妊娠中の旅行の注意点と行き先の選び方は?【医師監修】

NIPT 中国語も対応可能

妊娠中の安全な旅行準備と注意点を詳しく解説

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

この記事のまとめ

妊娠中の旅行は、いわゆる安定期でも無理をせず、事前にかかりつけ医へ相談したうえで、近場・ゆとりある日程・医療体制の整った行き先を選ぶことが大切です。母子健康手帳と保険証を持ち、体調を最優先にすれば、マタニティ旅行は思い出深い時間になります。切迫早産や合併症など経過に不安がある場合は控えてください。この記事では、旅行前の準備から移動手段別の注意点、行き先と宿泊先の選び方までをまとめました。

この記事でわかること

  • 旅行前にしておきたい準備(時期の選び方・母子健康手帳・医療機関の確認)
  • 旅行中に注意したいポイント(体調最優先・こまめな休憩・水分補給)
  • 車・新幹線・飛行機の移動手段別に気をつけたいこと
  • 近場・気候・医療体制を踏まえた行き先と宿泊先の選び方

旅行前にしておきたい準備

旅行前の準備でいちばん大切なのは、時期を無理なく選び、かかりつけ医に相談したうえで、母子健康手帳や保険証、旅行先の医療機関を確認しておくことです。赤ちゃんが生まれたあとはしばらくゆっくり出かけにくくなるため、妊娠中に旅行を計画する方は少なくありません。だからこそ、当日を安心して楽しむための下準備が肝心です。

時期の選び方は「安定期でも無理をしない」

つわりが落ち着き、体調が安定しやすい妊娠中期は、旅行を計画しやすい時期といわれます。ただし、いわゆる安定期であっても、体調の変化が起こらないわけではありません。お腹の張りや疲れやすさは人それぞれ。無理のない範囲で計画してください。妊娠中期の体の変化については妊娠中期の過ごし方もあわせてご覧ください。

旅行に行けるかどうかは、自己判断せず、必ずかかりつけ医に相談してください。切迫早産妊娠高血圧症候群などで経過に不安があるときは、旅行を控える判断も大切です。妊娠高血圧症候群のように、経過観察が必要な状態もあります。医師のゴーサインが、いちばんの安心材料です。

持ち物と医療機関の事前チェック

旅行先で体調に変化があったときに備え、持ち物を整えておきましょう。忘れてはいけないのが母子健康手帳と健康保険証です。旅行先で受診する際に欠かせません。処方薬や普段のサプリメントがあれば、あわせて準備してください。

お腹を冷やさないよう、羽織ものやはらまきも役立ちます。冷えが気になる方は、日ごろのケアもあわせて見直すと快適です。体を温める工夫は冷え・温活の工夫が参考になります。旅行前の下着選びが気になる方はマタニティブラの選び方もどうぞ。

あわせて、宿泊先には予約時に妊娠中であることを伝えておくと安心です。食事の配慮が必要なときも、事前に相談しておきましょう。旅行先の産婦人科や総合病院の場所を、地図で確かめておくとより心強いです。妊娠前からの体調づくりという視点では妊娠前に知っておきたいことも役立ちます。

旅行前チェックリスト かかりつけ医に旅行の可否を相談する 母子健康手帳・健康保険証を持つ 旅行先の産婦人科・病院の場所を確認 宿泊先に妊娠中であると事前に伝える 羽織もの・薬・サプリで冷えと体調に備える
旅行前は、医師への相談と医療機関の確認を先に済ませておくと安心です

医師への相談が欠かせないケース

次のいずれかに当てはまる方は、旅行前に必ずかかりつけ医へ相談してください。自己判断での旅行計画は避けたほうが安心です。

  • 35歳以上の高齢妊娠
  • 妊娠高血圧症候群・糖尿病・甲状腺疾患などの合併症がある
  • 前置胎盤や子宮頸管の短縮を指摘されている
  • 双子や三つ子などの多胎妊娠
  • 過去に流産早産を経験している

これらに該当する場合、医師から旅行を控えるよう伝えられることがあります。指示があれば、必ず従ってください。

NIPTや妊婦健診の受診時期を優先する

NIPTは、妊娠10週から15週ごろに受けられる検査です。旅行の日程を先に決めてしまうと、検査や健診の受診時期とずれてしまうことがあります。

海外へ渡航する場合は、予防接種の可否もあわせて確認してください。黄熱病ワクチンは妊婦さんへの接種を基本的に見合わせるため、流行地への渡航自体を避けたほうが安心です。インフルエンザワクチンは、妊娠中でも接種できるとされています。旅行計画は、NIPTや健診のスケジュールを優先したうえで組み立ててください。

