妊娠中はホルモンバランスや体調が変わりやすい時期です。肌荒れや乾燥、ニキビなど、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。妊娠中の肌荒れは、ホルモン変化・血行不良・ストレス・栄養バランスの乱れが重なって起こります。
原因を知れば、低刺激なケアも選びやすくなります。本記事では低刺激スキンケア法を、公的機関の情報とあわせてご紹介します。まずは今のクレンジングを見直すところから始めてみてください。
この記事でわかること
- 妊娠中に肌荒れが起こる5つの主な原因
- 低刺激スキンケアの基本ステップ(クレンジング・保湿・紫外線対策)
- 妊娠中に選びたいアイテムの見分け方
- 顔以外のケアと妊娠線対策、産後を見据えた準備
- 日常生活でできる肌荒れ対策と受診の目安
1. 妊娠中に肌荒れが起こる主な原因とは
妊娠中の肌荒れは、ホルモンの変化と血行不良、ストレス、栄養の偏りが同時に重なって起こります。原因ごとの特徴を知ると、対策も選びやすくなります。
1.1 ホルモンバランスの変化
妊娠初期は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が急激に増えます。皮脂腺が刺激され、次のような肌トラブルにつながります。
- ニキビや吹き出物:皮脂の過剰分泌で毛穴が詰まりやすく、額や顎に出やすい傾向があります。
- 乾燥と肌荒れ:ホルモン変動で肌の水分保持力が下がり、頬や口元にカサつきが出やすくなります。
筆者自身、妊娠初期に頬のカサつきが急に気になり、成分表示を毎回確認する習慣がついた経験があります。同じ悩みを持つ方は少なくないでしょう。
1.2 血行不良とむくみ
妊娠後期は血液量が増え、子宮が大きくなることで血流が圧迫されます。結果として、顔色の悪さやくすみが出やすくなります。
- 肌のくすみ:血行が滞り、肌のトーンが不均一になりやすい状態です。
- むくみ:水分をため込みやすく、顔や手足が膨張して見えやすくなります。
1.3 ストレスと睡眠不足
仕事や家庭、出産への不安が重なると、ストレスが肌に影響します。睡眠不足も肌のターンオーバーを乱す原因のひとつです。
- 皮脂分泌の乱れ:ストレスでホルモンバランスが崩れ、ニキビが出やすくなります。
- 炎症や赤み:肌の免疫力が下がり、赤みや敏感さが強まりやすくなります。
- 乾燥の悪化:ターンオーバーの乱れで、乾燥ダメージが蓄積しやすくなります。
1.4 栄養バランスの乱れ
つわりなどで食事が偏ると、肌に必要な栄養素が届きにくくなります。ビタミンA・C、亜鉛、オメガ3脂肪酸の不足は、特に影響が出やすい項目です。
妊娠中の栄養摂取については、厚生労働省が公表する妊産婦のための食事指針も参考になります。バランスの良い食事を毎日の基本にしてください。つわりで食べられない時期は、無理に品目を増やす必要はありません。食べられるものを少量ずつ続けてください。
1.5 妊娠特有の症状(かゆみ・妊娠線)
妊娠中は血流やホルモンの変化で、お腹や胸、足にかゆみが出やすくなります。お腹が大きくなる過程で皮膚が伸び、妊娠線ができる方も多く見られます。
妊娠線を予防する保湿ケアの手順は、妊娠線を予防する保湿ケア方法で詳しく紹介しています。お腹周りが張ってきたら早めに読んでおくと安心です。
妊娠初期は皮脂が増え、ニキビが目立ちやすくなります。後期はお腹の張りとともに、乾燥や妊娠線が気になりやすくなります。時期ごとに肌トラブルの中心が変わる点も、覚えておくと安心です。
妊娠期の肌荒れの正体は、複数の原因の重なり合い。理解したうえで、次の章で紹介する低刺激ケアを取り入れてみてください。
2. 妊婦向けの低刺激スキンケア対策【3ステップ】
妊娠中のスキンケアは、クレンジング・保湿・紫外線対策の3ステップを低刺激に整えることが基本です。普段のスキンケア用品が肌に合わなくなったら、切り替えのタイミングと考えましょう。
2.1 クレンジングの見直し
妊婦さんの肌は普段より乾燥しやすく、洗浄力の強いクレンジングは負担になりがちです。以下のポイントを押さえてください。
- ミルクタイプ・クリームタイプを選ぶ:保湿しながら汚れを落とせるため、乾燥を防ぎやすくなります。
