妊娠中は食べ物だけでなく、飲み物にも気をつけなければいけませんが、「これは飲んでもいいかな?」と不安になることはありませんか?ネット上にはさまざまな情報があり、妊婦さんは混乱してしまいますよね。そこで妊娠中の飲み物について整理してみました。
この記事のまとめ
妊娠中は1日1.5〜2Lを目安に、水・麦茶・牛乳など「良質な水分」をこまめに補給することが基本です。
アルコールは妊娠中を通じて避け、コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物は1日200mg程度を目安に量を調整すれば、無理に断つ必要はありません。ジュースや清涼飲料水は糖分のとりすぎに注意し、甘酒は原料表示を確認してから選びましょう。
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はじめに
妊娠中は、体に優しく安心して飲める「良質な水分」を選ぶことが体調管理の基本です。
つわりや発汗の増加で水分が不足しやすい時期だからこそ、飲み物選びが毎日の体調を左右します。
この記事では、妊娠中におすすめの飲み物とNGな飲み物、カフェインを含む飲み物の目安量まで、実際の相談例も交えて解説します。
私たちヒロクリニックの外来でも、「コーヒーは何杯までいいですか」「麦茶とハーブティー、どちらが安心ですか」というご相談を本当によくいただきます。
妊娠中の水分補給がなぜ大切なの?
妊娠中は血液量や発汗が増えるため、いつもより多い1日1.5〜2Lの水分補給が目安です。
基礎体温も上がり新陳代謝が活発になるので、汗をかきやすく、つわりが重なると水分がさらに失われます。
妊娠中は「良質な水分」が不足しやすい
水分補給が不足すると、尿路感染症やおう吐による脱水など合併症のリスクが高まります。
水分をしっかり摂っていれば、これらの症状を防げる可能性が高くなります。妊娠中に起こりやすい便秘も、十分な水分補給で改善しやすくなります。
ただし、十分な水分補給といっても、毎日水ばかりでは妊婦さんもストレスがたまるものです。
だからこそ、何でも飲んでよいわけではなく、妊娠中でも安心して飲めるものを選び、水分補給を心がけましょう。
羊水の質にも水分補給が影響する
羊水は毎日摂取する水分から作られるため、良質な水分の補給が欠かせません。
子宮の中の羊水は、赤ちゃんを振動や衝撃から守るとともに、肺や消化器官の発達を促す役割も担っています。
妊婦さんが体に良くない水を多く摂取していると、羊水が汚れてしまうのです。
近年の研究では、汚れた羊水で育った赤ちゃんはアトピーやアレルギーのリスクが高いことも報告されています。妊娠中は体に良い安心な水分を選びましょう。

妊娠中におすすめの飲み物6選
水・麦茶・牛乳・たんぽぽ茶・カフェインレスコーヒー・無糖の炭酸水の6つが、妊娠中でも安心して選びやすい飲み物です。
それぞれの特徴を、カフェイン量とあわせて表で確認しましょう。
| 飲み物 | カフェイン | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| 水 | なし | 常温でこまめに、氷を入れすぎない |
| 麦茶 | なし | 家族全員で飲める定番の水分補給 |
| 牛乳 | なし | カルシウム補給を兼ねられる |
| たんぽぽ茶・たんぽぽコーヒー | なし | 香ばしい風味でコーヒー気分を代替 |
| カフェインレスコーヒー | ごく微量 | コーヒー好きの妊婦さんの定番選択肢 |
| 炭酸水(無糖) | なし | つわり中の清涼感、加糖タイプは避ける |
水
妊娠中には良質な水分補給がとても大切です。余分なものを含まない水なら安心して飲めます。
ただし、氷をたくさん入れた冷たい水は避けて、なるべく常温で飲むことを心がけましょう。
妊婦さんは汗をかきやすいうえに、喉も渇きがちです。1日1.5〜2Lを目安に、こまめに水を飲むようにしましょう。
普段水をあまり飲まない方も、赤ちゃんのために意識して飲むようにしてください。
麦茶
赤ちゃんや幼児に麦茶を飲ませているご家庭も多いのではないでしょうか。
麦茶はノンカフェインでミネラルを含んでいるので、妊娠中にもおすすめの飲み物です。
暑い夏は冷やした麦茶がおいしいですが、水と同様になるべく常温で飲みましょう。ホットで飲むのもおいしいものです。
牛乳
カルシウムは赤ちゃんの骨や歯の形成に必要な大切な栄養素です。牛乳にはそのカルシウムが豊富に含まれているので、積極的に摂取しましょう。
