妊活中の体づくり~理想の体重は?【医師監修】

妊活中の体重管理

妊娠しやすい体の1つの目安は、適正な体重です。適正体重になるための方法を詳しく説明しています。たとえば食事や運動の内容など、今日からはじめられるものばかりです。

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はじめに

適正範囲内の体重は、妊娠しやすいとされていますが、体重が適正範囲外ですと、さまざまな弊害がおこり妊娠しづらくなります。

ただし、「体重だけが適正範囲内であれば、確実に妊娠しやすくなる」というわけではありません。妊活にとって体重は、あくまで妊娠しやすさの目安の1つと考えましょう。

本記事で解説しているのは、以下3点です。

  • 妊娠のために理想的なBMI
  • 妊娠しやすくなる生活習慣
  • 適正体重の範囲外が、不妊になりやすい理由

無理のない範囲で体重目標を設定して、妊娠しやすい体づくりを目指していきましょう。

妊活とは

妊活とは妊娠活動の略称で、たとえば、以下の行動があてはまります。

  • 排卵日を予測する
  • 排卵日に合わせて、性行為をする
  • 妊娠に関して、夫婦で話し合う
  • 妊娠に関する情報を集める
  • 不妊外来に通う
  • ライフプランから妊娠する年齢を決める

つまり、妊娠を希望する男女がおこなう行動すべてを「妊活」といって良いでしょう。

妊活とは

妊活中の体重管理

妊活中の体重管理には、妊娠に最適なBMIを知る必要があります。妊娠にとって理想的なBMIと自分のBMIを比較してみてください。体重管理を助けるため、重要な事柄も説明します。

理想的なBMI値

BMI(Body Mass Index)とは体格を数字であらわしたもので、体重kg÷(身長m×身長m)で求められます。以下のサイトでも簡単に求められるので、ぜひ利用してください。

参考:CASIO keisan – BMIと適正体重

たとえば、身長160cmで体重55kgだと、55÷(1.6×1.6)=21.48がBMIの値です。

世界保健機関(WHO)の基準において、BMIの値が18.5以下なら低体重、18.5〜25未満は標準、25〜30未満は過体重、30以上が肥満とされています。

妊娠しやすくするため、BMIの値は18.5〜25.0の範囲内におさめましょう。適正範囲内においては、BMIの値が19〜22.9であると妊娠率が一番高いとされています。

BMIは高過ぎても低過ぎてもよくありません。妊娠しやすい体づくりのため、できるだけ適正範囲内におさめるようにしましょう。

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妊活中に体重を増やすには

  • 筋肉トレーニングをする
  • 食事をこまめにとる
  • 消化に負担の少ないものを食べる
  • 良質な脂質で、足りないカロリーを補う

筋肉トレーニングをする理由は、妊活に良い影響を与えるためです。筋肉量の増加により、体温や血流が上がります。それにともない、体の機能も活性化します。

体重を増やす必要がある人は、一度に多くの量を食べられないこともあるかもしれませんが、その場合は食事回数を増やし、カロリーを補うようにしましょう。

たくさん食べられない人は、消化機能が弱っているケースもあります。料理の具を細かく切ったり、汁物にしたりすると消化機能を助け、栄養の吸収もしやすくなるのでおすすめです。

また、炭水化物やたんぱく質と比較し、脂質は1gあたりのカロリーが2倍以上高いので、良質な脂質を摂取することでカロリー不足を補えます。

妊活中に体重を減らすには

BMIを適正範囲内にするのを目標としてください。痩せ過ぎは、妊娠しにくくなる可能性があります。BMIが適正範囲内におさまったら、体重を維持する努力をしましょう。

妊活中のダイエット

  • バランスの良い食事をしつつ、そこから全体の量を減らす
  • なるべく筋肉を維持しながら痩せる
  • 生理が終わってから2週間位が、痩せやすい

食事制限は痩せられる反面、バランスの悪い食事になりやすく、痩せても不健康になる可能性があります。BMIが適正範囲内でも、不健康なら、妊娠しづらくなってしまいます。たとえば、1つの栄養素を制限する糖質オフダイエットなどは、妊活中に好ましくありません。

