妊活中の食べ物は妊娠に影響する?【医師監修】

妊活中の食べ物は妊娠に影響する?

妊活中は赤ちゃんの健全な発育のために、食べ物に注意が必要です。今すぐ役に立つ妊活中のおすすめ食品と避けるべき食品を解説します。

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妊活とは

妊活は妊娠に向けて、体や心・環境を整えていく妊娠のための準備のことです。妊活はママ一人が頑張るものではなく、パートナーと二人三脚でおこなうもの。具体的には次のような準備があります。

  • パートナーと出産時期や子育てについて話しあう
  • 妊娠がライフスタイルや生活に与える影響を予測し対策する
  • 正しい妊娠・出産の知識を身につける
  • 自分やパートナーの体・心・環境が妊娠しやすい状態か確認する

ママやパートナーの体を作る元となる「食事」は、妊活中には軽視できないとても重要な要素です。次の項目では妊活中に食事が与える影響や注意点に着目し、おすすめの食べ物や栄養素を紹介します。後半では妊活中に避けるべき食べ物も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

妊活中の食事の注意点

妊活中の食事は赤ちゃんの育つ環境を整え、ママ・赤ちゃんが健康的に妊娠・出産を迎えるためにかかせません。ママ・赤ちゃんそれぞれに、食事がどのような影響を与えるか解説します。

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妊娠への影響

妊娠しやすい心や体をつくるためには、健康的な食生活が重要です。妊活のために特定の食品のみを食べる・避けるのはやめましょう。また食べ過ぎたり、ファストフードやレトルト食品に偏った食生活は肥満や生活習慣病のリスクを上げ、妊娠・出産時のトラブルを増やす可能性があります。

栄養素が偏ると女性ホルモンのバランスが崩れ妊娠しにくくなりますし、貧血や栄養失調など全身に影響を与える可能性があります。反対に栄養をとりすぎると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高くなります。

また体内にはミトコンドリアという栄養素を分解しエネルギーをつくる細胞があります。ミトコンドリアは卵子の中にもたくさん含まれていますが、ミトコンドリアの働きが低下すると卵子の機能も低下し妊娠率が下がってしまいます。ミトコンドリアを活性化させるためには適度な空腹感と有酸素運動が大切です。規則正しい食生活を心がけ食べ過ぎないことは、卵子の機能を維持するためにも欠かせないのです。

妊活中の食事

赤ちゃんへの影響

赤ちゃんが健康に育つためにはタンパク質や脂質・糖質・ビタミン・ミネラルなどさまざまな栄養素がかかせません。それぞれの栄養素は以下の働きを担っています。

タンパク質体をつくる
脂質目や脳の発達を促進する
糖質赤ちゃんのエネルギー源になる
鉄分血液をつくる
カルシウム歯や骨をつくる
葉酸脳や脊髄の病気を防ぐ、赤血球をつくる

栄養素の偏りや不足があると切迫早産や流産、胎児奇形のリスクが高くなります。また子宮内胎児発育遅延(IUGR・FGR)という、週数に対して赤ちゃんが十分に育たないやせ型の低体重児になる可能性があります。IUGR・FGRで生まれた赤ちゃんは将来的に肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を発症するリスクが高くなってしまうのです。

また、栄養を摂りすぎると赤ちゃんが育ちすぎて4000g以上になる巨大児などのリスクが高くなります。巨大児は体が大きく産道を通り抜けられず、難産や帝王切開になる可能性があります。

このように妊活中の食事は栄養素が少なすぎても多すぎても、赤ちゃんに大きな影響を与えるのです。

妊活中におすすめの食品と栄養素

「これを食べれば妊娠しやすくなる」という食品はありません。妊活を成功させるための特別なレシピや栄養素があるわけではないのです。

妊活を成功させるためには健康的な体づくりが欠かせません。そのためには質の良いタンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素をバランスよくとり、規則正しい食生活を心がけましょう。

パスタや麺類・パンなどの糖質に偏らずさまざまな栄養素をとるためには、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」がポイントです。
具体的には以下の食品を組み合わせて毎日の献立を考えると、栄養バランスを整えやすくなるためおすすめです。

