こんにちは。未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする、おかひろしです。
NIPT(新型出生前診断)を中心に、医学的根拠に基づいた情報を、感情論ではなく「データ」を元に分かりやすくお届けするコラムへようこそ。
最近、X(旧Twitter)などのSNSで、男女間の激しい言い争いを目にして、心がざわついたことはありませんか?
「年収〇〇万以下の男は淘汰されるべき」という女性の辛辣な意見。
それに対して「産ませるかどうかを決めるのは男だ」と怒りをぶつける男性のレス。
見ているだけで疲れてしまうような言葉の応酬ですが、実はこれ、単に「性格が悪い人たちの喧嘩」として片付けることはできません。
医学的・生物学的な視点で見ると、彼らはそれぞれの性別に刻まれた**「1万年前の生存本能」**に忠実な行動をとっているに過ぎないのです。
今日は、現代の男女を悩ませる「高望み」と「攻撃性」の正体を、進化生物学の観点から冷静に解き明かしていきます。
なぜ私たちは分かり合えないのか。その理由を知ることで、あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願っています。
まず大前提として、知っておかなければならない衝撃的な事実があります。
それは、**「私たちの脳の仕組みは、狩猟採集時代(サバンナでの生活)からほとんど変わっていない」**ということです。
人類史を1年のカレンダー(365日)に例えてみましょう。
ホモ・サピエンスが誕生したのが1月1日だとします。
そこから私たちは、来る日も来る日も槍を持って獲物を追いかけ、木の実を集める生活を送ってきました。
農業を始めて定住生活に入ったのは、なんと12月18日頃になってからです。
さらに、今のような便利な産業社会になったのは、12月31日の午後11時58分くらいの出来事です。
つまり、人類の歴史の96%以上は「サバンナ」であり、私たちの本能(OS)は、当時の過酷な環境を生き抜くために最適化されたままなのです。
スマホを片手にSNSを見ている現代人の脳内では、いまだにマンモスを追いかけ、飢餓に怯える原始の本能が動いています。
この「サバンナ脳」を理解すると、女性の行動原理が見えてきます。
よく「女性は高望みだ」「奢ってくれないとすぐ冷める」と言われますが、これはワガママや損得勘定ではありません。本能レベルでの**「生命の危機管理」**なのです。
生物学者のロバート・トリヴァースが提唱した「親の投資理論」によると、オスとメスでは、子孫を残すために支払うコスト(投資)に圧倒的な差があります。
サバンナ時代、妊娠中の女性は自力で獲物を狩ることが難しくなります。
もしパートナーが、獲った肉を自分に優先的に回してくれなかったら?
それは即、自分と胎児の「餓死」を意味しました。
女性の本能にとって、
「私にリソース(食料・お金)を投資しない男」 = 「私と子どもを見殺しにする可能性のある男」
なのです。
現代のデートで「割り勘」を提案された瞬間に女性の恋心が冷めるのは、性格ががめついからではありません。
脳の奥底にある警報装置が、「この男は、いざという時に食料を分け与えてくれないぞ! 命が危ない!」と激しくアラームを鳴らしているからなのです。
SNSで「稼げない男は淘汰される」と発言する女性は、現代社会の基準では「高望み」に見えるかもしれません。しかし彼女の脳内では、サバンナの過酷なルールがいまだに適用されており、「生存のために優秀な供給者を選ばなければならない」という切実な命令に従っているだけなのです。
一方、男性側の心理はどうでしょうか。
「産ませるかどうかは俺が決める」といった攻撃的な発言の裏には、女性の厳しい選別に晒されるオスとしての焦りと、間違ったアピール戦略があります。
残酷な事実ですが、生物学的に繁殖の決定権を持っているのは、常に「産む性」である女性です。
女性はリスクが高い分、パートナーを厳しく選別します。選ばれなければ、オスの遺伝子はそこで途絶えます。
SNSでいくら男性が「選ぶ権利」を主張しても、生物学的な現実は変わりません。だからこそ、男性は必死に自分を大きく見せようとするのです。
