妊娠線の予防法。でき始める時期とできやすい人の特徴【医師監修】

妊娠線の予防法

妊娠中や産後に気になる妊娠線。妊娠線はできてしまうと完全に治すことが難しいので早めに対策をしておきたいところです。このページでは、妊娠線ができやすい人の特徴とでき始める時期、対策法についてご説明します。

胎児の性別は
10週目でわかります

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妊娠線とは

妊娠線とは、妊娠中の急激な体形変化で起こる赤紫色の線のことです。皮膚が引っ張られることで、線状のすじが入る状態を指します。正式には線状皮膚萎縮症もしくは皮膚伸展線条と言います。ストレッチマークと呼ぶこともあります。かゆみの症状がみられることもあります。

妊娠線ができる原因

皮膚は、一番外側から表皮・真皮・皮下組織の順で3層で構成されています。妊娠し、皮下組織に脂肪が急激に増えると、その外側にある真皮や表皮も伸びていきます。

しかし、真皮は柔軟性が低いため、皮下脂肪の拡大に追いつくことができずにさけてしまうことがあります。一方、表皮は真皮に比べ柔軟性が高く伸びやすいため、真皮がさけても出血することはありませんが、断裂した部分から毛細血管が透け、赤紫色の妊娠線が現れます。

一度さけてしまった真皮は、完全には元に戻ることがないため、出産して皮下組織の脂肪が少なくなっても妊娠線は残ってしまうのです。

妊娠線ができ始める時期

妊娠線は、早い人では妊娠中期からあらわれることもありますが、一般的には妊娠後期以降にできる場合が多いでしょう。人によっては一日のうちにできてしまうこともあります。

妊娠12週目のママとベビー・エコーでわかるダウン症【医師監修】(エコー写真の画像あり)
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妊娠線ができやすい場所

妊娠線はおなかが一番できやすいのですが、おなか以外にも胸のまわりやおしり、太もも、二の腕、わきの下などの妊娠中脂肪がつきやすくなる部位にできることもあります。

妊娠線の予防はいつから始める?

妊娠初期から始める

妊娠線の予防はいつから始めればいいのでしょうか。妊娠線は早い人では妊娠中期からあらわれることがあるため、妊娠初期から対策するのが理想です。

また、できかけている方もその時点で対策を始めれば、症状の悪化を防ぐことができます。妊娠中は体の変化に注意してみていくようにしましょう。

といっても妊娠初期はつわりなどで体調が悪い場合も多いため、体を休めることを第一に無理のない程度に行ってください。

オイルやクリームで保湿ケアをする

妊娠線は、真皮がさけてしまうことによって起こるため、真皮の保湿を行うことが大切です。そのため、妊娠線予防クリームは、保湿成分が含まれているものを選んでみましょう。

妊娠中は肌が敏感になる場合が多いので、中には防腐剤不使用など低刺激の製品もあります。そういった点も確認して、クリームやオイルを選んでみてください。

妊娠線予防の保湿ケア

妊娠線ができやすい人の特徴

妊娠線ができやすい人は早めに予防策をとっておくことが大切です。

乾燥肌

肌が乾燥すると、柔軟性が低下するため、真皮がさけやすくなってしまいます。乾燥肌の方は妊娠線ができやすい傾向にあるので注意が必要です。

妊娠中に体重が急激に増加

妊娠線は、急激な脂肪組織の増加で真皮がさけてしまうことによって発生します。妊娠中の急激な体重の増加は脂肪組織が急速に増えることによって起きています。急激に脂肪組織が増えると、真皮がさけやすくなるため、妊娠線ができやすくなってしまうのです。

小柄・やせ型

小柄・やせ型の方はお腹が急激にふくらみやすい傾向があります。お腹が急激にふくらむと、真皮がさけやすくなるので、妊娠線ができやすくなります。

経産婦

経産婦は初産婦に比べてお腹が大きくなるスピードが速いといわれています。おなかが急激に大きくなると、真皮がその変化に追いつけずにさけてしまう可能性があり、妊娠線ができやすい傾向があります。

経産婦は妊娠線ができやすい

高齢出産

高齢出産といわれる35歳以上の方は、若いころに比べ皮膚の柔軟性がおちていることがあります。真皮の柔軟性がおちると、さけやすくなってしまうので、妊娠線ができやすい傾向にあります。体調が安定したら、早めに妊娠線予防を始めるようにしましょう。

