産後の抜け毛が起こる原因とは?発生時期や対策方法も紹介【医師監修】

NIPT 髪の悩み

女性は赤ちゃんを妊娠・出産後、髪の毛が抜ける人もいます。出産後脱毛症や分娩後脱毛症とも呼ばれていますが、予備知識もなく産後の抜け毛が発生すれば、不安になる方もいるでしょう。このコラムでは、抜け毛が発生する時期・原因・対策などを紹介します。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

女性は赤ちゃんを妊娠・出産後、髪の毛が抜ける人もいます。出産後脱毛症や分娩後脱毛症とも呼ばれていますが、予備知識もなく産後の抜け毛が発生すれば、不安になる方もいるでしょう。このコラムでは、抜け毛が発生する時期・原因・対策などを紹介します。

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産後の抜け毛が起こる時期

出産後のママは、一時的に抜け毛が増加する場合があります。量や期間には個人差がありますが、出産した女性のほとんどが経験する症状です。手ぐしをするだけで大量の髪の毛が抜けたり、シャンプーをするたびに排水溝が詰まったりと、これまでに経験したことのない量の抜け毛を経験する人もいます。

また、薄毛になり地肌が透けてしまうことも。時間が経てば改善されていく症状のため、出産後どのくらいの時期に発生しやすいかを確認しましょう。

出産後2~3か月で抜け始める

出産後の抜け毛が気になり始めるのは、出産からおよそ2~3か月後です。一般的に、人は1日に50~100本もの髪の毛が抜けているといわれていますが、出産後の脱毛症ではそれ以上に抜け毛が発生します。お風呂の排水溝やブラシについている髪の毛が多くなり、気付くケースがほとんどです。

出産後の大変な時期に抜け毛が発生するため、脱毛症の存在を知らないとより大きなストレスがかかってしまうでしょう。そのため、出産後の抜け毛は誰にでも起こると理解しておくことが大切です。

抜けてる

出産後4~6か月が抜け毛のピーク

出産後の抜け毛は、4~6か月ほどでピークを迎えます。お風呂の排水溝や部屋に落ちている髪の毛の量に驚くママも多いでしょう。しかし、この時期を過ぎれば抜け毛の量は落ち着いていきます。

この時期は赤ちゃんがハイハイをはじめるころで、子どもの成長に嬉しさを覚えるタイミングです。抜け毛の心配をする間もなく、あっという間に抜け毛のピークを過ぎていたこともあるでしょう。

出産後半年~1年で落ち着いてくる

出産後、半年~1年も経過すれば抜け毛は落ち着いてきて、通常通りのヘアサイクルに戻っていきます。新しい髪の毛も徐々に生えてくるため、薄毛も目立たなくなっていくでしょう。産後の抜け毛は永久に続くものではありません。過度に心配する必要はなく、出産後のママなら誰にでも起こり得ることと考え、子育てに集中しましょう。

産後の抜け毛が起こる原因5選

産後の抜け毛が発生する主な原因は5つあります。出産後の脱毛が不安な方は、原因を知って後ほど紹介する対策を実践するとよいでしょう。

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1. ホルモンバランスの変化

産後のホルモンバランスの変化が、抜け毛に大きな影響を及ぼしていると考えられています。妊娠後期になると、女性の身体の中ではエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が増加します。エストロゲンは、さらに3つのホルモンに分類され、名称は以下のとおりです。

・エストロン
・エストラジオール
・エストリオール

3つのホルモンのうち、エストラジオールにはヘアサイクルにおいて、髪の毛を成長期のまま止める働きがあります。出産後はエストロゲンの分泌量が正常に戻るため、ヘアサイクルも通常通り回るようになります。成長期のまま止められていた髪の毛が、一気に退行期・休止期に入るため、まとめて髪の毛が抜けるようになってしまうのです。

