妊娠中のお腹の張りは何が原因?【医師監修】

妊娠中のお腹の張り

妊娠中、お腹のちょっとした変化にも敏感になると思います。自分にしかわからないお腹の張りに心配になる妊婦さんも多いのではないでしょうか。今回は、お腹の張りが出る原因ついて解説していきます。

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はじめに

妊娠中、お腹のちょっとした変化にも敏感になると思います。チクチクする、お腹が突っ張っている感じ、など人によって感じ方は異なります。

妊娠時期によってもお腹の張り方が変わってきます。「お腹が張る」とはどんな感じなのか、自分にしかわからないお腹の張りに心配になる妊婦さんも多いのではないでしょうか。お腹に張りが出る原因や対処方法について解説していきます。

「お腹が張る」ってどんな感じ?

妊娠中、「お腹が張る感じ」というのは、子宮自体が大きくなること、そして子宮を支えている様々なじん帯が子宮が膨らんでいくときに引っ張られ、その突っ張り感が張りとなって感じられると言われています。どんな感じなのか、感覚がわからない妊婦さんも多いかもしれませんが、徐々に感じられるようになります。

お腹が張るってどんな感じ?

お腹が張る時期

お腹の張りは、大きく2つに分けられます。

  1. 生理的なお腹の張り
  2. なんらかのトラブルが起きている危険信号

お腹が張る時期は妊娠全期間を通してありますが、子宮の成長が著しい妊娠超初期〜初期に一番多く感じられ、妊娠中期にやや落ち着き、その後妊娠後期になると再びお腹の張りを感じるようになると言われます。

妊娠超初期

妊娠超初期のお腹の張りの多くは、生理現象です。正常な妊娠経過のひとつと考えて良いでしょう。最初はお腹の張りがどんな感じなのか、感覚がわからないこともあると思います。「痛み」や「突っ張り」といった表現になることもあります。

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妊娠初期

妊娠初期の「お腹が張る感じ」は、 みぞおち、おへそ、下腹部全体が張っているように感じることが多いようです。お腹の張りを感じたときに下腹部にボール状の硬さがあるときは、子宮が収縮している可能性があるため注意が必要です。病院へ相談することをお勧めします。

NIPT(新型出生前診断)は妊娠初期から受けられます

妊娠初期では、お腹の赤ちゃんが健康かどうか不安で大きなストレスを感じてしまうことがあると思います。ストレスはお腹が張る原因の一つです。一般的な定期検診だけでは不安という場合には、NIPT(新型出生前診断)などの検査を受けることも可能です。NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週0日目から受けることが可能なため、赤ちゃんの状態を早く知ることができます。

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妊娠中期

子宮内の胎盤が完成する妊娠中期になると、一般的にはお腹の張りは落ち着き始めます。お腹が頻繁に張る、長く続くという場合は何かしら問題がある可能性があるため、早めに受診することをお勧めします。

妊娠後期

妊娠後期ではお腹が大きくなると、赤ちゃんの位置が下がってくること、腰や下腹部に負担がかかることから子宮の収縮が起こります。これがお腹の張りとして感じます。お腹の赤ちゃんは昼と夜の区別なく、お腹のなかで動いています。赤ちゃんがお腹の中で動いて、蹴ったり回転したりすることもお腹が張ることもひとつの原因です。

お腹の張りの原因

下記がお腹の張りの原因として挙げられます。

  • 切迫早産
  • 冷え
  • 疲労、ストレス
  • お腹の締め付け
  • 便秘、ガス、尿
  • 乳首のマッサージ
  • 胎動
  • 双子
  • 性行為
  • 子宮筋腫
  • その他、原因不明

切迫早産

切迫早産では、妊娠 22 週〜37 週未満の時期にお腹の張りが頻回に起こります。自覚症状として起こりやすい症状がお腹の張り、下腹部痛であり、その他出血、破水などが起こります。安静にしていても規則的にあるいは頻繁に張りや痛みが続く場合には、早期に受診をして産科医へ相談してください。

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冷え

体が冷えるとお腹が張ることがあります。室内の温度調節をしたり、上着やブランケットなどで足やお腹を温めましょう。

疲労、ストレス

疲れやストレスが原因でお腹は張りやすくなります。仕事、家事、運動、育児などで疲れを感じたときには、家族などの協力を得て、無理をせずに休むことも必要です。ストレスがたまっていると感じたときには、意識して休んだり気分転換をしてみてください。

お腹の締め付け

腹帯やサイズの合わない服を着ていると知らないうちにお腹を締め付けてしまっていることがあります。どんな感じの強さが一番調子がよいか、腹帯を調整する必要があるかもしれません。またマタニティ用のゆったりした服に着替えたりすることでも張りを軽減できることがあります。

便秘、ガス、尿

妊娠すると便秘がちになりますが、便秘はお腹の張りを引き起こすことがあります。またガスでお腹がパンパンになったり、尿がたまってもお腹の張りを感じることがあります。妊娠中は頻尿になりがちですが、排尿後にお腹の張りを感じることもあるようです。

乳首マッサージ

乳首への刺激は子宮収縮を促すホルモンを分泌します。もし乳頭マッサージで強いお腹の張りを感じた場合は、一時マッサージを中断し、少し時間の間隔を開けてから再開しましょう。