普段、牛乳をあまり飲まないという方も意識して飲むことを心がけ、料理などにも牛乳を使うとよいでしょう。
たんぽぽ茶・たんぽぽコーヒー
たんぽぽの根の部分を使った、たんぽぽ茶やたんぽぽコーヒーをご存じでしょうか。
製造元によって、根の乾燥や焙煎の方法、根だけでなく葉や茎も使っているかなどによって、お茶とコーヒーに分類しているようです。コーヒーといっても、ノンカフェインなので妊娠中でも量をあまり気にせずに安心して飲めます。
香ばしいコーヒー風味が味わえるナチュラルハーブティーです。
コーヒー好きの方は、まずたんぽぽコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。
カフェインレスコーヒー
昨今はカフェインを除去したコーヒーでも、味わいと香りを楽しめるものが増えてきました。
コーヒー好きの妊婦さんの新定番です。さまざまなメーカーから発売されているので、お気に入りの一杯を見つけてみましょう。
X(旧Twitter)でも、妊娠中にコーヒーをやめられず悩む声はよく見かけます。
「毎日カフェラテ飲まないと気がすまない」というくらいコーヒー好きな方が、声枯れでカフェインも控えていました。夫から「デカフェのコーヒー買って帰るよ」と提案され、「妊娠中も普通にカフェラテ飲んでたから存在忘れてた」と気づいたという投稿(@Ruhige_Nacht)がありました。
コーヒーをやめるのではなく、デカフェに置き換えるだけで気持ちが楽になる。多くの妊婦さんに参考になるはずです。

炭酸水
つわりの時期には、スカッとするような飲み物が欲しくなるものです。そんなときは、無糖の炭酸水なら飲んでも大丈夫です。
市販の炭酸飲料には糖分がたくさん含まれているものが多いため、注意が必要です。
砂糖を含まないものならOKです。辛いつわりの時期でも飲みやすく、レモンを入れて飲むとおいしく飲めます。
妊娠中はNGな飲み物
アルコールは、妊娠中を通じて完全に避けるべき唯一の飲み物です。
「コップ1杯くらいなら」という油断が、赤ちゃんに取り返しのつかない影響を及ぼすことがあります。
アルコール類
妊娠中はアルコールを飲まないことは、基本中の基本です。
アルコールの分子はとても小さく、胎盤で留まらずに、赤ちゃんの血液にすぐに流れ込んでしまいます。
妊婦さんがアルコールを大量に摂取すると、アルコールの代謝能力がない赤ちゃんの体や脳の発達に大きな影響を与えかねません。
低体重、脳障害、奇形などを引き起こすとされる「胎児性アルコール症候群」など深刻な障害につながる可能性もあります。
「コップ1杯くらいなら」と安易に飲酒することは避けて、飲酒しないことを徹底しましょう。
妊娠中に注意したい飲み物とカフェイン量の目安
カフェインを含む飲み物は、1日200mg程度を目安に量を調整すれば、無理にすべて断つ必要はありません。
内閣府食品安全委員会のファクトシートによると、海外機関が設定した妊婦の1日あたりの摂取目安量は200mgで、コーヒーなら約1.7杯分に相当します。
| 飲み物(目安量) | カフェイン量の目安 |
|---|---|
| コーヒー(150ml) | 約90〜120mg |
| 紅茶(150ml) | 約30〜60mg |
| 緑茶(150ml) | 約20〜30mg |
| エナジードリンク(1本) | 約36〜150mg |
| コーラ(350ml) | 約30〜45mg |
カフェインを含む飲み物(コーヒー・紅茶・緑茶など)
コーヒーなどカフェインを含む飲み物には注意が必要です。
妊娠中にイライラしてコーヒーを1日1杯飲めばリラックスできるのであれば、我慢するより精神的に良いかもしれません。ただし、飲んだことで逆に不安を感じるのであれば、おすすめできません。
世界保健機関(WHO)は、1日300mgを超えるカフェイン摂取をする妊婦に対して注意喚起しています。
流産や新生児の低体重リスクを減らすため、摂取量を控えるよう呼びかけているのです。欧州食品安全機関(EFSA)は、1日200mg以下の習慣的な摂取なら胎児への健康リスクは生じないとしています。
厚生労働省のQ&Aでも、妊婦のカフェイン摂取は200mg未満が望ましいと案内されています。
X(旧Twitter)でも、「妊娠中も完全にカフェイン断ちしてた訳じゃないけど、外で食事した時だけにしてたからしばらく飲んでなかった」という投稿(@u_sa0923)がありました。
完全に断つのではなく、外食のときだけと決めておく方法は、無理なく量を管理する一つの工夫といえるでしょう。私たちの外来でも、カフェインを一切やめなければと思い込んでストレスをためてしまう妊婦さんは少なくありません。量を守れば、付き合っていける飲み物です。
