この記事のまとめ
初めての胎動を感じる時期は、初産の方で妊娠18〜20週頃、経産の方で妊娠16〜18週頃が目安ですが、体型や胎盤の位置によって個人差が大きく、数週間の前後は珍しくありません。最初はポコポコ、ウニョウニョと腸の動きのようにかすかで、「これが胎動?」と戸惑う方も多いです。この記事では、胎動を感じる時期と感じ方、パートナーとの分かち合い方、胎動カウントの考え方、そして受診の目安までを、先輩ママの声もまじえてやさしくまとめました。
この記事でわかること
- 初めて胎動を感じるのはいつ頃か(初産・経産の週数の目安と個人差)
- ポコポコ・ウニョウニョといった胎動の感じ方と、おならやお腹の音との違い
- パートナーと胎動を分かち合うコツと、先輩ママ・パパのリアルな体験談
- 胎動カウントの考え方と、胎動が減った・感じないときの受診の目安
胎動とは?お腹の赤ちゃんの動き
胎動とは、お腹の中の赤ちゃんが手足を動かしたり、体の向きを変えたりする動きを、お母さんが体で感じ取ることをいいます。赤ちゃんからの、いちばん最初のメッセージともいえる瞬間です。
赤ちゃん自身は、妊娠8週頃から少しずつ体を動かしはじめています。ただ、その動きはまだとても小さく、お母さんが自分で感じ取れるようになるのは、もう少し先のこと。羊水の中でくるりと回ったり、手足を伸ばしたりする動きが大きくなって、はじめて「あ、今動いた」と気づけます。
胎動は、赤ちゃんが元気に育っている大切なサインです。日本産婦人科医会も、胎動は赤ちゃんの健やかさを知る手がかりのひとつだと解説しています。医学的な情報は日本産婦人科医会 解説ノートもあわせてご覧ください。
私が妊婦さんのお話を聞いていて感じるのは、胎動を待つ気持ちには不安と楽しみが同居しているということです。「まだ動かないけれど大丈夫かな」と心配する声と、「早く感じてみたい」という声。どちらもとても自然な気持ちだと受け止めています。焦らず、赤ちゃんのペースを待ってあげてください。
初めて胎動を感じるのはいつ?時期の目安
初めて胎動を感じる時期は、初産の方で妊娠18〜20週頃、経産の方で妊娠16〜18週頃が目安です。ただし個人差が大きく、この時期より早い方も遅い方もいます。
経産の方が早めに気づきやすいのは、一度胎動を経験しているため、かすかな動きも「これだ」と分かりやすいからです。初めての妊娠では、最初の胎動を腸の動きと勘違いして、あとから振り返って「あれが胎動だったのかも」と気づく方も少なくありません。週数の目安を表にまとめました。
| 妊娠週数 | 初産の方 | 経産の方 |
|---|---|---|
| 妊娠16週頃 | まだ感じない方が多い | 感じはじめる方も |
| 妊娠18週頃 | 感じはじめる方も | 多くの方が自覚 |
| 妊娠20週頃 | 多くの方が自覚 | はっきりした胎動に |
| 妊娠22週頃〜 | ほとんどの方が自覚 | 外からも分かることが |
感じ方には、体型や胎盤の位置も関わります。胎盤がお腹の前側(前壁)にあると、赤ちゃんの動きが胎盤にさえぎられて、胎動を感じにくくなることがあります。反対に胎盤が後ろ側(後壁)にあると、動きが伝わりやすく、早めに気づく傾向にあります。感じ方が周りと違っても、心配しすぎないでください。
妊娠中期は、お腹がふくらみはじめて体調も比較的落ち着く時期です。この時期の過ごし方は妊娠中期の過ごし方でくわしく紹介しています。胎動を待ちながら、体を整えていく時間にしてください。
胎動はどんな感じ?ポコポコ・ウニョウニョ
初めての胎動は、ポコポコ・ピクピク・ウニョウニョといった、かすかで不思議な感覚として感じられることが多いです。最初は腸の動きと見分けがつきにくいものです。
下腹部の奥のほうで、小さな泡がはじけるような、あるいは指先でそっとつつかれるような感覚。それが最初の胎動のイメージに近いです。人によって表現はさまざまで、「金魚が泳いでいるみたい」「腸がキュッと動いた気がする」と話す方もいます。同じ胎動でも、感じ方の言葉は本当に十人十色です。
おならやお腹の音との違い
最初のうちは、胎動とガス(おなら)やお腹のグルグルという音との区別が難しいものです。見分けの手がかりになるのが、感じる場所と規則性です。ガスの動きはお腹全体に広がりやすく、胎動は下腹部の決まったあたりで、ポコッ、ポコッと繰り返し感じられる傾向があります。
