発達性てんかん性脳症11型とは|SCN2A遺伝子の特徴

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この記事の結論

発達性およびてんかん性脳症11型(DEE11)は、2番染色体上のSCN2A遺伝子の変異によって、乳児期にてんかん発作と発達の遅れが現れる希少疾患です。同じSCN2A遺伝子の変異でも、生後3か月未満で発症する重症タイプ(機能獲得型)と、それ以降に発症し自閉スペクトラム症知的障害が中心となる比較的穏やかなタイプ(機能喪失型)とでは、症状も効く薬もまったく異なります。ほとんどの症例は突然変異(デノボ変異)で発生し、ご両親の遺伝や生活習慣が原因ではありません。本記事では、症状・原因・診断・治療の全体像に加え、2026年7月に報告された個別化治療の最新研究、そしてNIPTとの関係までを、公的・学術情報源にもとづいて整理します。

この記事でわかること

  • DEE11(SCN2A関連てんかん性脳症)の症状と、発症時期で分かれる二つのタイプ
  • SCN2A遺伝子ひとつが重い脳症から穏やかな自閉症まで幅広い病気を引き起こす仕組み
  • 発症時期によって効く薬が変わる理由と、2026年報告の個別化治療研究
  • 診断に必要な検査、日常のケア、NIPTとの関係、次のお子様への遺伝リスク

医師からDevelopmental and epileptic encephalopathy 11という非常に長く、難解な診断名を告げられ、情報を求めてこのページにたどり着いたご家族の皆様へ。

生まれたばかりの赤ちゃん、あるいは生後数か月のお子様に、日本語の定まった呼び方もまだ浸透していないような難病の診断が下り、計り知れないショックと不安の中にいらっしゃることと思います。この病気は世界的に見ても希少疾患の一つに数えられるため、日本語で書かれた詳しい情報はインターネット上でもほとんど見当たりません。てんかんや遺伝の専門家でなければ詳しく知らないことも珍しくない疾患概念です。

この長い診断名を日本語に訳すと、発達性およびてんかん性脳症11型となります。医療現場では、頭文字をとってDEE11(ディー・イー・イー・ジュウイチ)と呼ばれることが一般的です。原因となる遺伝子の名前をとって、SCN2A関連神経発達障害やSCN2A関連てんかん性脳症と呼ばれることも増えています。以前は大田原症候群や早期乳児てんかん性脳症(EIEE)と診断されていたお子さんの中に、この遺伝子変異を持つ方が多く含まれていることがわかってきました。

脳症という言葉や11型という数字に圧倒されてしまうかもしれませんが、この数字は発見された順番を区別するための通し番号であり、重症度を表す数字ではありません。原因が遺伝子にあると分かったということは、お子さんに合ったお薬選び(プレシジョン・メディシン)において重要な指針を得たということでもあります。

1. DEE11とは:概要と特徴

DEE11は、生まれつきのSCN2A遺伝子の変化により、脳の神経細胞の働きに影響が出て、てんかんと発達の遅れが現れる疾患です。この病名グループの意味を、まず整理しておきましょう。

発達性とは、生まれ持った遺伝子の変化そのものが、脳の発達や成長に影響を与えていることを意味します。てんかん発作があるから発達が遅れるだけでなく、発作がなくても発達に課題が生じる体質であることを示す言葉です。

てんかん性とは、頻繁なてんかん発作や脳波の激しい乱れが、脳の機能や発達にさらなる悪影響を与えている状態を指します。脳症とは、脳全体の働きに広範な影響が出ている状態を指す医学用語です。

つまりDEE11は、遺伝子の影響による発達の遅れと、てんかん発作による脳への負担という二つの要素が合わさって症状が現れる病気です。SCN2A遺伝子の変異は、DEE11のような重いてんかんだけでなく、良性家族性新生児てんかんのような軽いタイプや、てんかんを伴わない自閉スペクトラム症知的障害まで、幅広い症状の原因になります。これをまとめてSCN2A関連疾患と呼びます。DEE11という診断は、この中でも発作のコントロールが難しく、発達への影響が大きいタイプを意味します。

2. 主な症状:発症時期で変わる二つの顔

DEE11の症状は、特徴的なてんかん発作、発達の遅れ、そして行動面・身体面の特徴に分けられます。お子さんによって症状の重さや出方は異なりますが、これまでに報告されている代表的な特徴を見ていきましょう。

てんかん発作と発症時期の違い

多くの患者さんで、生後数日以内の新生児期、あるいは生後3か月以内の乳児期早期にてんかん発作が始まります。DEE11において、発作がいつ始まったかという情報は治療方針を決める上で非常に重要です。

