つわりのピークはいつからいつまで?症状と対策の完全版

つわりのピークはいつ?乗り越えるためのコツ

つわりのピーク(妊娠8〜10週目安)と原因、吐きつわり・食べつわり等の種類、食事や環境の工夫、受診の目安まで解説。早期に始まるケースや後期つわりにも触れ、妊娠中を少しでも楽に過ごすヒントをまとめます。脱水や体重減少時の対応も紹介。

ダウン症はお腹にいるうちに
わかるってご存じですか

ダウン症はお腹にいるうちに
わかるってご存じですか

つわりのピークは、一般に妊娠5〜6週頃に始まり、8〜11週頃に最も強くなり、12〜16週頃に落ち着く方が多いとされています。ただし、始まる時期も終わる時期も、つらさの程度も人それぞれです。早くから吐き気が出る方もいれば、安定期近くまで長引く方もいます。この記事では、つわりのピークと原因、症状のタイプ、和らげる工夫やおすすめの食べ物、そして妊娠悪阻として受診すべきサインまでを、医師監修のもとで整理します。

この記事でわかること

  • つわりのピークはいつからいつまで続くのか(目安と個人差)
  • つわりが起こる原因とメカニズム(hCGやホルモン変化)
  • 吐きつわり・食べつわりなど症状タイプ別の特徴と対策
  • おすすめの食べ物・飲み物と、妊娠悪阻で受診すべきサイン

つわりのピークはいつからいつまで?

つわりのピークは妊娠8〜11週頃に来ることが多く、12〜16週頃には落ち着いていく方が多いとされています。ただし、これはあくまで目安です。始まりは妊娠5〜6週頃が一般的ですが、もっと早い方も遅い方もいます。まずは全体の流れをつかんでおきましょう。

つわりで気分が悪くソファに横になる妊婦

下の図は、つわりの経過を大まかにイメージしたものです。実際には日ごとに波があり、良い日と悪い日を繰り返しながら進みます。「昨日は元気だったのに今日はぐったり」という声は、私たちの外来でもよく耳にします。

ピーク(8〜11週頃) 5〜6週 8〜11週 12〜16週
つわりの経過イメージ(時期・強さには大きな個人差があります)

ピーク期の特徴と「波」

ピーク期には、吐き気や嘔吐、食欲不振、においへの過敏が強く出やすくなります。朝だけでなく一日中つらい方も少なくありません。

特徴的なのは、症状に「波」があること。2日つらくて1日半楽、といったサイクルを繰り返す方もいます。楽な日が来ると「終わったかも」と感じ、翌日ぶり返して落ち込む。そんな一進一退が、この時期のしんどさを大きくします。

眠気やだるさ、頭痛を伴うこともあります。無理をせず、休める時間を確保してください。

生理予定日前から始まることもある?

妊娠検査薬が陽性になる前後から、体調の変化に気づく方もいます。妊娠が成立するとhCGが上がり始めるため、吐き気や眠気、においへの敏感さが早めに出ることがあるのです。

ただし、生理前の不調とよく似ています。つわりらしき症状だけで妊娠を判断することはできません。高温期が続く、出血がないなど、ほかのサインと合わせて確認してください。

後期につらさが戻る「後期つわり」

一度落ち着いたつわりが、妊娠後期に胃もたれや吐き気としてぶり返すことがあります。これを「後期つわり」と呼ぶことがありますが、医学的に統一された正式名称ではありません。

大きくなった子宮に胃が押し上げられ、胃酸が逆流しやすくなることが背景にあります。主な症状は胸やけ、胃のむかつき、食欲低下です。少量を回数多く食べ、脂っこい物や就寝前の飲食を控えると楽になることがあります。強い痛みや吐血、体重減少があるときは、別の病気も考えられるため受診してください。

つわりの原因とメカニズム

つわりの原因は一つに断定できず、妊娠初期のホルモン変化を中心に、複数の要因が重なって起こると考えられています。まだ完全には解明されておらず、諸説あるのが現状です。ここでは、有力とされている要因を整理します。