私は、静かに横になっているときこそ胎動に気づきやすいと感じています。日中は動いていて気づかなかった動きも、夜にベッドで体を休めると、ふっと分かることがあります。「これが胎動かな」と思ったら、そっとお腹に手を当てて、しばらく待ってみてください。
週数が進むと動きが強くパターン化する
妊娠が進むにつれて、胎動はしっかりとしたキックやパンチとして感じられるようになります。妊娠後期になると、お腹の外から見ても動きが分かるほど力強くなります。赤ちゃんにも活動的な時間と眠っている時間があり、動きにだんだんとリズムが生まれてくるのも、この時期の特徴です。

パートナーと胎動を分かち合う
胎動は、お母さんが先に感じ、少し遅れてパートナーが手のひらで感じ取れるようになる、家族で命を分かち合える大切な時間です。焦らず、動きが強くなる時期を待ってください。
胎動を外から手で感じ取れるようになるのは、お母さんが自覚してから数週間ほどあとになることが多いです。最初のうちは、パートナーが手を当ててもなかなか伝わらず、「本当に動いてる?」ともどかしく思う場面もあります。それでも動きが力強くなると、ある日ふっと手のひらに伝わってきます。
私は、この「二人で初めて胎動を感じた瞬間」の話を聞くのが好きです。Xでも@e__p__knさんが、妊娠18週4日、これまで手を当てても分からなかった胎動を、その日ようやく夫が感じ取れて「パパだよ」と喜んでくれた、とつづっていました。言葉にならないうれしさが伝わってくるエピソードです。
感じ取りやすいのは、お母さんが横になってリラックスしているときです。胎動が活発になる夜の時間帯に、パートナーがそっとお腹に手を当ててみてください。動いた瞬間に「今!」と声をかけると、タイミングが分かりやすくなります。赤ちゃんに話しかける時間は、生まれる前からはじまる親子のコミュニケーションです。

胎動の変化と数え方(胎動カウント)
胎動カウントは、赤ちゃんが10回動くまでにかかる時間を計り、いつもの様子と比べて赤ちゃんの元気を見守る、シンプルな健康チェックの方法です。妊娠後期に取り入れる方が多いです。
やり方はむずかしくありません。リラックスして横になり、赤ちゃんが動いた回数を数えます。10回動くまでに何分かかったかを記録し、毎日続けることで、その子なりのペースがつかめてきます。「10回動くのに、いつもは20分くらい」という感覚を持っておくと、変化に気づきやすくなります。
大切なのは「その子のいつも」を知ること
胎動の回数やペースには、赤ちゃんごとに大きな個性があります。よく動く子もいれば、おっとりした子もいます。だからこそ、他の赤ちゃんと比べるよりも、その子のふだんのリズムを知ることが手がかりになります。赤ちゃんにも眠っている時間があり、その間は胎動が少なくなるのも自然なことです。
妊娠中は、体を冷やさず整えておくことも、心地よく過ごすための助けになります。冷えが気になる方は妊娠中の冷え対策・温活を、体調と体重のバランスが気になる方は妊娠中の体重管理と献立もご覧ください。胎動を見守りながら、日々の体調を整えていきましょう。
胎動が感じにくいとき・受診の目安
いつもより胎動が明らかに少ない、あるいはほとんど感じないと思ったら、自己判断で様子を見続けず、かかりつけの産婦人科へ連絡してください。時間帯を問わず相談してよいことです。
胎動を感じにくい理由は、心配のいらないものがほとんどです。赤ちゃんが眠っている、胎盤が前側にあって動きが伝わりにくい、お母さんが忙しくて気づけていない。こうした場合が多くを占めます。まずは横になって、静かにお腹の様子を確かめてみてください。冷たい飲み物をとると、赤ちゃんが動きはじめることもあります。
それでも、しばらく待っても胎動が戻らない、いつものリズムと大きく違うと感じるときは、ためらわずに受診してください。「こんなことで連絡していいのかな」と遠慮する必要はありません。妊娠中の健康管理については日本産科婦人科学会やこども家庭庁 母子保健の情報も参考になります。
なお、赤ちゃんの染色体について妊娠早期に知る手段として、NIPT(新型出生前診断)があります。NIPTは、13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的な検査で、確定診断には羊水検査などが必要です。胎動を見守る中期以降とは役割が異なり、妊娠早い段階での心の準備として選ぶ方もいます。くわしくはヒロクリニックNIPTをご覧ください。