発症時期変異のタイプ症状の傾向
生後3か月未満(新生児期が多い)機能獲得型が多い神経が興奮しすぎ、激しい発作が早期から出やすい
生後3か月以降機能喪失型の可能性発作は比較的緩やかで、自閉的傾向や知的障害が目立つ場合がある

発作の形は様々です。体の一部がピクピク動いたり視線が偏ったりする焦点発作、手足が突っ張って顔色が変わる強直発作、全身が硬直したあとに震える全般強直間代発作、両手を広げてお辞儀をするような動作を繰り返すてんかん性スパズムなどが報告されています。DEE11のてんかん発作は一般的な抗てんかん薬が効きにくい難治性であることが多く、一日に何度も発作を繰り返すこともあります。しかし、後述するように原因に合ったお薬を使うことでコントロールできる場合があります。

発達と神経の症状

発作と並んで、中等度から重度の発達の遅れが見られます。首がすわる、お座りをする、歩くといった運動面の発達と、あやすと笑う、言葉を理解するといった精神面の発達の両方が、一般的なペースよりゆっくりになります。多くの場合、知的障害を伴いますが、声のトーンや表情、全身の動きで快・不快の感情を伝えられるお子さんもいます。

赤ちゃんの頃は、体がふにゃふにゃとして柔らかい筋緊張低下が見られることが多いです。体幹が弱く、姿勢を保つのが難しいことがあります。成長とともに、逆に手足の筋肉が突っ張って硬くなる痙縮や、筋肉が勝手に動いてしまうジストニアなどの運動障害が見られるようになることもあります。

行動面とその他の身体症状

SCN2A遺伝子は自閉スペクトラム症との関連が深いことで知られており、DEE11のお子さんにも視線を合わせにくい、同じ動作を繰り返す、こだわりが強いといった自閉的な特徴が見られることがあります。痛みに対して鈍感であったり、逆に特定の感覚に過敏であったりすることもあります。

おっぱいやミルクを飲む力が弱い哺乳障害、食べ物を飲み込むのが苦手な嚥下障害のほか、胃食道逆流症、便秘、睡眠障害が見られることもあります。脳のMRI検査では初期には異常がないことが多いですが、経過とともに脳の萎縮が見られることがあります。

てんかん発作のケアを受ける乳児のイメージ

3. 原因:Nav1.2ナトリウムチャネルの機能獲得と機能喪失

DEE11の原因は、脳の神経細胞にあるナトリウムの通り道(ナトリウムチャネル)の設計図が変化してしまうことです。なぜ発症時期によって症状が大きく変わるのか、その仕組みを見ていきましょう。

SCN2A遺伝子の役割

DEE11の原因は、第2番染色体にあるSCN2A遺伝子の変異です。この遺伝子は、電位依存性ナトリウムチャネル(Nav1.2チャネル)という、脳の神経細胞の表面にある小さな通り道を作るための設計図です。脳の神経細胞は電気信号を使って情報をやり取りしており、この電気信号を発生させるために細胞の外から中にナトリウムイオンを取り込む必要があります。特に生まれたばかりの赤ちゃんの脳では、電気信号を発生させるメインスイッチとして非常に重要な役割を果たしています。

機能獲得型と機能喪失型で分かれる道

SCN2A遺伝子に変異が起きると、このナトリウムチャネルの働きがおかしくなります。ここがDEE11を理解する上でもっとも重要なポイントです。

機能獲得型変異では、チャネルの扉が開きやすくなりすぎたり、一度開くと閉じにくくなったりします。ナトリウムを通すアクセルが踏みっぱなしになるようなもので、神経細胞が異常に興奮しやすい状態になり、新生児期や乳児期早期からの激しいてんかん発作が引き起こされます。DEE11の多くのケース、特に早期発症例はこのタイプです。

一方、機能喪失型変異では、チャネルの働きが弱くなり、神経細胞が適切に興奮できず情報の伝達がうまくいかなくなります。てんかんの発症は少し遅い傾向があり、自閉スペクトラム症知的障害が引き起こされることがあります。同じ遺伝子の変異でも、働きすぎるのか働かなくなるのかによって症状や治療法が大きく異なる点が、SCN2A関連疾患の最大の特徴です。

遺伝カウンセリングの場で「同じ遺伝子なのに、なぜ症状の重さがこんなに違うのですか」というご質問を受けることがあります。私自身は、変異の場所とタイプによってチャネルの性質が正反対に変わりうるという点を、アクセルとブレーキの例え話でお伝えするようにしています。DEE11という診断名だけでなく、機能獲得型か機能喪失型かという情報も、主治医に確認しておくとよいでしょう。