妊婦健診を終えて笑顔で医師と話す妊婦

hCGとホルモン変化の関わり

最も関わりが深いと考えられているのが、妊娠成立後に急増するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)です。妊娠の維持に欠かせないホルモンですが、吐き気や食欲不振を引き起こす一因ともみられています。

くわえて、エストロゲンやプロゲステロンの増加により、胃腸の動きが緩やかになったり、嗅覚や味覚が敏感になったりします。hCGの分泌が多くなりやすい双子(多胎)の妊娠で、つわりが強く出やすいという傾向も知られています。

ただし、ホルモンの数値と症状の強さは必ずしも一致しません。つわりが軽い方も、赤ちゃんが順調に育っていないわけではないので、比べて不安になりすぎないでください。妊娠中の血糖の変化が気になる方は妊娠糖尿病の解説もあわせてご覧ください。

つわりが強くなりやすいケース

疲労やストレス、睡眠不足は、つわりを強める要因として知られています。空腹や脱水も同様です。心身のコンディションが崩れると、症状のつらさが増しやすくなります。

また、前回の妊娠でつわりが重かった方は、次の妊娠でも似た経過をたどることがあります。とはいえ体質や状況で変わるため、「今回も必ず重い」と決めつける必要はありません。詳しいメカニズムについては、日本産科婦人科学会などの公的情報も参考になります(日本産科婦人科学会)。

つわりの代表的な症状と種類

つわりは吐き気だけでなく、食べつわり・においつわり・よだれつわり・眠りつわりなど、複数のタイプに分けられます。いくつかが重なることも珍しくありません。まず自分のタイプを知ることが、対策の第一歩になります。

つわり 吐きつわり 食べつわり においつわり よだれつわり 眠りつわり
つわりの主なタイプ(複数が重なることもあります)

下の表に、代表的なタイプと特徴、和らげる工夫をまとめました。自分に近いものから読んでみてください。

タイプ主な特徴和らげる工夫
吐きつわり吐き気・嘔吐が中心。朝や空腹時に強い消化の良い物を少量ずつ。無理に食べない
食べつわり空腹で気持ち悪くなり、食べると楽になる枕元に軽食を置き、こまめに口にする
においつわりご飯や生ゴミなど特定のにおいで吐き気換気・マスク・冷たい料理でにおいを抑える
よだれつわり唾液が増え、飲み込みにくくなるこまめにうがい。飴やガムで気を紛らす
眠りつわり強い眠気・だるさが日中も続く短い仮眠を挟み、睡眠時間を確保する

吐きつわりと食べつわり

吐きつわりは、吐き気や嘔吐が中心のタイプです。朝起きた直後や空腹時に強まりやすく、日常生活がつらく感じられます。

一方の食べつわりは、空腹になると気持ち悪くなり、何か口にすると楽になるのが特徴。間食が増えやすいため、体重の増えすぎには少し気を配ってください。どちらもホルモンの影響で胃腸が不安定になることが背景にあります。

においつわり・よだれつわり・眠りつわり

においつわりは、炊きたてのご飯や洗剤など、普段は気にならないにおいが耐えられなくなる状態です。よだれつわりは唾液が増えて飲み込みづらくなり、眠りつわりは日中も強い眠気が続きます。

あまり知られていないタイプもあります。喉の閉塞感が続く「喉つわり」を訴える方もいて、Xでも第二子妊娠中の@ri_mamappさんが、常に喉を握られているような感覚があり、炭水化物を食べると詰まりが悪化してつらいと綴っていました。症状の出方は本当に多彩です。生活に支障が出るときは、我慢せず医師へ相談してください。

つわりを和らげる対策

つわり対策の基本は、少量頻回の食事・こまめな水分補給・においケア・十分な休養、そして「無理をしない」ことです。症状をゼロにする万能な方法はありませんが、日々の工夫でつらさは和らげられます。できそうなものから試してみてください。

食事と水分の工夫

食事は「一度にたくさん」より「少しずつ何回も」が基本です。空腹が続くと吐き気が強まりやすいため、間隔をあけすぎないようにしてください。

水分は一口ずつこまめに。冷たい飲み物はにおいが立ちにくく、口に含みやすくなります。食事全般の考え方は妊娠中の食事の記事も参考にしてください。

においケアと環境づくり

においつわりには、換気とマスクが手軽で効きます。調理は電子レンジを活用し、湯気やにおいを抑える工夫を。ご飯のにおいがつらい日は、冷ましたおにぎりやパンに切り替えるのも一つの手です。

