ディ・ジョージ症候群とは【医師監修】

ディジョージ症候群

ディジョージ症候群は、22番染色体に小さい欠失があることで生じる疾患です。副甲状腺機能低下症、免疫不全、先天性心疾患などの様々な症状が現れます。特に先天性心疾患は生命予後に関わるため、早期に心臓手術が必要になります。

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ディジョージ症候群とは

ディジョージ症候群(DiGeorge症候群)とは、ヒトが持つ23本の染色体のうち、22番染色体の長腕の一部(22q11.2領域)に小さい欠失(微小欠失)があることで生じる疾患です。

副甲状腺や胸腺の無形成、心臓や血管の形成異常に起因した様々な症状が現れます。主な症状としては副甲状腺機能低下症、免疫不全、先天性心疾患などがあり、特にファロー四徴症などの先天性心疾患は生命予後に関わるため、新生児期~乳児期に心臓手術が必要になってきます。

ディジョージ症候群は、いつわかるのか

ディジョージ症候群は、生後に臨床症状から疑われ、血液検査や心エコーなどの検査によって免疫機能や先天性心疾患について詳しく調べていきます。微小欠失を染色体検査によって検出することで確定診断を行います。

最近では遺伝子検査技術の進歩により、出生前に行うことのできるNIPT(新型出生前診断)によっても微小な染色体異常を検出できるようになってきました。ヒロクリニックNIPTでも、どうしてもディジョージ症候群の可能性をNIPT(新型出生前診断)で知りたい方はご相談にのりますのでお申し付けください。

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ディジョージ症候群の原因

ディジョージ症候群の原因は染色体の異常です。我々ヒトの遺伝子は46本の染色体で構成されており、父親から受け継ぐものと母親から受け継ぐものがペアとなって2本づつが23対存在しています。ディジョージ症候群では、その中で22番目の染色体である22番染色体の長腕(22q)と呼ばれる部分の一部(22q11.2)が欠失しており、このためその部分に含まれる遺伝子の発現に異常が生じるため、様々な症状が現れます。(この欠失部位をもとに、22q11.2欠失症候群とも呼ばれます)

最近の研究では、この領域に存在するTBX1と呼ばれる遺伝子が重要であることがわかっており、この遺伝子が欠失することで心疾患、口蓋裂、特徴的な顔つき、低カルシウムけつ症など、後ほど説明するディジョージ症候群に特徴的な症状を引き起こすことがわかってきています。

ヒトの精子と卵子は細胞分裂する過程で46本から半分の23本の染色体に分かれて、受精すると46本になります。しかし、精子や卵子が作られる過程や受精卵が細胞分裂していく過程で染色体に異常が生じることがあります。多くの場合、両親の遺伝子や染色体に異常がなくても、「突然変異」によって起こることが知られています。

また、ディジョージ症候群は「常染色体優性遺伝」の形式で親から子へ受け継がれると考えられており、22q11.2の欠失の染色体異常を持つ人に子供がいる場合は、50%の確率で子に受け継がれます。ただし、遺伝的にディジョージ症候群を発症する人は全体の約10%程度で、ほとんどは上で述べたような突然変異により発症します。

発症確率は4,000人~5,000人に一人と考えられており、比較的まれな先天性疾患となっています。

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ディジョージ症候群の症状と特徴

ディジョージ症候群では22番染色体長腕の部分欠損により、複数の臓器の形成に影響を及ぼします。特に影響が大きいのは心臓、胸腺、副甲状腺といった首から胸にかけて存在している臓器です。

先天性心疾患

ディジョージ症候群では先天性心疾患を合併することが多く、ファロー四徴症や大動脈弓離断などが多く認められます。特に、心室中隔欠損、大動脈騎乗、肺動脈狭窄、右心室肥大の4つの特徴を認めるファロー四徴症を合併することが多く、ファロー四徴症の約15%がディジョージ症候群に合併しているとも言われています。

これらの先天性心疾患が重症であると、心不全症状(速く浅い呼吸、体重増加不良、哺乳困難など)やチアノーゼを呈することがあります。先天性心疾患の重症度は生命予後に大きく関わってくるため、適切に治療を行う必要があります。

最近では新生児期~乳児期に、ブラロックータウシッヒ(Blalock-Taussig)手術などの短絡手術やラステリ手術などの心内修復術を行うようになり、生命予後が改善されています。