まめ納豆・とうふ・あげ・がんもどき・枝豆
ごまごまを使った料理・あえ物など
わかめ海藻類 海藻サラダや煮物など ヒジキはヒ素の含有が多いため避ける
やさい野菜類
さかな活きのよい旬の魚
しいたけキノコ類全般
いもイモ類全般

また「元気な赤ちゃんを産むためにはこの食べ物を食べなければいけない」という食品はありませんが、「葉酸(ようさん)」は妊活中にとくに意識して摂取してほしい栄養素です。
葉酸はビタミンB群のうちの1つです。妊娠初期の細胞分裂が盛んな時期に葉酸が不足すると、赤ちゃんの脳や脊髄に障害がでる可能性があります。受精から妊娠6週頃までは、まだ妊娠に気づいていない人が多い時期で妊娠に気づいてから葉酸を摂取しても間に合わないのです。

脳や脊髄の生まれつきの障害の発症リスクを減らすためには、妊娠の1か⽉以上前から妊娠3か⽉までを目安に積極的に葉酸をとる必要があります。葉酸は食生活に気を付けるだけでは、妊活中の1日に必要な量を摂取することは困難です。そのため、最近では葉酸のサプリメントをとることが推奨されています。

規則正しいバランスの取れた健康的な食生活を心がけ、葉酸を積極的にとるようにしたいですね。

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黄体期におすすめの食品と栄養素

黄体期は前回の月経が終わってから18〜28日目頃、次の月経のために子宮の準備をする時期です。そのためには細胞をつくる元になる良質なタンパク質や脂質が欠かせません。また月経で貧血が悪化しないように、鉄分も意識してとりましょう。

おすすめの食品は、赤身肉・レバー・大豆製品・ほうれん草・小松菜です。

妊活中に避けるべき食べ物

では、妊活中に避けるべき食べ物はあるのでしょうか?ここからは避けるべき食べ物とその理由を解説します。

生卵

卵は栄養価が高く、特に白身は良質な蛋白質でできているため妊活中に積極的に食べたい食品です。けれども卵の殻には食中毒の原因になる「サルモネラ菌」が付着している可能性があります。サルモネラ菌による食中毒は、流産の原因になる可能性があるため、卵の生食は避けましょう。

生肉

生肉には「トキソプラズマ」という寄生虫が付着している可能性があります。妊娠中にママがトキソプラズマ感染症にかかると赤ちゃんにも感染します。妊娠初期ほど重症化しやすく、赤ちゃんが感染した場合には死産・流産・水頭症・視力障害・運動機能障害を起こす可能性があるのです。

トランス脂肪酸の多い食事

トランス脂肪酸はマーガリンやショートニング、揚げ物、ファーストフード、お菓子・菓子パンなどに多く含まれています。トランス脂肪酸は排卵障害のリスク因子で、妊娠する可能性が下がってしまうかもしれません。さらに肥満や動脈硬化などのリスク因子で、肥満の方は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を発症する可能性が高くなります。トランス脂肪酸の多い食事は習慣化しやすいため、はやめに食生活をととのえましょう。

妊活中の飲み物

妊活中には食べ物だけでなく、飲み物にも気を配りたいという方も多いでしょう。大人の女性の50~60%は水分でできています。体内の水分が不足すると、血液がドロドロになり体中に必要な栄養素を届けられなくなります。当然、子宮や卵子・受精卵にも栄養素が届かない可能性があるため、水分は1~2Lを目安に摂取しましょう。

避けるべき飲み物

「水分をとる」といっても何でも飲んでよいわけではありません。

妊娠とカフェインの摂取量の関係について、世界中でさまざまな研究が行われていますが、妊娠に有効か不利益かはわかっていません。けれども、カフェインには血管を収縮させる効果があるため妊娠中に過剰にとりすぎると胎盤の血流に影響を与え、赤ちゃんの成長を妨げるリスクもあるためなるべく避けるようにしましょう。カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶・エナジードリンクにも含まれていますので注意が必要です。