過ごす部屋の空気をこまめに入れ替え、自分が心地よいと感じる環境を整えてください。香りの強いアロマは、かえって刺激になることがあるため控えめに。

休養と、周囲の支えを頼ること

この時期に何より大切なのが、休むことです。家事や仕事を完璧にこなそうとせず、頼れる人に頼ってください。「今日は横になるだけ」でも、赤ちゃんはちゃんと育っています。

私たちの外来でも、パートナーの一言に救われたという声をよく聞きます。Xでも妊娠中の@anzu_cpさんが、生きているだけで気持ち悪いほどつらいピーク時に、夫の「いつか終わるから大丈夫だよ」という言葉に涙があふれた体験を綴っていました。終わりが見えないつらさの中では、身近な人の存在そのものが支えになります。一人で抱え込まないでください。

つわり中におすすめの食べ物・飲み物

つわり中は「栄養を完璧に」と気負わず、食べられる物を少量ずつ口にすれば十分です。まず脱水を防ぐことを優先してください。さっぱりした物、冷たい麺、水分の多い果物などが受け付けやすいという声が多く聞かれます。

受け付けやすい食べ物

のどを通りやすいのは、冷たいうどんやそば、そうめん、ゼリー、アイス、果物などです。おかゆやスープ、豆腐、白身魚も胃にやさしく取り入れやすいでしょう。

興味深いのは、食べられる物が時期で変わること。私たちの外来でも「初期と後期で好みが逆転した」という話をよく聞きます。Xでも初マタの@HYdejeg9f52503さんが、始まりは冷たいうどん・そば、ピーク時はパスタや味の濃い洋食、終わりかけで再び冷たい麺と、同じ道をたどったと綴っていました。今食べられない物も、時期が変われば戻ってくるかもしれません。

水分補給とおすすめの飲み物

水やお茶でも気持ち悪い日は、口の中がさっぱりする飲み物を選んでください。レモン水や炭酸水、薄めたスポーツドリンク、冷ました麦茶などが飲みやすいという声があります。

水分の多いスイカやみかん、ぶどう、きゅうり、トマトは、食事代わりの水分補給にも役立ちます。冷やして食べるとにおいが立ちにくく、吐き気のある日でも試しやすくなります。ただし、一気飲みや冷やしすぎには注意を。ひと口ずつ、こまめに補ってください。

妊娠悪阻のサインと受診の目安

水分も摂れない・体重が5%以上減る・尿がほとんど出ない、といった状態は「妊娠悪阻(にんしんおそ)」の可能性があり、早めの受診が必要です。つわりは自然な反応ですが、重症化すると点滴や入院が必要になることもあります。がまんが美徳ではありません。

受診をためらわないでほしいサイン

次のようなサインがあるときは、早めに産婦人科へ連絡してください。判断に迷うときこそ、相談する価値があります。

  • 水分をほとんど受け付けず、飲んでもすぐ吐いてしまう
  • 体重が妊娠前より5%以上(目安)減っている
  • 尿の回数・量が明らかに減り、色が濃い
  • 強いめまい・立ちくらみ、ぐったりして動けない
  • 吐いた物に血が混じる、または強い腹痛がある

これらは脱水や栄養不足のサインです。妊娠悪阻は適切な治療で改善が期待できます。妊娠中に使える吐き気止めや点滴もあるため、つらさを抱え込まず医療機関を頼ってください。母子保健の相談窓口は、こども家庭庁の情報も参考になります(こども家庭庁 母子保健)。

妊婦健診と、赤ちゃんの検査について

つわりが落ち着いてくると、赤ちゃんの健康について考える余裕も生まれます。妊婦健診のスケジュールは妊娠中の手続きの記事で確認できます。地域の相談体制は日本産婦人科医会の情報もご覧ください。

赤ちゃんの染色体について早く知りたい方には、NIPT(新型出生前診断)という選択肢があります。NIPTは主に13・18・21トリソミーなど対象となる染色体に限定した「非確定的」検査です。結果が陽性でも確定診断には羊水検査などが必要で、陽性的中率(PPV=陽性と出た人のうち実際に疾患がある割合)は有病率が低いほど下がります。受けるかどうかは、遺伝カウンセリングで十分に説明を受けたうえで判断してください。

つわりに関するよくある質問

最後に、妊娠初期の方やパートナーから寄せられやすい疑問に答えます。気になる項目から読んでみてください。

Q1. つわりのピークは何週ですか?

