「Developmental and epileptic encephalopathy 31」という長い診断名。あるいは「DNM1遺伝子の変異」という説明を医師から受け、戸惑いのなかでこのページにたどり着いたご家族の方へ。
結論からお伝えします。発達性・てんかん性脳症31型(DEE31)は、DNM1遺伝子の変異によって神経細胞のシナプス小胞リサイクルが障害される疾患です。乳児期早期からの難治てんかんと重度の発達の遅れが特徴の、きわめてまれな先天性疾患です。多くはDEE31A(顕性遺伝)という型ですが、近年ではDEE31B(潜性遺伝)という別の型も報告されるようになりました。
この記事では、原因遺伝子の働きから代表的な症状、診断の流れ、治療の現状、そしてNIPTとの関係までを整理しました。同じDEEシリーズの他の遺伝子との違いも含め、一つずつ確認していきましょう。
米国国立医学図書館のPubMed収載論文、Children’s Hospital of Philadelphia(CHOP)の疾患解説など、公的・学術情報にもとづいています。情報の少ない希少疾患だからこそ、正確な一次情報を確認することが大切です。
💡 この記事でわかること
- DEE31がどのような仕組みで発症する病気なのか(DNM1遺伝子とシナプス小胞エンドサイトーシス)
- 顕性遺伝のDEE31Aと潜性遺伝のDEE31Bという、二つの型の違い
- てんかん性スパズムを中心とした代表的な症状の経過
- 脳波検査・MRI・遺伝子検査による診断の流れ
- NIPTでDEE31が分かるケースと分からないケース
- 診断後に相談できる医療費助成や療育の窓口
まず、この病気の要点を1枚の表にまとめました。全体像をつかんでから、詳しい説明に進んでください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因 | 9番染色体のDNM1遺伝子の変異。ダイナミン1というタンパク質の機能が障害される |
| 遺伝形式 | DEE31A:常染色体顕性(優性)遺伝。ほとんどが新生突然変異/DEE31B:常染色体潜性(劣性)遺伝の報告あり |
| 代表的な病型 | 乳児期早期からのてんかん性スパズム、レノックス・ガストー症候群への移行 |
| 発症時期 | 報告例の中央値は生後7.6か月。生後1か月〜4歳6か月まで幅がある |
| 確定診断 | 次世代シーケンサーによるてんかん遺伝子パネル検査、または全エクソーム解析(WES) |
| NIPTとの関係 | 標準NIPTの対象外。単一遺伝子疾患のため通常のcfDNAスクリーニングでは検出できない |
| 治療 | 複数の抗てんかん薬の組み合わせ、ケトン食療法、迷走神経刺激療法、リハビリテーション |
1. DEE31(DNM1脳症)とは、どのような病気か
DEE31は、DNM1遺伝子の変異によって神経細胞同士の情報伝達がうまくいかなくなり、てんかん発作と発達の遅れが同時に進む先天性の疾患です。正式名称は長く、覚えにくいと感じる方が多いはずです。
「発達性」とは、生まれ持った遺伝子の変化そのものが脳の発達に影響していることを意味します。発作の有無にかかわらず、発達に課題が生じやすい体質だと理解してください。「てんかん性」は、頻繁な発作や脳波の乱れが脳機能にさらなる負担をかけている状態を指す言葉です。
臨床の現場では、原因遺伝子の名前を取って「DNM1脳症」「DNM1関連てんかん」と呼ばれることが増えています。この呼び方のほうが、実際の病態を直感的に把握しやすいでしょう。
DNM1変異とてんかん性脳症の関連が報告されたのは2014年前後のことです。それ以降、世界各地の症例報告が積み重なり、病像の幅が少しずつ明らかになってきました。この病気の頻度は非常にまれで、数万人に1人よりも少ないと考えられています。
私は遺伝カウンセリングの相談を受ける中で、「原因不明のてんかんと言われ続けてきたが、遺伝子検査でようやく理由が分かった」というお話をうかがったことがあります。DEE31もまさに、そうした経過をたどるご家族が多い疾患です。
2. 主な症状:てんかん性スパズムを中心に
DEE31の症状は、特徴的なてんかん発作、重度の発達の遅れ、全身に及ぶ身体症状の三つに大きく分けられます。お子さんによって重さや出方は異なりますが、代表的な特徴を確認していきましょう。
てんかん発作の経過
海外の症例21例をまとめた報告では、19例(9割)にてんかん発作が確認されました。発症年齢の中央値は生後7.6か月で、生後1か月という早い例から4歳6か月と遅い例まで幅があります。