遺伝の形式:ほとんどはデノボ変異

SCN2A遺伝子関連の病気は常染色体顕性遺伝の形式をとります。しかし、多くのご家族が心配される「親から遺伝したのか」という点について、重症型であるDEE11のほとんどのケースは新生突然変異(デノボ変異)によるものです。

これは、ご両親の遺伝子には異常がなく、精子や卵子が作られる過程、あるいは受精直後の細胞分裂の段階で、偶然にSCN2A遺伝子に変化が起きたことを意味します。ご両親のどちらかのせいで遺伝したわけではなく、妊娠中の食事やお薬、ストレスが原因で起きるものでもありません。誰にでも起こりうる、生命の誕生における偶然の現象です。

4. 診断と検査

DEE11の診断は、症状の観察、脳波検査、画像検査、そして遺伝子検査を組み合わせて行われます。それぞれの検査で何を確認するのか、順に見ていきましょう。

脳波検査と画像検査(MRI)

脳波検査は、てんかん発作の診断や脳の活動状態を調べるために不可欠です。DEE11のお子さんの脳波では、てんかん性の突発波が見られるほか、背景活動が全体的にゆっくりになる徐波化が見られることがあります。発作のタイプを特定し、薬の効果を判定するためにも定期的に行われます。

MRI検査では脳の形や構造を詳しく調べます。発症初期には脳の形に明らかな異常は見られないことが多いですが、発作が長く続いた後や年齢が進んでくると、脳全体や小脳が萎縮して小さくなっている様子が見られることがあります。

遺伝学的検査

確定診断のためには、血液を採取してDNAを調べる検査が必要です。近年急速に普及してきた次世代シーケンサーを用いた全エクソーム解析(WES)や、てんかん関連遺伝子パネル検査が一般的に行われます。

DEE11は症状だけでは他の発達障害やてんかん症候群と区別がつかないことが多いため、この網羅的な遺伝子検査を行って初めてSCN2A遺伝子の変異が見つかり、診断に至るケースがほとんどです。診断がついた後は、機能獲得型か機能喪失型かによって治療方針が変わるため、変異の詳細な機能解析について主治医に確認してください。

5. 治療と管理:発症時期で変わる薬選び

現在の医学では、SCN2A遺伝子の変化そのものを修復して根本から治す治療法はまだ確立されていません。しかし、原因遺伝子がSCN2Aであると分かったことで、より効果的なお薬を選択できるようになってきています。

ナトリウムチャネル遮断薬の効果

生後3か月未満に発症するDEE11の多くは機能獲得型変異です。この場合、ナトリウムチャネルを塞いでアクセルを緩める作用のあるフェニトイン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピンなどのナトリウムチャネル遮断薬が高い効果を示すことが知られています。発作が劇的に減少したり消失したりするケースが多く報告されています。これは、同じナトリウムチャネルの病気でも、ドラベ症候群(SCN1A変異の多くは機能喪失型)ではこれらの薬が発作を悪化させる要因になるのとは対照的です。

機能喪失型の場合や、ナトリウムチャネル遮断薬が効かない場合は、バルプロ酸、レベチラセタム、クロバザム、トピラマートなどが試されます。難治性の場合は、脂肪分を多く糖質を極端に少なくしたケトン食療法が検討されることもあります。

個別化アンチセンスオリゴヌクレオチド治療の最新研究

薬選びだけでなく、SCN2Aの変異そのものを標的とする新しい治療法の研究も進んでいます。2026年7月21日、Nature Medicine誌に発表された研究では、米UCサンディエゴとレディ小児病院ゲノム医学研究所を中心とする国際共同研究チームが、SCN2A関連てんかんの子ども2人に対し、患者ごとに設計したアンチセンスオリゴヌクレオチドという人工のDNA断片を投与し、変異のある側の遺伝子だけを狙って働きを抑える治療を行いました。@russianblue2009氏がこの研究の詳細を長文で紹介しており、私も概要を読んで、希少疾患の個別化医療がここまで進んでいるのかと驚きました。治療開始時14歳だった患者は発作の頻度が90%減り、15歳で初めて自分の足で歩けるようになったと報告されています。もう一人の9歳だった患者も発作が26%減少しました。

北海道大学医学部の研究室アカウント@iPatho1も、病的アリルを選択的に抑える個別化アンチセンス核酸によって、忍容性を保ちながら発作頻度の低下や神経発達面の改善を示した論文だと紹介しています。投与は脊髄液に直接注射する方法で2〜3か月ごとに繰り返す必要があり、対象はまだ2人のみの研究段階です。承認された標準治療ではありませんが、極めて少数の患者にしか使えない薬を届ける新しい枠組みとして、米国では臨床試験の登録も始まっています。