体重が減ると筋肉も減ります。健康的に痩せるためには、筋肉トレーニングをしつつ体重を減らすと、筋肉の減少を少し緩やかにできます。

また、基礎体温はダイエットの目安になります。生理終了後の低体温の時期1週間と、その後基礎体温の上がる1週間位が痩せやすい時期です。

妊活中の痩せ過ぎ・肥満と妊娠

妊活中の体重は、妊娠のしやすさに影響します。適正体重でなければいけない理由、さらに適正範囲外の体重と不妊の関係性を解説します。

適正体重を守る重要性

妊活中に適正体重を守ることが重要な理由は、妊娠しやすくなるからという理由もありますが、瘦せ過ぎや太り過ぎは、妊娠後の赤ちゃんにも影響するとされているからです。

妊娠前に低体重(痩せ)であった女性では、ふつう体型の女性に比べて早産や低出生体重児を出産するリスクが高いことが報告されている

引用:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 – 妊産婦のための食生活指針の改定案作成および啓発に関する調査研究報告書

また、BMI25以上だと排卵異常や卵子の質低下により、妊娠率が低下しやすいとされています。妊娠後、流産率の上昇や妊娠糖尿病になる確率も上がります。

妊娠のしやすさと赤ちゃんへの影響から、適正体重を守ることは重要です。

痩せ過ぎ・太り過ぎと不妊の関係

痩せ過ぎ・太り過ぎは妊娠の確率を下げる可能性があります。痩せ過ぎ・太り過ぎにより、以下のことが女性の体におこりやすくなるためです。

  • 排卵障害
  • 生理不順
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

これらがどのように不妊と関係するのかを詳しく解説します。

排卵障害

排卵障害とは排卵が正しく行われないことをいいます。

排卵は妊娠するために不可欠なものです。卵子が精子と出会うための前準備が排卵ですので、正常に排卵されなければ自然妊娠は難しくなります。

肥満と無排卵は密接な関係があるといわれています。無排卵とは、生理のときに出血はするものの、排卵をしていない状態です。さらに、後に説明する多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)も肥満との関連が強く、排卵障害の原因になっています。

また、痩せ過ぎで排卵障害のおこる理由には、以下2つが考えられています。

  • 卵巣の機能が弱くなりやすい
  • エストロゲンの量が少ない

痩せ過ぎは体が過度な栄養不足やエネルギー不足である状態なので、脳が生存を優先させるため、卵巣の機能を弱め、臓器へ栄養やエネルギーを費やすと考えられています。

エストロゲンの量は脂肪の量と比例するので、痩せ過ぎの人は、エストロゲンが分泌しづらくなります。エストロゲンの役割の1つが、生殖器官の発育、維持などの妊娠の準備です。。エストロゲンが少ないことは、妊娠の準備が満足にできないことを意味するので、痩せ過ぎの人は妊娠しづらくなる、とされています。

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生理不順

生理不順とは、正常な周期で生理がこないことをいいます。正常な周期は24〜38日、その中での変動は6日が目安です。

痩せ過ぎ・太り過ぎの両方で生理不順はおこります。その1つの原因と考えられているのは、レプチンです。レプチンとは食欲を抑えるホルモンで、生殖機能を調節する役割もあります。レプチンの作られる場所は脂肪です。

痩せ過ぎの場合、脂肪が少ないためレプチンの分泌量も少なくなります。そのため、生殖機能の調節ができず生理不順へつながります。

逆に太り過ぎの場合、脂肪もレプチンの量も多いと考えられそうですが、実は肥満の状態ではレプチン抵抗性が高くなるのです。レプチン抵抗性とは、レプチンが効きにくくなる状態のことで、生殖機能の調節がしにくいことへつながります。その結果、生理不順になりやすいと考えられています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵障害の原因の1つで、。卵子が大きくなりにくい病気です。

卵子が大きくなりにくい理由は、以下2つが考えられています。

  • 卵巣で男性ホルモンがたくさん作られてしまう
  • 排卵するためのホルモンバランスが崩れる

肥満が原因で、男性ホルモンが増加するといわれています。男性ホルモンは、卵胞の発育を抑制し、卵巣の白膜を厚くします。その結果、排卵がうまくできなくなってしまうのです。

インスリンが多く分泌されると、男性ホルモンも増加します。肥満の人はインスリンが効きにくいケースが多いのです。インスリンが効きにくいと、体はたくさんインスリンを分泌するようになります。