もっとも多いのは、両手を広げてお辞儀をするような動作を繰り返すてんかん性スパズムです。同じ報告では21例中16例に見られ、ウエスト症候群(点頭てんかん)という診断名がつくこともあります。
そのほか、手足が突っ張って硬くなる強直発作、体の一部がピクピク動く焦点発作なども見られます。成長とともに、複数の発作型を持つレノックス・ガストー症候群へ移行することも少なくありません。
同じ報告では、83%のお子さんで発作が難治性、つまり薬でのコントロールが難しい経過をたどったとされています。複数の薬を組み合わせても発作を完全に止めることは難しく、発作の頻度を減らし生活の質を保つことを目標に治療が進められます。
発達と神経の症状
発作と並んで、重度から最重度の発達の遅れが見られます。これは発作によるダメージだけでなく、DNM1遺伝子の変異そのものが脳の発達に影響しているためです。
先ほどの21例の報告では、すべてのお子さんに重度から最重度の知的障害と筋緊張低下が見られました。81%は歩行が難しく、車椅子や座位保持装置での生活が中心になるお子さんも少なくありません。
言葉による会話は難しいことがほとんどですが、声のトーンや表情、全身の動きで快・不快などの感情を伝えられるお子さんもいます。赤ちゃんの時期はふにゃふにゃとした筋緊張低下が目立ちますが、成長とともに手足が突っ張る痙縮に転じることもあります。
目そのものの構造には問題がなくても、脳が映像を処理することが苦手な皮質視覚障害が見られることもあります。見えていないように見えても、光や動くものには反応することがあります。

その他の身体症状
DEE31のお子さんには、神経以外の身体的な課題も見られることがあります。順に確認していきましょう。
生まれた直後から、おっぱいやミルクを飲む力が弱い哺乳障害が見られることがあります。離乳食が始まっても、食べ物を飲み込むのが苦手な嚥下障害が見られることもあります。
発作が頻発している時期や体調を崩した時に、それまでできていたことが一時的にできなくなる退行という現象が見られることもあります。発作が落ち着くと、少しずつ回復する例も報告されています。
3. 顕性のDEE31Aと潜性のDEE31B:二つの型の違い
DNM1遺伝子が原因のDEE31には、遺伝形式の異なる二つの型があることが分かっています。ここは、DEE31を理解するうえで見落とされがちなポイントです。
もっとも多く報告されているのはDEE31A型です。片方の親由来のアレル1つに変異があるだけで発症する常染色体顕性(優性)遺伝の形式を取りますが、実際の患者さんのほとんどは新生突然変異によるものです。
2023年に報告された症例では、両親から一つずつ受け継いだ変異アレルが重なって発症するDEE31B型という、常染色体潜性(劣性)遺伝の形式も明らかになりました。パキスタンの男児で、DNM1遺伝子の切断型変異がホモ接合体(両方のアレルに変異)で見つかった例です。
DEE31B型のお子さんでは、頭囲が標準より小さい小頭症を伴う点が特徴として報告されています。DEE31A型よりも報告例が少なく、今後さらに症例が積み重なることで病像が明確になっていくと考えられます。
どちらの型に該当するかは、遺伝子検査の結果と家族内での変異の伝わり方を確認しなければ分かりません。血縁婚(近親婚)がある家系では、潜性遺伝の可能性についても遺伝カウンセリングで確認しておくと安心です。
4. 原因:シナプス小胞エンドサイトーシス障害という仕組み
DEE31の原因は、DNM1遺伝子の変異によって、神経細胞が情報を伝えるための「リサイクルシステム」が故障することにあります。この仕組みを理解すると、治療の考え方も見えてきます。
DNM1遺伝子とダイナミン1の役割
DEE31の原因は、第9番染色体にあるDNM1遺伝子の変異です。この遺伝子は、ダイナミン1というタンパク質を作るための設計図です。
私たちの脳は、神経細胞同士が複雑なネットワークを作って情報をやり取りしています。神経細胞のつなぎ目であるシナプスという場所で、情報伝達物質を受け渡すことで信号が伝わる仕組みです。
情報伝達物質は、シナプス小胞という小さな袋に詰められて待機しています。信号が来ると袋が細胞膜と融合して開き、中の物質を放出する流れです。
使い終わった膜を回収し、新しい小胞として再利用する工程をシナプス小胞エンドサイトーシスといいます。ダイナミン1は、この工程で膜をくびり切って袋を回収する、ハサミのような役割を担うタンパク質です。
