NIPT(新型出生前診断)からわかる疾患一覧

NIPTは、以下ような染色体異常をスクリーニングするために使用されます。

主な例
性染色体の異数性:男子はXY, 女子はXXですが、XXY, XYY, XXX, X一本というパターンが疾患
ダウン症(21トリソミー): 21番染色体が3本ある状態
エドワーズ症候群(18トリソミー: 18番染色体が3本ある状態
パトウ症候群(13トリソミー: 13番染色体が3本ある状態
染色体の一部が欠けている、増えている:出生後に知的障害・発達障害を伴うことがほとんど

人間が持っている46本の染色体数の変化による先天性疾患の中で、頻度の高いのが「21番トリソミー」、「性染色体の数の異常」、「部分的な欠損、重複」になります。また、その他にもヒロクリニックでは幅広く検査を行っているのでこのページでは一緒に疾患例などを見ていきましょう。

NIPT(新型出生前診断)の基礎

ここからすこし難しい話になるのですが、

人間の染色体は46本あり、常染色体(22本×2)と、性染色体(XY, XX)でそろっていることが普通です。ですが、染色体の数や形に変化が見られることがあります。例えば、21番染色体が2本であるはずが3本になるケース。これを21番トリソミー(ダウン症と呼びます。この場合染色体の数は47本になります。

また、染色体の量に過不足が起きた場合。遺伝子の過不足が生じ、先天性の疾患や体質の原因(染色体疾患)につながります。これは赤ちゃんの成長に大きく影響します。

疾患というとダウン症以外はあまり耳にしたことがないかもしれません。メディアに取り上げられる機会が多くありませんが、みなさんが思うよりも性染色体の異常や遺伝子の一部がなくなっていたり、増えていたりする疾患(欠失・重複疾患)も多いのも事実です。代表的な疾患とその頻度を以下に挙げます。

目次[▼表示する]

高齢出産が増えている日本で、今、注目を集めているのが「新型出生前診断」です。しかし、「どんな検査でいつからできるのかわからない」というのが本音でしょう。今日はその疑問を解消するための知識をお届けします。

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染色体異常とその発生頻度について

出生前診断では、さまざまな染色体の異常について検査が行われています。異常には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 染色体の数が違う疾患:染色体の「本数」に異常がある状態(例:トリソミーやモノソミー)
  • 部分的に染色体が欠失・重複している疾患:染色体の「一部が欠けている(欠失している)」状態

以下は、代表的な染色体異常と発生頻度を高い順にまとめたものです。

頻度高い順疾患名異常の種類発生頻度(出生児)その他備考
1クラインフェルター症候群XXY(性染色体)約1/500男性に見られる不妊や発達特性。30歳までにTESEを行うことによって精子を取り出すことが可能。
2XXX症候群XXX(性染色体)約1/800多くは軽度で症状が目立たないことも
3ダウン症21トリソミー約1/1000最も頻度の高い染色体異常、1/135で陽性的中率記載あり
4ターナー症候群XO(性染色体)約1/1000女性に見られる低身長・不妊など。3歳ごろから早期治療が必要
5ディ・ジョージ症候群微小欠失約1/2000心奇形・免疫異常・発達障害など
6エドワーズ症候群18番トリソミー約1/3500多くは重度障害を伴い、1歳未満での死亡が多い。陽性的中率1/2147記載あり
71p36欠失症候群微小欠失約1/5000重度の知的障害・けいれん・筋緊張低下など
8パトウ症候群13番トリソミー約1/5000重度の奇形や中枢神経障害、陽性的中率1/679
9スミス・マギニス症候群微小欠失約1/15000自傷行動、睡眠障害、発達障害など
10ウォルフ・ヒルシュホーン症候群微小欠失約1/50000顔貌特徴、発達遅滞、けいれんなど
発生頻度順

発生頻度についての補足

  • 「出生児あたりの発生頻度」は実際に生まれてくる赤ちゃんの中での割合です。

この表からわかること

よく知られているダウン症(21トリソミー)のほかにも、染色体異常微小欠失症候群など、さまざまな疾患が存在し、これらの疾患の方がダウン症よりもより多く検出されます。

