18トリソミー症候群とは?NIPT検査で分かる染色体異常の真実と家族の選択【YouTube動画解説】

18トリソミー症候群の原因とは?

次に18トリソミー症候群の原因について説明します。

18トリソミー症候群になる原因について説明

1. 減数分裂時の染色体不分離(nondisjunction)

  • 通常、卵子や精子は染色体を半分(23本)に分けますが、この過程で18番染色体が正しく分離されず、2本とも同じ配偶子に残ってしまう場合があります。
  • その卵子・精子と受精すると、第18染色体が3本となり、トリソミーが成立します減数分裂の誤りはランダムに起こり、親の行動や生活習慣が原因ではありません

2. 母体年齢との関係

  • 母親の高齢(特に35歳以上)での出産では、卵子の分裂時に染色体エラーが起こりやすくなることが知られています。
  • 18トリソミーのリスクも年齢とともにわずかに上昇します3. トリソミーのタイプ
  1. 標準型(フルトリソミー):すべての細胞に18トリソミーがある最も一般的なタイプ
    1. モザイク18トリソミーを持つ細胞と正常な細胞が混ざるタイプで、症状は比較的軽度なことがあります

    1. 転座型:18番染色体の一部が別の染色体にくっつく奇形で、このタイプのみ遺伝性があります。親がバランス型転座の保因者である場合、子に伝わる可能性があります

1歳までの生存確立は10%?

18トリソミー症候群の症状

  1. 身体特徴
  2. 先天性心疾患
    • 心室中隔欠損、大動脈管開存、心房中隔欠損など:約50〜85%の確率で発症
  3. 呼吸器系の問題
    • 肺高血圧、横隔膜弛緩、上気道閉塞、無呼吸発作など
  4. 消化器・腹部異常
    • 食道閉鎖、胃食道逆流、鎖肛、横隔膜ヘルニアなど
  5. 泌尿器・腎臓の問題
    • 馬蹄腎、水腎症、鼠径(そけい)ヘルニア、停留精巣など
  6. 筋骨格系と皮膚
    • 多指症・合指症・橈側欠損、関節拘縮、側弯症など
  7. 神経・感覚器
    • 小脳形成不全、けいれん、脊髄髄膜瘤、難聴など
  8. 眼科異常
    • 角膜混濁、屈折異常、白内障、緑内障、斜視など
  9. 顔面の奇形
    • 口唇裂・顔面裂を含む複数の先天奇形
  10. 悪性腫瘍リスク
    • ウィルムス腫瘍、肝芽腫などが報告あり

約70%は胎内で流産または死産し、生後1ヶ月以内に80%が亡くなる報告もあります

生後1年生存率は10%前後〜30%程度とされ、性や医療体制で差がある

医療やサポートが充実すれば、生後数年・10年以上生存する例も稀にあります

モザイクによる生存の長期化もある