初めての胎動エピソード(Xの声から)
初めての胎動は、多くの方にとって「お腹の中に本当に赤ちゃんがいる」と実感する、忘れられない瞬間になります。感じ方も、そのときの気持ちも、人それぞれです。
ある方は、炊き込みご飯を食べて休んでいたお昼に、下腹部でポコッという感覚に気づいたそうです。腸の動きかと思ったものの、夜に同じ場所でまた感じて「これが胎動なんだ」と確信したと話していました。食後のリラックスした時間に気づく方は、実はとても多いです。
私がとくに印象に残っているのは、胎動を「見た」瞬間の感動です。Xでも@dekkakuna_reさんが、妊娠22週に入って、初めて胎動でお腹が実際に動く様子を撮影できて感動した、とつづっていました。手で感じるだけでなく、目に見える形で赤ちゃんの動きに出会えたよろこびが伝わってきます。
お風呂で温まっているとき、寝返りを打った夜中、仕事に集中していたふとした瞬間。初めての胎動が訪れる場面は、本当にさまざまです。共通しているのは、そのあと赤ちゃんへの愛おしさがぐっと深まること。胎動は、母になる実感を静かに芽吹かせてくれる、小さな奇跡のような時間です。
よくある質問
胎動について、妊婦さんからよく寄せられる質問をまとめました。不安を感じたときの参考にしてください。
Q. 胎動は初めていつから感じますか?
初産の方で妊娠18〜20週頃、経産の方で妊娠16〜18週頃が目安です。ただし体型や胎盤の位置によって個人差が大きく、この時期より早い方も遅い方もいます。周りと違っても焦らず、赤ちゃんのペースを待ってあげてください。
Q. 胎動はどんな感じですか?おならと見分けられますか?
最初はポコポコ、ウニョウニョとした、腸の動きに似たかすかな感覚です。ガスの動きがお腹全体に広がりやすいのに対し、胎動は下腹部の決まったあたりで繰り返し感じられる傾向があります。横になって静かにしていると気づきやすくなります。
Q. パートナーはいつから胎動を感じられますか?
お母さんが自覚してから数週間ほどあとに、手のひらで感じ取れるようになることが多いです。胎動が活発になる夜、リラックスして横になっているときに、そっとお腹へ手を当てると分かりやすくなります。焦らず動きが強くなる時期を待ってください。
Q. 胎動が減った・感じないときはどうすればいいですか?
まずは横になって、静かにお腹の様子を確かめてください。赤ちゃんが眠っていることも多いです。それでもいつもより明らかに少ない、しばらく待っても戻らないと感じるときは、時間帯を問わずかかりつけの産婦人科へ連絡してください。遠慮はいりません。
Q. 胎動とNIPTはどう関係しますか?
胎動は妊娠中期以降に赤ちゃんの元気を見守る手がかりです。NIPTは妊娠早期に、13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的な検査で、確定診断には羊水検査などが必要です。時期も役割も異なり、どちらも安心して過ごすための選択肢のひとつです。
著者・監修
岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
- 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン―産科編2020. 東京: 日本産科婦人科学会; 2020.
- Heazell AE, Frøen JF. Methods of fetal movement assessment and the detection of fetal compromise. J Obstet Gynaecol. 2008 Feb;28(2):147-154.
- Mangesi L, Hofmeyr GJ, Novikova N. Fetal movement counting for assessment of fetal well-being. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Oct 15;2015(10):CD004909.