ジュースや清涼飲料水
ジュースは、妊婦さんの体に特別な影響はありませんが、注意したいのは糖分の摂りすぎです。
フレッシュなフルーツジュースでも、果物に含まれる果糖が中性脂肪になりやすいため、飲みすぎには注意が必要です。
大量の糖分が含まれている市販の清涼飲料水は要注意です。糖分の摂りすぎは、過度な体重増加につながります。
甘酒
甘酒には2種類あります。酒粕で作られた甘酒を飲むのは妊娠中には避けましょう。
麹から作られた甘酒でアルコールを含んでいないものは飲んでも大丈夫です。ただし糖分が多いので飲みすぎには注意を。選ぶ基準は、購入時の原料表示の確認です。
栄養ドリンク(滋養強壮剤)
「元気つけなきゃ!」と栄養ドリンクに手を出すのには注意が必要です。栄養ドリンクの中には、アルコールやカフェインが入っているものもあります。
基本的に、製品の成分を確認しなければならないような飲み物は、妊娠中は避けたほうがよいでしょう。
妊娠中の飲み物に関するよくある質問
妊娠中の飲み物について、外来で実際によく寄せられる質問にお答えします。
気になる項目から読んでみてください。
Q. 妊娠中、水は1日どのくらい飲めばいいですか?
1日1.5〜2Lを目安に、こまめに分けて飲みましょう。冷たい水よりも常温の水のほうが体を冷やしにくくおすすめです。
Q. コーヒーは1日何杯までなら大丈夫ですか?
コーヒー1杯(150ml)あたり約90〜120mgのカフェインが含まれるため、1日1〜2杯程度が目安です。厚生労働省のQ&Aでは1日200mg未満が望ましいとされています。
Q. ノンカフェインのお茶ならどれだけ飲んでも平気ですか?
麦茶やたんぽぽ茶などノンカフェインの飲み物でも、飲みすぎればお腹が冷えたり満腹感で食事に影響したりすることがあります。1日1.5〜2Lの水分量全体の中でバランスよく取り入れてください。
Q. 炭酸水は妊娠中に飲んでも問題ないですか?
無糖の炭酸水であれば問題ありません。糖分を含む炭酸飲料は体重増加につながりやすいため、成分表示で無糖かどうかを確認してから選びましょう。
Q. 甘酒は妊娠中でも飲めますか?
米麹から作られアルコールを含まない甘酒であれば飲めます。酒粕から作られた甘酒はアルコールを含むことがあるため避けてください。糖分も多いので飲みすぎには注意しましょう。
Q. カフェインオフのコーヒーは本当にカフェインが入っていないのですか?
カフェインレスコーヒーはカフェインを大幅に除去していますが、ごく微量のカフェインが残っている製品もあります。気になる場合はメーカーの表示を確認してください。
まとめ
今回は妊娠中の飲み物について解説しましたが、いかがでしたか。
妊娠中に飲んでもよい安心な飲み物を知っていると、水分を補給しやすくなり、おなかの赤ちゃんにも良い影響があります。
正しい知識を身につければ、無理をせず快適な妊娠生活を送れるでしょう。
さて、最後になりますが、多くの妊婦さんが気になっていることのひとつ、NIPT(新型出生前診断)について説明いたします。
NIPT(新型出生前診断)は、出産前におなかの赤ちゃんのダウン症などの染色体の病気や性別を調べられる、最新のスクリーニング検査です。検査方法は採血だけなので、母体に優しく、かつ検査精度が高いのが特徴です。
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NIPT(新型出生前診断)は採血での検査のため、検査日の食事や飲み物の制限はありません。
普段どおりの食事を取り、水分もしっかり補給したうえで検査にお越しください。
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【参考文献】
- 内閣府食品安全委員会 – 食品中のカフェイン ファクトシート
- 厚生労働省 – 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
- 消費者庁 – 食品に含まれるカフェインの過剰摂取について
- 農林水産省 – カフェインの過剰摂取について
妊娠中は食べ物だけでなく、飲み物にも気をつけなければいけませんが、「これは飲んでもいいかな?」と不安になることはありませんか?ネット上にはさまざまな情報があり、妊婦さんは混乱してしまいますよね。そこで妊娠中の飲み物について整理してみました。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。