そのほかにアルコールの適量ついて最新のデンマークのオーフス大学の研究を紹介します。研究では、週14杯以下であれば妊娠のしやすさに影響が少ないと報告されています。1杯の量はビールで330ml、ワインで120ml、ウイスキーなどの蒸留酒で20mlが目安です。

しかし週14杯以上・1日2杯以上飲酒する女性は、妊娠率が18%低下したとも報告されています。
お酒の強さは一人ひとり異なります。アルコールが与える影響もすべてが明らかになっているわけではありませんので、妊活中はできるだけ避けるようにしたいですね。

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男性におすすめの食べ物

男性もバランスのよい食生活が重要です。健康的な精子をつくるために、質の良いタンパク質はかかせません。肉や魚・卵・大豆製品など多様な食品からタンパク質を摂取しましょう。

亜鉛は男性にとっても大切な栄養素で、前立腺や精巣の機能を正常に保つためにかかせません。
男性もバランスのとれた食生活を心がけ、アルコールやカフェインを控えるようにしましょう。

男性におすすめの食べ物

妊娠が確定したらNIPT(新型出生前診断)

妊娠がわかったら赤ちゃんに異常がないか気になる方も少なくありません。

おなかの赤ちゃんの異常を調べる検査は「出生前診断」とよばれます。ヒロクリニックNIPTでは妊婦検診で行う検査よりももっと詳しく、赤ちゃんの染色体異常を調べるNIPT(Noninvasive prenatal genetic testing:非侵襲性出生前遺伝学的検査)を行っています。

NIPT(新型出生前診断)はママの血液を調べる検査で、赤ちゃんには負担がありません。血液中の遺伝子のかけらを調べ、ダウン症(21トリソミー)やエドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)などの染色体異常の可能性が高いかどうかがわかります。

NIPT(新型出生前診断)はほかの非確定的診断検査と比べて妊娠10週頃の早期から受けられ、信頼性も高い検査です。陽性(染色体異常の可能性が高い)とわかったら、羊水検査でより詳しく調べる確定診断を行う必要があります。

染色体異常の可能性がわかるNIPT(新型出生前診断)は赤ちゃんに負担がない検査です。妊娠が確定したら、ぜひNIPT(新型出生前診断)を受けることをおすすめします。

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まとめ

妊活中の食生活は赤ちゃんの成長・発達だけでなく、ママの健康を維持するためにも注意が必要です。さまざまな栄養素が密接に関係しあい健康的な体をつくっていることを、今一度意識しましょう。また、妊活中の食事はママだけでなく男性も注意しなければなりません。お二人で力を合わせて食生活に気を配っていきたいですね。

妊娠がわかって赤ちゃんに異常がないか心配な方は、NIPT(新型出生前診断)がおすすめです。ヒロクリニックNIPTNIPT(新型出生前診断)は検査結果の報告が最短2~5日(一部プランを除く)と、他の病院よりも早く結果を知ることができるのが特徴です。NIPT(新型出生前診断)に興味があるママは、ぜひヒロクリニックNIPTにご相談ください。

【参考文献】

妊活中は赤ちゃんの健全な発育のために、食べ物に注意が必要です。今すぐ役に立つ妊活中のおすすめ食品と避けるべき食品を解説します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

記事の監修者


川野 俊昭先生

川野 俊昭先生

ヒロクリニック博多駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科医として25年以上、主に九州で妊婦さんや出産に向き合ってきた。経験を活かしてヒロクリニック博多駅前院の院長としてNIPT(新型出生前診断)をより一般的な検査へと牽引すべく日々啓発に努めている。

略歴

1995年 九州大学 医学部卒業
1995年 九州厚生年金病院 産婦人科
1996年 九州大学医学部付属病院 産婦人科
1996年 佐世保共済病院 産婦人科
1997年 大分市郡医師会立アルメイダ病院 産婦人科
1998年 宮崎県立宮崎病院 産婦人科 副医長
2003年 慈恵病院 産婦人科 医長
2007年 日本赤十字社熊本健康管理センター診療部 副部長
2018年 桜十字福岡病院 婦人科
2020年 ヒロクリニック博多駅前院 院長

資格

日本産科婦人科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医

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