胎動

お腹の中の赤ちゃんが大きくなってくると動きによる刺激でお腹が張ることがあります。また胎動をお腹の張りと感じることもあります。

双子

双子はリスクが高い妊娠であり、お腹の大きさも異なります。双子妊娠はお腹が急激に大きくなるため、お腹が張りやすくなります。

性行為

妊婦健診にて問題がなければ通常、性行為は可能です。性行為中にお腹の張りを感じることがあるかと思います。もし張りを感じたら、ゆったりと過ごすようにしましょう。

子宮筋腫

子宮筋腫合併妊娠ではお腹が張りやすくなると言われています。妊娠により筋腫は大きくなり痛みが出てくる場合もあります。 

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その他、原因不明

原因がわからないお腹の張りもあります。張りを感じたら横になったり座ったり、休むことを心がけましょう。実際、お腹をさすることでお腹の張りが改善するといった明確なエビデンスはありませんが、さすってはいけない訳ではありません。しかし、あまり強い力でさすることは避けましょう。

お腹が張る頻度

普段よりお腹が張る頻度が多いとき、休んでも張りが良くならないとき、一定の間隔で何度も張ったりするときには、何らかの異常が発生している可能性があります。異常時と比較するためにも、普段から1日に何回ぐらいお腹が張るか、回数を数えておくとよいでしょう。

こんな症状があったら受診を

生理的なものか病気が原因のものかどうか、判断に迷うことがあるかもしれません。迷った際には産科医に連絡し、受診などの指示を仰ぎましょう。

出血

少量の出血で病院へ電話や受診をしてもいいかどうか、迷うかもしれません。おなかの張り、出血は妊娠時期によっても対応が変わってきます。

妊娠超初期~妊娠初期

妊娠超初期〜妊娠初期の出血は流産の恐れがあります。出血の状態は茶色いおりもの状、薄いピンク色や赤い出血と様々です。妊娠初期の出血の原因は流産の他、ポリープやびらんがあります。少量の出血でも不安な場合は連絡してください。

妊娠中期

妊娠中期の出血はポリープやびらん、切迫早産の恐れがあります。少量の出血でも産科医に相談した方がよいでしょう。お腹の張りを感じた場合、まずは安静にし症状が治まれば様子を見てもよいですが、出血があったり、お腹の張りが治まらない場合には受診してください。

妊娠37週以降

妊娠37週からは赤ちゃんが生まれてもよい時期に入ってきます。この時期には、ねばっとしたピンク~赤い出血で「おしるし」と呼ばれる出血の可能性があります。「おしるし」の場合は様子みてよいでしょう。

しかし、大量に流れ出る出血や赤い出血があれば、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、前置血管など緊急を要する出血の場合があります。必ず連絡してください。

お腹の張りが収まらないときは病院へ

張りが収まらない

生理的な子宮の収縮かそうでないかを判断するためには、1時間くらい横になったり、座ったりして様子をみてみましょう。それでも張りが治まらない場合は、なにかしら異常がある場合があります。自分で見極めるのが難しい場合は病院へ連絡してみましょう。

妊娠後期に急にお腹がカチカチになり、痛みがだんだん激しくなる場合があります。これは「常位胎盤早期剥離」という子宮の中で胎盤がはがれてしまう病気の可能性があります。その場合には早急に診察を受ける必要があります。まれに前置胎盤でもお腹の張りが収まらないということがあります。こちらも早期に診察を受ける必要があります。

激痛が伴う場合

切迫流産(妊娠22週未満)では強めの下腹部痛があります。

切迫早産(妊娠22週~37週未満)子宮が石のように硬くなったり、下の方にぐーっと強い力がかかる痛みが起こります。

妊娠後期に起こる常位胎盤早期剥離では、持続的な子宮の収縮、激しいお腹の痛み、出血を伴います。

まとめ

妊娠中のお腹の張り方、感じ方は人それぞれになりますが、安全に安心して妊娠、出産を迎えるためには生理的ものとそうでないものの違いを知っておくとよいでしょう。正しい知識を得てよりよいマタニティライフをお過ごしください。

【参考文献】

妊娠中、お腹のちょっとした変化にも敏感になると思います。自分にしかわからないお腹の張りに心配になる妊婦さんも多いのではないでしょうか。今回は、お腹の張りが出る原因ついて解説していきます。

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記事の監修者

川野 俊昭先生

川野 俊昭先生

ヒロクリニック博多駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科医として25年以上、主に九州で妊婦さんや出産に向き合ってきた。経験を活かしてヒロクリニック博多駅前院の院長としてNIPT(新型出生前診断)をより一般的な検査へと牽引すべく日々啓発に努めている。

略歴

1995年 九州大学 医学部卒業
1995年 九州厚生年金病院 産婦人科
1996年 九州大学医学部付属病院 産婦人科
1996年 佐世保共済病院 産婦人科
1997年 大分市郡医師会立アルメイダ病院 産婦人科
1998年 宮崎県立宮崎病院 産婦人科 副医長
2003年 慈恵病院 産婦人科 医長
2007年 日本赤十字社熊本健康管理センター診療部 副部長
2018年 桜十字福岡病院 婦人科
2020年 ヒロクリニック博多駅前院 院長

資格

日本産科婦人科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医

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