ドミナントネガティブ効果という機序
DNM1遺伝子に変異が起きると、ダイナミン1タンパク質がうまく働かなくなります。von Spiczakらの解析によると、変異は「GTPase領域」と「ミドル領域」という、ハサミの動きを制御する部分に集中しています。
ダイナミン1は複数個が集まって輪の形を作り、力を合わせて膜をくびり切ります。変異を持つタンパク質が輪の中に混じると、正常なタンパク質の働きまで邪魔してしまうドミナントネガティブ効果という現象が起きると考えられています。
特に、p.Arg237Trpと呼ばれる特定の変異が、複数の患者さんで繰り返し確認されています。21例の報告のうち7例(約3割)がこの変異でした。てんかん性脳症のなかでも、比較的よく見られる再発性変異の一つとされています。
回収が追いつかなくなると、次に放出できる情報伝達物質の在庫が不足します。特に、脳の興奮を抑えるブレーキ役の神経細胞でこの不足が起こると、脳全体のバランスが崩れて過剰に興奮しやすくなり、難治性のてんかん発作につながると考えられています。
遺伝について
多くのご家族が、親から遺伝したのか、妊娠中の生活に問題があったのかとご自身を責めてしまわれます。
しかし、DEE31Aのほとんどのケースは新生突然変異(de novo変異)によるものです。356例の家族トリオを対象とした大規模な次世代シーケンス研究でも、5例でDNM1の新生突然変異が同定されました。
これは、ご両親の遺伝子には異常がなく、精子や卵子が作られる過程、あるいは受精直後の細胞分裂の段階で偶然に変異が起きたことを意味します。ご両親のどちらかのせいで遺伝したわけでも、妊娠中の食事やストレスが原因でもありません。
5. 診断と検査の流れ
DEE31の診断は、症状の観察、脳波検査、画像検査、遺伝子検査を組み合わせて行われます。いずれか一つだけで確定することはできません。
脳波検査
てんかん性スパズムを示すお子さんの脳波では、ヒプスアリスミアと呼ばれる、脳全体がカオスな電気活動状態になっている乱れた波形が見られることが多いです。
脳波が平坦になる時期と激しい波が出る時期を交互に繰り返すサプレッション・バーストと呼ばれる重篤なパターンが記録されることもあります。
画像検査(MRI)
発症初期には脳の形に明らかな異常が見られないことも多いです。発作が長く続いた後や年齢が進んでくると、脳全体の軽度な萎縮や髄鞘化の遅れが見られる場合があります。
遺伝学的検査
確定診断のためには、血液を採取してDNAを調べる検査が必要です。DEE31は症状や脳波、MRI所見だけでは、STXBP1異常症やKCNT1関連てんかんなど他の発達性てんかん性脳症と区別がつかないことが多いためです。
そのため、次世代シーケンサーを用いた全エクソーム解析(WES)や、てんかん関連遺伝子パネル検査が行われます。この網羅的な遺伝子検査によって初めてDNM1遺伝子の変異が見つかり、診断に至るケースがほとんどです。診断確定によって、家族内での再発リスクの評価や、次に説明する治療方針の検討につながります。
6. 治療と管理
現時点で、遺伝子の変化そのものを修復して根本から治す治療法は確立されていません。それでも、症状に対する治療とサポートによって生活の質を高めることは十分に可能です。
てんかんの治療
DNM1変異に対する特効薬はまだ確立されていませんが、発作のタイプに合わせて様々な薬が試されます。バルプロ酸、クロバザム、レベチラセタム、トピラマートなどが使われることが多いです。
てんかん性スパズムのパターンを示す場合は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)療法という注射の治療や、ビガバトリンなどの特殊な薬剤が検討されることもあります。
薬でのコントロールが難しい場合は、脂肪分を多くし糖質を抑えたケトン食療法や、迷走神経刺激療法、反応性神経刺激療法といった選択肢も報告されています。お子さんの状態に合わせて、主治医と一緒に方針を決めてください。
発達支援と療育(リハビリテーション)
早期からの療育が、お子さんの成長と生活の安定にとって欠かせません。理学療法では、筋緊張低下や痙縮へのアプローチ、座位保持装置などの福祉用具の調整を行います。
作業療法では、手先の感覚を養う遊びや日常生活の工夫を学びます。言語聴覚療法では、言葉の理解を促すだけでなく、スイッチや絵カードを使ったコミュニケーション手段の確立と、食べる機能の訓練を進めます。
