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お腹の赤ちゃんの健康状態が気になり、NIPT(新型出生前診断)を検討している方もいらっしゃるでしょう。
NIPTは精度の高い検査ですが、専門的な内容も多く、検査を受ける前には遺伝カウンセリングが推奨されています。
しかし、なぜカウンセリングが必要なのか、具体的にどのような話をするのか疑問に思うかもしれません。
本記事では、NIPTの基本的な内容から、遺伝カウンセリングの目的や重要性について解説します。
検査を受けるべきか悩んでいる方や、遺伝カウンセリングについて詳しく知りたい方は、ぜひご自身の意思決定にお役立てください。
NIPTとは
NIPT(新型出生前診断)は、妊婦さんの血液を用いて赤ちゃんの染色体異常を調べる非確定的検査です。
母体への負担が少なく、流産の危険性がないため、近年多くの妊婦さんに選ばれています。
ここでは、NIPTについて知っておくべき基本情報を3つ解説します。
- NIPTを実施する目的
- NIPTの対象
- NIPTのメリット・デメリット
検査を受ける前に特徴を正しく理解し、自分たちに必要な検査かどうかを判断する材料にしてください。
NIPTを実施する目的
この検査を行うおもな目的は、妊娠中に赤ちゃんの染色体疾患の可能性を把握し、将来に向けた準備を整えることです。
事前に状態を知ることで、生まれてくる赤ちゃんに必要な医療環境や療育体制について、具体的に検討する時間が持てます。
たとえば、専門的な治療が受けられる病院を分娩先に選んだり、利用可能な福祉サービスを調べたりできるでしょう。
また、家族で育児方針を話し合い、疾患を持つ子どもを迎えるための心の準備を整えることも可能です。
漠然とした不安を抱えたまま過ごすのではなく、前向きな対策を立てるための判断材料となります。
NIPTの対象
一般的には、出産予定日時点の年齢が35歳以上の高齢出産となる妊婦さんが、検査の対象とされています。
加齢とともに染色体疾患のリスクが上昇するため、医学的な観点から検査が推奨されるケースが多いからです。
過去に染色体異常のある子どもを妊娠・出産した経験がある方や、超音波検査で胎児に何らかの所見が見られた方も対象となります。
ただし、近年では年齢制限を設けずに、希望するすべての妊婦さんに対して検査を実施する医療機関も増えてきました。
ご自身の状況が対象に当てはまるかを確認しつつ、不安がある場合は医師に相談してみるとよいでしょう。
NIPTのメリット・デメリット
最大のメリットは、母体からの採血のみで行えるため、流産や感染症のリスクが極めて低いという点です。
妊娠10週という早い時期から受けられ、感度や特異度といった検査の精度も高いという特徴があります。
一方で、あくまで「非確定的検査」であるため、結果が陽性の場合は羊水検査などの確定診断が必要になる点がデメリットです。
さらに、健康保険が適用されない自由診療となるため、検査費用が高額になりやすいという経済的な負担もあります。
手軽に受けられる反面、結果次第では精神的な不安が増す可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
遺伝カウンセリングとは
遺伝カウンセリングとは、遺伝に関する悩みや疑問に対し、医学的な情報提供と心理的な支援を行う専門的なプロセスです。
NIPTにおいても、受検前の意思決定や結果の解釈を助けるために、重要な役割を果たしています。
ここでは、遺伝カウンセリングについて以下3つを説明します。
- 遺伝カウンセリングの目的
- 遺伝カウンセリングの内容
- 遺伝カウンセリングの重要性
専門家との対話を通じて知識を整理し、後悔のない選択をするための参考にしてください。
遺伝カウンセリングの目的
遺伝カウンセリングのもっとも重要な目的は、相談者が遺伝に関する正確な情報を得て、自律的な意思決定ができるよう支援することです。
専門家が科学的根拠に基づいた情報を分かりやすく説明し、検査への理解を深めます。
検査結果がもたらす心理的、社会的な影響についても一緒に考え、不安や悩みを軽減するためのサポートを行います。
