この記事でわかること
- 妊娠中の「痩せすぎ」「太りすぎ」の目安となるBMIと体重増加量の基準
- 痩せすぎ・太りすぎが赤ちゃんに与える影響を妊娠時期別に整理した内容
- 体重管理のために今日から見直せる食事・生活のポイント
- 体重が基準から外れているときに医師へ相談すべきタイミング
疑問を安心に変えるNIPT
新型出生前診断
はじめに
妊娠中の体重は、赤ちゃんの発育や分娩の経過に直接関わる大切な指標です。つわりで食事が摂れず痩せすぎてしまう方もいれば、食べつわりで体重が増えすぎてしまう方もいます。
当院にも「体重が増えなくて不安」「体重増加を指摘されて落ち込んでいる」というご相談が多く寄せられます。実際に妊婦健診で体重を指摘された方の多くは、基準となる数値を正確に知らないまま自己流で対応しているケースがほとんどです。
この記事では、妊娠中の痩せすぎ・太りすぎが赤ちゃんに及ぼす影響を時期別に解説し、無理なく体重管理を行うための具体策までご紹介します。
妊婦の痩せすぎ
妊娠中の痩せすぎは、妊娠前のBMIをもとにした体重増加量の目安を大きく下回っている状態を指します。まずはご自身の目安値を確認しましょう。
痩せすぎの目安
厚生労働省が発表している「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」によると、妊娠前のBMIが18.5未満の低体重の妊婦さんは、妊娠中の体重増加量指導の目安が12〜15kgとされています。
また、BMIが18.5以上25.0未満の普通体重の妊婦さんは、体重増加量指導の目安が10〜13kgとされています。
この基準に比べて増加量が大幅に少ない場合は、痩せすぎの状態と考えられます。妊婦健診のたびに指導される目安値と、ご自身の増加量を照らし合わせておいてください。

痩せすぎによる赤ちゃんへの影響
痩せすぎは、妊娠時期によって赤ちゃんへの影響が異なります。ここでは妊娠初期から出産直前までの4段階に分けて説明します。
妊娠初期
妊娠初期に神経管閉鎖障害のリスクが上がるのは、葉酸の摂取不足が主な要因です。十分な食事量をとれず葉酸が不足した場合、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが上がることが分かっています。
その一方で、この時期には多くの妊婦さんがつわりを経験します。痩せすぎが良くないと分かっていても、思うように食事が摂れない場合が少なくありません。食事が十分に摂れないときは、葉酸のサプリメントなどを上手に活用してください。
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妊娠中期
妊娠中期に入ると胎盤が完成し、お母さんが摂取した栄養が胎盤を通して赤ちゃんに送られるようになります。この時期に母体が栄養不足だと、赤ちゃんにも十分な栄養が届きません。
その結果、赤ちゃんの低栄養が原因で妊娠週数に比べて赤ちゃんが小さい、子宮内胎児発育不全(子宮内胎児発育遅延)という状態になることがあります。
妊娠後期
痩せすぎている妊婦さんは、早産になりやすいことが報告されています。妊娠後期に早産になり赤ちゃんが早く生まれてしまうと、臓器の発達が不十分なためNICUへの入院が必要になったり、後遺症が残ったりすることも起こり得ます。
X(旧Twitter)でも、妊娠後期の体重に関するリアルな声が見られます。「妊娠後期です。信じられますか?出産時は妊娠前+3キロしか体重がありませんでした。空腹でした。術後も貧血と低体重で大変な目にあった」という投稿があり、@akaneya123氏も入院先の食事量が少なく、出産まで体重がほとんど増えなかったことを振り返っています。栄養不足は貧血につながりやすいため、後期に体重が増えない場合は早めに主治医へ相談することが大切です。
出産直前
妊婦さんが痩せすぎている場合、貧血のリスクが高まります。貧血の状態で出産になると、疲労のため陣痛が微弱になったり、胎児への酸素供給が減ったりする可能性があります。また分娩時に出血多量になった場合、輸血が必要になる可能性が高まるなど、分娩時における大きなリスク要因のひとつです。
妊婦の太りすぎ
太りすぎも痩せすぎと同様に、妊娠前のBMIをもとにした体重増加量の目安を大きく上回っている状態を指します。目安値と実際の増加量を確認してみましょう。
太りすぎの目安
