妊娠中や産後に気になる妊娠線。妊娠線はできてしまうと完全に治すことが難しいので早めに対策をしておきたいところです。このページでは、妊娠線ができやすい人の特徴とでき始める時期、対策法についてご説明します。
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この記事でわかること
- 妊娠線がいつから・なぜできるのかと、血管が透けて見える症状との違い
- 妊娠線ができやすい人の特徴6パターン
- 妊娠初期から始める予防ケアの具体的な方法
- できてしまった妊娠線を目立たなくする治療法の選択肢
妊娠線とは?血管が透けて見える症状との違い
妊娠線とは、妊娠中の急激な体形変化によって皮膚がひび割れ、赤紫色の線状の跡があらわれる状態です。
正式には線状皮膚萎縮症、または皮膚伸展線条といいます。ストレッチマークと呼ばれることもあります。
妊婦さんの多くが経験する症状で、私たちの外来でも「お腹に線が入ってきた」というご相談を妊娠中期以降によく受けます。かゆみをともなうケースも少なくありません。
妊娠線と血管が透けて見える症状の見分け方
お腹の線というと、妊娠線のほかに血管が透けて見える状態と混同されることがあります。両者は原因も見た目もまったく異なります。
| 症状 | 見た目の特徴 | 原因 |
|---|---|---|
| 妊娠線 | 赤紫色〜白色の線状の跡。皮膚表面がやや凹凸になる | 真皮が伸びきれずに裂けることで発生 |
| 血管が透ける症状 | 青〜緑色の筋。血管の走行に沿って見える | 皮膚が薄くなり皮下の静脈が透けて見える |
妊娠中はお腹の皮膚が伸びて薄くなるため、静脈が透けて見えやすくなります。線の色や凹凸の有無で見分けられますが、判断に迷う場合は妊婦健診の際に担当医へ相談してください。
妊娠線ができる原因
妊娠線は、皮膚が体形の変化に伸びきれず、真皮という層が断裂することで発生します。
皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されています。
妊娠して皮下組織の脂肪が急激に増えると、その外側の真皮や表皮も引っ張られて伸びていきます。真皮は柔軟性が低いため、皮下脂肪の拡大速度に追いつけずに裂けてしまうことがあるのです。
表皮は真皮より柔軟性が高く伸びやすいため、真皮が裂けても出血はしません。ただし断裂部分から毛細血管が透けて、赤紫色の妊娠線としてあらわれます。
一度裂けた真皮は完全には元に戻りません。出産後に皮下脂肪が減っても、妊娠線そのものは消えずに残存。
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妊娠線はいつからできる?時期と前兆
妊娠線は、早い人では妊娠中期からあらわれ、多くは妊娠後期以降に目立ち始めます。
体重の増え方には個人差が大きいため、できる時期も人それぞれです。
お腹が急に張る、皮膚がつっぱる、かゆみが出るといった感覚は、妊娠線ができ始める前兆のひとつといわれています。こうした違和感に気づいたら、その部分を重点的に保湿するとよいでしょう。
ただし、前兆をまったく感じないまま線があらわれることも珍しくありません。
Xでは「痛み出した時から両足付け根にピピっと妊娠線出来てしまった」と@karoyakさんが投稿していました。「しっかりミルク+オイル塗ってた箇所でも出来る時は出来るもんだ」ともつづっています。
丁寧にケアをしていても、体形変化のスピード次第では防ぎきれないケースがあるというのが実際のところです。
妊娠線の予防はいつから始める?今日からできる対策
妊娠線の予防は、症状があらわれる前の妊娠初期から始めるのが理想です。
できかけている場合も、その時点で対策を始めれば悪化を防ぎやすくなります。
とはいえ妊娠初期はつわりで体調がすぐれない方も多いはずです。体を休めることを優先し、無理のない範囲で少しずつ取り入れてください。
オイルやクリームで保湿ケアを習慣にする
妊娠線は真皮が裂けることで起こるため、保湿によって皮膚の柔軟性を保つことが基本です。妊娠線予防クリームは、保湿成分がしっかり配合されたものを選びましょう。
妊娠中は肌が敏感になりやすいため、防腐剤不使用など低刺激の製品も選択肢に入れてみてください。朝晩の2回、お風呂上がりのタイミングで塗ると習慣化しやすくなります。
Xでは「ヴェレダのマザーズオイル、+16kgで妊娠線が1つもできなかった」と@tamaco_chan_さんが投稿していました。
体重が増えても継続ケアで防げた一例として参考になります。効果には個人差がありますが、毎日続けることが何より大切です。

保湿ケアの具体的な方法や、乾燥しやすい妊娠中の肌質に合わせた製品選びは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
体重増加をゆるやかにコントロールする
体重が短期間で急激に増えると、皮膚が伸びるスピードに真皮が追いつかず、妊娠線ができやすくなります。医師の指導のもと、適切なペースでの体重管理を心がけましょう。
食事の基本は、主食・主菜・副菜をバランスよくそろえることです。国立成育医療研究センターも、妊娠中の食事について栄養バランスを意識した具体的な工夫を紹介しています。
参考: 国立成育医療研究センター「プレママ・ママの食事の基本」
マッサージで血行を促す
保湿クリームを塗るときに、円を描くように優しくマッサージすると血行が促され、皮膚のコンディションを整えやすくなります。強くこすらず、なでる程度の力加減で行ってください。
お腹が張りやすい方は、マッサージの強さや回数について妊婦健診の際に相談してから始めると安心です。
妊娠線ができやすい人の特徴
