この記事のまとめ
NIPTは母体の血液に含まれる胎児由来のDNA(cfDNA)を調べ、13・18・21トリソミーなど対象の染色体を確認する非確定的検査で、東京都は実施施設が多く受検率も高い傾向にあります。確定診断ではないため、陽性のときは羊水検査などの確定検査が必要です。費用は施設や検査項目で幅があり、基本的な項目でおよそ10万〜20万円程度が一つの目安になります。この記事では、東京都での受検率の背景、費用の相場、認証施設と非認証施設の選び方、受検の流れまでを中立にまとめました。
この記事でわかること
- NIPTがどんな検査か、そして「非確定的検査」であることの正しい意味
- 東京都でNIPTを受ける人の割合が高めになりやすい背景
- 費用の相場と、自費であること・確定検査は別料金という考え方
- 認証施設と非認証施設の違いと、遺伝カウンセリングを確認する視点
NIPTとは?母体の血液で調べる非確定的検査
NIPTは、母体の血液中を流れる胎児由来のDNA(cfDNA)を分析し、13・18・21トリソミーなど対象の染色体の状態を調べる非確定的検査です。採血だけで受けられ、母体やお腹の赤ちゃんへの負担が少ない点が特徴です。
ここで大切なのは、NIPTがあくまで「可能性を調べるスクリーニング」だという点です。結果が陽性であっても、その染色体の状態が確定したわけではありません。確定診断には羊水検査などの確定検査が別途必要になります。
私は妊婦さんの相談を見ていて、この「確定ではない」という前提が最初にきちんと伝わっているかどうかで、結果の受け止め方が大きく変わると感じています。検査の性質を先に知っておくことが、落ち着いた判断につながります。仕組みをもっと詳しく知りたい方はNIPTの原理・仕組みもあわせてご覧ください。
採血は妊娠10週前後から受けられる施設が多く、比較的早い時期から検討できます。検査で分かるのは対象の染色体に限られ、すべての病気や障害が分かるわけではありません。何をどこまで調べる検査なのか、範囲を理解したうえで選んでください。NIPT全体の概要はNIPT(新型出生前診断)の基礎にまとめています。
東京都でNIPTを受ける人の割合と背景
東京都はNIPTの受検率が全国のなかでも高めになりやすい地域ですが、具体的な数値は調査や年によって幅があります。断定できる一つの数字があるわけではありません。
受検率は、対象とする施設や妊婦さんの年齢層、調査の年によって差が出ます。そのため「東京では何割」と一つの数字で言い切るのは正確ではありません。傾向としては、都市部で高めになりやすいと考えられています。
東京で高めになりやすい背景
東京都で受検率が高めになりやすい理由は、いくつかの要素が重なっているためです。まず前提として、次の点を押さえておくと背景を理解しやすくなります。
- 実施施設の多さ:NIPTを受けられる施設が全国的にも多く、通いやすい環境が整っています。
- 情報へのアクセス:説明会や医療機関の案内が受けやすく、検査を知る機会が多い傾向です。
- 平均初産年齢の高さ:都市部は初産年齢が高めで、出生前検査を検討する人が相対的に多くなります。
年齢が上がると染色体の状態への関心が高まりやすく、検討する人が増える傾向があります。年齢と妊娠の関係は高齢出産のリスクと備えで整理しています。ただし受けるかどうかは年齢だけで決まるものではなく、一人ひとりの考え方によります。
私は、受検率の高さそのものより「情報にアクセスしやすいかどうか」の差が大きいと感じています。近くに相談できる場所があるだけで、検討のハードルはずいぶん下がるからです。出生前検査の枠組みは出生前検査認証制度等運営委員会の情報も参考になります。
NIPTの費用の相場と自費という考え方
NIPTの費用は施設や検査項目によって幅があり、基本的な項目でおよそ10万〜20万円程度が一つの目安になります。原則として自費で、正確な金額は各施設での確認が必要です。