この治療はDNAの配列そのものを書き換えるものではなく、遺伝子の働き方を一時的に調整する仕組みのため、効果を保つには投与を継続する必要があります。日本国内ではまだ受けられる治療ではありませんが、今後の研究の広がりに注目が集まっています。

発達支援と療育

早期からの療育が、お子さんの成長と生活の安定にとって非常に大切です。

  • 理学療法(PT): 筋緊張低下や痙縮にアプローチし、関節が硬くならないマッサージや、楽な姿勢を保つための福祉用具の調整を行います。
  • 作業療法(OT): 手先の感覚や外界への興味を引き出す遊びを通じて、食事や着替えの介助方法など生活動作の工夫を学びます。
  • 言語聴覚療法(ST): 言葉の理解やコミュニケーション手段を探るとともに、飲み込みが難しい場合は食事の形態や介助の姿勢について指導を受けます。

日常生活のケア

飲み込む力が弱く口から十分に栄養が摂れない場合は、鼻からチューブを入れたり、お腹に小さな穴を開けて直接胃に栄養を入れる胃ろうを作ったりして栄養を確保します。胃ろうは誤嚥のリスクを減らし、お子さんとご家族の食事時間のストレスを軽くする有効な手段です。

呼吸が弱い場合や痰が出しにくい場合は、吸引器の使用や吸入を行い、夜間の呼吸状態をモニターで見守ることもあります。筋緊張が弱く呼吸の力が弱いお子さんは肺炎になりやすい傾向があるため、手洗いなどの基本的な感染対策に加え、流行期には人混みを避け、予防接種を計画的に受けてください。

6. SCN2A遺伝子ひとつで起こる複数の病気

SCN2A遺伝子の変異は、DEE11だけでなく、症状の重さも現れる年代もまったく異なる複数の病気を引き起こします。この「ひとつの遺伝子から複数の顔を持つ病気が生まれる」という点こそ、DEE11を理解するうえで欠かせない視点です。

生後6か月未満で発症し数年で自然に治まることが多い良性家族性新生児乳児てんかん、てんかんを伴わない自閉スペクトラム症知的障害、そして今回解説しているDEE11まで、変異の場所とタイプによって症状の幅は大きく変わります。良性のタイプは機能への影響が比較的軽い変異、DEE11は機能獲得型・機能喪失型のいずれかで強い影響が出る変異であることが多いとされています。

7. 発達性てんかん性脳症シリーズの他のタイプとの違い

発達性およびてんかん性脳症は、原因となる遺伝子ごとに番号がつけられたシリーズとして報告が続いています。原因遺伝子が異なれば、症状の出方や治療の考え方も大きく変わります。

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神経細胞同士の情報伝達に関わるタンパク質の変異で起こる4型(STXBP1遺伝子)や、カリウムチャネルに関わる14型(KCNT1遺伝子)は、SCN2Aとは異なるタンパク質の異常が原因ですが、乳児期早期からの難治性てんかんという点は共通しています。一方、NMDA受容体に関わる27型(GRIN2B遺伝子)や、同じ電位依存性チャネルの異常でも仕組みが異なる42型(CACNA1A遺伝子)と比べると、DEE11は同じ遺伝子の中でも機能獲得型と機能喪失型という正反対の変化が、発症時期も治療薬の選び方もまるごと変えてしまう点に大きな特徴があります。気になる方はあわせてご覧ください。

8. 妊娠中の検査・NIPTとの関係

DEE11は、SCN2A遺伝子1つの変化によって起こる単一遺伝子疾患です。NIPTの基本検査で調べる21・18・13トリソミーなどの染色体数の異常とは、検出のしくみがまったく異なります。

単一遺伝子疾患まで対象範囲を広げた拡大NIPTのプランもあります。プランによっては、SCN2A遺伝子を含む数百種類の遺伝子を対象とする検査項目が用意されている場合がありますが、対応する疾患の範囲や解析感度は検査施設・プランによって異なります。NIPTで知的障害がどこまでわかるかを解説した記事もあわせてご覧ください。

ご自身が検討している検査プランがSCN2A関連の異常まで対象に含むかどうかは、検査を受ける施設に直接確認してください。もう一つ知っておいていただきたいのは、NIPTはあくまで非確定的なスクリーニング検査だという点です。陽性所見や気になる結果が出た場合は、羊水検査などの確定検査で診断を固める流れになります。DEE11のようなてんかん・発達の症状は妊娠中の超音波検査だけで気づくことは難しく、多くは出生後の症状から診断に至ります。