厚生労働省が発表している「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」によると、妊娠前のBMIが25.0以上30未満の妊婦さんは、体重増加量指導の目安が7〜10kgとされています。妊娠前のBMIが30以上の場合は個別対応が必要とされますが、上限5kgまでが目安です。
この基準を大幅に上回った場合、太りすぎと考えられます。X(旧Twitter)でも「今思うとBMI31で妊娠して『体重増加は5kgまで』と指導を受けた妊婦生活の方が今のダイエット生活より大変だった」という投稿があり、@hakeru100氏はBMIが高い状態での妊娠管理の厳しさを振り返っています。妊娠前のBMIが高いほど増加量の制限が厳しくなるため、妊娠を考えている段階から体重を把握しておくと安心です。
| 妊娠前のBMI | 分類 | 体重増加量の目安 |
|---|---|---|
| 18.5未満 | 低体重(痩せ) | 12〜15kg |
| 18.5以上25.0未満 | 普通体重 | 10〜13kg |
| 25.0以上30未満 | 肥満(1度) | 7〜10kg |
| 30以上 | 肥満(2度以上) | 個別対応(上限5kgが目安) |
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太りすぎによる赤ちゃんへの影響
太りすぎも痩せすぎと同じく、時期によって赤ちゃんへの影響が変わります。順を追って確認しましょう。
妊娠初期
妊娠初期は赤ちゃんのさまざまな器官ができる重要な時期です。この時期に母体が肥満を伴う場合、二分脊椎などの神経管欠損症、心奇形、臍帯ヘルニアのリスクが高くなるといわれています。
また、肥満のためエコーで胎児の状態を把握しづらくなることもあります。
妊娠中期
肥満を伴う場合、妊娠糖尿病のリスクが高くなります。妊娠糖尿病でお母さんが高血糖になると、妊娠高血圧症候群、羊水量の異常、肩甲難産などのリスクが高まります。
おなかの赤ちゃんも高血糖になるため、流産、形態異常、巨大児、心臓の肥大、低血糖、多血症、電解質異常、黄疸、胎児死亡などにつながる恐れもあります。
妊娠後期
肥満を伴う場合、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。重症になると、お母さんには血圧上昇、蛋白尿に加えてけいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、HELLP症候群などを引き起こすことがあります。
赤ちゃんの発育が悪くなる子宮内胎児発育不全、胎盤が子宮の壁からはがれて酸素が届かなくなる常位胎盤早期剥離、赤ちゃんの状態が悪くなる胎児機能不全、場合によっては胎児死亡などが起こることもあります。
出産直前
母体の肥満や妊娠糖尿病は、胎児の過剰な発育を促し、体重4,000g以上の巨大児になるリスクを高めます。巨大児は肩甲難産や児頭骨盤不均衡、弛緩出血といった分娩時の合併症の原因となり得ます。分娩方法が帝王切開になることも少なくありません。
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妊娠中の体重管理
体重管理の基本は、極端な制限や無理な増量ではなく、バランスの良い食事を適量とることです。ここでは具体的な工夫を紹介します。
食事の見直し
妊娠中はバランスの良い食事を適量とることが大切です。厚生労働省が発表している「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」のリーフレットでは、以下が挙げられています。
引用:厚生労働省 – 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
- 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
- 不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
- 「主菜」を組み合わせてタンパク質を十分に
- 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
主食・主菜・副菜をそろえる意識を持つだけでも、栄養バランスは大きく改善します。まずは1日3食のうち1食から見直してみてください。
ダイエットはしてもよい?
