚生労働省の許可を得た事業所の中から適した職場をみつけて調整してくれるサポートです。パソコンやビジネスマナー、履歴書の書き方なども習うことができ、個人にあった能力開発訓練を受けられます。65歳未満の身体障害、知的障害、精神疾患、難病のある方が対象で原則2年間受けることができます。

就労継続支援

一般企業への就職が困難な方へ働く機会を提供するサービスです。就労移行支援はスキルを磨く場、就労継続支援は働く場という違いがあり、A型・B型の2種類があります。

A型

雇用契約に基づいた勤務が可能である人が対象となります。給料をもらいながら同時に一般企業へ就職するための知識や能力を身に付けていくことができます。

B型

A型の仕事の内容が困難な人が対象となります。作業訓練などで生産活動を行い、出来たものに対して賃金が支払われます。訓練を積んで就労継続支援A型、就労移行支援を目指します。

就労定着支援

2018年4月から始まった制度で、障害のある方が長く就労できるためにサポートしてくれる制度です。同僚・上司とのコミュニケーション、体調管理、金銭管理など今までの生活ではなかった悩みについて対面で話し、問題解決や働きやすい環境を目指すためのアドバイスを受けられます。

しかし始まったばかりのサービスのため普及していない事業所も多く、どの自治体・事業所で受けられるか直接問い合わせる必要があります。

ダウン症であることを発信することも必要

子どもがダウン症を抱えている場合、なんとなく引け目を感じてしまう人は多いでしょう。これはダウン症児の育児環境が、十分に整備されていないことも原因といえます。社会環境を変えていくには、周囲の人にもっと病気について知ってもらうことが大切です。

ダウン症の人とかかわるイベント

アメリカの首都ニューヨークで生まれたダウン症の人のためのイベントに「バディウォーク」があります。ダウン症の人と一般の人がともに街中を行進し、ダウン症への理解や社会的な受容、平等への啓もうを行うものです。

日本でも東京でバディウォークが行われており、ダウン症のあるなしにかかわらず、すべての参加者にとって楽しめるイベントとなっています。

ダウン症の人とかかわるイベント

有名人のダウン症に関する発言

最近では、テレビだけでなくインターネットのサイトでも、有名人が生活に対して語る機会が多くみられるようになりました。

彼らの中には、兄弟にダウン症を抱えていることを自然に話している人も見かけます。また、インターネットのブログで、ダウン症児を抱える有名人の母親は、障碍者を取り巻く社会環境に意見することも。

このような有名人の言動には、賛否両論が集まります。一方で、ダウン症を抱える子どもや家族のことを発信することは、病気について知らない人が興味を持つきっかけにもなるのものです。

子どものダウン症について隠すのではなく、オープンにすることで、周囲の人の病気に対する認識は変化していきます。ダウン症を抱える親御さんのできる行動が小さなものだとしても、やがては社会を変えていく力の一部を担うといえるでしょう。

まとめ

ダウン症は、NIPT(新型出生前診断)の陽性で半分以上を占めるといわれる染色体異常です。ダウン症の名前を知っていても、イメ―ジが先行して実際の特徴を知られないままでいるのが現状です。NIPT(新型出生前診断)でダウン症が分かったとき、まずはどのような病気であるか知るようにしましょう。

発達には大きな個人差があります。他の人が合うから自分もということはなく、見学や体験するなど実際に目にして相性の合う適切な施設を選択されることをお勧めします。ダウン症の子どもを育てるときは、社会の一員として積極的にかかわっていく姿勢も大切です。国としては差別のない社会にするために同じ場でそれぞれの子供たちが授業内容を理解し、充実した時間を過ごし生きる力を身に付けるということを目的に取り組んでいますが、何かあったときの対処法などがおいついておらず不十分なのが現状です。1日でも早く差別、偏見のない暮らしやすい社会になることを願うばかりです。

現在日本ではダウン症の方は約8万人、700人に1人の発症率といわれています。 実際合併症などの健康面は?どういった教育を受けられるのか?仕事など生活面ではどのように対応しているのか?など疑問または不安に感じている方も少なくありません。

NIPTについて詳しく見る

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