栄養と生活面の管理
飲み込む力が弱く口から十分に栄養が摂れない場合は、鼻からチューブを入れたり、お腹に小さな穴を開けて直接胃に栄養を入れる胃ろうを作ったりして、十分な栄養を確保します。
筋緊張が弱く呼吸の力が弱いお子さんは、風邪をこじらせて肺炎になりやすい傾向があります。手洗いなどの基本的な感染対策に加え、流行期には人混みを避け、予防接種を計画的に受けてください。
7. NIPT(新型出生前診断)とDEE31の関係
DEE31は、標準的なNIPTのパネルでは対象外となる病気です。DNM1脳症について検索された方にとって、もっとも押さえておきたいポイントです。
一般的なNIPTが調べているのは、21・18・13トリソミーという染色体の「数」の変化が中心です。ヒロクリニックNIPTでは微小欠失・重複を含む拡張検査も提供していますが、これらは染色体の一部が欠けている・重複している領域を対象としています。
DEE31のように、1つの遺伝子の中の変異が原因となる単一遺伝子疾患は、母体血中のcfDNA解析を用いた標準的なNIPTパネルでは、原理上とらえにくい対象だと理解してください。ヒロクリニックNIPTには単一遺伝子疾患を対象とした拡張検査もありますが、対象となる疾患の範囲は限られています。DEE31(DNM1関連疾患)が含まれるかどうかは、遺伝カウンセリングの中で個別にご確認ください。
ここで押さえておきたいのは、NIPTはあくまで非確定的なスクリーニング検査だという点です。基本トリソミーに対しては高い検出感度が報告されています。ただしそれは染色体の数の変化を対象とした場合の数値であり、DNM1のような単一遺伝子疾患の検出能力を示すものではありません。
ご家族にすでにDNM1関連疾患の診断歴があり、次のお子さんへの影響を心配されている場合は、NIPTではなく確定的な検査が選択肢になります。羊水検査などの確定検査でDNM1遺伝子を標的にした解析を行う、あるいは着床前遺伝学的検査(PGT-M)を検討する流れです。
私自身、遺伝カウンセリングの現場で「NIPTを受ければ単一遺伝子疾患も安心か」という質問を受けることがあります。既知の家族性疾患については、NIPTではなく確定検査での対応が基本になるとお伝えしています。
なお、ヒロクリニックのNIPT検査は、国内の検査機関(東京衛生検査所)で実施しています。検査の対応範囲について不明な点があれば、遺伝カウンセリングのなかでご質問ください。
8. 支援制度と相談窓口:まず何から始めるか
診断がついたら、治療と並行して使える公的支援を早めに確認してください。一人で抱え込まず、窓口に相談することが結果的に近道になります。
てんかんを伴う発達症の多くは、小児慢性特定疾病や指定難病の医療費助成の対象になる場合があります。対象となるかどうかは、通院先の主治医または医療ソーシャルワーカーに確認してください。療育手帳・身体障害者手帳の取得は、福祉サービスや手当の受給につながります。
児童発達支援事業所や放課後等デイサービスといった障害児通所支援も、早期から利用できる選択肢です。まず何から手をつけるか迷ったときは、通院先のソーシャルワーカーへの相談が最初の一歩になります。
9. まとめ:診断名の重さと向き合うために
DEE31はDNM1遺伝子の変異による先天性の疾患ですが、顕性遺伝のDEE31Aと潜性遺伝のDEE31Bという、遺伝形式の異なる型があります。診断名だけで将来を決めつける必要はありません。
もっとも多いDEE31A型は、乳児期早期からのてんかん性スパズムと重度の発達遅滞が特徴で、レノックス・ガストー症候群へ移行することも少なくありません。原因の多くは新生突然変異であり、親のせいではありません。
一般的な薬は効きにくいものの、複数の抗てんかん薬の組み合わせやケトン食療法、迷走神経刺激療法など、選択肢は少しずつ広がっています。発作のコントロールだけでなく、リハビリ・栄養管理・呼吸管理など、全身をトータルでケアする視点が欠かせません。
症例数そのものが少なく、長期的な見通しを断定することは難しいのが実情です。それでも、原因遺伝子が特定されたことで、家族内のリスク評価や支援制度の活用につながる道筋が見えてきます。専門施設との継続的なつながりを大切にしてください。
ご家族にDNM1関連疾患をはじめとする単一遺伝子疾患の既往がある場合、NIPTだけで判断せず、遺伝カウンセリングを通じて検査の対象範囲を確認してください。次の妊娠に向けたNIPTのご相談は、以下から予約できます。
よくある質問