また、高齢出産では、若いときの出産に比べて胎児の染色体異常が起きやすくなることがわかっています。心配な方は、出生前診断で染色体異常の有無を予測したり、確定したりすることができます。

中でもNIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液を採血するだけで調べることができるため、羊水検査や絨毛検査などで流産のリスクが心配な方にはおすすめの検査方法になります。

確定診断ではありませんが、精度は高く、21番染色体(ダウン症)の検査においては感度・特異度ともに99.9%となっています。

妊娠10週0日から検査することができ、他の出生前診断よりも早い時期から受けることができるのもメリットです。

受診をするときは、結果が出た後どのようにするかを事前にご家族で話し合ってから受けるようにしましょう。

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双子妊娠

双子の妊娠は、一人の場合に比べてお腹が大きくなります。お腹が大きくなるスピードも、1人の場合より急激なため、妊娠線ができやすくなってしまいます。双子などの多胎妊娠の場合も、早めに妊娠線予防を始めるといいでしょう。

また、双子の場合もNIPT(新型出生前診断)を受けることはできるのでしょうか。双子のNIPT(新型出生前診断)については受診できる医療機関が限られていますが、取り扱いのある医療機関であれば検査をすることが可能です。

ヒロクリニックNIPTでは、双子のNIPT(新型出生前診断)も検査することができますので、ご心配な方は検討してみてください。

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妊娠線ができてしまったら

妊娠線を消す方法はある?

妊娠線は、真皮がさけることにより発生します。真皮にできた傷は治りにくいため、妊娠線が自然に消えることはありませんが、目立ちにくくする方法はいくつかあります。

妊娠線ができてしまった時の対処法

残念ながら、妊娠線は自分で消す方法はないのが実状です。気になる場合は形成外科、皮膚科などの医療機関で、目立たなくする治療を受けることができます。気になる場合は受診してみてください。

フラクショナルレーザー

真皮に点状にエネルギーを照射し、熱変性を起こさせる治療法です。熱変性した真皮が周囲の線維芽細胞を活性化し、コラーゲン、エラスチンの産生が促進することによって、真皮が回復していきます。

ダーマペン

ペン状の機器で、高速に微細な針を前後させることで、皮膚に小さな傷を作り、成長因子を流し込むことで、皮膚の再生を促進する治療法です。

炭酸ガス治療

皮下組織に注射針で炭酸ガスを注入する治療法です。炭酸ガスを注入すると、真皮の血流が改善し、皮膚の代謝が上がります。また、一時的に皮膚に損傷を与えることで、コラーゲンの産生が促進され、皮膚の再生能力を高くすることができます。

まとめ

妊娠中や産後に気になる妊娠線についてご説明しました。妊娠線はできてしまうと、完全に消すことは難しいので、早めに予防策をとっておきたいところです。とくに乾燥肌の方や双子を妊娠されている方、小柄な方はできやすい傾向にあるので、注意して対策をしていきましょう。

なお、妊娠線ができてしまっても、治療をすることで目立たなくすることは可能です。気になる方は、子育てが落ち着いてきたころに皮膚科や形成外科などの専門医に相談してみるといいでしょう。

また、妊娠中に受けることができるNIPT(新型出生前診断)についてもご紹介しました。NIPT(新型出生前診断)は、ママの採血のみでおなかの赤ちゃんの染色体異常について調べることができます。気になる方は検討してみてください。

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妊娠中や産後に気になる妊娠線。妊娠線はできてしまうと完全に治すことが難しいので早めに対策をしておきたいところです。このページでは、妊娠線ができやすい人の特徴とでき始める時期、対策法についてご説明します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

記事の監修者


川野 俊昭先生

川野 俊昭先生

ヒロクリニック博多駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科医として25年以上、主に九州で妊婦さんや出産に向き合ってきた。経験を活かしてヒロクリニック博多駅前院の院長としてNIPT(新型出生前診断)をより一般的な検査へと牽引すべく日々啓発に努めている。

略歴

1995年 九州大学 医学部卒業
1995年 九州厚生年金病院 産婦人科
1996年 九州大学医学部付属病院 産婦人科
1996年 佐世保共済病院 産婦人科
1997年 大分市郡医師会立アルメイダ病院 産婦人科
1998年 宮崎県立宮崎病院 産婦人科 副医長
2003年 慈恵病院 産婦人科 医長
2007年 日本赤十字社熊本健康管理センター診療部 副部長
2018年 桜十字福岡病院 婦人科
2020年 ヒロクリニック博多駅前院 院長

資格

日本産科婦人科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医

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