カウンセリングは一方的な情報提供の場ではなく、対話を通じて一人ひとりの状況に合わせた最善の選択肢を見つける手助けをするプロセスです。
遺伝カウンセリングの内容
遺伝カウンセリングでは、まず相談者の悩みや不安を丁寧にヒアリングすることから始まります。
そのうえで、経験豊富な産婦人科専門医などが、NIPTで分かること・分からないこと、検査の限界、陽性だった場合の選択肢などを説明。
経験豊富な専門医として、妊娠中のことだけでなく、出産後のお子さんの経過や将来についても幅広く情報提供や評価を行います。
単なる情報提供にとどまらず、倫理的な問題や利用可能な社会的支援制度についても情報を提供し、多角的な視点から相談者を支えます。
遺伝カウンセリングの重要性
検査の意義を十分に理解しないまま受検すると、予期せぬ結果に直面した際に対応に悩む可能性があります。
カウンセリングを受けることで、結果が陽性だった場合の対応や選択肢を事前に想定し、覚悟を決められるでしょう。
インターネット上には不確かな情報も多いため、専門家から正確な最新知識を得ることは大切です。
医師などの専門家のサポートがあれば、倫理的な葛藤や不安な気持ちを1人で抱え込まずに済みます。
正しい理解に基づいた判断は、妊婦さんとそのご家族の安心感や納得感に大きくつながるはずです。
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出生前診断を受けるうえでの注意点
出生前診断は赤ちゃんの状態を知るための有用な手段ですが、決して万能な検査ではありません。
検査を受ける前に、その限界や倫理的な課題、結果がもたらす影響について深く理解しておく必要があります。
とくに注意すべき点として、以下3つがあげられます。
- すべての疾患が判明するわけではない
- 疾患の判明後に根本的な治療ができない
- “命”の選択を迫られる
これらを把握したうえで、検査を受ける覚悟と準備を持つことが大切です。
すべての疾患が判明するわけではない
NIPTで分かるのは、ダウン症候群(21トリソミー)や18トリソミー、13トリソミーなど特定の染色体異常のみです。
心臓病などの先天性心疾患や、視覚・聴覚の障害、口唇口蓋裂といった形態異常は、この検査では判別できません。
また、すべての染色体疾患を網羅しているわけではないため、検査結果が陰性でも「100%健康である」とはいい切れないからです。
生まれた赤ちゃんに、検査対象外の疾患や障害が見つかる可能性はゼロではないことを、あらかじめ理解しておきましょう。
検査で分かることと分からないことを明確に区別し、過度な期待を持たないことが賢明です。
疾患の判明後に根本的な治療ができない
検査で染色体疾患が見つかったとしても、お腹の中で薬や手術によって治療し、完治させることは残念ながらできません。
染色体の変化は生まれつきの体質であり、現代の医療技術では根本的な治療法が確立されていないからです。
検査の目的は病気を治すことではなく、あくまで状態を早期に知り、生まれてくる環境を整えるなどの対策を立てることになります。
結果を知ったあと、どのように向き合い、どのようなサポート体制を用意するかを、家族で時間をかけて話し合うことが大切です。
治療法がないという事実を受け止め、その後の生活をどう設計するかが課題となります。
“命”の選択を迫られる
検査結果が陽性だった場合、多くの妊婦さんは妊娠を継続するか、あるいは中断するかという重い決断を迫られます。
母体保護法では、胎児の疾患そのものを理由とした人工妊娠中絶は認められていません。
しかし実際には、「母体の精神的・身体的な健康保持」などを背景として、経済的な事情も含め、中絶が選択されるケースがあるとされています。
検査を受けることが、結果として厳しい選択を考えざるを得ない状況につながる可能性があり、その過程で大きな倫理的な葛藤を抱える場合もあります。
結果が出てから悩むのではなく、事前にあらゆる可能性を想定して、パートナーと話し合っておく覚悟が必要です。
- 疾患の発症や再発の可能性を評価するための家族歴と病歴の解釈(Interpretation)
- 遺伝形式、遺伝学的検査、治療、健康管理、予防、社会資源、研究についての情報提供(Education)
