やさしいまとめ
神経発達症(Neurodevelopmental Disorders:NDDs)は、自閉スペクトラム症、知的障害、てんかん、全般的発達遅延などを含み、遺伝的背景の解明が進んでいる分野です。近年は、エクソーム解析や全ゲノム解析、さらにはロングリード型シークエンシングといった網羅的手法が診断の第一選択肢として注目されています。
本稿では、NDDsにおける主要な変異タイプ(SNV、CNV、構造異常、モザイク、エピジェネティクス関連変化など)と、それらを検出するための技術的進展、ならびに臨床応用の動向について概観します。診断の有用性や限界、今後の展望についても触れています。
本内容は、現時点での医学的知見に基づくものであり、すべての症例に当てはまるものではありません。個別の判断には、遺伝専門医やカウンセラーによる評価が必要です。
概要|Overview
知的障害(ちてきしょうがい、Intellectual Disability:ID)、全般的発達遅延(ぜんぱんてきはったつちえん、Global Developmental Delay:GDD)、自閉スペクトラム症(じへいすぺくとらむしょう、Autism Spectrum Disorder:ASD)、てんかん(Epilepsy)などに代表される「神経発達症(しんけいはったつしょう、Neurodevelopmental Disorders:NDDs)」は、さまざまな遺伝的背景によって引き起こされることが多く、その構造は非常に複雑で多様です。そのため、症状の原因を明らかにするには、広い範囲の遺伝子を一度に調べる包括的な検査が必要になることがあります。
近年では、複数の信頼性の高いレビュー研究や統合的な解析(メタアナリシス)によって、従来使用されてきた染色体マイクロアレイ(クロモソーマル・マイクロアレイ、Chromosomal Microarray:CMA)や特定の遺伝子だけを調べるパネル検査から、エクソーム解析(エクソーム・シークエンシング、Exome Sequencing:ES)および全ゲノム解析(ジーノーム・シークエンシング、Genome Sequencing:GS)といった網羅的(もうらてき)な手法へと移行する動きが加速しています。
また、臨床現場での有用性や費用対効果、診断の効率性という観点からも、こうした新しい検査方法の有利さが示されており、第一選択の検査として推奨されることが増えています。ただし、これらの検査を導入するためには高度な技術や体制が必要であり、医療機関や地域によって実施可能かどうかが異なるという現実もあります。
遺伝的知見|Genetic Findings
現在の知見において、神経発達症の原因を突き止めるための第一選択の検査として、エクソーム解析が非常に有効であると考えられています。この方法では、ヒトの遺伝情報のうち、タンパク質をつくる「設計図」にあたる部分(エクソン領域)を広く調べることができます。
診断率という観点から見ると、エクソーム解析によっておおよそ25~36%の割合で診断につながる異常が発見されており、これは染色体マイクロアレイによる12~20%という数字よりも高い結果です。そのため、はっきりとした症状の原因がわからない場合には、エクソーム解析が最も適した初期検査とされています。
さらに広範囲な情報を得られる方法として、全ゲノム解析があります。これは、エクソーム解析よりも広く、遺伝子の調節領域やイントロンなども含めてゲノム全体を対象にする検査です。そのため、構造変異(ストラクチュラル・バリアント、Structural Variants:SVs)、反復配列の異常(ショート・タンデム・リピート、Short Tandem Repeat:STR)、そして非コード領域やイントロン深部の変異など、これまで検出が難しかった異常も確認できる可能性があります。
また、ロングリード型全ゲノム解析(ロング・リード・ジーノーム・シークエンシング、Long-read Genome Sequencing)は、従来の短い配列を読む技術よりもさらに詳細な情報を読み取ることができ、たとえばモバイルエレメント挿入(モバイル・エレメント・インサーション、Mobile Element Insertion:MEI)、バランス型染色体再編成、大規模な繰り返し配列の異常なども正確に検出できると報告されています。
神経発達症の診断において、特に重要とされる遺伝的な異常には以下のような種類があります:
1 一塩基変異(シングル・ヌクレオチド・バリアント、Single Nucleotide Variant:SNV)や小さな挿入・欠失(インデル、INDELs)
