1q21.1反復性微小欠失症候群とは|症状が出ない人もいる理由と浸透率

1q21.1反復性微小欠失症候群は、同じ欠失を持っていても症状が出ない方がいる、浸透率が不完全な疾患です。報告されている症状の頻度、重複との違い、TAR症候群との関係、NIPTで分かる範囲を解説します。

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このテーマの総合ガイド微小欠失症候群とは(総合ガイド)

お子さまの検査結果に「1q21.1欠失」と書かれていて、調べても症状の説明がまちまちで戸惑われているかもしれません。

結論からお伝えします。1q21.1反復性微小欠失症候群は、同じ欠失を持っていても症状がまったく出ない方がいるという、たいへん幅の広い疾患です。GeneReviewsは「この欠失だけで臨床的に見分けられる症候群にはならない」と述べています。

そのため、検査結果だけを見て将来を決めつけることはできません。この記事では、報告されている症状とその頻度、同じ領域の重複やTAR症候群との違い、NIPTとの関係を整理します。

💡 この記事でわかること

  • 1q21.1反復性微小欠失がどのような変化なのか
  • 「症状が出ない人がいる」=浸透率が不完全という考え方
  • 報告されている症状とその頻度
  • 同じ1q21.1の重複、TAR症候群との違い
  • NIPTで分かる範囲と、確定診断の流れ

1. どのような変化か

1番染色体長腕21.1(1q21.1)の一部が欠けている状態です。この領域は繰り返し配列に挟まれているため、欠失も重複も起こりやすいことが知られています。遺伝形式は常染色体顕性(優性)です。

2. ★同じ欠失でも症状が出ない方がいます

この疾患を理解するうえで、いちばん大切な点です。1q21.1の欠失を持っていても、明らかな症状がまったくない方がいます。そのため、ご両親を調べると片方が同じ欠失を持っていた、ということが珍しくありません。

これを「浸透率が不完全」と呼びます。「欠失が見つかった=必ず症状が出る」ではありません。逆に「親に症状がないから偶発的なもの」とも限りません。

3. 報告されている症状と頻度

症状・特徴報告されている頻度
軽度で特異的でない顔つきの特徴75%以上
小頭症43%
眼の異常26%
軽度の知的障害学習障害25%
けいれん発作約23%
心疾患・泌尿生殖器の異常・骨格の異常・関節のやわらかさ報告あり
自閉スペクトラム症注意欠如多動症・睡眠の問題報告あり

GeneReviewsの記載にもとづく頻度です。いずれも「必ず出る」ものではありません。

4. 同じ1q21.1でも別の疾患があります

1q21.1は、欠けるか増えるか、また領域のどこかによって別の疾患になります。当院では1q21.1 部分重複についても解説しています。

また、より中心側(近位)の1q21.1に関わるものとしてTAR症候群(血小板減少橈骨欠損症候群)が知られています。これは別の疾患です。診断書の領域表記を担当医とご確認ください。

4. NIPTでわかりますか

標準的なNIPTの対象には含まれません。基本のNIPTが対象にするのは21・18・13トリソミーという染色体の「数」の変化です。本記事のような部分的な欠失・重複は、微小欠失部分欠失・重複まで対象を広げたプランでのみ扱われます。

そのうえで、NIPTは非確定的なスクリーニング検査です。公益社団法人日本産科婦人科学会の指針でも、NIPTの結果はスクリーニングの範囲にとどまるとされています。陽性所見が出た場合は、羊水検査などの確定検査で判断します。対象範囲は検査プランによって異なります。迷われる場合はプラン診断もご利用ください。

5. 確定診断の検査

中心になるのは染色体マイクロアレイ検査(CMA)です。従来の顕微鏡による染色体検査(G分染法)では見つけられない、数百kb〜数Mb単位の微細な過不足を検出でき、どこからどこまでが変化しているのかという範囲まで分かります。

見つかった変化がご両親から受け継いだものか、偶発的に生じたもの(デノボ)かを確かめるため、ご両親の検査を併せて行うことがあります。

よくある質問

Q. 1q21.1欠失があると必ず症状が出ますか。
いいえ。同じ欠失を持っていても症状がまったく出ない方がいます。浸透率が不完全なためです。

Q. 親も同じ欠失を持っていました。どう考えればよいですか。
珍しいことではありません。症状のない親から受け継がれることがあります。次のお子さまへの見通しについては遺伝カウンセリングをご検討ください。

Q. TAR症候群と同じ病気ですか。
別の疾患です。TAR症候群はより中心側(近位)の1q21.1に関わり、血小板減少と橈骨の欠損が特徴です。

監修:岡博史(おか ひろし) / 医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director。慶應義塾大学医学部卒業。日本とアメリカの医師国家試験に合格し、医学博士。国内でも数少ないラボディレクター資格を保有しています。本記事は医療広告ガイドラインに配慮し、GeneReviews・OMIMほか公的機関・学会情報および査読済みの学術論文を参照して作成しています。記載の頻度・数値は報告例が少なく文献により幅があり、診断・治療の最終判断は担当医にご相談ください。

1q21.1反復性微小欠失症候群は、同じ欠失を持っていても症状が出ない方がいる、浸透率が不完全な疾患です。報告されている症状の頻度、重複との違い、TAR症候群との関係、NIPTで分かる範囲を解説します。

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医師監修 監修日:2026年9月6日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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