妊娠線ができやすいかどうかは、肌質・体重の増え方・体格・出産歴などによって傾向が変わります。
当てはまる項目が多いほど、早めの予防がカギ。
乾燥肌
肌が乾燥すると柔軟性が低下し、真皮が裂けやすくなります。乾燥肌の方は妊娠線ができやすい傾向にあるため、こまめな保湿を意識してください。
妊娠中に体重が急激に増加
妊娠線は、急激な脂肪組織の増加によって真皮が裂けることで発生します。短期間で体重が大きく増えると、皮膚の伸びが追いつかず、妊娠線ができやすくなるのです。
Xでは「一人目妊娠前の体重から20㌔増えてたら皮膚も耐えられんか」と@kurage_5290さんが振り返っていました。
体重の増加幅が大きいほど、皮膚への負担も比例して大きくなる傾向があります。
小柄・やせ型
小柄・やせ型の方はお腹が急激にふくらみやすい傾向があります。もともとの皮膚のゆとりが少ないぶん、真皮が裂けやすく、妊娠線ができやすくなります。
経産婦
経産婦は初産婦に比べ、お腹が大きくなるスピードが速いといわれています。急激な変化に真皮が追いつけず、妊娠線ができやすい傾向にあります。

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高齢出産
35歳以上の高齢出産では、若いころに比べて皮膚の柔軟性が低下していることがあります。真皮の柔軟性が落ちると裂けやすくなるため、体調が安定したら早めに予防を始めましょう。
また、高齢出産では若い時期の出産に比べて、胎児の染色体異常が起こる確率が上がることがわかっています。心配な方は、出生前診断で染色体異常の有無を調べることができます。
中でもNIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液を採血するだけで調べられる検査です。
羊水検査や絨毛検査のような流産のリスクを心配する方に選ばれています。確定診断ではありませんが、21番染色体(ダウン症)の検査における感度・特異度はともに99.9%です。
エコー検査で妊娠が確認できればすぐに検査を受けられ、他の出生前診断よりも早い時期から実施できる点もメリットです。受診の際は、結果が出た後どうするかを事前にご家族で話し合っておきましょう。
双子妊娠
双子の妊娠は、単胎に比べてお腹が大きくなるスピードが急激です。多胎妊娠の場合も、早めに妊娠線予防を始めるといいでしょう。
双子の場合もNIPT(新型出生前診断)を受けられるのか、気になる方は多いはずです。双子のNIPTは受診できる医療機関が限られますが、取り扱いのある医療機関であれば検査が可能です。
ヒロクリニックNIPTでは、双子のNIPT(新型出生前診断)にも対応していますので、心配な方は検討してみてください。
妊娠線がひどい・かゆみが強いときの注意点
妊娠線の範囲が急に広がる場合や、強いかゆみ・赤み・腫れをともなう場合は要注意です。
自己判断でケアを続けず、産婦人科や皮膚科を受診してください。妊娠性痒疹など、別の皮膚トラブルが隠れていることもあります。
私たちの外来でも、妊娠後期にかゆみや赤みを訴えて受診される方は少なくありません。「これくらいなら様子を見よう」と我慢してしまう方が多い印象です。
かゆみがあるとかいてしまいがちですが、かき壊すと皮膚のバリア機能がさらに低下し、妊娠線が目立ちやすくなる場合があります。かゆみが強いときは、保湿剤を塗ってから冷たいタオルで軽く冷やすと落ち着きやすくなります。
市販のかゆみ止めを使う場合も、妊娠中は使用できる成分が限られます。使用前に必ず産婦人科医や薬剤師に確認してください。
妊娠線を消すことはできる?できてしまった時の対処法
妊娠線は真皮が裂けることで発生するため、自然に完全へ消えることはありません。
ただし、医療機関での治療によって目立ちにくくすることは可能です。
出産直後は赤紫色だった線が、時間の経過とともに白っぽく変化していきます。色が落ち着くだけでも印象は変わりますが、はっきりと消したい場合は形成外科や皮膚科での治療を検討してください。
代表的な治療法には、以下のようなものがあります。それぞれ仕組みが異なるため、肌の状態に合わせて医師と相談しながら選ぶことが大切です。
| 治療法 | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| フラクショナルレーザー | 真皮に点状のエネルギーを照射し熱変性を起こす | 線維芽細胞を活性化しコラーゲン産生を促す |
| ダーマペン | 微細な針で皮膚に小さな傷を作り成長因子を注入 | 皮膚の再生を促進し肌質を整える |
| 炭酸ガス治療 | 皮下組織に炭酸ガスを注入し血流を改善 | コラーゲン産生を促し代謝を高める |
フラクショナルレーザー
真皮に点状にエネルギーを照射し、熱変性を起こさせる治療法です。熱変性した真皮が周囲の線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されることで真皮が回復していきます。
ダーマペン
ペン状の機器で微細な針を高速に前後させ、皮膚に小さな傷を作りながら成長因子を流し込む治療法です。皮膚の再生を促進します。
炭酸ガス治療
皮下組織に注射針で炭酸ガスを注入する治療法です。真皮の血流が改善し、皮膚の代謝が上がります。一時的な皮膚損傷がコラーゲン産生を促し、再生能力を高めます。
出産後のボディケアやアイテム選びについては、こちらの記事もあわせて参考にしてください。
妊娠中の肌荒れ対策や低刺激スキンケアについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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妊娠線についてよくある質問
