サンドホフ病

Sandhoff Disease, HEXB

概要

サンドホフ病は、ライソゾーム酵素であるβ-ヘキソサミニダーゼAおよびBの活性低下によってGM2ガングリオシドが神経細胞内に蓄積する、GM2ガングリオシドーシスの一型です。テイ・サックス病と類似の病態を示しますが、HEXB遺伝子変異によりヘキソサミニダーゼの両サブユニットが障害される点が特徴です。多くは乳児期発症で、進行性の神経変性を呈します。

疫学

サンドホフ病は非常に稀な疾患で、発生頻度は約100万出生に1人未満と推定されています。世界各地から散発的に報告されています。

原因

病因

本疾患はHEXB遺伝子の変異によって発症します。HEXBはβサブユニットをコードし、ヘキソサミニダーゼAおよびBの構成に必須です。酵素活性が低下するとGM2ガングリオシドが分解されず、特に中枢神経系に蓄積して神経細胞障害を引き起こします。

遺伝形式

常染色体劣性遺伝です。

遺伝子検査について

HEXB遺伝子は当院の遺伝子検査で解析可能です。

症状

乳児型(典型)

  • 生後数か月からの発達退行
  • 筋緊張低下
  • けいれん発作
  • 視力低下、網膜のチェリーレッドスポット
  • 反応性低下、昏睡

遅発型

  • 小児期以降の運動失調
  • 精神症状
  • 緩徐進行性の神経症状

診断

  1. 発達退行と神経症状から疑います。
  2. 眼底検査でチェリーレッドスポットを確認します。
  3. 酵素活性測定でヘキソサミニダーゼ活性低下を確認します。
  4. HEXB遺伝子変異の同定により確定診断となります。

治療

現在のところ根本治療は確立しておらず、対症療法と支持療法が中心です。

  • けいれんの治療
  • 栄養管理
  • 呼吸管理
  • リハビリテーション
  • 緩和ケア

【参考文献】

  1. GeneReviews®: Sandhoff Disease
  2. MedlinePlus Genetics: Sandhoff disease
  3. OMIM: HEXB-related GM2 gangliosidosis
  4. 難病情報センター:GM2ガングリオシドーシス