眼皮膚白皮症II型

Albinism, oculocutaneous, type II, OCA2

概要

眼皮膚白皮症II型(OCA2)は、髪・皮膚・目の色をつくる色素(メラニン)が不足する病気です。常染色体潜性(劣性)遺伝の形式をとり、OCA2 遺伝子の変化が原因となります。

世界でもっとも頻度の高いアルビノの型で、とくにアフリカ系の方に多く報告されています。1型(TYR)にくらべて色素が少し残っていることが多く、成長とともに髪や皮膚に色がついてくることがあります。

原因

OCA2 遺伝子は、メラニンを作る細胞のなかにある「メラノソーム」という袋の膜ではたらくP蛋白の設計図です。P蛋白は、袋のなかの環境(pH)を整え、チロシナーゼが正しくはたらけるようにしています。

この遺伝子に変化があるとメラニンが十分に作られず、髪・皮膚・目の色が薄くなります。メラニンは視神経の発達にも関わるため、目の症状を伴います。

症状

  • 生まれたときから髪・皮膚の色が薄い(金色や薄い茶色の髪のことが多く、真っ白とは限りません)
  • 眼振(目が細かくゆれる)、視力の低下
  • 羞明(まぶしさに弱い)、斜視
  • 成長とともに、そばかす・色素斑(ほくろのような点)ができることがある
  • 日焼けしやすく、皮膚がんのリスクが高い
  • 知的な発達や寿命に影響することはありません

検査・診断

生まれたときからの色素の減少と眼の所見(眼振、虹彩の透見、眼底の色素欠如)から診断します。OCA2 遺伝子の解析によって型を確定します。プラダー・ウィリ症候群やアンジェルマン症候群では、この遺伝子を含む領域が欠失するため色素が薄くなることがあり、鑑別が必要です。

治療

  • 紫外線対策:日焼け止め(SPF50+)、帽子、長袖、UVカットの眼鏡やサングラス
  • 定期的な皮膚科の受診(皮膚がんの早期発見のため)
  • 眼科での視力矯正、遮光眼鏡、ロービジョンケア
  • 弱視や斜視に対する治療
  • 学校での配慮(座席の位置、教材の拡大、まぶしさへの対応)

この疾患は検査でわかります

この疾患は、原因となる OCA2 遺伝子を調べることで、発症前や出生前に見つけることができます。ヒロクリニックNIPTでは次の2つの検査をご用意しています。

エクソーム解析を用いた検査(1,200種類以上)

エクソーム解析は、遺伝子のうちたんぱく質の設計図にあたる部分(エクソン)をまとめて読み取る検査です。この解析を行ったうえで、OCA2 遺伝子を含む1,200種類以上の遺伝子を対象に調べ、この疾患の原因となる変化を検出することが可能です。国内の検査所で行い、結果までの期間は5週間〜7週間です。

キャリアスクリーニングテスト(228種類)

常染色体潜性(劣性)遺伝の疾患は、ご両親がどちらも症状のない「キャリア(保因者)」であるときに、4分の1の確率でお子さまが発症します。キャリアスクリーニングテストでは、ご夫婦がこの疾患のキャリアかどうかを頬の内側の粘膜から調べ、お子さまに受け継がれる可能性を、妊娠前や出生前に予測することができます

検査の内容・費用・結果までの期間は キャリアスクリーニングテスト228 のページをご覧ください。

専門的な解説

眼皮膚白皮症II型は OCA2(15q12-q13.1)の両アレル変異による、世界的に最も頻度の高いOCAである。OCA2がコードするP蛋白はメラノソーム膜の12回膜貫通蛋白で、メラノソーム内pHの調節を介してチロシナーゼの成熟と活性化に関与する。

OCA1と比べて残存メラニン合成能があり、brown OCA と呼ばれる表現型(アフリカ系に多い)や、成長に伴う色素沈着の増加を示す。虹彩には色素が残ることが多い。

OCA2はプラダー・ウィリ症候群/アンジェルマン症候群の責任領域(15q11-q13)に隣接するため、これらの症候群では片アレルが欠失し、他方に変異があると白皮症を合併する。色素低下を伴う発達遅滞例では、この領域の検索が必要である。

眼所見の本質はOCA1と同様に中心窩低形成と視交叉の異常交叉であり、視力予後は残存色素量に依存する。皮膚悪性腫瘍(有棘細胞癌が最多)の予防には生涯にわたる遮光が不可欠である。

よくある質問

Q. 1型とどう違うのですか?

A. 1型より色素が少し残っていることが多く、髪が金色や薄い茶色のこともあります。成長とともに色がついてくることもあります。

Q. そばかすができてきました。

A. この型では色素斑ができることがあります。日焼けのサインでもあるので、遮光をより徹底し、皮膚科で定期的に診てもらってください。

Q. 視力はよくなりますか?

A. 残っている色素の量によります。1型より視力が保たれることもありますが、ロービジョンケアが役立ちます。

Q. 発達がゆっくりだと言われました。

A. 色素が薄いことに発達の遅れを伴う場合、隣接する遺伝子を含む染色体の変化(プラダー・ウィリ症候群など)が関わっていることがあります。検査をお勧めします。

Q. 知的な発達に影響はありますか?

A. この病気自体では影響しません。寿命にも影響しません。

参考文献

  • Rinchik EM, Bultman SJ, Horsthemke B, et al. A gene for the mouse pink-eyed dilution locus and for human type II oculocutaneous albinism. Nature. 1993;361(6407):72-76.
  • Grønskov K, Ek J, Brondum-Nielsen K. Oculocutaneous albinism. Orphanet J Rare Dis. 2007;2:43.
  • Lewis RA. Oculocutaneous Albinism Type 2. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle.
  • Kamaraj B, Purohit R. Mutational analysis of oculocutaneous albinism: a compact review. Biomed Res Int. 2014;2014:905472.
  • OMIM #203200 Albinism, oculocutaneous, type II
医師監修 監修日:2026年9月8日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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