妊娠線について、妊娠中の方から実際によく寄せられる質問にお答えします。気になる項目から読んでみてください。
Q. 妊娠線はいつからできますか?
早い人では妊娠中期からあらわれ、多くは妊娠後期以降に目立ち始めます。体重の増え方によって時期には個人差があります。
Q. 妊娠線は自然に消えますか?
真皮の断裂による跡のため、自然に完全へ消えることはありません。時間とともに色は薄くなりますが、はっきり消したい場合は皮膚科や形成外科での治療が必要です。
Q. 妊娠線がひどい場合はどうすればいいですか?
範囲が急に広がる、強いかゆみや赤み・腫れをともなう場合は、自己判断でケアを続けず産婦人科や皮膚科を受診してください。妊娠性痒疹など別の皮膚トラブルの可能性もあります。
Q. 双子妊娠は妊娠線ができやすいですか?
単胎に比べてお腹が大きくなるスピードが急激なため、妊娠線ができやすい傾向にあります。多胎妊娠の場合は早めの予防が特におすすめです。
Q. 妊娠線と血管が透けて見える症状はどう見分けますか?
妊娠線は赤紫色〜白色の線状で皮膚表面がやや凹凸になります。血管が透ける症状は青〜緑色の筋で、血管の走行に沿って見えるのが特徴です。判断に迷う場合は妊婦健診で相談してください。
Q. 妊娠線予防クリームはどう選べばいいですか?
保湿成分がしっかり配合されているかを基準に選んでください。妊娠中は肌が敏感になりやすいため、防腐剤不使用など低刺激の製品も選択肢に入れるとよいでしょう。
まとめ
妊娠線は、真皮が裂けることで起こる跡で、一度できると自然に完全へ消えることはありません。
できやすいかどうかは肌質・体重の増え方・体格・出産歴などで傾向が変わります。
とくに乾燥肌の方、体重が急激に増えている方、双子を妊娠されている方は、妊娠初期からの保湿ケアを意識してください。早めの対策こそ、後悔しない一番の近道。
できてしまった妊娠線も、フラクショナルレーザーやダーマペンなどの治療で目立ちにくくすることが可能です。気になる方は、子育てが落ち着いたころに専門医へ相談してみるといいでしょう。
また、高齢出産や双子妊娠では、赤ちゃんの染色体異常が気になる方も多いはずです。NIPT(新型出生前診断)は、ママの採血だけでおなかの赤ちゃんの染色体異常を調べられる検査です。気になる方は検討してみてください。
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【参考文献】
- MSDマニュアル家庭版 – 妊娠中の体の変化
- MSDマニュアル家庭版 – 妊娠中のセルフケア
- 国立成育医療研究センター – プレママ・ママの食事の基本
- 公益社団法人日本産科婦人科学会 – 日本産科婦人科学会
妊娠中や産後に気になる妊娠線。妊娠線はできてしまうと完全に治すことが難しいので早めに対策をしておきたいところです。このページでは、妊娠線ができやすい人の特徴とでき始める時期、対策法についてご説明します。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
- Brennan M, Young G, Devane D. Topical preparations for preventing stretch marks in pregnancy. Cochrane Database Syst Rev. 2012 Nov 14;11(11):CD000066.
- Korgavkar K, Wang F. Stretch marks during pregnancy: a review of preventive endeavors. Int J Dermatol. 2015 Nov;54(11):e442-8.
- Farahnik B, Park K, Kroumpouzos G, Murase JE. Striae gravidarum: Risk factors, prevention, and management. Am J Clin Dermatol. 2017 Dec;18(6):783-790.