2. 出産・育児のストレス

慣れない出産や育児にストレスを抱えるママも多くいるでしょう。体力が回復しないうちに赤ちゃんの面倒を付きっきりで見る必要があります。そのため、夜泣きや授乳で睡眠不足や疲労によるストレスが溜まりやすくなり、健康な髪の毛が育ちにくい状態になってしまう可能性があります。

3. 頭皮の環境悪化

産後の女性は、ホルモンバランスの変化により肌質が変わりやすいといわれています。肌にあわないシャンプーを使い続けていると、肌を守る役割がある皮脂を過度に洗い流してしまい、頭皮の環境が悪化してしまいます。その結果、健康な髪の毛が成長しにくい状態になってしまう可能性があるでしょう。

一方で、育児の忙しさや疲れから髪を洗う頻度が減ると、頭皮に皮脂や汚れが貯まりやすくなり、毛穴のつまりが発生して髪の毛の健康な成長を妨げます。

栄養サポート

4. 妊娠・出産後の栄養不足

妊娠中、つわりが重かったり偏食していたりして、栄養バランスのとれた食事をしていないと、健康な髪の毛が作れません。また、出産後も忙しさから食事がままならず、バランスが崩れたままの状態であれば、髪の毛の成長を妨げてしまいます。なお、髪の毛はたんぱく質から作られるため、たんぱく質をしっかりとることが大切です。

妊娠中に増えた体重を戻そうと、産後にダイエットをする人もいますが、極端に食事の量を制限してしまうと抜け毛の症状を悪化させかねません。

5. そのほかの原因

そのほか、出産後の抜け毛の原因として考えられるのは、喫煙や高齢出産、難産などです。たばこを吸っていると毛細血管が収縮し、頭に栄養が行き渡らなくなるといわれています。また、年齢が高くなるほど産後の抜け毛の量が増え、期間も長くなりやすい傾向です。難産も、産後の回復を遅らせてしまうため、脱毛の症状を悪化させてしまう可能性があります。

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産後の抜け毛対策

産後の抜け毛は、個人差はあれど出産を経験したママであれば、ほとんどの人が通る道です。自然現象により起こるもののため、気にしすぎる必要はありません。しかし、抜け毛による見た目の変化が気になってしまうという方は、症状が重くならないよう対策を行いましょう。

1. バランスのとれた食生活を心がける

抜け毛の症状を軽くするためには、栄養バランスの良い食事を1日3食しっかり食べましょう。抜け毛の対策としては、髪の毛に栄養を行き渡らせることが大切です。とくに、たんぱく質は髪の毛を作るもとになります。そのため、3食の食事で毎回お肉や魚、大豆製品などのたんぱく質を多く含む食品を積極的にとりましょう。

そのほかにも、髪の毛の成長を助ける働きを持つ栄養素は以下のとおりです。

・シスチン
・亜鉛
・イソフラボン
・コラーゲン
・ビタミンC
・ビタミンB2
・ビタミンB6

多くの栄養素で抜け毛防止効果を期待できるため、まずは栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切といえるでしょう。

2. 十分な睡眠時間をとる

身体の細胞と同様に、髪の毛も睡眠中に細胞分裂を繰り返して成長するため、睡眠時間の確保も重要です。1回でまとめて睡眠をとるのが理想ですが、子育て中は夜泣きや授乳があるため、思うように睡眠をとれない場合がほとんどでしょう。

そのため、短時間でも質の良い睡眠ができるよう、寝る直前のスマホは控えたり、温かい飲み物を飲んで眠気を誘ったりなどの工夫が必要です。また、短時間だからとカーペットやソファなどで寝るのは避けましょう。質の良い睡眠をするためには布団やベッドの利用がおすすめです。

3. サプリメントで栄養を補う

髪の毛の成長を促進させるためには、食事バランスが大切と紹介しましたが、育児の忙しさから十分な食事を準備したり、食べたりするのが難しい場合もあります。その場合は、サプリメントやプロテインなどで、不足している栄養素を補いましょう。

栄養

育児で疲労困憊のなか、1日3回数種類のおかずを作って食事を準備するのはなかなか大変なものです。理想は食事から栄養素をとることですが、余裕がない場合はサプリメントに頼りましょう。