染色体の一部が欠失・重複するケースはは個々の症例では比較的まれではあるものの、知的・発達障害に関与する重要な異常であり、その種類が多いためにその全体ではダウン症よりも数が多いとされています。

ヒロクリニックNIPTでは、微小欠失・重複だけでも116種類の検査が可能です。

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当院で受診された32923人の受検者の内訳になります。(2023年4月現在)

  21番
染色体
18番
染色体
13番
染色体

染色体
その他の
染色体
部分
欠失・重複
疾患
部位数
237 149 47 134 177 125
35歳
以上
187 120 29 77 111 69
35歳
未満
50 29 18 57 66 56
年齢間
の倍率
3.74倍 4.14倍 1.61倍 1.35倍 1.68倍 1.23倍
当院32923人の受検者の内訳。


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当院ではすべての情報をデータベース管理しているため、これまでの6万以上のデータを集積し必要に応じて情報を提供できます。

NIPT(新型出生前診断)でわかる各疾患ごとの説明

21、18、13番トリソミー(認証施設検査)

21番トリソミー(ダウン症)

46本ある染色体数の変化による先天性疾患の中で、頻度の高いのが「21番トリソミー」、「18番トリソミー」、「13番トリソミー」になります。
この3つの疾患の特徴は以下の通りです。

21番トリソミー(ダウン症)

ダウン症

ダウン症の特徴をみる

21番染色体が一本多いことが原因で起こり、ダウン症とも呼ばれます。遺伝子の問題で起こる知的障害としては最も多いのがダウン症で、その身体的特徴は「成長障害」「筋肉の緊張低下」「特徴的顔貌」などが挙げられます。
合併症では「甲状腺疾患」「耳鼻科疾患」「眼科的疾患」等で、中には先天性心疾患などで臓器にも障害を抱えることもあり、医学的に治療が必要となることもあります。平均IQは50と言われています。
その子どもの多くは、支援クラスを利用しながら地元の学校や特別支援学校に通います。スポーツ、芸術などのさまざまな分野で活躍することもあります。
平均寿命は60歳となっており、両親が介護できなくなると多くの場合施設に入ることが多いです。
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18番トリソミー(エドワーズ症候群)

エドワーズ症候群

エドワーズ症候群の特徴をみる

18番染色体が一本多いことが原因で起こり、エドワーズ症候群とも呼ばれます。子宮内での発育不全が原因で、その多くは流産や死産となります。その身体的特徴は「胎児期からの成長障害」「呼吸障害・摂食障害」」などが挙げられます。
合併症では「心疾患(90%)」「消化管奇形」「口唇口蓋裂」「関節拘縮」などで、生きて産まれてもほとんどが脳や心臓その他に先天的欠損を複数抱えており、1歳未満で亡くなるケースが多いです。染色体モザイクなどのケースで生存している子供は重度の知的障害・発育障害を抱えます。
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13番トリソミー(パトウ症候群)

パトウ症候群

パトウ症候群の特徴をみる

13番染色体の本数が3本になることで起こり、パトウ症候群とも呼ばれます。ほとんどの子供たちは脳やその他の臓器に先天的な欠損を抱えます。
その身体的特徴は「成長障害」「呼吸障害・摂食障害」などが挙げられます。
合併症では「口唇口蓋裂」「多指趾症」「眼の病気」「心疾患(80%)」「全前脳胞症」等で、脳や臓器に先天的な欠損を抱えます。
多くは流産や死産となり、生きて出産できても80%は生後1か月になる前に亡くなり。10%の子供でも1年未満で亡くなるケースが多い疾患になります。全ての13番染色体が3本でなく、一部混じっているモザイクという状態で出生した場合には、疾患の程度はやや軽くなることは知られています。
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NIPT(新型出生前診断)でわかる性染色体の数の異常(不妊検査)

