妊娠が分かったら保険・手当を確認|出産準備の第一歩

妊娠が分かったら、保険や手当の確認は早めに行いましょう。出産一時金や育児休業給付金、自治体の助成制度など申請方法も詳しく解説します。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

妊娠が分かったら、出産育児一時金・出産手当金・育児休業給付金・自治体の助成という4つの柱を早めに確認すると、申請漏れを防げます。出産育児一時金は加入している健康保険から原則1児あたり50万円、出産手当金は勤務先の健康保険に入っている本人が対象、育児休業給付金は雇用保険から支給されます。自治体の助成は地域差が大きく、NIPTなどの自費検査は公的医療保険の対象外です。制度は改正されることがあるため、最新情報はお住まいの自治体や加入先の窓口で確認してください。この記事では、もらえるお金の全体像と手続きの流れをまとめました。

この記事でわかること

  • 出産でもらえる3つのお金(一時金・手当金・育休給付)の対象者と支給元の違い
  • 出産手当金・育児休業給付金の支給の目安と、申請の窓口
  • 自治体の助成や妊婦のための支援給付、NIPTなど自費検査の費用と備え方
  • 妊娠初期から確定申告まで、いつ何を手続きするかのタイムライン

妊娠が分かったらまず確認したいお金の全体像

妊娠・出産・子育てで受け取れるお金は、公的医療保険・雇用保険・自治体の3つの窓口に分かれています。どこが担当かを先につかむと、あとの手続きで迷いません。

妊娠が分かった瞬間から、生活も家計の計画も少しずつ変わっていきます。母子の健康を守る通院に加えて、出産や育児にかかるお金への備えも早めに始めたいところ。日本には妊娠から子育てを支える制度が数多くありますが、申請しなければ受け取れないものがほとんどです。

私が周囲の妊婦さんの話を聞いていて感じるのは、制度の存在は知っていても「自分が対象かどうか」で迷う方がとても多いという点です。対象者と申請先さえ整理できれば、あとは順番にこなすだけ。まずは全体像を一枚の地図のように持っておくと安心できます。

子育て世帯がもらえるお金は、思っている以上に幅があります。児童手当や出産育児一時金の50万円、育児休業給付金、出生後の休業を支える給付、高校の就学支援まで、対象は生活のさまざまな場面に広がっています。Xでも@100toku_upさんが、2026年時点の子育て世帯向けの給付金や手当を整理したうえで「申請漏れがないかチェックを」と呼びかけていました。私も、まず一覧にして自分に当てはまるものへ印をつける進め方をおすすめしたいと感じます。

本記事では、出産に直結する給付から自治体の助成、出産後の税制優遇までを順に見ていきます。まずは、金額の大きい3つのお金の違いから整理します。

出産でもらえるお金の支給元と対象 出産育児一時金 加入する健康保険 原則1児50万円 ほぼ全員が対象 出産手当金 勤務先の健康保険 休業中の収入補填 働く本人が対象 育児休業給付金 雇用保険 育休中の収入補填 雇用保険加入者
3つのお金は支給元と対象者が異なります。自分がどれに当てはまるか確認しましょう

出産でもらえる3つのお金を比較

出産でもらえる大きなお金は、出産育児一時金・出産手当金・育児休業給付金の3つで、それぞれ対象者と支給元が違います。まず表で全体を見比べてください。

3つの違いは「誰が対象か」に集約されます。出産育児一時金は健康保険に入っていればほぼ全員、出産手当金は勤務先の健康保険に入って働く本人、育児休業給付金は雇用保険の加入者が中心です。専業主婦(主夫)や国民健康保険のみの自営業の方は、手当金や育休給付の対象にならないことがあります。

制度名支給元主な対象者支給の目安
出産育児一時金加入している健康保険出産した被保険者・扶養家族原則1児あたり50万円
出産手当金勤務先の健康保険健康保険に入り働く本人休業中の給与の一部を補填
育児休業給付金雇用保険雇用保険の被保険者開始から一定期間は賃金の67%が目安
出産でもらえる3つのお金の比較。金額や要件は加入先で必ず確認してください