一般には妊娠8〜11週頃にピークを迎える方が多いとされています。始まりは5〜6週頃、落ち着くのは12〜16週頃が目安です。ただし個人差が大きく、もっと早い方も、安定期近くまで続く方もいます。

Q2. つわりがないのは心配ですか?

つわりの有無や強さは人それぞれで、軽い・ない方も珍しくありません。つわりが軽いこと自体が、赤ちゃんの異常を意味するわけではありません。不安なときは健診で相談してください。

Q3. つわりが急になくなったら流産のサインですか?

つわりは波があり、自然に軽くなる時期があります。症状が減っただけで流産と決めつける必要はありません。ただし、出血や強い腹痛を伴う場合は、早めに医療機関へ連絡してください。

Q4. 何も食べられないときはどうすればいいですか?

まずは水分補給を優先してください。氷やゼリー、果物など口にできる物を少量ずつで構いません。水分も摂れず吐いてしまう、尿が出ない、体重が減るときは、脱水のおそれがあるため受診しましょう。

Q5. つわりに効く薬はありますか?

妊娠中に使用できる吐き気止めや、脱水を補う点滴があります。自己判断で市販薬を使わず、産婦人科で相談してください。症状に応じた対処を医師と一緒に考えられます。

Q6. 仕事は休んだほうがいいですか?

つらいときは、無理をせず休む選択をしてください。母性健康管理指導事項連絡カードを使えば、医師の指示を職場に伝え、勤務の軽減や休業を相談できます。一人で抱え込まないことが乗り切るコツです。

つわりのピークには目安があっても、つらさの感じ方は人それぞれです。この記事の工夫を試しながら、それでもつらいときは早めに医療機関を頼ってください。あなたと赤ちゃんが穏やかに過ごせるよう、私たちも応援しています。


監修者

岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)

岡山県出身。慶應義塾大学医学部卒業後、日本とアメリカの医師国家試験に合格。臨床研修後2年で医学博士を取得。日本に20人ほどしかいないラボディレクター資格を保有しています。著書『妊娠したら最初に読んで欲しい本』、YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」を運営。本記事は同院長の監修のもと作成しています。

つわりのピーク(妊娠8〜10週目安)と原因、吐きつわり・食べつわり等の種類、食事や環境の工夫、受診の目安まで解説。早期に始まるケースや後期つわりにも触れ、妊娠中を少しでも楽に過ごすヒントをまとめます。脱水や体重減少時の対応も紹介。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

医師監修 監修日:2024年12月1日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年12月1日
花澤 司 (医師/ヒロクリニック大宮駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年12月1日
陽川 英仁 (医師・医学博士/ヒロクリニック大阪駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

参考文献

  1. Lacroix R, Eason E, Melzack R. Nausea and vomiting during pregnancy: A prospective study of its frequency, intensity, and patterns of change. Am J Obstet Gynecol. 2000 Apr;182(4):931-7.
  2. Gadsby R, Barnie-Adshead AM, Jagger C. A prospective study of nausea and vomiting during pregnancy. Br J Gen Pract. 1993 Jun;43(371):245-8.
  3. Committee on Practice Bulletins-Obstetrics. ACOG Practice Bulletin No. 189: Nausea and Vomiting of Pregnancy. Obstet Gynecol. 2018 Jan;131(1):e15-e30.

関連記事

  1. NEW 胎動を感じる妊婦のイメージ
  2. NEW 逆子(骨盤位)のイメージ
  3. コンバインド検査とは?NIPT(新型出生前診断)との違いも紹介【医師監修】
  4. 妊娠報告のタイミングはいつがベスト?
  5. はてな