費用は「調べる染色体の範囲」「遺伝カウンセリングの体制」「陽性時のサポート内容」などで変わります。安いか高いかだけで比べるのではなく、何が費用に含まれているかを見てください。下の表は、料金を見るときの内訳の考え方を整理したものです。
| 費用の項目 | 内容 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 検査費(本体) | 採血と染色体の解析にかかる基本費用 | 調べる対象の範囲(基本3種か、範囲を広げるか) |
| 遺伝カウンセリング費 | 検査前後の説明・相談にかかる費用 | 検査費に含まれるか、別料金か |
| 再採血・判定保留時の費用 | 結果が出にくいときの再検査 | 無料か、追加料金がかかるか |
| 確定検査の費用 | 陽性時の羊水検査など(別料金) | 提携先の紹介や費用サポートの有無 |
実際にいくら払ったかは、施設や検査内容で本当にさまざまです。たとえばXでも@nehan__qさんが、カウンセリングと検査費を合わせて99,000円だったと書いていました。私は、こうした実例を目安にしつつ、最終的な金額は必ず受ける施設で確認するのが確実だと感じます。表示価格に何が含まれるかは施設ごとに違うからです。
陽性だった場合の確定検査は、NIPTの費用とは別にかかります。合計でどのくらい備えておくかを考えるうえで、出生前検査全体の費用感は出生前検査の費用にまとめています。自費である点をふまえ、無理のない範囲で計画してください。
認証施設と非認証施設の選び方
施設を選ぶときは、認証か非認証かという枠組みだけでなく、遺伝カウンセリングの体制と陽性時のサポートを確認するのが基本です。どちらが優れているかを一律に決めることはできません。
認証施設は、日本医学会などの枠組みにもとづき、遺伝カウンセリングの体制や対象・週数などの取り決めが整えられています。非認証(認可外)施設は、調べられる項目の幅が広い、予約が取りやすいといった特徴を掲げるところもあります。それぞれに考え方の違いがあります。
認証と精度の関係をどう考えるか
「認証かどうかで結果の精度が変わるのか」という疑問は多くの方が抱きます。Xでも@itsumonemui888さんが、NIPTをどこで受けるか悩んでいて、認証機関かどうかが結果の精度に関わるのか気になる、と書いていました。私は、この不安はとても自然なものだと感じます。
認証の有無は、検査そのものの原理を変えるものではなく、主に説明・相談・陽性時のサポート体制の枠組みに関わるものです。だからこそ、精度という言葉だけで判断するより、結果が出たあとに誰がどう支えてくれるかを見ておくと安心です。制度の位置づけは日本産科婦人科学会の情報も手がかりになります。
施設を比べるときは、次の視点を持っておくと判断しやすくなります。数字の安さだけに引っぱられないことがポイントです。
- 遺伝カウンセリング:検査前後に、専門の担当者から説明を受けられるか。
- 陽性時のサポート:確定検査の案内や相談先の紹介があるか。
- 調べる範囲:対象の染色体がどこまでか、自分の目的に合っているか。
NIPTのメリットと知っておきたい注意点
NIPTのメリットは母体への負担が少なく早い時期から受けられる点で、注意点は非確定的検査であり結果の受け止めに配慮が要る点です。両面を知っておくことが、納得できる選択につながります。
メリット
いちばんのメリットは、採血だけで受けられ、お腹に針を刺す検査ではない点です。妊娠10週前後という早い時期から検討でき、結果を見ながら次の相談へ進みやすくなります。心の準備や情報収集の時間を確保しやすいことも、多くの方が挙げる利点です。
注意点
注意点は、NIPTが確定診断ではないことです。陽性の結果が出ても、その時点で確定したわけではなく、羊水検査などの確定検査で確かめる必要があります。羊水検査の内容は羊水検査についてで解説しています。逆に、対象外の染色体や病気はNIPTでは分かりません。
