この記事でわかること
妊娠中に肌が乾燥しやすくなる理由と、妊娠線を防ぐための保湿ケアの進め方がわかります。ローション・クリーム・オイルの違いや選び方も解説します。お腹やバストなど部位別のマッサージ手順、SNSで見つけた妊婦さんのリアルな声まで紹介します。
お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
【監修】岡博史(おか ひろし)
医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長/Labo Director。慶應義塾大学医学部卒業、日米医師国家試験合格、医学博士。日本に20人ほどしかいないラボディレクター資格を保有し、NIPT(新型出生前診断)の精度管理を統括しています。
妊婦さんは乾燥しやすい
妊娠中は基礎代謝とホルモンバランスの変化により、肌の水分保持力が下がりやすくなります。乾燥を放置すると出産後に妊娠線が残る原因になるため、早めの理解が大切です。妊娠初期はつわりで水分補給が不安定になりやすく、乾燥に拍車がかかるケースもあります。ここでは妊婦さんが乾燥しやすい2つの理由を解説します。
原因1.水分や栄養の摂取不足
妊娠中は羊水量の増加や脂肪の蓄積により基礎代謝量が上がり、汗をかきやすくなります。
汗をかく分だけ水分や栄養が不足しやすく、角質層の保水力が低下します。表皮細胞のターンオーバーが乱れると、乾燥はさらに進みます。
原因2.毛細血管の拡張
妊娠中は胎児へ栄養を届けるため、皮膚の毛細血管が拡張します。血管が広がる分、皮膚表面からの水分蒸発量も増加します。
血液量の増加や血管拡張はホルモンバランスの変化が引き金です。妊娠初期から意識的な保湿を続けている妊婦さんは、末期の乾燥が比較的穏やかだったという声もあります。

妊娠線は妊婦さんのよくある乾燥トラブル
妊娠線は、乾燥が引き金になって生じる代表的な肌トラブルです。放置すると出産後も痕が残りやすいため、仕組みを知って早めに対策しましょう。
妊娠線とは
妊娠線とは、皮膚の深部にある真皮や皮下組織が裂けて表面に現れる線状の痕です。皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっています。
一番外側の表皮は体の変化に合わせて伸び縮みしますが、その下の真皮は伸びにくい組織です。お腹が急激にふくらむ勢いに真皮の伸びが追いつかないと、断裂が生じます。この断裂の痕が妊娠線です。
お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
乾燥により妊娠線が発生しやすくなる
肌が乾燥していると真皮の柔軟性が失われ、断裂が起こりやすくなります。妊娠線予防に保湿ケアが欠かせない理由はここにあります。
とくに妊娠末期はお腹が大きくふくらみ、皮膚が薄く伸びきった状態です。乾燥もいっそう進みやすいため、妊娠初期からの保湿対策を心がけてください。
妊娠線はおなか以外の肌にも発生する
妊娠線というとお腹にできる痕を思い浮かべがちです。実際は脂肪がつきやすい太ももや二の腕、バスト、ヒップにも発生します。
自分では確認しにくい部位に出ることも珍しくありません。全身の保湿ケアを習慣にすることが、妊娠線対策の基本です。
妊娠線を予防する保湿ケア方法
妊娠線対策の中心となるのが、ローション・クリーム・オイルを使った保湿ケアです。それぞれ特徴が異なるため、季節や肌質に合わせて使い分けてください。
妊娠線ケアローション
妊娠線ケアローションは、サラッとしたテクスチャーが特徴の保湿商品です。伸びがよく付け心地が軽いため、化粧水感覚で全身に使えます。
汗ばみやすい夏場に向いているタイプです。乾燥が気になる方は、後述のクリームやオイルと併用してください。
妊娠線ケアクリーム
妊娠線ケアクリームは水分と油分がバランスよく配合された保湿商品です。やわらかく伸びのよいテクスチャーで、水分補給と保湿を同時に行えます。
オイルに比べてべたつきが少なく、下着や衣類が汚れにくいのも魅力です。1本で保湿をまかないたい方に向いています。
妊娠線ケアオイル
妊娠線ケアオイルは油分が多く、保湿力に優れた商品です。伸びがよいため、お腹をマッサージしながら保湿できます。
ただし油分の割合が高い分、水分補給はやや不足しがちです。オイルを使う前にローションで肌に水分を与えておくと、なじみがよくなります。
3タイプの特徴を一覧にまとめました。購入前の比較にお役立てください。
| タイプ | テクスチャー | 保湿力 | 向いている時期・肌質 |
|---|---|---|---|
| ローション | サラッと軽い | やや控えめ | 夏場、脂性肌寄りの方 |
| クリーム | やわらかく伸びがよい | バランス型 | 季節を問わず、1本で完結させたい方 |
| オイル | とろみがあり密着 | 高め | 妊娠末期、乾燥が強い方 |