4. アミノ酸系シャンプーを使う

産後、髪を洗う際はアミノ酸系シャンプーがおすすめです。出産後は体質の変化により、出産前に使用していたシャンプーがあわなくなるケースもあります。増加していた女性ホルモンの分泌が正常に戻っていくことで、乾燥肌や敏感肌になる人もいます。洗浄力の強いシャンプーを使っていると、頭皮の乾燥や刺激となり抜け毛の症状を悪化させる可能性も。そのため、出産後は刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーを利用するとよいでしょう。

5. 育毛剤を利用する

抜け毛がどうしても気になる人は、育毛剤を試してみましょう。育毛剤は、頭皮や髪の毛に必要な栄養素を含んだ美容液です。頭皮のモイスチャーバランスを整えてくれる働きがあるため、産後の抜け毛が不安な方は、対策の一つとして視野に入れておきましょう。

妊娠・出産前のストレスを減らすならNIPT(新型出生前診断)を

産後の抜け毛は、ほとんどの女性が経験する症状です。しかし、見た目に大きな変化が出るのを不安に思う方は、症状を軽くするための対策を立てる必要があります。食事や睡眠などの生活習慣を整えるだけでも、抜け毛の量や期間を軽減できる可能性があります。

また、抜け毛の原因としてストレスも考えられるでしょう。妊娠中に、過度な不安によるストレスを抱え込まないよう、NIPT(新型出生前診断)の実施をおすすめします。NIPTでは、母親の採血だけで赤ちゃんの染色体異常による先天性疾患が検査可能です。出産後の不安を少しでも軽減するために、早めの検査を視野に入れましょう。

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Q&A

  • Q
    産後の抜け毛が起こらない人もいますか?
    産後の抜け毛は、妊娠・出産を経たほとんどの女性が経験する症状です。しかし、抜け毛の量や期間には個人差があるため、脱毛が発生していても気にならない方もいるでしょう。抜け毛の大きな原因として考えられるホルモンバランスの変化が少ないと、ヘアサイクルの乱れが小さく、抜け毛の症状も目立たなくなると考えられます。
  • Q
    頭皮ケアの方法を知りたいです
    頭皮ケアを行う際は、頭皮に潤いを与えてくれるローションを使用して行いましょう。まず、手のひらを使って頭皮全体をほぐします。その後、指3本で下から上へ地肌を引き上げるようにします。最後に指先で頭の中央を押しましょう。頭皮の乾燥を防ぎ、血行を促進することで、抜け毛を軽減する効果が期待できます。
  • Q
    抜け毛を目立たないようにする方法はありますか?
    抜け毛を目立たなくするためには、思い切ってヘアチェンジするのも一つの手段です。生え際や分け目の薄さが気になる方には、ショートヘアがおすすめ。分け目が目立ちにくいのはもちろん、髪を乾かす時間が短く済みます。

女性は赤ちゃんを妊娠・出産後、髪の毛が抜ける人もいます。出産後脱毛症や分娩後脱毛症とも呼ばれていますが、予備知識もなく産後の抜け毛が発生すれば、不安になる方もいるでしょう。このコラムでは、抜け毛が発生する時期・原因・対策などを紹介します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

【役職】

NIPT専門クリニック医学博士
ヒロクリニック統括院長

【資格】

平成8年 医師免許 取得 
平成14年 慶應義塾大学医学博士号 取得
平成15年 皮膚科専門医 取得
平成29年 産業医 取得

【略歴】

平成8年 慶應義塾大学医学部 卒業
平成8年 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 入局
平成11年 川崎市立川崎病院総合心療内科 勤務
平成12年 川崎市立川崎病院皮膚科 勤務
平成14年 慶応義塾大学病院皮膚科 勤務
平成17年 城本クリニック 勤務
平成20年 ヒロクリニック開院・院長就任
平成21年 医療法人社団福美会 設立・理事長就任

【所属】

医療法人社団福美会

【SNS】

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