- 無香料・アルコールフリーを確認:香料やアルコールは刺激の原因になりやすい成分です。
- 手のひらで優しく洗う:強くこすらず、肌への摩擦を最小限に抑えましょう。
2.2 保湿を徹底する
妊娠中は顔もお腹も乾燥が気になりやすい時期です。保湿は妊婦さんのスキンケアの土台といえます。
- ヒアルロン酸・セラミド配合:水分を与えつつ、肌のバリア機能を支える成分です。
- 無香料・無添加のオイル:ホホバオイルなど、乾燥がひどいときの補助ケアに向きます。
- 朝晩+こまめな保湿:乾燥を感じた時点で追加ケアを行うと、肌の状態を保ちやすくなります。
2.3 日焼け止めの選び方
妊娠中はメラニンの生成が増え、シミやそばかすが気になりやすくなります。日焼け止めは肌への負担が少ないタイプを選んでください。
| 比較項目 | 物理(紫外線散乱剤)タイプ | 化学(紫外線吸収剤)タイプ |
|---|---|---|
| 主な成分 | 酸化亜鉛・二酸化チタン | 紫外線吸収剤各種 |
| 肌への刺激 | 比較的少ない | 成分によっては刺激を感じる場合 |
| 白浮きのしやすさ | しやすい | 少ない |
| 妊娠中の選択目安 | 低刺激重視の方に向く | 使用経験があり肌に合う方向け |
SPF30〜50、PA+++程度を目安に選んでください。無香料・ノンケミカルの表示があるものを優先しましょう。日本皮膚科学会も、紫外線対策は年間を通じた継続が大切だと案内しています。

こちらの動画では、妊娠中の美容セルフケアについて解説しています。あわせて参考にしてください。
肌の変化だけでなく、お腹の赤ちゃんの状態が気になる方も多いはずです。出生前検査も、上記の窓口からご相談いただけます。
3. 妊娠中に選びたいスキンケアアイテムの選び方
妊娠中のアイテム選びは、「無添加」「低刺激」の表示だけに頼らず、成分表示まで確認することが近道です。
- 無添加・オーガニックコスメ:合成香料や着色料、アルコール不使用の製品です。敏感な肌でも使いやすい傾向があります。
- 低刺激のフェイスクリーム:アロエベラやカモミールエキス配合のものは、肌を穏やかに保湿します。
- 赤ちゃん用スキンケアの活用:ベビーオイルやローションは低刺激設計です。妊婦さんの肌にも使いやすいアイテムです。
化粧品の表示ルールについては、消費者庁が景品表示法上の考え方を公表しています。「必ず治る」といった強い効能をうたう製品は避けましょう。保湿や肌を整える範囲の表現をしている製品を選ぶ目安にしてください。
迷ったときは、パッチテストを2日ほど続けてから顔全体に使う手順が安全です。刺激を感じたら、すぐに使用を中止しましょう。
成分表示は配合量の多い順に記載されています。冒頭に気になる成分がある製品は避け、シンプルな配合の製品から試す方法も一つの選び方です。
4. 顔以外のケアと妊娠線対策
顔だけでなくお腹・胸・手足まで保湿範囲を広げることが、妊娠線や乾燥トラブルを防ぐコツです。
- お腹・胸の保湿:皮膚が伸びる部分は乾燥しやすい箇所です。低刺激オイルやクリームで重点的にケアしてください。
- 足や手のケア:むくみやすい足は軽いマッサージを試してください。乾燥しやすい手や肘はハンドクリームでこまめに保湿しましょう。
妊娠線予防の具体的な塗り方やタイミングは、妊娠線を予防する保湿ケア方法にまとめています。お腹周りのケアで迷ったら、あわせて確認してください。
マタニティ期に持っておくと便利なケア用品は、妊婦生活アイテムで紹介しています。入院準備と合わせて確認しておくと安心です。
5. 日常生活で実践できる肌荒れ対策
肌荒れ対策はスキンケアだけでなく、睡眠・食事・水分補給という生活習慣の土台づくりも欠かせません。
- 規則正しい睡眠:睡眠不足は肌荒れを悪化させる原因になるため、休める時間を確保してください。
- 栄養バランスの取れた食事:ビタミンCやE、亜鉛を含む野菜・果物・ナッツ類を積極的に取り入れましょう。
- こまめな水分補給:1日1.5〜2リットルを目安に、喉が渇く前に飲む習慣をつけてください。
妊産婦の健康管理については、こども家庭庁や国立成育医療研究センターも情報を発信しています。体調に不安があるときは、自己判断だけに頼らず情報源を確認してください。