結果は妊婦さんやご家族の気持ちに大きく関わります。だからこそ、検査前に「どんな結果でも相談できる相手がいるか」を整えておいてください。確率で示す母体血清マーカー(クアトロテスト等)など、ほかの非確定的検査との違いは母体血清マーカー検査で比べられます。
私は、検査は「受けて終わり」ではなく「結果とどう向き合うか」まで含めて考えるものだと感じています。数値の高精度をうたう宣伝に安心しきるのではなく、非確定という前提を忘れないことが、落ち着いた妊娠生活につながります。

受検の流れと受けられる時期
NIPTは妊娠10週前後から受けられ、事前相談・採血・結果説明という流れが基本です。陽性の場合はそのあと確定検査を検討します。
受ける時期は施設によって細かな違いがありますが、多くは妊娠10週以降を目安にしています。早ければよいというものではなく、体調や妊娠週数を確かめてから予約すると安心です。まずは全体の流れをつかんでおきましょう。
- 事前相談・予約:検査の目的と範囲、費用を確認し、遺伝カウンセリングを受けます。
- 採血:母体の血液を採取します。お腹への負担がない検査です。
- 結果説明:後日、結果の意味と次の選択肢について説明を受けます。
- 陽性時の確定検査:必要に応じて羊水検査などを検討します。
ダウン症(21トリソミー)について正しく知っておくことも、結果を受け止めるうえで助けになります。基礎的な情報はダウン症についてにまとめました。母子保健の全般的な情報はこども家庭庁 母子保健も参考になります。
私が相談を見ていて感じるのは、時期に迷ったら一人で抱え込まず、早めに施設へ問い合わせるほうが結局は落ち着けるということです。週数の数え方や体調は人それぞれなので、遠慮なく尋ねてください。
NIPTを受ける前に確認したいこと
受検前に「検査の目的」「費用の内訳」「陽性時のサポート」の3つを確認しておくと、結果を落ち着いて受け止めやすくなります。迷ったときの整理の軸にしてください。
まず、何のために受けるのかを自分の言葉にしてみてください。目的がはっきりすると、調べる範囲や施設の選び方も決めやすくなります。次に費用は、本体だけでなく確定検査まで見込んで考えます。最後に、陽性のときに誰に相談できるかを確認しておくと安心です。
東京都は施設が多いぶん、選択肢が豊富です。だからこそ、価格や予約の取りやすさだけでなく、遺伝カウンセリングと陽性時の連携という視点を持って選んでください。ご家族ともよく話し合い、納得できる形で進めることが何よりの支えになります。
よくある質問
NIPTについて、東京都で検討している方からよく寄せられる疑問をまとめました。参考にしてください。
Q. NIPTの結果が陽性なら、赤ちゃんは必ずその染色体の状態なのですか?
いいえ、NIPTは非確定的検査です。陽性でも確定したわけではなく、羊水検査などの確定検査で確かめる必要があります。結果の意味は必ず担当者の説明を受けて理解してください。
Q. 東京都ではどのくらいの人がNIPTを受けていますか?
受検率は調査や年によって幅があり、一つの数字では言い切れません。都市部で高めになりやすい傾向があり、その背景には実施施設の多さや情報へのアクセスのしやすさがあります。
Q. NIPTの費用はいくらくらいですか?
施設や検査項目によって幅がありますが、基本的な項目でおよそ10万〜20万円程度が一つの目安です。原則として自費で、確定検査は別料金です。正確な金額は各施設で確認してください。
Q. 認証施設と非認証施設ではどちらがよいですか?
どちらが優れているかを一律に決めることはできません。認証施設はカウンセリング体制や対象・週数の枠組みが整えられています。どちらを選ぶ場合も、遺伝カウンセリングの有無と陽性時のサポートを確認してください。
Q. NIPTはいつから受けられますか?
多くの施設で妊娠10週前後から受けられます。体調や妊娠週数を確かめてから予約すると安心です。時期に迷うときは、受ける施設へ早めに問い合わせてください。
著者・監修
岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