- インフォームド・チョイス、あるいは、リスクや疾患への適応を促進するためのカウンセリング(Counseling)
出生前診断を選ぶ際に心がけておきたいこと

出生前診断で後悔しないためには、事前の十分な情報収集と、パートナーや家族との深い話し合いが欠かせません。
検査を受けるかどうか迷っている場合は、いくつかのポイントを確認し、思考を整理してみましょう。
ここでは、判断の助けとなる以下5つを順に紹介します。
- 妊娠週数・母体の状況を考慮する
- 妊婦さんやご家族の意向を確認する
- 医師に相談する
- パートナーに相談する
- 費用を考慮する
焦って決めるのではなく、これらを一つひとつ丁寧に確認し、納得のいく結論を出してください。
娠週数・母体の状況を考慮する
出生前診断には、それぞれ検査を受けられる適切な時期や、医学的に推奨される週数が厳密に決まっています。
NIPTの場合は妊娠10週から受けられますが、羊水検査などの確定検査に進む場合は、15週以降など時期が異なります。
検討している間に推奨される週数を過ぎてしまうと、希望する検査を受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。
また、母体の健康状態や合併症の有無によっては、受けられない検査や推奨されない検査も存在します。
自身の妊娠週数と健康状態を正確に把握し、スケジュールに余裕を持って受検できる医療機関を早めに探しましょう。
1.妊婦さんやご家族の意向を確認する
なぜ検査を受けたいのか、その理由や目的を自分自身に深く問いかけ、本音を確認してみてください。
「赤ちゃんの状態を早く知って安心したい」「万が一に備えて環境や心の準備をしたい」など、動機は人それぞれ異なります。
また、結果が陽性だった場合に妊娠を継続するかどうかも、あらかじめ考えておかなければいけません。
周囲の意見に流されるのではなく、自分自身の気持ちを整理し、検査を受ける目的を明確にすることが大切です。
検査結果をどのように受け止め、その後の人生にどう生かすか、自身の価値観と向き合いましょう。
2.医師に相談する
検査を受けるべきか迷いや不安がある場合は、1人で悩まずにかかりつけの産婦人科医や専門医に相談することをおすすめします。
医学的な見地から、現在の母体の状況や年齢的なリスクに適した検査かどうか、的確なアドバイスをもらえるでしょう。
検査のメリットだけでなく、偽陽性の可能性や検査の限界についても詳しく説明を受けられ、理解が深まります。
専門家の客観的な意見を聞くことで、インターネットの情報だけでは得られない視点を持てます。
疑問点を解消し、冷静な判断ができるよう、遠慮なく医師に質問して情報を整理してください。
3.パートナーに相談する
出生前診断は妊婦さん1人だけの問題ではなく、これから生まれてくる子どもの将来や家族全体に関わる重大なテーマです。
パートナーと検査を受ける意義や、結果が出たあとの対応について、検査を受ける前に十分に話し合っておく必要があります。
お互いの価値観や考え方にズレがあると、結果が出たあとに意見が対立し、夫婦関係に大きな亀裂が入るおそれがあります。
どのような結果であっても2人で協力して乗り越えられるよう、事前に意思を統一しておくことが不可欠です。
2人の意見を丁寧にすり合わせ、双方が納得したうえで検査に臨むことが、家族の絆を守ることにつながります。
4.費用を考慮する
NIPTなどの出生前診断は基本的に自費診療となるため、健康保険が適用されず、全額自己負担となります。
医療機関や検査プランによって異なりますが、NIPTの費用相場は10万円から20万円程度と高額になる傾向です。
さらに、陽性だった場合に受ける羊水検査にも、追加で10万円から20万円程度の費用がかかるケースがあります。
一部の施設では羊水検査費用の補助制度を設けている場合もあるため、事前に詳細を確認しておくとよいでしょう。
家計への負担を考慮し、経済的に無理のない範囲で検査を受けられるか、慎重に検討してください。
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NIPTは受けるべきか?