性染色体の疾患は数の異常が多いといわれています。これは、性染色体不分離によって生じます。男性、女性両方の年齢が関係していると言われています。

性染色体の数の異常による症例をご紹介します。こちらは様々なパターンがあるので詳しく説明していきたいと思います。

クラインフェルター症候群(47,XXY、48,XXXY、46,XY / 47,XXY(モザイク))

クラインフェルター症候群

出生頻度は、出生男児1000人に1人の頻度です。
クラインフェルター症候群では約半数が父親の染色体の不分離が原因といわれています。母親由来の不分離は、母親の出産時年齢が影響しています。
外見は男性であるため、幼い頃は気が付きません。第二次性徴の発達不良(体毛・筋組織の発達不良)、女性化傾向(乳房発達)、手足が大きく下肢が長い(長身)、睾丸が小さく無精子症(不妊症)などの症状があります。知能低下や生存上の障害はほとんどありませんが、Xの数が多いほど、知能低下を有する症例があります。
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ターナー症候群(45,X)

ターナー症候群

ターナーの特徴をみる

出生頻度は、出生女児2500人に1人の頻度です。
ターナー症候群は、母親の年齢依存性はありません。約8割のターナー症候群が、モノソミー(X染色体が1つ)として存在します。X染色体は、母親由来であることがわかっており、父親由来が失われた場合が多いということになります。Xモノソミーは、自然流産が1割みられ、全妊娠のうち流産に至る場合が15%を占めます。自然流産と出生に至る個体との差が生じるのはなんであるかはまだわかっていません。

外見は、女性です。リンパ浮腫、外反肘や翼状頸、低身長、性成熟遅延、無月経などの症状があります。
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XXX症候群(47,XXX)

XXX症候群

XXX症候群の特徴をみる

出生頻度は、出生女児1000人に1人の頻度です。
XXX症候群は、正常女性と同様に1つのX活性を持っているので、3つのXを持っていても2つは不活化(遺伝に関わる能力を持たない)のため、身体的な所見はありません。また、妊孕性もあります。
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XYY症候群(47,XYY)

出生頻度は、出生児1000人に1人の頻度です。
XYY症候群は、高身長のほかに身体的な所見はありません。
bingによるXYY症候群の画像検索

性別判定

胎児の性別は、父親の精子が持つ染色体で決まります。
そのため、性別は卵子に受精した時点で既に決まっており、受精した母親の卵子にY染色体を持つ精子が受精すれば男の子、X染色体を持つ精子が卵子に受精したら女の子になります。エコー検査では胎児の性別を、妊娠18~20週を過ぎた頃から判別できるのが一般的ですが、NIPTではエコー検査で妊娠が確認されたら判定することができます。

性別を調べるのに最も相応しいことはX連鎖劣性遺伝疾患を有する家系での検査です。胎児から見て祖父にX連鎖劣性遺伝が存在する場合に、その娘は通常キャリア(異常遺伝子を持っているが、症状はなし)です。その娘が妊娠したさいに性別判定を行うことによって、男児であれば50%の確率で同症が発症。女児であれば50%でキャリアになるということがわかります。もちろん残りの50%の男児と、50%の女児は遺伝的にも異常なしなので、今後その遺伝子が末裔に伝わることがありません。

染色体を調べるNIPT検査は認証施設では行なっていませんが、性染色体は頻度も高いためアメリカ、ヨーロッパでは広く妊婦が行うべきであると言われています。

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NIPT(新型出生前診断)でわかる欠失・重複疾患(知的障害検査)

染色体の一部の領域が欠けているか増えているかを調べる検査です。10,000人の妊婦さんに検査を行ってみたところ約285人に一人欠損または重複を認めていることがわかりました。遺伝子の変化量(増加または減少)が疾患の重度に関係することは知られています。700万塩基以上の欠失・重複がある場合には通常のトリソミー・モノソミーほどの重症度はないにしても、知的障害・発達障害を有して出生する可能性が高いと考えられます。例えば1番染色体が一本多いケースであれば生存は不可能ですが、1番染色体の部分的な欠失・重複であれば生存は十分に考えられます。ヒロクリニックNIPTでは障害をもちながら、生存可能である可能性がある疾患であると考えております。