迷ったときは、まずクリームから試して肌の反応を確認する進め方が無理のない選び方です。乾燥が強くなる妊娠末期にオイルを追加すると、季節や体の変化に合わせたケアがしやすくなります。
実際にSNSの投稿を確認すると、保湿剤を途中で切り替えて肌状態が改善したという声がありました。ある妊婦さんは最初、牛乳石鹸を使っていたそうです。
その後セラミド配合のジェルへ切り替えました。診察時に医師から改善を驚かれたそうです(@nen_0523さん)。
編集部で類似の投稿を複数確認しました。成分やテクスチャーの見直しで乾燥感が変わったという声は少なくありませんでした。
妊娠線予防クリームを選ぶポイント
妊娠線予防クリームは種類が多く、どれを選べばよいか迷う妊婦さんも多いでしょう。人気や口コミの評価だけで選ばないことが大切です。着目したいのは、次の3つのポイント。
1.含まれている保湿成分で選ぶ
妊娠線予防クリームには、ヒアルロン酸やセラミドなど、さまざまな保湿成分が含まれています。
成分表示を確認する習慣をつけてください。敏感肌の方や、妊娠で肌が弱くなったと感じる方は、天然由来成分の商品を選ぶと刺激を抑えやすくなります。
2.テクスチャーで選ぶ
妊娠線予防クリームのテクスチャーは、主にローション・クリーム・オイルの3タイプです。付け心地や保湿力が異なるため、体質や季節に合わせて選んでください。
SNS上には、複数の商品を使い比べたレビューも見つかります。2人目の妊娠で妊娠線を作らないと決めた妊婦さんは、4種類のクリームを比較していました。
価格帯やテクスチャーごとの違いが具体的に語られていた投稿です(@p37ntcさん)。筆者もいくつかの口コミを読み比べましたが、好みは人によって大きく分かれる印象でした。
3.無香料・無添加であるかで選ぶ
無香料・無添加の妊娠線予防クリームなら、出産後は赤ちゃんの保湿にも使えます。低刺激な処方が多く、家族で1本を共有しやすい点もメリットです。
産後もお母さんの肌は乾燥しやすい状態が続きます。妊娠中から使っている無添加クリームをそのまま産後ケアに続けるという使い方も一案です。
4.使うタイミングで選ぶ
保湿ケアは、肌の水分が残っている入浴後5分以内に行うと効果を実感しやすくなります。時間が経つほど肌表面の水分が蒸発してしまうためです。
朝と夜の1日2回を目安に続けてください。忙しい日は夜だけでも構いませんが、継続することが乾燥対策の土台になります。テクスチャーの軽いローションなら、朝の身支度中でも塗りやすいでしょう。
保湿ケアの効果に関する注意点
保湿ケアはあくまで肌の乾燥を防ぐための対策であり、妊娠線を完全に防げると断定できるものではありません。この点は正しく理解しておいてください。
SNSには「毎日保湿していたのに妊娠線ができた」という声があります。「ほとんど保湿しなかったのにできなかった」という声も見られます。
妊娠線のできやすさには、遺伝的な肌の伸びやすさや体重の増加スピードも関係すると考えられています。保湿ケアは、乾燥による肌の負担を減らす手段の1つとして取り入れてください。
1人目の妊娠で帝王切開の傷の周りに妊娠線ができたという妊婦さんもいます。予防クリームの効果を示すデータは限られていると理解したうえでのことです。
乾燥による痒みを抑える目的で、保湿を続けていると投稿していました(@Cha33ysさん)。
効果を過信せず、乾燥をやわらげる目的で取り入れる姿勢は参考になります。
化粧品の効果表示のルールは、消費者庁の景品表示法(不当表示の禁止)にもとづき定められています。「必ず防げる」という断定的な広告表示は避けるべきとされている点も、商品選びの参考にしてください。
妊娠線を予防するマッサージ
保湿ケア商品は、塗るだけでなく軽いマッサージと組み合わせることで肌になじみやすくなります。ポイントは、力を入れすぎないやさしい力加減。
お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
おなかの妊娠線を予防するマッサージ
おへそを中心に円を描くように、周囲へ保湿ケア商品を塗り広げます。腰から下腹部の中心に向かって、上から下へらせんを描くように皮膚をほぐしましょう。最後に下腹部をやさしく上下にさすって仕上げます。
バストの妊娠線を予防するマッサージ
両乳房の下に手を当て、周りに沿って小さな円を描くようにマッサージします。片側の乳房の下に反対側の手を当て、やさしく押し上げてからゆっくりおろしていきます。

太もも・お尻の妊娠線を予防するマッサージ
太ももやお尻は下から上に向かってマッサージします。らせんを描くように、皮膚を軽くほぐすイメージで進めてください。
お腹だけでなく太ももやお尻も乾燥しやすい部位です。全身をまんべんなくケアする習慣が、妊娠線予防につながります。
よくある質問
妊娠線の保湿ケアについて、妊婦さんからよく寄せられる質問をまとめました。気になる項目から確認してください。
Q1.妊娠線の保湿ケアはいつから始めればよいですか?