妊婦健診で助産師から水分補給の大切さを繰り返し聞いた経験がある方も多いはずです。筆者も、水分を意識してから肌のつっぱり感が和らいだと感じました。
6. 妊娠中のヘアケア・美容院利用と産後ケアへの備え
妊娠中の美容院利用は、体調が安定する時期を選べば施術を受けやすくなります。産後のケアまで見据えて早めに準備しておくと安心です。
カラーやパーマの可否、体調に配慮した施術の受け方は、妊娠中の美容院で詳しく解説しています。予約前に一度目を通しておくと、当日の相談がスムーズになります。
産後は肌質やホルモンバランスが再び変化し、新たなケアが必要になります。産後の体ケアでは、出産後に役立つアイテムをまとめています。妊娠中のうちに読んでおくと、産後の準備がしやすくなります。
産後は抜け毛や頭皮のべたつきを感じる方も少なくありません。地肌に優しいシャンプーへの切り替えを、妊娠中のうちから試してみてください。
7. よくある質問(FAQ)
妊娠中のスキンケアでよくある疑問と、その答え。実際の相談で多い質問をまとめました。
Q1. 妊娠中に避けたほうがよい成分はありますか
レチノイドはしわ改善や美白目的の化粧品に使われるビタミンA誘導体です。レチノイドや高濃度サリチル酸など、一部の成分は妊娠中の使用を控えるよう案内されることがあります。使用中の製品に不安がある場合は、成分表示を確認し、かかりつけ医に相談してください。
Q2. 妊娠中の肌荒れはいつ落ち着きますか
個人差はありますが、出産後にホルモンバランスが整うにつれて落ち着くケースが多く見られます。妊娠中は保湿を中心とした低刺激ケアで、肌の状態を整えることを意識してください。
Q3. 妊娠線ケアはいつから始めるべきですか
お腹のふくらみを感じ始める妊娠5〜6ヶ月頃から始める方が多い傾向です。皮膚が伸び切ってからでは遅いため、気になり始めた時点で保湿を習慣にしてください。
Q4. 皮膚科を受診したほうがよい目安はありますか
強いかゆみが続く、湿疹が広がるといった場合は要注意です。市販のケアで改善しないときは、自己判断を避け皮膚科を受診してください。妊娠性痒疹(妊娠後期に多い、強いかゆみを伴う皮膚疾患)など、専門的な診断が必要な症状もあります。
Q5. 授乳中もスキンケアの注意点は同じですか
授乳中も低刺激・無添加を基準にする点は共通しています。胸周りに使う製品は、赤ちゃんの口に触れる可能性を考え、より低刺激なものを選んでください。
Q6. パッチテストで肌に合わなかった場合はどうすればよいですか
赤みやかゆみが出た製品は使用を中止し、洗い流してください。症状が続く場合は、無理をせず皮膚科に相談することが安全です。
まとめ
妊娠期の肌荒れは、ホルモン変化・血行不良・ストレス・栄養バランスの乱れが重なって起こります。低刺激なクレンジング・保湿・紫外線対策を3ステップで整え、日常生活の土台も見直してみてください。原因は一つではないため、複数の対策を組み合わせる姿勢が結果につながります。
まず着手するなら、今使っているクレンジングを低刺激なミルクタイプに替えることから始めましょう。1つずつ切り替えれば、肌への負担を抑えながら無理なく続けられます。
妊娠線や顔以外のケアは早めの準備が肝心です。産後のケアや美容院の利用も、妊娠中のうちに情報を集めておくと、当日慌てずに対応できます。肌の変化とあわせて、赤ちゃんの状態が気になる方は、NIPT予約やLINE相談の窓口もご活用ください。
【監修者】岡博史(おか ひろし)
医療法人社団福美会 ヒロクリニック 統括院長 / Labo Director
慶應義塾大学医学部を卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格。臨床研修を経て、わずか2年で医学博士号を取得しました。専門職大学の客員教員も務め、国内に20人ほどしかいないラボディレクター資格を保有しています。検査体制の設計から臨床現場まで、出生前検査に関する幅広い知見をもとに本記事の監修を行いました。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
