16p13.11微小欠失症候群とは|浸透率13%と、親から受け継ぐことが多い理由

16p13.11微小欠失症候群は浸透率が約13%と低く、同じ欠失を持っていても症状が出ない方が多い疾患です。てんかんや発達の遅れなど報告されている症状、重複との違い、遺伝カウンセリングの考え方を解説します。

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このテーマの総合ガイド微小欠失症候群とは(総合ガイド)

検査結果に「16p13.11欠失」と書かれ、しかも「ご両親のどちらかにも同じ変化がある」と言われて、どう受け止めればよいか迷われているかもしれません。

結論からお伝えします。16p13.11微小欠失は、持っていても症状が出ない方のほうが多い変化です。報告されている浸透率はおよそ13%で、症状のない親から受け継がれていることが少なくありません。

この記事では、この「浸透率が低い」という性質を軸に、報告されている症状、同じ領域の重複との違い、遺伝カウンセリングの考え方を整理します。

💡 この記事でわかること

  • 16p13.11微小欠失がどのような変化なのか
  • 浸透率が約13%とはどういう意味か
  • 報告されている症状(てんかん・発達の遅れなど)
  • 症状のない親から受け継がれることが多い理由
  • 同じ16p13.11の重複との違い

1. どのような変化か

16番染色体短腕13.11(16p13.11)の一部が欠けている状態です。この領域は繰り返し配列に挟まれており、欠失も重複も起こりやすいことが知られています。注目されている遺伝子としてNDE1があります。

2. ★浸透率が約13%ということ

この欠失を理解するうえで、いちばん大切な点です。報告されている浸透率はおよそ13%で、欠失を持つ方の多くは症状が出ません。

そのため、症状のない親から受け継がれていることが少なくありません。「親にも同じ変化があった」と言われても、それ自体は驚くことではありません。

症状の出方に幅がある理由としては、表現度の差、隠れていた別の変化が現れること(アンマスク)、欠失の外側にある遺伝子の影響、欠失の広がりの違いなど、複数が考えられています。

3. 報告されている症状

領域報告されている内容
発達発達の遅れ、知的障害
行動自閉スペクトラム症
神経てんかん
心臓・血管心血管の異常
消化管消化管の異常
その他多発奇形の報告

いずれも「必ず出る」ものではありません。欠失が見つかったこと自体より、実際にお子さまに何が起きているかを見て判断していくことになります。

4. 同じ16p13.11でも、重複は別の疾患です

同じ領域でも、欠けるか増えるかで別の疾患になります。当院では16p13.11 重複症候群についても解説しています。

4. NIPTでわかりますか

標準的なNIPTの対象には含まれません。基本のNIPTが対象にするのは21・18・13トリソミーという染色体の「数」の変化です。本記事のような部分的な欠失・重複は、微小欠失部分欠失・重複まで対象を広げたプランでのみ扱われます。

そのうえで、NIPTは非確定的なスクリーニング検査です。公益社団法人日本産科婦人科学会の指針でも、NIPTの結果はスクリーニングの範囲にとどまるとされています。陽性所見が出た場合は、羊水検査などの確定検査で判断します。対象範囲は検査プランによって異なります。迷われる場合はプラン診断もご利用ください。

5. 確定診断の検査

中心になるのは染色体マイクロアレイ検査(CMA)です。従来の顕微鏡による染色体検査(G分染法)では見つけられない、数百kb〜数Mb単位の微細な過不足を検出でき、どこからどこまでが変化しているのかという範囲まで分かります。

見つかった変化がご両親から受け継いだものか、偶発的に生じたもの(デノボ)かを確かめるため、ご両親の検査を併せて行うことがあります。

よくある質問

Q. 欠失が見つかりましたが、症状がありません。大丈夫でしょうか。
珍しいことではありません。報告されている浸透率はおよそ13%で、欠失を持つ方の多くは症状が出ません。

Q. 親にも同じ欠失がありました。どう考えればよいですか。
症状のない親から受け継がれていることが少なくありません。次のお子さまへの見通しについては遺伝カウンセリングをご検討ください。

Q. てんかんは必ず起きますか。
いいえ。てんかんは報告されている症状のひとつですが、必ず起きるものではありません。

監修:岡博史(おか ひろし) / 医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director。慶應義塾大学医学部卒業。日本とアメリカの医師国家試験に合格し、医学博士。国内でも数少ないラボディレクター資格を保有しています。本記事は医療広告ガイドラインに配慮し、GeneReviews・OMIMほか公的機関・学会情報および査読済みの学術論文を参照して作成しています。記載の頻度・数値は報告例が少なく文献により幅があり、診断・治療の最終判断は担当医にご相談ください。

16p13.11微小欠失症候群は浸透率が約13%と低く、同じ欠失を持っていても症状が出ない方が多い疾患です。てんかんや発達の遅れなど報告されている症状、重複との違い、遺伝カウンセリングの考え方を解説します。

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医師監修 監修日:2026年9月6日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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