表の金額はあくまで目安です。健康保険組合によっては独自の付加給付があり、支給額の計算方法にも細かな条件があります。自分の勤務先や加入先の窓口で、正確な金額と必要書類を確かめてください。次の見出しから、一つずつ中身を見ていきます。

出産育児一時金のしくみと申請

出産育児一時金は、2023年4月から原則1児あたり50万円に引き上げられ、産科医療補償制度の対象分娩であればこの額が支給されます。加入している健康保険が支給元です。

対象になるのは、協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険などに加入している方が出産したケースです。被保険者本人だけでなく、扶養に入っている家族が出産した場合も受け取れます。産科医療補償制度に加入していない分娩など、条件によっては金額が変わることがあります。制度のくわしい内容は全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内で確認できます。

直接支払制度でまとまった出費を抑える

多くの医療機関では、直接支払制度が使えます。健康保険から医療機関へ一時金が直接支払われるしくみで、窓口では出産費用との差額だけを払えば済みます。出産費用が50万円を下回った場合は、差額を後から受け取れます。

直接支払制度に対応していない医療機関では、いったん費用を立て替え、あとから健康保険へ申請して口座で受け取る流れになります。どちらの方式かは、出産する施設に早めに尋ねておくと安心です。双子など多胎の場合は、原則として人数分が支給されます。

出産手当金は働く妊婦が対象

出産手当金は、勤務先の健康保険に入っている本人が、産前産後の休業で給与を受けられない期間に受け取れるお金です。国民健康保険には原則としてありません。

会社員・契約社員・パートなどで働き、勤務先の健康保険(社会保険)に加入している方が対象です。扶養に入っている専業主婦(主夫)や、国民健康保険のみの自営業の方は原則として対象外になります。産休で収入が途切れる期間を支えるための制度、と考えると分かりやすいです。

支給される期間と金額の目安

支給の対象は、産前休業(出産予定日の42日前から、多胎は98日前から)と産後休業(出産日の翌日から56日間)のうち、給与が支払われない日です。金額は、休業前の標準報酬月額をもとに日額が計算され、その3分の2程度が目安になります。予定日より出産が遅れた場合は、その分の日数も加わります。

会社から給与の一部が出ているときは、その額に応じて手当が調整されることがあります。正確な計算や、退職予定がある場合の扱いは、勤務先の担当部署か加入先の健康保険に確認してください。金額の考え方は協会けんぽの出産手当金の案内が参考になります。

申請は勤務先を通して進める

申請書は勤務先で受け取り、出産した医療機関に証明欄を記入してもらってから、勤務先経由で健康保険へ提出します。審査後に指定口座へ振り込まれ、支給までは1〜2か月ほどが目安です。産前に早めに書類を受け取っておくと、産後の負担が軽くなります。

育児休業給付金と社会保険料の免除

育児休業給付金は雇用保険から支給され、休業開始後の一定期間は賃金の67%、その後は50%が目安です。要件や上限があるため、加入状況の確認が欠かせません。

雇用保険に入って育児休業を取る方が対象で、窓口はハローワークです。母親だけでなく、父親が育休を取る場合にも利用できます。原則として子どもが1歳になるまで支給され、保育園に入れないなどの事情があれば、1歳6か月、最長2歳まで延長できる場合があります。制度のくわしい内容や要件はハローワーク(厚生労働省)で確認してください。

受給には、育休開始前の2年間に一定以上の被保険者期間があることなどの要件があります。休業中に働いて一定額を超える賃金を受け取ると、支給額が調整されることもあります。申請は自分で直接ではなく、勤務先を通じて、原則2か月ごとに更新していく流れです。