旅行で注意したいポイント

旅行中は体調を最優先にして、こまめに休憩と水分補給をはさみ、移動の少ないゆとりある日程で楽しむことが基本です。観光地では、あれもこれもと歩きまわりたくなります。けれど妊娠中は、いつもより疲れやすいもの。予定を詰め込みすぎないでください。

体調を最優先に、こまめな休憩と水分を

疲れや不調を感じる前に、早めに休むのがコツです。ベンチやカフェの場所を、あらかじめ調べておくと動きやすくなります。水分補給もこまめに。トイレが近くなりやすい時期なので、トイレの位置も確認しておくと安心です。

旅行当日の朝は、体調を確かめる時間にしてください。いつもと違うと感じたら、予定を変える勇気も大切です。私は、無理に遠出しないことがいちばんの安心につながると感じます。Xでも@yn0212_rtさんが、妊娠中はずっと不安で、安定期でも飛行機を使わない範囲でと考えていたけれど、こわくてなかなか動けないと書いていました。不安な気持ちは自然なもの。無理をしない選択も、立派な決断です。

負担の大きいアクティビティは控える

激しく体を動かすアクティビティは、妊娠中は避けてください。次のようなものは、そもそも妊婦さんの利用を断っている施設が多い傾向です。無理をしないための目安として、頭に入れておきましょう。

  • ジェットコースター・バンジーなど、強い揺れや衝撃をともなうもの
  • ダイビングなど、水圧や酸素環境が変わるマリンスポーツ
  • アスレチックや登山など、転倒の危険があるもの

混雑する時期も、できれば避けたいところです。大型連休は人ごみで接触や転倒のリスクが上がります。渋滞でトイレに行きにくくなることもあります。日程をずらせるなら、平日や落ち着いた時期を選んでください。ゆったり過ごせるほうが、心も体も休まります。

移動手段別の注意点

移動手段は、車ならシートベルトを正しく着けてこまめに休憩し、新幹線は通路側、飛行機は各社の妊婦向けルール確認と血栓予防を意識してください。それぞれ気をつけたい点が違います。ご自身の移動にあわせてチェックしましょう。

まずは、移動手段ごとの注意点を表にまとめました。長距離になるほど、休憩や姿勢の工夫が効いてきます。

移動手段気をつけたいこと快適に過ごす工夫
渋滞でトイレに行きにくい・長時間同じ姿勢シートベルトを正しく着け、こまめに休憩を取る
新幹線・電車乗り換えで急ぐと転倒しやすい通路側の席を選び、乗り換えは時間にゆとりを持つ
飛行機週数で搭乗制限や診断書が必要な場合がある各社のルールを事前確認し、長時間なら血栓予防を意識
移動手段ごとの注意点と、快適に過ごすための工夫

車移動はシートベルトと休憩がカギ

車は自分たちのペースで動けるのが魅力です。妊娠中でも、シートベルトは必ず着けてください。着け方には、お腹を避けるコツがあります。腰ベルトはお腹の下、骨盤を通すように。肩ベルトはお腹を避け、胸の上を通して脇へ流します。お腹を横切らせないのがポイントです。

長時間同じ姿勢が続くと、足がむくんだり血流が滞ったりしやすくなります。1〜2時間ごとに休憩を取り、車から降りて軽く歩きましょう。サービスエリアやトイレの位置は、出発前に調べておくと安心です。

新幹線・電車は通路側でゆとりを

新幹線は移動時間が読みやすく、計画を立てやすい手段です。席は通路側がおすすめ。トイレに立ちやすく、気分が悪いときも動きやすくなります。乗り換えは、いつもより時間にゆとりを。急いで走ると転倒の危険があります。体調がすぐれないときは、途中下車して休んでください。

飛行機は各社ルールと血栓予防を確認

飛行機は、航空会社ごとに妊婦さん向けのルールが定められています。出産予定日が近い時期は、医師の診断書や付き添いが必要な場合があります。搭乗前に、必ず各社の案内を確認してください。長時間のフライトでは、足の血流が滞って血栓ができやすくなります。ときどき足首を動かし、水分をとり、こまめに立って歩きましょう。妊娠中の体の変化については日本産婦人科医会 解説ノートの情報も参考になります。