2 コピー数の変化(コピー・ナンバー・バリアント、Copy Number Variant:CNV)— 遺伝子の欠失や重複
3 染色体構造の異常(逆位や転座など)
4 三塩基の繰り返し配列の拡大(たとえばFMR1遺伝子に見られる異常)
5 モバイルエレメント(AluやL1といった配列)が挿入される変異
6 イントロンの奥深くや、タンパク質を作らない領域(非コード領域)に起こる変異
こうした異常のなかには、通常の検査では見逃されやすいものも含まれており、特にバランス型の染色体再編成、体の一部の細胞でのみ遺伝情報が異なる「低レベルのモザイク(mosaicism)」、そしてDNAのメチル化異常などは、より専門的な技術を用いた検出が必要です。
また、神経発達症の多くでは、ごくまれで影響の大きい変異(ultra-rare, highly penetrant variants)が見つかることがあり、特に「コピー数に敏感な遺伝子(dosage-sensitive genes)」が関与していることが多いと考えられています。
これらの変異は、新しく生じた変異(de novo)として現れる場合もありますし、ご家族から受け継がれている場合もあります。ただし、同じ変異を持っていても、必ずしも症状が出るとは限らないため、「不完全浸透性(incomplete penetrance)」や「表現型のばらつき(variable expressivity)」という概念も、診断や説明にはとても重要です。
神経発達症に関わる遺伝子の多くは、遺伝子の働きを調節したり、DNAの立体構造を変えたり、神経細胞同士のつながりを作ったりするような、脳の発達に重要な機能を担っていることがわかっています。代表的なものとしては、CHD8、MECP2、DNMT3A、SCN2A、EHMT1、SETDB1などが挙げられます。
臨床的な意義|Functional Implications
遺伝子検査によって確定的な診断が得られることには、医療やご家族の生活にとって、いくつもの重要な意味があります。
まず、診断が明らかになることで、将来的に起こりうる合併症を予測したり、適切なタイミングでの経過観察や専門的な医療対応を行うことができるようになります。特定の遺伝子の異常が確認された場合、その遺伝子に関係する臓器や機能に注意を払いながら、医療的な見通し(予後)や管理計画を立てることが可能となります。
また、症状に合わせた治療方針を選択するうえでも、遺伝的情報は大きな手がかりになります。たとえば、mTOR阻害薬やナトリウムチャネル遮断薬のように、特定の遺伝子の機能異常に対して効果があるとされる治療法が選択肢となることもあります。
さらに、今後のご家族の妊娠や出産に関する計画(リプロダクティブ・プランニング)や、ご兄弟・親戚に対する遺伝的な検査(カスケード検査)を検討する際にも、遺伝子診断の有無が重要な判断材料となります。
不要な検査を減らすことができるという点でも、診断がもたらす恩恵は少なくありません。原因不明のまま続く検査や受診の「探索の旅(diagnostic odyssey)」を短縮できることで、ご家族の心身のご負担も軽減されると期待されています。
また、特定の診断名が明らかになることによって、症状に特化した支援制度や教育プログラム、あるいは臨床試験や治療研究への参加といった、新たな道が開かれる場合もあります。
一方で、遺伝子の変異が確認されたとしても、必ずしもすべての方に症状が現れるわけではありません。こうした現象は「不完全浸透性」と呼ばれ、変異を持っていても実際には症状が現れない、または非常に軽度にとどまることがあります。
また、同じ遺伝子の同じ位置に変異があっても、その症状の出方や程度には個人差があることも知られています。これは「表現型のばらつき(variable expressivity)」と呼ばれ、臨床医が症状の説明や見通しをお伝えする際に大切な考慮点となります。
こうした違いは、その方のもともとの遺伝的体質(ポリジェニック・リスク)や、環境からの影響、場合によっては体内の一部の細胞だけに見られるモザイク現象など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
エピジェネティクスと遺伝子調節のしくみ|Epigenetic and Regulatory Mechanisms
神経発達症の中には、「エピジェネティックなしくみ(epigenetic regulation)」の乱れが深く関与していると考えられるものもあります。