あわせて覚えておきたいのが、社会保険料の免除です。育休中は健康保険と厚生年金の保険料が一定条件で免除され、免除された期間も将来の年金の計算上は不利になりません。家計の負担が軽くなる制度なので、勤務先の届け出を忘れずに進めてください。夫婦で育休を分け合う制度を使うと、受け取れる期間を延ばせる場合もあります。

自治体の助成と妊婦のための支援給付

自治体の助成や妊婦のための支援給付は地域差が大きいため、お住まいの自治体で必ず確認してください。妊婦健診の費用助成は、全国的に用意されています。

妊婦健診は公的医療保険の対象外ですが、母子健康手帳の交付時に受診券(補助券)が渡され、費用の一部が助成されます。助成の回数や上限額は自治体ごとに異なります。里帰り出産では、いったん立て替えて後から払い戻す方式になることもあります。健診の回数や内容の目安は妊婦健診の頻度と内容でくわしく解説しています。

近年は、妊娠の届け出時や出産後に、面談とあわせて支援給付を受け取れる自治体が増えています。旧・出産子育て応援交付金の流れをくむ「妊婦のための支援給付」などがこれにあたります。支給額・支給方法・面談の要否は地域によって差があるため、母子手帳を受け取るときに配られる案内で確認してください。引っ越し予定がある方は、転入前後の両方の制度を見比べておくと取りこぼしを防げます。

自治体独自の支援には、妊婦歯科健診、産前産後のヘルパー派遣、産後ケア事業など、生活を支える幅広いメニューがあります。全国的な制度の考え方はこども家庭庁の母子保健のページが参考になります。産後の暮らしをラクにする道具選びは妊婦の便利グッズもあわせてご覧ください。

NIPTなど自費検査の費用と備え

NIPTなどの出生前検査は、公的医療保険の対象外の自費が一般的で、費用は医療機関や検査項目で変わります。助成の対象になりにくい点も、あらかじめ知っておきたいところです。

NIPTは、13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的検査です。結果が陽性でも診断が確定するわけではなく、確定診断には羊水検査などが必要になります。妊婦健診の補助券は、こうした自費の任意検査には使えないことが多いため、費用は別に見込んでおくと安心です。検査の性質や費用感はNIPT(新型出生前診断)出生前診断の費用でくわしく確認できます。

私は、検査を受けるかどうかを迷う方には「金額だけでなく、結果をどう受け止めたいか」を先に考えてほしいと感じます。費用の準備と気持ちの準備は、どちらも大切だからです。受けるか迷う段階でも、専門の窓口に相談すると整理が進みます。高齢での妊娠に不安がある方は高齢出産のリスクと備えもあわせて読んでみてください。判断に迷うときは、抱え込まず相談してください。

出産後の税制優遇と医療費控除

出産後は医療費控除で税負担を軽くできる一方、給付金の一部は非課税で、ふるさと納税の控除上限計算には含まれない点に注意が必要です。年をまたぐ手続きも忘れないでください。

医療費控除は、1年間の医療費が一定額(原則10万円、総所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えたときに、確定申告で所得控除を受けられる制度です。妊婦健診、分娩・入院費、通院の公共交通機関の交通費などが対象になります。出産育児一時金などで補填された分は差し引いて計算します。領収書や交通費の記録は、1年分をまとめて保管しておいてください。

見落としやすいのが、給付金の課税の扱いです。出産手当金や育児休業給付金は非課税で、所得税や住民税がかかりません。ここで気をつけたいのが、ふるさと納税の控除上限との関係。私も「育休で収入が下がる年は、上限も下がる」と考えておくべきだと感じます。Xでも@coppellllkakeiさんが、育児休業給付金や出産手当金は非課税でふるさと納税の控除上限には入らないため、育休中は上限の見積もりに注意と書いていました。寄付のしすぎで自己負担が増えないよう、育休中の年は上限を控えめに見ておくと安心です。

出生後は、児童手当の申請も期限が短いので早めに動いてください。出生届と一緒に手続きできる自治体も多く、まとめて済ませると負担が減ります。扶養控除や配偶者控除は、年末調整や確定申告での申告漏れに気をつけましょう。