今回、SCN2Aという遺伝子名でX(旧Twitter)を検索したところ、2026年7月に報告された前述の個別化アンチセンス治療の研究を紹介する投稿が見つかりました。一方で、DEE11のご家族による国内の実体験の投稿は見当たりませんでした。極めて希少な疾患であるため、一次情報が限られる点は本記事の限界としてご理解ください。

まとめ:ご家族へのメッセージ

DEE11は、SCN2A遺伝子の変異により、脳の神経細胞を興奮させるナトリウムチャネルに異常が生じ、てんかんや発達への影響が出る先天性の疾患です。新生児期から乳児期早期に始まるてんかん、発達遅滞、自閉的傾向、筋緊張低下などが主な特徴です。

早期発症の多くは機能獲得型であり、フェニトインやカルバマゼピンなどのナトリウムチャネル遮断薬が高い効果を示す可能性があります。発症時期と変異のタイプを知ることが、お子さんに合った治療への近道です。多くは突然変異によるもので、ご両親のせいではありません。

発作のコントロールに加え、リハビリ、栄養管理、感染症予防など、全身をトータルでケアする視点が欠かせません。2026年に報告された個別化治療の研究のように、この領域の医学は着実に前進しています。まずは主治医や臨床遺伝専門医への相談から始めてください。

お電話でのご相談も受け付けています。0120-169-629までお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

DEE11とは、どのような病気ですか。

2番染色体上のSCN2A遺伝子の変異により、新生児期から乳児期早期にてんかん発作と発達の遅れが現れる希少な神経疾患です。発達性およびてんかん性脳症11型とも呼ばれます。

発症時期によって症状が違うと聞きました。本当ですか。

本当です。生後3か月未満で発症する場合は神経が興奮しすぎる機能獲得型が多く、激しい発作が特徴です。生後3か月以降に発症する場合は機能喪失型の可能性があり、自閉スペクトラム症知的障害が中心となることがあります。

てんかん発作はどのような薬で治療しますか。

機能獲得型で早期発症の場合、フェニトインやカルバマゼピンなどのナトリウムチャネル遮断薬が高い効果を示すことがあります。機能喪失型の場合はバルプロ酸やレベチラセタムなどが試され、難治性の場合はケトン食療法が検討されることもあります。

新しい治療法の研究はありますか。

2026年7月にNature Medicine誌で、患者ごとに設計したアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた個別化治療の研究が報告されました。対象はまだ2人のみで研究段階ですが、発作頻度の減少や発達面の改善が示されています。

次の子どもにも同じ病気が起こる可能性はありますか。

DEE11のほとんどの症例は、ご両親には原因がない新生突然変異(デノボ変異)によるものです。ご両親のどちらのせいでもありません。次のお子様への具体的な再発リスクは、遺伝カウンセリングで個別に確認してください。

診断にはどのような検査が必要ですか。

脳波検査、MRI検査、そして確定診断のための遺伝学的検査(全エクソーム解析やてんかん関連遺伝子パネル検査)を組み合わせて診断します。機能獲得型か機能喪失型かの判定も、治療方針を決める上で重要です。

妊娠中のNIPTでこの病気はわかりますか。

21・18・13トリソミーなどの基本検査の対象ではありません。単一遺伝子疾患まで対象を広げた拡大NIPTのプランでは対象に含まれる場合がありますが、対応範囲は施設によって異なります。陽性所見が出た場合は羊水検査などの確定検査が必要です。

監修:岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director。慶應義塾大学医学部卒業。日本とアメリカの医師国家試験に合格し、医学博士。国内でも数少ないラボディレクター資格を保有。著書『妊娠したら最初に読んで欲しい本』。本記事は医療広告ガイドラインに配慮し、公的機関・学会・学術論文の情報を参照して作成しています。記載の数値は報告例に基づくものであり、症例数が限られるため今後の知見により変わる可能性があります。診断・治療の最終判断は担当医にご相談ください。

参考情報:SCN2A gene|MedlinePlus Genetics(米国国立医学図書館)SCN2A-Related Epilepsy: The Phenotypic Spectrum, Treatment and Prognosis|PMCSCN2A Pathogenic Variants and Epilepsy: Heterogeneous Clinical, Genetic and Diagnostic Features|PMCPersonalized Antisense Oligonucleotide Therapy for Rare Pediatric Genetic Disease: SCN2A|ClinicalTrials.gov大田原症候群(指定難病146)|難病情報センター

医師監修 監修日:2026年1月16日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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