発達性・てんかん性脳症31型(DEE31)とはどのような病気ですか。
DNM1遺伝子の変異によって神経細胞のシナプス小胞リサイクルが障害され、乳児期早期からの難治てんかんと重度の発達の遅れが生じる、きわめてまれな先天性疾患です。もっとも多いタイプはてんかん性スパズムです。
DEE31AとDEE31Bは何が違うのですか。
DEE31Aは常染色体顕性(優性)遺伝の形式を取り、ほとんどが新生突然変異によるものです。DEE31Bは常染色体潜性(劣性)遺伝の形式で、両親から一つずつ受け継いだ変異が重なって発症する、より報告の少ない型です。
DEE31はNIPTでわかりますか。
標準的なNIPTパネルの対象には含まれません。DEE31は単一遺伝子疾患であり、21・18・13トリソミーなどの染色体数の変化を調べる一般的なNIPTでは検出できないためです。家族歴がある場合は、羊水検査での遺伝子解析やPGT-Mが選択肢になります。
DEE31は遺伝する病気ですか。次の子にも影響しますか。
DEE31Aのほとんどは新生突然変異によるもので、両親からの遺伝ではありません。DEE31Bは両親がともに変異を保有する保因者であるケースが想定されます。次のお子さんへの影響については、遺伝カウンセリングで個別の状況をご確認ください。
DEE31に治療法はありますか。
根本的に治す治療法はまだありません。複数の抗てんかん薬の組み合わせに加え、ケトン食療法、迷走神経刺激療法、リハビリテーションなどを組み合わせて症状の緩和を図ります。
症状に気づいたとき、まず何をすればよいですか。
生後まもない時期に両手を広げてお辞儀をするような発作の繰り返しや発達の停滞が見られたら、小児神経科を受診し、脳波検査と遺伝子検査を相談してください。診断がついたら、小児慢性特定疾病や指定難病の医療費助成の対象かどうかも確認しておくと安心です。
引用文献|References
- von Spiczak S, Helbig KL, Shinde DN, et al. DNM1 encephalopathy: A new disease of vesicle fission. Neurology. 2017;89(4):385-394.
- 同論文の全文(PubMed Central)
- EuroEPINOMICS-RES Consortium, Epilepsy Phenome/Genome Project, Epi4K Consortium. De novo mutations in synaptic transmission genes including DNM1 cause epileptic encephalopathies. Am J Hum Genet. 2014;95(4):360-370.
- Afsar B, et al. Truncated DNM1 variant underlines developmental delay and epileptic encephalopathy. Front Pediatr. 2023.
- Children’s Hospital of Philadelphia. DNM1-Encephalopathy.
監修:岡博史(おか ひろし) / 医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director。慶應義塾大学医学部卒。日本に20人ほどしかいないラボディレクター資格を保有。本記事はPubMed収載の査読済み医学論文、Children’s Hospital of Philadelphiaの疾患解説などの公的・学術情報を参照して作成しています。症例数の少ない希少疾患のため、記載の頻度・経過は文献により幅があります。診断・治療の最終判断は担当医にご相談ください。
キーワード|Keywords
発達性およびてんかん性脳症31型, DEE31, DNM1, DNM1脳症, ダイナミン1, シナプス小胞エンドサイトーシス, てんかん性スパズム, レノックス・ガストー症候群, ドミナントネガティブ効果, DEE31A, DEE31B, 顕性遺伝, 潜性遺伝, 新生突然変異, 難治性てんかん, NIPT, 単一遺伝子疾患, 遺伝カウンセリング
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日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