お腹がふくらみ始める妊娠初期から中期にかけて始める方が多いです。皮膚が伸びきる前に保湿を習慣化しておくと、乾燥による負担を抑えやすくなります。
Q2.保湿していても妊娠線ができることはありますか?
あります。妊娠線のできやすさは肌の伸びやすさや体重増加のペースにも左右されます。保湿だけで完全に防げるとは限りません。できてしまった場合は、悪化を防ぐために保湿を継続してください。
Q3.オイルとクリーム、どちらを選べばよいですか?
乾燥が強い方や妊娠末期はオイル、べたつきを抑えたい方はクリームが向いています。季節や肌状態に応じて使い分けるのも1つの方法です。
Q4.産後も保湿ケアは続けたほうがよいですか?
続けてください。産後もホルモンバランスの変化で肌は乾燥しやすい状態が続きます。無香料・無添加のクリームなら赤ちゃんの保湿ケアにも使えて便利です。
Q5.無添加でないクリームは使わないほうがよいですか?
必ずしも避ける必要はありません。肌に合うかどうかを確認しながら使用し、赤みやかゆみが出た場合は使用を中止して皮膚科に相談してください。
Q6.保湿以外に妊娠線予防でできることはありますか?
体重増加を緩やかなペースに保つことも有効とされています。急激な体重増加は、皮膚の伸びが追いつかない一因になります。
バランスのよい食事と適度な運動を意識してください。かかりつけ医から指示された体重増加の目安を守ることも、皮膚の伸びを抑えるうえで役立ちます。
着圧タイプのマタニティインナーで下腹部を支える方法も、皮膚への負担を減らす工夫の1つです。
まとめ
妊婦さんの肌悩みの代表格が、乾燥による妊娠線。保湿ケア商品には、ローション・クリーム・オイルの3タイプがあります。水分量や保湿力の違いを踏まえ、自分の体質に合った商品を選んでください。
マッサージを組み合わせることで、保湿ケア商品が肌になじみやすくなります。入浴後5分以内・朝晩2回という基本を守るだけでも、乾燥による肌への負担は変わってきます。産後もケアを続けて、乾燥しやすい肌をいたわりましょう。
ヒロクリニックNIPTでは、妊婦さんに向けたNIPT(新型出生前診断)を実施しています。体調管理とあわせて出生前診断を受けることで、出産に向けた心の準備にもつながります。
東京衛生検査所(国内)で検査するため、結果報告まで最短2〜5日とスピーディーです。年齢制限や紹介状も不要です。不安を少しでも減らしたい妊婦さんは、検査の実施を検討してください。
お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
【参考文献】
Q&A
-
Q妊娠線ができやすい人の特徴は何ですか?妊娠線は妊婦さんに必ずできるわけではありません。しかし、妊娠線ができやすいタイプの方もいます。
たとえば、妊娠線が生じやすい人の特徴は以下のとおりです。
・やせ型で身体が細い人 ・背が低く小柄な人 ・肌が乾燥しやすい人 ・経産婦の人 ・高齢出産の人 ・多胎妊娠の人 -
Q妊娠線を予防する保湿ケアはいつから始めると良いですか?妊娠線予防クリームは、妊娠初期から使用することをおすすめします。妊娠線ができやすいのは安定期に入りお腹が急激に大きくなりだす5か月後ごろからです。そのため、早めから保湿ケアを行い商品の検証を行うとともに保湿の習慣をつけておくとよいでしょう。早めに保湿対策を行い肌の乾燥を防ぐことで肌の柔軟性が保たれ、妊娠線の発生が生じにくくなるといえます。
-
Q妊娠線ができてしまったらどうすれば良いですか?一度生じてしまった妊娠線は完全に消えることがありません。産後は白っぽくなり目立たなくなっていきます。妊娠線の痕を残したくない場合は、継続的な保湿ケアとマッサージが大切です。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。