正常な排卵のためには、LH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)のバランスの良い分泌が必要です。しかし多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、LH(黄体ホルモン)だけ多く分泌されてしまい、バランスが崩れ排卵がうまくいきません。

妊活中の生活習慣

妊娠しやすい体になるための生活習慣について、食生活と適度な運動が、特に大切です。

体重管理のための食生活

妊活中の食事はバランスの良い食事を心がけてください。体重を増やす場合も減らす場合も、バランスの良い食事が良いことにかわりはありません。

具体的にバランスの良い食事とは何か、妊活中にとるべき栄養素を詳しく解説します。

妊活中の体重管理におすすめの食事

バランスの良い食事とは、1日の食事のうち、主食・主菜・副菜の揃ったものが2食以上です。

上記は令和3年の厚生労働省による『妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針』で、定められています。さらに主食・主菜・副菜とは、以下の指定があります。

<主食>
主に炭水化物の供給源となるごはん、パン、麺、パスタなどの穀類

<主菜>
主にたんぱく質の供給源である肉、魚、卵、大豆・大豆製品などを主材料とする料理

<副菜>
主にビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜などの料理

引用:厚生労働省 – 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
妊活中の食生活

妊活中におすすめしたい栄養

葉酸がとくに推奨されています。葉酸はビタミンの1つで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害発症リスク低減のために 必要なものです。葉酸摂取量は(400μg/日)が推奨されています。

さらに、以下の微量栄養素は妊娠前と比べて、妊娠後は多く摂取すべきとされています。

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンC
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 亜鉛

妊娠後から急激に食生活を変えるのは困難です。妊娠前から、これらの栄養素が十分にとれるような食事をしましょう。

妊活中におすすめの運動

スクワットをおすすめします。卵巣機能を高めることにつながるからです。

下半身の筋肉が多いと、女性ホルモンの分泌量も増え、卵巣への血流も活発になりやすいとされています。筋肉トレーニングの負荷がつら過ぎる際は、階段の上り降りやウォーキングなどからはじめましょう。

妊娠が確定したらNIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)とは、赤ちゃんがお腹の中にいるうちから、出産後の準備を助ける検査で、遺伝子の異常が原因で生まれつき持っている病気(先天性疾患)や、性別がわかります。

母親のBMIが高い状態で妊娠すると、先天性の心臓の欠陥に関連する報告もあります。他の先天性疾患のリスクも増えるとされています。

NIPTは、赤ちゃんが生まれる前から、育つ環境を準備してあげたい親のニーズに応える検査です。

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まとめ

妊活のため、まず適正体重を目指しましょう。BMIが正常範囲内にあることは、妊娠しやすさの1つの目安だからです。

しかし体重はあくまで目安です。体重が適正だからといって、不健康な食事や運動をまったくしないと、妊娠しづらくなるでしょう。妊娠した後も体力や筋力がなければ、出産や育児に多くの負担がかかってしまいます。

妊娠中や育児中も乗り越えられる体を、今日から作っていきましょう。

【参考文献】

妊娠しやすい体の1つの目安は、適正な体重です。適正体重になるための方法を詳しく説明しています。たとえば食事や運動の内容など、今日からはじめられるものばかりです。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

記事の監修者


川野 俊昭先生

川野 俊昭先生

ヒロクリニック博多駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科医として25年以上、主に九州で妊婦さんや出産に向き合ってきた。経験を活かしてヒロクリニック博多駅前院の院長としてNIPT(新型出生前診断)をより一般的な検査へと牽引すべく日々啓発に努めている。

略歴

1995年 九州大学 医学部卒業
1995年 九州厚生年金病院 産婦人科
1996年 九州大学医学部付属病院 産婦人科
1996年 佐世保共済病院 産婦人科
1997年 大分市郡医師会立アルメイダ病院 産婦人科
1998年 宮崎県立宮崎病院 産婦人科 副医長
2003年 慈恵病院 産婦人科 医長
2007年 日本赤十字社熊本健康管理センター診療部 副部長
2018年 桜十字福岡病院 婦人科
2020年 ヒロクリニック博多駅前院 院長

資格

日本産科婦人科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医

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