妊娠中の無理なダイエットは避けるべきです。お母さんの摂った食事がそのまま赤ちゃんの栄養になるため、極端な食事制限は行わないでください。
体重の増えすぎを指摘されている場合は、かかりつけ医の指導のもと、適切な食事管理や適度な運動を行いましょう。自己判断での食事制限や過度な運動は、かえって母体や赤ちゃんに負担をかけることがあります。

妊活中の痩せすぎ・太りすぎの影響
痩せすぎ・太りすぎは、妊娠のしやすさそのものにも影響します。妊活中の方も体重の目安を知っておくと安心です。
痩せすぎの場合、体が生命維持を優先するため卵巣の機能が低下し、排卵が起こりづらくなります。そのため、妊娠しづらくなってしまうのです。
一方、太りすぎている女性も妊娠しづらいことがわかっています。太りすぎると糖代謝異常や脂質代謝異常が起こりやすくなり、排卵障害が起きやすくなるためだと考えられています。
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赤ちゃんの状態はNIPT(新型出生前診断)で検査
赤ちゃんの状態は、環境要因だけでなく染色体の状態にも左右されるため、心配な方は出生前診断も選択肢のひとつです。
妊娠中は、おなかの赤ちゃんが元気に育っているか心配になることが少なくありません。赤ちゃんの状態は、お母さんの痩せすぎ・太りすぎなどの環境要因のほかに、もともと持っている染色体にも左右されます。
出生前診断では、赤ちゃんの染色体異常を妊娠中に調べることができます。羊水検査や絨毛検査は確定検査ですが、羊水や絨毛を採取して検査するため、流産や死産のリスクが伴います。
一方NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液で検査を行うため、流産や死産のリスクはありません。非確定検査ではありますが、全項目感度99.9%以上・結果報告率99.98%と検査精度が高いのが特徴です。当院では東京衛生検査所(国内)で検査するため、結果が出るまで最短2〜5日というスピードも強みです。
検査できる時期もエコー検査で妊娠が確認できたらとなっており、他の出生前診断より早く検査を行うことができます。おなかの赤ちゃんのことを早く知りたい方は、検討してみてください。
よくある質問
妊娠中の体重に関して、よく寄せられる質問をまとめました。気になる項目からご確認ください。
Q1. 妊娠中に体重が全く増えない場合、すぐに受診すべきですか?
つわりの時期を過ぎても体重が増えない、または減り続ける場合は早めに主治医へ相談してください。妊娠中期以降に体重増加が止まっている状態は、赤ちゃんへの栄養供給不足のサインになっていることがあります。
Q2. つわりで痩せてしまいましたが、体重は戻りますか?
つわりが落ち着く妊娠中期以降に、食事量とともに体重が回復していくケースは多くあります。ただし、極端な低体重が続く場合は貧血や栄養不足のリスクがあるため、妊婦健診で経過を確認してもらいましょう。
Q3. 体重増加を指摘されました。どのくらいのペースで見直せばよいですか?
1週間に0.3〜0.5kg程度のペースを目安に、主治医の指導範囲内へ近づけていくのが一般的です。急激な減量は禁物です。まず取り組むべきは、主食・主菜・副菜のバランス調整です。
Q4. 双子や多胎妊娠の場合、体重増加の目安は変わりますか?
多胎妊娠は単胎妊娠より体重増加の目安が多くなる傾向があり、個別対応が必要です。かかりつけ医と相談しながら、ご自身の妊娠週数・BMIに合わせた目安を確認してください。
Q5. 痩せすぎ・太りすぎと赤ちゃんの染色体異常は関係がありますか?
体重は染色体異常の直接的な原因ではありません。ただし、体重管理と染色体の状態は別の心配事として、それぞれ対策することが大切です。染色体の状態が気になる方は、NIPT(新型出生前診断)などの出生前診断も選択肢になります。
Q6. 妊娠糖尿病と診断された場合、体重管理はどう変わりますか?
妊娠糖尿病と診断されると、血糖値のコントロールを優先した食事指導に切り替わります。体重増加の目安も個別に設定されるため、管理栄養士や主治医の指導のもとで進めてください。
まとめ
痩せすぎや太りすぎは、妊娠経過や妊活そのものに影響を与えることがあります。ご自身の体重管理が気になる方は、妊婦健診で主治医に相談し、指示を仰いでください。
体重管理がうまくいっている方は、今後も維持できるよう「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」などを参考に、バランスの良い食事を適量摂取するよう心がけましょう。
また、この記事ではNIPT(新型出生前診断)についてもご紹介しました。おなかの赤ちゃんの染色体異常について知りたい方は、検討してみてください。
【監修】岡博史(おか ひろし)
医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長/Labo Director。慶應義塾大学医学部卒業後、日本・米国両国の医師国家試験に合格し、医学博士号を取得。日本に20人ほどしかいないラボディレクター資格を保有し、NIPT検査の精度管理を統括している。
【参考文献】
- 厚生労働省 – 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを~ 解説要領
- 厚生労働省 – 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〈リーフレット〉
- e-ヘルスネット(厚生労働省) – 葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に関する効果
- 日本産婦人科学会 – 妊娠糖尿病
- 日本産婦人科学会 – 妊娠高血圧症候群
疑問を安心に変えるNIPT
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日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。