特徴的な顔貌

ディジョージ症候群では特徴的な顔貌をしていることが知られており、耳が低い位置ある、口蓋裂、小さく後退した下顎、小さな口、目と目の間が開いている、などの特徴が見られます。口蓋裂による哺乳困難が認められる場合には、経管栄養などの栄養管理を行います。口蓋裂に対しては手術を行い根治治療を行うこともあります。

胸腺の低形成

胸腺は、免疫機能の中心的な役割を担うT細胞の正常な発達に必要な臓器です。ディジョージ症候群では胸腺が存在しないか、未発達の状態となっており、T細胞の数が少なくなっています。そのために免疫機能が不十分で、様々な感染症に対する抵抗力が低くなってしまいます。

副甲状腺機能低下症

副甲状腺は首にある甲状腺の裏側にある小さな米粒大の臓器です。血液中のカルシウムやリンの濃度を調節するのに重要な副甲状腺ホルモンを産生しています。ディジョージ症候群では副甲状腺が低形成であるため、副甲状腺ホルモンが産生されず、低カルシウム血症が起こります。低カルシウム血症が起こると、けいれんや不整脈が起こりやすくなります。

知能的特徴

ディジョージ症候群では精神発達遅滞や、言語発達遅滞を認めるケースがあります。小学校就学前から目立ってくることが多く、人によってはコミュニケーションに影響のある発達障害も認めます。

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ディジョージ症候群の症状と特徴

ディジョージ症候群の検査・診断

ディジョージ症候群は、心疾患の存在、低カルシウム血症、T細胞数の減少などの臨床所見、検査結果からその存在を疑います。心エコーにより心疾患の精査、血液検査によりT細胞の機能評価や低カルシウム血症、副甲状腺ホルモンの評価を行います。

これらの検査や問診、診察によりディジョージ症候群が疑われた後に、FISH法やaCGH法と呼ばれる染色体検査により22q11.2欠失の存在を確認することで確定診断されます。

ディジョージ症候群の治療

ディジョージ症候群において、生命予後に大きく関わる先天性心疾患に対する治療が最も重要です。先に述べたように、最も頻度の多いファロー四徴症に対して、新生児期~乳児期に、ブラロックータウシッヒ手術などの短絡手術やラステリ手術などの心内修復術を行います。

低カルシウム血症に対する治療としては、カルシウムのサプリメントやビタミンDの補充を行います。

胸腺低形成に伴う免疫機能の低下に対しては造血幹細胞移植や抗生物質、G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor、顆粒球コロニー刺激因子)と呼ばれる免疫細胞の増殖因子を投与したりして、免疫機能を補うような治療を行います。

また、精神発達遅延がある場合は、学校生活や就職に際する職業訓練など、学校や行政機関と相談して社会支援を受けていくことが必要です。

ディジョージ症候群の予後と寿命

ディジョージ症候群に関しては長期的な予後や寿命に関して詳細なデータはありませんが、心疾患に対して適切な治療を行いコントロールができれば、就学や就労も可能です。

まとめ

ディジョージ症候群は、22番染色体の長腕の一部(22q11.2領域)に小さい欠失(微小欠失)があることで生じる疾患です。副甲状腺や胸腺の無形成、心臓や血管の形成異常に起因した先天性心疾患、副甲状腺機能低下症、免疫不全が主な症状です。特にファロー四徴症などの先天性心疾患は生命予後に関わるため、新生児期~乳児期に心臓手術が必要になってきますが、治療が適切に行われれば就学や就労も可能です。

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【参考文献】

ディジョージ症候群は、22番染色体に小さい欠失があることで生じる疾患です。副甲状腺機能低下症、免疫不全、先天性心疾患などの様々な症状が現れます。特に先天性心疾患は生命予後に関わるため、早期に心臓手術が必要になります。

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

【役職】

NIPT専門クリニック医学博士
ヒロクリニック統括院長

【資格】

平成8年 医師免許 取得 
平成14年 慶應義塾大学医学博士号 取得
平成15年 皮膚科専門医 取得
平成29年 産業医 取得

【略歴】

平成8年 慶應義塾大学医学部 卒業
平成8年 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 入局
平成11年 川崎市立川崎病院総合心療内科 勤務
平成12年 川崎市立川崎病院皮膚科 勤務
平成14年 慶応義塾大学病院皮膚科 勤務
平成17年 城本クリニック 勤務
平成20年 ヒロクリニック開院・院長就任
平成21年 医療法人社団福美会 設立・理事長就任

【所属】

医療法人社団福美会

【SNS】

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