移動手段別の注意点 シートベルトを 正しく着ける 1〜2時間ごとに 休憩する 新幹線 通路側の席を 選ぶ 乗り換えは ゆとりを持つ 飛行機 各社の妊婦 ルールを確認 足を動かし 血栓を予防
移動手段によって注意点は異なります。休憩と姿勢の工夫で負担をやわらげましょう

船やフェリーを使う場合は、船酔いによる脱水に気をつけてください。揺れで転倒しやすいため、移動中は手すりを使いましょう。長期間のクルーズは、船内の医療体制が十分でないこともあります。経過に不安があるときは選ばない方が無難です。

行き先選びで気をつけたいこと

行き先は、移動が短い近場を基本に、暑さや寒さの厳しくない気候で、医療体制の整った場所を選ぶと安心です。遠出はそれだけで体に負担がかかります。まずは近場から検討してください。

気候・暑さへの備え

妊娠中は、体温調節がいつもと変わりやすい時期です。真夏の炎天下や真冬の厳しい寒さは、体調を崩すきっかけになります。屋外の観光地を選ぶときは、日陰や休憩できる場所があるかを必ず確認してください。飲み物を切らさず、こまめに水分をとりましょう。

私は、夏場の屋外スポットは日陰の有無を先に調べるようにしています。Xでも@sonohennosufさんが、妊娠後期の真夏に日陰のない屋外へ行ってしまい、熱中症になりかけた、行き先選びは本当に大事だったと振り返っていました。暑さの厳しい時期は、室内で快適に過ごせる場所を選ぶのも良い工夫です。

医療体制と自然の中での注意

万が一に備え、近くに産婦人科や総合病院がある地域を選んでください。山間部や離島など、医療機関まで距離がある場所は、経過に不安があるときは避けたほうが安心です。妊婦さんの健康については日本産科婦人科学会の情報も参考になります。

自然の多い観光地は、のんびり過ごす分には気分転換になります。ただし登山や、大きな動物とのふれあいは、転倒の危険があるため慎重に。海や川では、照り返しの紫外線と足元の滑りやすさに気をつけてください。全身を水につけず、足元だけで楽しむのが無理のない過ごし方です。

旅行先で気をつけたい感染症対策

妊娠中は、食事や動物との接触を通じて感染するリスクがいつもより高まります。行き先の感染症情報を、事前に確認しておきましょう。特に海外では、日本国内であまり流行しない感染症もあります。

  • リステリア症:加熱不十分なチーズや生ハム、スモークサーモンなどから感染しやすくなります
  • トキソプラズマ:猫の糞や、加熱の足りない肉から感染することがあります
  • 風疹:妊娠初期にかかると、赤ちゃんに先天性の影響が出ることがあります
  • インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症:妊娠中は重症化しやすいといわれています

生ものや加熱の足りない食事は避け、手洗いを徹底してください。海外渡航前は、検疫所FORTHで最新の感染症情報を確認すると安心です。

宿泊先で気をつけたいこと

宿泊先は、段差の少ないバリアフリーの環境と、食事の衛生に配慮された宿を選ぶと、体への負担をおさえられます。慣れない場所での寝泊まりは、思った以上に疲れます。設備や食事を事前に確かめておきましょう。

旅先でくつろぐ妊婦さんの様子

ホテルなら、部屋やお風呂に段差が少ないか、手すりがあるかを確認してください。旅館では、床が濡れて滑りやすい場所があります。浴室や廊下では、あわてず足元に気をつけて歩きましょう。温泉に入るときは、高温の湯に長く浸からず、ぬるめのお湯でゆっくり温まるのが体にやさしい入り方です。

食事は、生ものや加熱の足りないものを避け、衛生面に配慮された献立を選んでください。予約時に妊娠中と伝えておけば、配慮した食事を用意してもらえる宿もあります。プールやマッサージを利用するときは、冷えや体への負担に気をつけ、妊娠中である旨をスタッフに伝えましょう。お腹の張りを感じたら、すぐに中止して休んでください。慣れない布団やベッドで眠りが浅くなることもあります。到着した日は予定を詰めず、まずは体を休める時間を確保してください。無理をしないこと。それが宿泊をともなう旅行を心地よく過ごす、いちばんのコツです。

