こんにちは、未来のあなたと赤ちゃんを笑顔にする「おかひろし」です。
妊娠中、食事の栄養バランスに気を使う中で、「プロテインを飲んでもいいのかな?」と迷ったことはありませんか?
つわりで食事が喉を通らない時や、手軽に栄養補給をしたい時にプロテインは便利ですが、一方で「赤ちゃんへの影響」も心配ですよね。
実は、妊娠中のタンパク質摂取は非常に重要である反面、「プロテインの選び方」を間違えると、かえって赤ちゃんにリスクを与えてしまうことがあります。
今回は、最新の研究データに基づいた「タンパク質不足のリスク」と、妊婦さんが選ぶべき「安全なプロテインの基準」について、医師の視点で徹底解説します。
お腹の赤ちゃんにとって、栄養を届けてくれるのは世界中で「お母さん」ただ一人です。
中でもタンパク質は、赤ちゃんの筋肉、骨、臓器、そして脳や神経を作るための最も基本的な材料です。そのため、妊娠中は通常時よりも多くのタンパク質を摂取することが医学的にも推奨されています。
「多少足りなくても大丈夫だろう」と思っていませんか?
実は、山梨大学が行った注目すべき研究において、妊娠初期のタンパク質不足が、子供の将来の発達に影響を与える可能性が示唆されています。
この研究では、妊娠初期(12〜16週頃)の母親の食事内容を調査し、生まれた子供が3歳になった時点での発達状況を追跡しました。その結果、タンパク質の摂取量が極端に低かった母親から生まれた子供には、以下のような発達の遅れが見られる傾向がありました。
【タンパク質不足による発達遅れのリスク比】
妊娠初期は、赤ちゃんの脳や神経系が急速に形成される重要な時期です。この時期に材料となるタンパク質が不足すると、神経発達のスイッチがうまく入らず、その後の成長に影響を及ぼす可能性があるのです。
つわりなどで食事がとりづらい時期こそ、意識的に「良質なタンパク質」を確保することが、赤ちゃんの発達を守る第一歩となります。

「じゃあ、プロテインを飲めば解決ですね!」と思われるかもしれませんが、ここが一番の注意点です。市販のプロテインなら何でも良いわけではありません。
選び方を間違えると、逆に赤ちゃんの先天異常などのリスクを高めてしまう可能性があります。
必ず以下の5つのポイントをチェックしてください。
一部のプロテインには、美容目的などでビタミン類が添加されています。特に注意が必要なのが「ビタミンA(レチノール)」です。
妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると、赤ちゃんの耳の形態異常や口唇口蓋裂、神経管閉鎖障害などの先天異常のリスクが高まります。成分表示を見て、「ビタミンA」や「レチニルアセテート」が含まれていないか、あるいは過剰量でないか(1日1500μg以上は危険)を必ず確認してください。
毎日飲むものですから、添加物にも気をつけましょう。スクラロースやアセスルファムKなどの人工甘味料や、保存料・香料が多く含まれるものは、胎盤を通じて赤ちゃんに届く可能性があります。
できるだけ「無添加」「オーガニック」「妊婦用」と明記された、原材料がシンプルなものを選びましょう。
飲みやすい「ココア味」「抹茶味」「カフェオレ味」などのプロテインには、微量ながらカフェインが含まれていることがあります。
妊娠中のカフェイン摂取上限(1日200mg以下)を超えないよう、ノンカフェインのフレーバーを選ぶのが無難です。
「ダイエット向け」「置き換え用」として販売されているプロテインは、カロリーを抑えるために必要な栄養素が削られていたり、逆に燃焼成分が含まれていたりします。
妊娠中の目的は「減量」ではなく「栄養補給」です。バランスを崩す恐れがあるダイエット用製品は避けましょう。
「体に良いから」と飲みすぎるのも危険です。タンパク質の過剰摂取は腎臓に負担をかけ、むくみや血圧上昇(妊娠高血圧症候群)のリスクにつながることもあります。
通常の食事に加え、プロテインでの摂取は1日1回程度に留めましょう。

プロテインには主に「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」の3種類があります。妊娠中の栄養補給として、医師が推奨するのはどれでしょうか?
最もおすすめなのが、牛乳由来の「ホエイプロテイン」です。
こちらも牛乳由来ですが、吸収がゆっくりなのが特徴です。
大豆由来の植物性プロテインです。ヘルシーなイメージがありますが、妊娠中は少し注意が必要です。
今回のポイントをまとめます。
妊娠中は「口にするもの全てが赤ちゃんの体を作る」と言っても過言ではありません。
食事で摂りきれない分をプロテインで賢く補うことは、赤ちゃんの発達を守る有効な手段です。ぜひ、裏面の成分表示をしっかりチェックして、あなたと赤ちゃんにとって安全なものを選んでくださいね。
当クリニックでは、NIPT(新型出生前診断)などを通じて、赤ちゃんの健康とご家族の未来をサポートしています。妊娠中の不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
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