妊娠中は、胎児の無事を日々気にかけながら過ごす方が多く、「赤ちゃんは元気かな?」という不安を少しでも軽くしたいと願う妊婦さんは少なくありません。そんな中、家庭で胎児の心音を聞くことができる「エンジェルサウンズ」というアイテムが注目を集めています。本記事では、エンジェルサウンズの使い方や効果、注意点をはじめ、NIPT(新型出生前診断)との違いや補完的な役割についても詳しく解説します。安心して妊娠期を過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
1. エンジェルサウンズとは?家庭で使える胎児用ドップラー
エンジェルサウンズ(AngelSounds)は、妊婦が自宅で胎児の心音を確認できる家庭用ドップラー装置です。もともとは医療機関で使用される胎児用超音波ドップラーを一般向けにアレンジした製品で、イヤホンやスピーカーを通して心音を聞くことができます。
1-1. 使用可能な時期
胎児の心音は一般的に妊娠12週頃から確認できるようになります。ただし、体型や胎児の位置によっては聞こえにくい場合もあり、妊娠16週以降の使用が推奨されることが多いです。
1-2. 音の聞こえ方
心音は「ドクドク」と規則的な音で、母体の心拍や腸音とは異なります。初めて使う際には、どれが胎児の心音なのかを見分けるのに時間がかかることもあります。
2. エンジェルサウンズのメリットと注意点
2-1. メリット
- 胎児の状態をリアルタイムで確認できる安心感
- パートナーや家族と心音を共有できることで絆が深まる
- 妊婦健診の間隔が長い時期にも心理的な支えとなる
2-2. 注意点
- 医療機器ではないため、異常の有無を診断することはできません
- 心音が聞こえないからといってすぐに異常とは限らない
- 頻繁な使用は超音波による熱作用の懸念もあり、使用時間や回数には注意が必要です
3. NIPTとの違いと補完的役割
3-1. NIPTとは何か
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、妊娠10週以降に母体から採血して胎児の染色体異常(ダウン症候群など)を高精度で検出する非侵襲的な出生前診断法です。
3-2. エンジェルサウンズとの違い
- 目的の違い:NIPTは染色体異常のスクリーニング、エンジェルサウンズは心音確認による安心感
- 使用時期:NIPTは妊娠10週以降の一度の検査、エンジェルサウンズは妊娠中期以降に繰り返し使用可能
3-3. 補完的な役割
NIPTで胎児の染色体に問題がないことが分かり、かつ日々の心音を確認することで、妊娠中の不安を多角的に軽減できます。両者を併用することで、医療的・心理的両面からのサポートが可能です。
4. 正しい使い方と聞き取りのコツ
4-1. 使用前の準備
- 清潔な状態で使用する
- 市販のジェルを使うと音が聞こえやすくなる
- 静かな環境でリラックスして臨む
4-2. 聞き取りやすい位置と姿勢
- 妊娠16〜28週頃はおへその少し下が狙い目
- 仰向けに寝て、軽くお腹にプローブを当てる
4-3. 注意点
- 無理に探そうとせず、数日間隔を空けて再挑戦を
- 心音を探すこと自体がストレスにならないよう心がける
5. エンジェルサウンズに対する医師の見解と使用のポイント
産婦人科医の多くは、「エンジェルサウンズを完全に否定するものではないが、安心を得るための補助的手段として活用してほしい」と述べています。以下のポイントを守ることで、より安全に利用できます:
- 医療機関での健診を優先する
- 異常が疑われる場合は、すぐに病院を受診する
- 家庭用機器に依存しすぎない
6. 家族との心音シェアがもたらす心理的効果
パートナーや兄姉、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に胎児の心音を聞くことで、家族全体が赤ちゃんの存在をよりリアルに感じ、愛着や結びつきが強くなります。特に、初めての妊娠で不安を抱える方にとって、家族の応援は大きな精神的支えとなります。
7. まとめ:不安な妊娠期に、安心をプラスする選択肢として
エンジェルサウンズは、胎児の健康状態を医学的に判断する機器ではありませんが、妊娠中の不安を和らげる心理的サポートとして大きな役割を果たします。適切な使用方法を守りながら、NIPTや定期健診とあわせて活用することで、より安心して妊娠期間を過ごすことができます。
妊婦さんが心穏やかに過ごせるよう、信頼できる情報と適切な判断をもとに、安心なマタニティライフを築いていきましょう。