エピジェネティクスとは、DNAの配列そのものを変えずに、遺伝子の働き方を調節するしくみのことを指します。具体的には、DNAのメチル化(DNA methylation)、ヒストンの修飾(histone modification)、およびノンコーディングRNAの調整(non-coding RNA regulation)などが含まれます。
このような調節がうまく働かないと、神経細胞の成長や移動、またシナプスと呼ばれる神経間のつながりの形成、そして発達期の脳の成層構造の構築に支障が生じることがあります。
実際に、いくつかの代表的なエピジェネティック関連遺伝子(たとえば、MECP2、DNMT1およびDNMT3A、TET酵素、SETDB1、EHMT1など)は、大脳皮質の発達における神経細胞の分化や移動、シナプスの可塑性(柔軟性)、さらには遺伝子の発現量の調節において中心的な役割を担っているとされています。
ただし、こうしたエピジェネティックな変化が、直接的な病気の原因であるのか、それとも遺伝子変異などによって引き起こされた二次的な変化なのかは、現時点ではまだ明確に分かっていません。
現在、前臨床段階の研究においては、エピジェネティクスに作用する新たな治療法が注目されています。たとえば、HDAC阻害薬(ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬)の一種であるバルプロ酸ナトリウムや、CRISPR技術を用いた標的型メチル化編集(たとえばCRISPR-dCas9 fusion)などが、レット症候群や脆弱X症候群などのモデル動物で有望な結果を示しています。
とはいえ、こうした治療法を人に応用するためには、まだ慎重な検討が必要です。標的以外の部位への影響(オフターゲット効果)や、がん化のリスクといった安全性の問題が完全には解決されていないため、現時点では実用化には至っていません。
検査と診断の基準|Testing and Diagnostic Criteria
神経発達症に関して、現在の医療現場では以下のような順序で遺伝子検査が行われることが推奨されています。
まず初めに推奨されているのは、エクソーム解析に加えてコピー数変異(Copy Number Variant:CNV)を同時に調べる検査です。この組み合わせにより、最も多くの診断的情報を得ることができると考えられています。
次に行う検査については、個々の状況や臨床的な判断によって異なります。たとえば、エクソーム解析が利用できない場合や、コピー数の変化を検出する機能が含まれていない場合には、その代替として染色体マイクロアレイが選ばれることがあります。
また、知的障害、全般的な発達の遅れ、自閉スペクトラム症などの症状が見られる方には、FMR1遺伝子の異常を調べる「脆弱X症候群(Fragile X syndrome)」の検査が、広く推奨されています。
さらに、患者さんの症状や身体所見によっては、DNAメチル化の状態を調べる検査や、染色体の構造を観察する核型分析(カリオタイピング)、ミトコンドリアDNAに関する検査などが追加で行われる場合もあります。
近年では、全ゲノム解析が「一度で広範囲を調べることができる包括的な検査」として注目されており、とくにエクソーム解析や他の検査で診断がつかなかった難解な症例において、より高い精度を発揮することが報告されています。
また、ロングリード型のゲノム解析技術は、構造変異やモバイルエレメント挿入、大規模な繰り返し配列の異常など、標準的な短鎖読み取り(short-read)では検出が難しいタイプの変異を明らかにするのに役立つことがあります。このため、検査を重ねても診断がつかないケースにおいて、補助的に検討されることがあります。
遺伝子の変異を評価・分類する際には、アメリカ遺伝学会および分子病理学会によるガイドライン(ACMG/AMPガイドライン)が標準的に用いられています。ただし、構造変異や調節領域の異常といった、複雑で定義が難しいタイプの変異については、このガイドラインだけでは判断がつきにくいこともあります。
また、いったん診断がつかなかったケースでも、医学や遺伝学の知識は日々進歩しています。そのため、過去の検査結果を定期的に再解析(reanalysis)することで、新たに診断に結びつくこともあります。今後の見直しや情報更新に備えて、検査結果を大切に保管しておくことが大切です。
類似症候群と共通メカニズム|Comparative Syndromes and Shared Mechanisms
神経発達症に関与する多くの遺伝子は、単一の病気だけでなく、複数の疾患や症候群に関係していることがあります。これは、同じ遺伝子が脳の発達や神経の働きにおいて、非常に基本的で重要な役割を担っているためです。
たとえば:
- MECP2遺伝子に異常があると、女児においては「レット症候群(Rett syndrome)」を発症することがあります。一方で、この遺伝子が重複すると「MECP2重複症候群(MECP2 duplication syndrome)」となり、主に男児でより重篤な症状を引き起こしますが、女児では無症状となることもあります。
- RAI1遺伝子の欠失は「スミス・マジェニス症候群(Smith-Magenis syndrome)」として知られており、逆に同じ遺伝子が重複した場合には「ポトッキ・ルプスキー症候群(Potocki-Lupski syndrome)」と呼ばれる異なる症状が現れます。
- PMP22遺伝子の重複は「シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease)」と関係しており、欠失がある場合は「遺伝性感覚運動性ニューロパチー(HNPP)」と呼ばれる別の神経疾患になります。
- そのほか、UBE3A、SETDB1、ZBTB20などの遺伝子も、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリ症候群、プリムローズ症候群などの疾患に関係しているとされています。
このように、同じ遺伝子の「コピー数」や「異常の種類」によって、まったく異なる症状が現れることがあるという点は、神経発達症の診断や説明において非常に重要な視点です。コピー数が減少した場合(ハプロ不全:haploinsufficiency)と、逆に余分に増加した場合(過剰発現)では、症状が正反対になることすらあります。
そのため、同じ遺伝子が関与する場合であっても、どのような異常があるのか、どのような影響が考えられるのかを慎重に見極めながら、個別に対応していくことが求められます。
全体的な位置づけと今後の展望|Target Topic Context
神経発達症の診断の考え方は、近年大きく変わりつつあります。かつては、外見や行動、成長の様子といった「症状(フェノタイプ)」をもとに検査を選ぶアプローチが主流でしたが、今では、遺伝子情報を起点とする「ゲノタイプ・ファースト」の診断法が注目されています。このアプローチにより、診断の正確性が向上し、より適切な医療や支援につなげやすくなると考えられています。
神経発達症は、もはや単一の病気としてではなく、遺伝的にも症状的にも重なり合う「スペクトラム(連続体)」として捉えられるようになってきました。これにより、診断名にとらわれすぎず、個々の特性や支援のニーズに合わせた柔軟な対応が求められるようになっています。
こうした変化を支えているのが、次世代シークエンス(NGS)技術の進歩や、バイオインフォマティクス(生物情報解析)、および変異解釈のための臨床ガイドラインの整備といった分野の発展です。これらにより、これまで診断に至らなかったケースでも、原因となる変異が見つかる可能性が高まっています。
それでも、現在の技術をもってしても診断がつかない症例は少なくありません。多くの研究では、依然として50%以上の患者さんが診断未確定のままであることが報告されています。
このような「診断の空白」を埋めていくためには、今後さらに、ゲノム情報だけでなく、RNA(トランスクリプトーム)やエピジェネティクスなど、複数の層の生物学的データを統合して解析する「マルチオミクス」的なアプローチが必要になってくると考えられています。
まとめと小さな見解|Current Conclusions
現在のところ、原因不明の神経発達症に対する最も効果的かつアクセスしやすい初期診断手段としては、エクソーム解析が第一に挙げられます。
また、エクソーム解析によって診断がつかなかった場合でも、家族単位での解析(トリオ解析)や、構造的な変異も検出できる補完的な手法を組み合わせることで、より多くの情報を得られる可能性があります。将来的には、費用の低下や解析技術の洗練により、全ゲノム解析が第一選択となる日も近いと考えられています。
さらに、ロングリード型のゲノム解析技術は、これまでの検査方法では見逃されてきたような複雑な変異を明らかにする上で、非常に大きな価値を持っています。特に、エクソーム解析や短鎖読み取りの全ゲノム解析で診断がつかなかった場合に、次の一手として検討する価値があります。
このように、ゲノム全体を対象にした変異の検出、それと臨床所見との丁寧な照合、そして定期的な再解析を組み合わせた「精密診断(precision diagnostics)」のアプローチこそが、神経発達症の理解と治療を前進させるカギとなっていくでしょう。
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