なお、妊娠中の過ごし方や検査に不安があるときは、ひとりで抱え込まないでください。NIPT(新型出生前診断)は、13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的検査であり、確定診断には羊水検査などが必要です。気になることがあれば、専門の窓口に相談してみてください。

体調に異変を感じたときの対処法

旅行中に出血や強い腹痛、破水があったときは、様子を見ずにすぐ医療機関へ連絡してください。「そのうち落ち着くはず」と我慢するのは禁物です。

  • 少量の出血:まず安静にし、かかりつけ医または旅行先の医療機関に連絡してください
  • 規則的な張りや強い腹痛:切迫早産のおそれがあります。早めの受診が必要です
  • 破水:感染のリスクがあるため、そのまま医療機関へ向かってください

私は、旅行中に体の異変を感じたら、まず医療機関へ連絡すると決めておくだけで、当日の慌てをかなり減らせると感じています。旅行前に、行き先の産婦人科や救急対応の連絡先を控えておくと、いざというときも落ち着いて動けます。

よくある質問

妊娠中の旅行について、よく寄せられる疑問をまとめました。参考にしてください。

Q. 安定期なら旅行しても大丈夫ですか?

いわゆる安定期でも、体調の変化は起こり得ます。旅行できるかどうかは、必ずかかりつけ医に相談してください。切迫早産や合併症など経過に不安がある場合は、旅行を控えてください。医師の了承を得たうえで、無理のない範囲で計画しましょう。

Q. 旅行に必ず持っていくものは何ですか?

母子健康手帳と健康保険証は必ず持参してください。旅行先で受診する際に必要です。処方薬やサプリメント、冷え対策の羽織ものもあると安心です。旅行先の産婦人科や病院の場所も、事前に確認しておきましょう。

Q. 妊娠中の飛行機移動は問題ありませんか?

航空会社ごとに妊婦さん向けのルールがあり、時期によっては診断書が必要な場合があります。搭乗前に各社の案内を確認してください。長時間のフライトでは足の血流が滞りやすいため、ときどき足を動かし、水分をとり、こまめに歩きましょう。

Q. 車のシートベルトはどう着ければよいですか?

腰ベルトはお腹の下を通し、骨盤にかけます。肩ベルトはお腹を避け、胸の上を通して脇へ流してください。お腹を横切らせないのがポイントです。妊娠中もシートベルトは必ず着け、1〜2時間ごとに休憩を取りましょう。

Q. どんな行き先を選べば安心ですか?

移動が短い近場で、暑さや寒さの厳しくない時期・場所を選ぶと負担が少なくなります。近くに産婦人科や総合病院がある地域だと、万が一のときも安心です。母子保健の基本情報はこども家庭庁 母子保健も参考になります。

著者・監修

岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。

Q&A

  • Q
    旅行のことはかかりつけ医に伝える?
    妊娠中に旅行する際は、必ずかかりつけ医に伝えておきましょう。旅行を止められるかもしれない、1泊だけだから問題ないだろうと考え、かかりつけ医に伝えない人もいるでしょう。しかし、事前に医師や助産師に相談しておけば、リスクの少ない旅行の楽しみ方の情報を提供してくれるかもしれません。トラブルなく旅行を楽しむためにもかかりつけ医への相談がおすすめです。
  • Q
    旅行先で体調が悪くなったら?
    旅行先で体調が悪くなったときにすぐ病院を受診できるよう、あらかじめ旅行先の病院や産婦人科を調べておきましょう。また、深夜に体調が悪くなることもゼロではありません。そのため、夜間救急診療を行っている病院も調べておくと安心です。
  • Q
    旅行先で食べてはいけないものは?
    旅行先でも、妊娠中に避けた方がよい食べ物は、食べないようにしましょう。特に気を付けたいのは、トキソプラズマとリステリアです。生肉やナチュラルチーズは控えるとよいでしょう。加熱殺菌されていないチーズはおすすめできません。また、刺身や寿司などの生ものも食べ過ぎないよう注意が必要です。

妊娠中の安全な旅行準備と注意点を詳しく解説

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医師監修 監修日:2024年5月15日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年5月15日
花澤 司 (医師/ヒロクリニック大宮駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年5月15日
陽川 英仁 (医師・医学博士/ヒロクリニック大阪駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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