手続きの流れとタイミング

手続きは妊娠初期・中期・後期・出産後・確定申告の5つの段階に分けると、抜け漏れなく進められます。期限が短いものから優先してください。

妊娠初期は、市区町村へ妊娠の届け出を出し、母子健康手帳と妊婦健診の受診券を受け取ります。中期には、勤務先へ妊娠を報告し、出産手当金や育児休業給付金の準備を始めます。後期は、出産後の申請に備えて健康保険証や各種証明書、出生届の用紙をそろえておくと安心です。

妊娠から産後までの手続きタイムライン 妊娠初期 妊娠届 母子手帳 妊娠中期 勤務先へ報告 助成の申込 妊娠後期 書類の準備 出生届の用紙 出産後 出生届・児童手当 手当金の申請 翌年 医療費控除 確定申告
妊娠初期から確定申告まで、段階ごとに必要な手続きの目安です

出産後は、出生届を出生日から14日以内に提出し、児童手当や子どもの健康保険の手続きを進めます。出産手当金や育児休業給付金の申請も、この時期に本格化します。翌年の確定申告では、医療費控除の申告を忘れないようにしてください。産後は体力の回復と育児で忙しくなります。書類はできる範囲で妊娠中にそろえておくと、当日の負担がぐっと軽くなります。

母子健康手帳と妊婦健診の受診券

制度は年度ごとに見直されることがあります。金額や要件が変わる場合もあるため、手続きの前には、加入先の健康保険・ハローワーク・お住まいの自治体の最新の案内を必ず確認してください。最新情報を一次情報で押さえておくことが、いちばんの申請漏れ対策になります。

よくある質問

妊娠・出産のお金について、よく寄せられる疑問をまとめました。判断に迷うときの参考にしてください。

Q. 出産育児一時金はいくらもらえますか?

2023年4月から、原則1児あたり50万円です(産科医療補償制度の対象分娩の場合)。加入している健康保険から支給され、多くの医療機関では直接支払制度で窓口負担を抑えられます。金額や条件は加入先で確認してください。

Q. 専業主婦でも出産手当金はもらえますか?

出産手当金は、勤務先の健康保険に入って働く本人が対象です。扶養に入っている専業主婦(主夫)や国民健康保険のみの方は、原則として対象外になります。ただし出産育児一時金は加入している健康保険から受け取れます。

Q. 育児休業給付金はいくらもらえますか?

雇用保険から支給され、休業開始後の一定期間は賃金の67%、その後は50%が目安です。要件や上限があります。窓口はハローワークで、申請は勤務先を通じて進めます。くわしくはハローワークの案内で確認してください。

Q. NIPTの費用は保険や助成の対象になりますか?

NIPTは13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的検査で、公的医療保険の対象外の自費が一般的です。妊婦健診の補助券も使えないことが多いため、費用は別に見込んでおいてください。確定診断には羊水検査などが必要です。

Q. 育休中のふるさと納税は何に注意すればよいですか?

出産手当金や育児休業給付金は非課税で、ふるさと納税の控除上限の計算には含まれません。育休で課税所得が下がる年は上限も下がるため、寄付のしすぎで自己負担が増えないよう、上限を控えめに見積もってください。

Q. 手続きで特に急ぐものはどれですか?

期限が短いのは出生届(出生日から14日以内)と児童手当の申請です。出生届と同時に児童手当を申請できる自治体も多いため、まとめて手続きしてください。制度は改正されることがあるので、最新情報は自治体や加入先で確認しましょう。

著者・監修

岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。

妊娠が分かったら、保険や手当の確認は早めに行いましょう。出産一時金や育児休業給付金、自治体の助成制度など申請方法も詳しく解説します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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医師監修 監修日:2025年8月27日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2025年8月27日
花澤 司 (医師/ヒロクリニック大宮駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2025年8月27日
陽川 英仁 (医師・医学博士/ヒロクリニック大阪駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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