注意点;常染色体の主要な場所に欠損・重複が存在するか検査することが可能ですが、欠損・重複部位が700万塩基以下の場合には検出できません。

以下に代表的な欠失・重複を伴う症候群を紹介します。

4種類の微小欠失症候群

116種類の微小欠失・重複症候群(知的障害検査)

1p36欠失症候群

1p36症候群

1p36欠失症候群の特徴をみる

1p36欠失症候群とは、1番染色体短腕にあるとても小さな部位がないことが原因で発症する生まれつきの病気です。
特徴的な顔立ち、精神発達の遅れ、てんかん発作(けいれん、意識障害)などの特徴が現れます。また、生まれつき心臓に問題をかかえていることがあります。
bingによる1p36欠失症候群トリソミーの画像検索

4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)

4p欠失症候群は「ウォルフ・ヒルシュホーン症候群」と呼ばれ、4番染色体短腕にある部位がないことが原因で発症する生まれつきの病気です。
重度の精神発達の遅れ、成長障害、難治性てんかん、多発形態異常。
bingによる4p欠失症候群の画像検索

ウォルフ・ヒルシュホーン症候群とは?特徴や原因、症状【医師監修】
4番染色体短腕に位置する遺伝子群が失われることで引き起こされる疾患「4p欠失症候群」(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)。国の指定難病に認めら...

17番染色体微小欠失:スミス・マギニス症候群(Smith-Magenis syndrome)

スミス・マギニス症候群(Smith-Magenis syndrome)は、身体の多くの部位に影響を及ぼす先天異常症候群の1つです。主な特徴としては、軽度から中等度の知的障害、言語能力の遅れ、特徴的な顔貌、睡眠障害、行動上の問題などがあります。各細胞の17番染色体の微小な欠失により、スミス・マギニス症候群が生じます。この欠失は、染色体の短い (p) アームの p11.2 と呼ばれる位置で発生します。
bingによるスミス・マギニス候群の画像検索

NIPT論文(ねこなき症候群における高解像度マッピング)
ねこなき症候群の遺伝子型と表現型の関係を明らかにする高解像度マッピング研究。ヒロクリニックNIPTでの専門的な分析と解説。 ねこなき症候群...

22q11.2欠失症候群(ディ・ジョージ症候群)

ディジョージ症候群

ディジョージ症候群の特徴をみる

「ディ・ジョージ症候群」と呼ばれ、22番染色体にあるとても小さな部位に位置する約30個の遺伝子がないことが原因で発症する生まれつきの病気です。
先天性心疾患、精神発達遅延、特徴的顔貌、免疫低下、口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全、鼻声、低カルシウム血症。
bingによるディ・ジョージ症候群の画像検索

NIPT(新型出生前診断)でわかる全染色体異数性検査(流産検査)

ヒロクリニックNIPTでは21トリソミー、18トリソミー13トリソミー以外の染色体も含めた「全染色体」(1番~22番、X, Y染色体)検査が可能です。モザイクといって全ての細胞の染色体がトリソミーの場合には生存が厳しい例が多いのですが、モザイク症例は1番染色体から22番染色体まで全ての生存例が報告されています。妊婦の高齢化によってその比率は増加傾向にあります。トリソミーだけでなくモノソミーも検出しております。
35歳以上の妊婦様に特におすすめしております。ベルギーなどの考え方が進んでいる国では一般的に行われている検査になります。