NIPTには「疾患が確定できない」「費用がかかる」といった注意点はありますが、得られるメリットも大きいです。
採血のみで赤ちゃんへのリスクがほとんどなく、妊娠初期の早い段階で精度の高い結果を得られる点は、他の出生前診断にはない大きな強みといえます。
とくに、高齢出産で強い不安を感じている方や、早期に赤ちゃんの情報を知って準備を整えたい方には適しているでしょう。
近年では、より身近に検査を受けられるよう、認可外施設を含めて提携クリニックも増加しており、選択肢は広がっています。
自身の不安解消やライフプランに合わせて、NIPTが最良の選択肢となるか、前向きに検討してみてください。
まとめ
遺伝カウンセリングを通じて正しい知識を得ることは、納得のいくNIPT受検への第一歩です。
専門家のサポートがあれば、漠然とした不安を解消し、赤ちゃんを迎える準備を前向きに進められるでしょう。
ヒロクリニックNIPTでは、日本産科婦人科学会認定の専門医が在籍し、丁寧なカウンセリングと検査を提供しています。
6万6,000件以上の豊富な実績に基づき、従来の検査では分からなかった微小欠失症候群なども検査可能です。
結果も95%の方が、採血から8日以内にお届けしておりますので、まずは一度専門医にご相談ください。
- 妊婦に対して行う妊娠リスクや出生前診断などの出生前
- 先天的な異常や病気をもって産まれた児の診断や情報提供を行う小児期
- 成人発症の遺伝性疾患や家族性腫瘍などを扱う成人期
【参考文献】
- 日本医学会 – 医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン
Q&A
-
Q遺伝カウンセリングの内容はどのようなものですか?
遺伝カウンセリングでは、家族歴や病歴の確認、遺伝形式や遺伝学的検査についての情報提供、心理的・社会的支援が行われます。相談者のニーズに応じて、情報提供だけでなく、心理的支援に重点を置くこともあります。 -
Q出生前診断で遺伝カウンセリングを受ける理由は何ですか?
出生前診断で遺伝カウンセリングを受ける理由は、検査結果が家族や血縁者に与える影響を考慮し、適切な情報提供と心理的サポートを行うためです。また、検査の意義や結果の解釈について十分に理解した上で、最終的な意思決定を支援することが重要です。 -
Q遺伝カウンセリングは誰が提供するのですか?
遺伝カウンセリングは、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが提供します。また、必要に応じて他の診療科の臨床医、看護師、ソーシャルワーカーなどと連携して行われることもあります。 -
Q出生前診断の遺伝カウンセリングで何がわかりますか?
出生前診断の遺伝カウンセリングでは、胎児の遺伝子疾患のリスクや検査結果についての情報が提供されます。さらに、検査結果が家族や血縁者に与える影響や、適切な対応方法についても詳しく説明されます。 -
QNIPTはどのような人におすすめされますか?高齢妊娠(35歳以上)、染色体異常のリスクが高いとされる方、過去に異常妊娠の経験がある方などにおすすめされますが、妊娠中のすべての方に受検の選択肢があります。医師とよく相談して判断しましょう。
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Q遺伝カウンセリングとは何ですか?遺伝カウンセリングとは、遺伝子や染色体に関わる疾患のリスクや検査結果について、専門のカウンセラーや医師が丁寧に説明・相談を行う医療サポートです。検査を受ける前後に適切な判断ができるよう支援します。
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QQ2. NIPTを受ける前に遺伝カウンセリングは必要ですか?はい、NIPTは高精度な検査ですが、スクリーニング検査であり結果の解釈には専門的な知識が必要です。そのため、受検前に検査の意味や限界を理解するために、遺伝カウンセリングを受けることが推奨されます。
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Q遺伝カウンセリングではどんなことを相談できますか?以下のような内容を相談できます: 検査の目的や対象疾患 検査でわかること・わからないこと 陽性結果が出た場合の対応 家族歴に基づくリスクの説明 検査後の心理的サポート など
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Q遺伝カウンセリングを受けるメリットは何ですか?不安や疑問を専門家と話すことで安心感を得られるほか、誤解や不安から不適切な判断を防ぐ効果もあります。また、検査結果に対して冷静かつ適切な対応をとるための重要なサポートとなります。
記事の監修者
岡 博史先生
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