ここで重要なのは、女性が全ての「攻撃性(強さ)」を嫌うわけではないということです。
攻撃性には2つのタイプがあります。
女性が本能的に求めているのは、**「外には強く(獲物を狩る力があり)、内には優しい(資源を分配してくれる)」**という英雄型の男性です。
SNSで女性に対して攻撃的な言葉を吐く男性は、矛先を完全に見誤っています。それは強さのアピールではなく、「内弁慶なモラハラ予備軍」という最悪の自己紹介にしかなっていないのです。
本能はサバンナのままですが、環境は激変しました。
このミスマッチこそが、現代の少子化や未婚化の根本原因です。
農業社会において、子どもは貴重な労働力であり「資産」でした。
しかし現代社会において、子どもは高額な養育費や教育費がかかる存在となり、経済的には「負債」の側面が強くなりました。
生物学的に言えば、「数打ちゃ当たる(r戦略)」から、「少数をエリートに育てる(K戦略)」へと、生存戦略が切り替わっているのです。
さらに、豊かな現代社会では、子どもを持つことの「機会費用(オポチュニティ・コスト)」が跳ね上がっています。
子どもを産むというカードを切ることで、「キャリア」「自由な時間」「自分だけのために使えるお金」という、別の魅力的なカードを捨てなければなりません。
本能は「産め!」とアクセルを踏んでいるのに、理性が「いや、失うものが大きすぎて割に合わないぞ!」と急ブレーキをかけている。
この激しい葛藤が、現代人の心を疲弊させているのです。
あのSNSバトルは、**「サバンナのルールで戦おうとして、現代社会で自爆している人たち」**の姿です。
お互いに「淘汰される」と罵り合っていますが、皮肉にも、本能のままに振る舞い、アップデートを拒む者こそが、現代社会において淘汰される運命にあります。
では、私たちはどうすれば良いのでしょうか?
答えはシンプルです。
「自分の脳は、サバンナ時代の古いルールのままバグを起こしている」と自覚することです。
「力」や「攻撃」でねじ伏せようとしても、現代の女性には通用しません。
攻撃性を女性に向けるのではなく、仕事や社会活動に向け、「獲物(収入や信頼)」を持ち帰ってください。そしてそれを、パートナーと気前よくシェアする姿勢を見せてください。
「俺が守るから安心しろ」という包容力こそが、現代における最強の求愛行動です。
「年収」や「奢られること」への過度な執着は、現代社会においては誤作動を起こしている「古代の生存センサー」かもしれません。
もちろん経済力は大切ですが、現代は女性も自ら獲物を狩れる(働ける)時代です。
相手の「獲物の大きさ(スペック)」だけでなく、**「共に巣を作り、子育てをシェアできるパートナーシップ(共同繁殖能力)」**にも、ぜひ目を向けてみてください。
サバンナでは生き残れなかったかもしれない「優しくて家事ができる男性」が、現代では最高のパートナーになる可能性があります。
今日は、SNSの男女論争の裏にある、進化学的なメカニズムについてお話ししました。
最後に、大切なポイントを振り返りましょう。
1. 脳はサバンナのまま
私たちの本能は、1万年前の過酷な環境を生き抜くためのものです。現代の平和な社会とはズレが生じています。
2. 女性の「選り好み」は生存本能
「リソースをくれない男」は、かつては死を意味しました。高望みはワガママではなく、命を守るためのセンサーの名残です。
3. 男性の「攻撃」は矛先が重要
女性に向けられた攻撃性は「DV予備軍」として嫌われます。強さは外敵や仕事に向けるべきです。
4. 理性でアップデートを
遺伝子の命令にただ従うのではなく、「これは古い本能だ」と気づき、理性でコントロールできる人だけが、現代で幸せな関係を築けます。
SNSで異性を攻撃する時間があったら、その時間を「現代社会に適応するためのアップデート」に使いましょう。
お互いの本能の違いを理解し、尊重し合える関係こそが、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする第一歩です。
これからも、科学的な視点で、あなたの人生とパートナーシップをサポートする情報をお届けしていきます。
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