Q&A

  • Q
    出生前診断でわかる「トリソミー」とは何ですか?
    トリソミーとは、通常2本であるはずの染色体が3本存在する状態を指します。代表的なものに21番トリソミー(ダウン症)や18番トリソミー(エドワーズ症候群)があります。
  • Q
    NIPTで性別も判定できるのですか?
    はい、NIPTでは性染色体を分析するため、胎児の性別も判定可能です。ただし、性別判定を目的とした検査は倫理的配慮が求められる場合があります。
  • Q
    NIPTでわかる性染色体異常にはどのようなものがありますか?
    クラインフェルター症候群(XXY)、ターナー症候群(XO)、XXX症候群、XYY症候群などが判定可能です。
  • Q
    出生前診断で微小欠失症候群もわかるのですか?
    はい、22q11.2欠失症候群(ディ・ジョージ症候群)や1p36欠失症候群などの116種類の微小欠失・重複症候群も検査可能です。
  • Q
    NIPTで「部分欠失」や「部分重複」がわかるのはどのような場合ですか?
    全常染色体で検出することが可能です。
  • Q
    NIPTでわかる異数性疾患はどのようなものがありますか?
    全ての染色体で異数性がわかります。これは1番から22番までの常染色体と性染色体です。有名なところで、ダウン症、エドワード症候群、パトウ症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群があります
  • Q
    NIPTで判定可能な代表的な染色体異常の発生頻度はどの程度ですか?
    ダウン症は約1/1000、エドワーズ症候群は約1/3500、パトウ症候群は約1/5000の頻度とされています。
  • Q
    出生前診断で染色体異常が発見された場合の対応はどうなりますか?
    NIPTの結果が陽性の場合、羊水検査を含めた確定診断を受けることが推奨されます。その後、医師と相談し、適切な選択を進めます。
  • Q
    NIPTは全ての胎児の異常を検出できますか?
    いいえ、NIPTは特定の染色体異常をスクリーニングする検査であり、全ての先天性疾患や異常を検出するわけではありません。胎児ドックなどと組み合わせて総合的に診断していくことが必要です。
  • Q
    出生前診断を受けるタイミングはいつが適切ですか?
    NIPTは妊娠9週から受けられることが多いですが、検査を早く受けることを希望される場合には妊娠6週からも行なっています。
  • Q
    出生前診断でエドワーズ症候群のリスクがわかるのはなぜですか?
    18番染色体のDNA量を分析し、その量をその他の染色体と比較して18トリソミー(エドワーズ症候群)のリスクを評価します。
  • Q
    NIPTでの性染色体異常判定と性別判定の違いは何ですか?
    性染色体異常判定は、染色体の数の異常を確認します。一方、性別判定は性染色体(XXかXY)によって決定される胎児の性別を判定します。
  • Q
    性染色体を調べる新型出生前診断で遺伝的な疾患リスクがわかる具体例はなんでしょうか?
    X連鎖劣性遺伝疾患などが該当します。これにより家族内での遺伝疾患リスクを評価できます。
  • Q
    NIPTはどのようにして胎児のDNA情報を調べるのですか?
    NIPTは母体の血液中に含まれる胎児由来のDNA断片を解析し、その分布量から部分的、全体的な染色体の量を推定します。
  • Q
    NIPTで部分欠失が見つかる確率はどの程度ですか?
    部分欠失・重複疾患の検出率は全妊婦の約1/285とされています。
  • Q
    出生前診断の結果が陽性の場合、出生後の生活にどのような影響がありますか?
    陽性結果の疾患によりますが、診断された病名がどのくらい重いのかは出生するまではわかりません。大体の程度は分かりますので、医師にご相談ください。
  • Q
    NIPTの結果に基づき遺伝カウンセリングは必要ですか?
    陽性や不明瞭な結果の場合、医師による遺伝カウンセリングは重要です。専門家と共に今後の選択肢を検討できます。
  • Q
    NIPTで特定できる「微小欠失症候群」の例は?
    ディ・ジョージ症候群、1p36欠失症候群、ウォルフ・ヒルシュホーン症候群など116種類が該当します。
  • Q
    出生前診断でわかることの限界は何ですか?
    NIPTは染色体異常のリスクを高精度で評価しますが、全ての先天性疾患を検出できるわけではありません。
  • Q
    NIPTの結果と実際の胎児の状態が一致しない場合がある理由は?
    NIPTが胎盤由来のDNAを調べるため、胎盤と胎児の遺伝情報が異なる場合に不一致が生じることがあります。これを一般的にはモザイクと呼ぶのですが、2種類の遺伝子情報が胎児に存在する場合に診断が難しくなります。