中国のNIPT(新型出生前診断)事情は?対象疾患や受ける人の割合も紹介【医師監修】

NIPT 中国語も対応可能

中国でのNIPT(新型出生前診断)の現状と受ける人の割合、対象疾患について詳細に解説します。

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この記事のまとめ

中国ではNIPT(新型出生前診断)が早くから広く普及し、主に21・18・13トリソミーなどを対象とする非確定的検査として、多くの妊婦さんに使われてきました。一方で、施設や検査の質のばらつき、遺伝カウンセリング体制、結果の解釈といった課題も公的機関や学会から指摘されています。日本では認証施設・非認証施設の区分があり、遺伝カウンセリングを重視した運用が進んでいます。NIPTは対象の染色体に限定したスクリーニングで、確定には羊水検査などが必要です。どこで・どう受けるかを落ち着いて考える手がかりとして、この記事を役立ててください。

この記事でわかること

  • 中国でNIPTが早くから広まった背景と、少子化・人口減少とのつながり
  • 中国のNIPTで対象になる主な疾患(21・18・13トリソミーなど)
  • 中国でどのくらいの人が受けているか、どんな人が受ける傾向にあるか
  • 質のばらつきやカウンセリングなどの課題と、日本の運用との違い

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中国のNIPT(新型出生前診断)事情|早くから広く普及

中国ではNIPTが2011年ごろから導入され、少子化と高齢出産の広がりを背景に、早くから多くの妊婦さんに使われてきました。まずは、どんな社会状況のなかで検査が広まったのかを整理します。数字の話が続きますが、普及の背景を知る手がかりになります。

中国の都市の街並みと、出生前検査が広まる社会背景をイメージした写真

中国は長らく人口大国として知られてきました。ところが近年は、出生数の減少が続いています。公的統計では、2022年の出生数が初めて1000万人を割り込んだと報告されました。前年からの落ち込みは大きく、少子化が急速に進んでいます。

出生数の減少とともに、人口そのものも減る局面に入りました。中国政府は第2子・第3子の出産を段階的に容認してきました。それでも、出生率の低下には歯止めがかかりにくい状況が続いています。私自身、統計の数字を追うたびに、社会の変化の速さに驚かされます。

中国でNIPTが広まった背景 少子化と 出生数の減少 2022年に1000万人割れ 高齢での妊娠が 増える 2人目を望む世代 事前に情報を 得たい需要 検査の広がり 社会背景が重なり、早い時期から検査が普及したと整理できます
中国でNIPTが広まった背景の流れのイメージ

一人っ子政策のあとに高まった需要

かつての一人っ子政策は、家族のあり方に大きな影響を残しました。政策が緩和されたあと、30代後半から40代で2人目を望む女性が増えます。高齢での妊娠が増えれば、事前に赤ちゃんの状態を知りたいという声も自然に高まっていきました。

導入当初は運用のルールが十分に整っていませんでした。2016年ごろからは、当局が定めた指針に沿って検査が行われるようになったと報告されています。世界全体の受検率の広がりについては、国ごとのNIPT受検率をまとめた記事もあわせて読んでみてください。国による違いが見えてきます。

中国のNIPTで対象となる疾患|3つのトリソミーが中心

中国のNIPTで主に対象となるのは、21トリソミー・18トリソミー13トリソミーと、一部の微小欠失です。これは日本や他の多くの国と共通する枠組み。NIPTが調べられる範囲には限りがあるという点を、まず押さえておきましょう。

染色体の本数の違いを表したトリソミーのイメージイラスト

トリソミーとは、ある番号の染色体が1本多い状態を指します。何番の染色体が多いかで、名前も特徴も変わります。ここでは、対象となる3つの染色体を順に見ていきます。数値はあくまで一般的な目安として受け取ってください。

NIPTで主に対象になる3つのトリソミー 21トリソミー ダウン症候群 21番が1本多い 18トリソミー エドワーズ症候群 18番が1本多い 13トリソミー パトウ症候群 13番が1本多い いずれも非確定的な検査で、確定には羊水検査などが必要です
NIPTで主に対象となる3つのトリソミーのイメージ

21トリソミー(ダウン症候群)

21トリソミーは、21番目の染色体が1本多い状態です。ダウン症候群とも呼ばれます。発育や発達がゆっくり進む傾向があり、成人まで成長する方も多くいます。心臓などに先天的な特徴を伴う場合もあり、医療とのつながりが支えになります。

ダウン症のあるお子さんと家族が穏やかに過ごすイメージ写真

ダウン症候群については、検査で何がわかるのかを知りたい方も多いはずです。詳しくはダウン症候群と出生前検査の関係をまとめた記事で解説しています。数字だけでなく、生活の視点もあわせて知っておくと安心です。

18トリソミー(エドワーズ症候群)

18トリソミーは、18番目の染色体が1本多い状態で、エドワーズ症候群とも呼ばれます。身体的な特徴や内臓の働きに影響がみられることがあります。母体の年齢が上がると頻度が高まる傾向も知られています。近年は医療の進歩で、生存期間が延びている例も報告されています。

13トリソミー(パトウ症候群)

13トリソミーは、13番目の染色体が1本多い状態です。パトウ症候群とも呼ばれます。脳や顔、心臓などに特徴がみられることがあり、赤ちゃんによって状態は大きく異なります。これら3つはいずれも、NIPTでは「可能性」を調べる非確定的な検査という位置づけ。診断の確定には別の検査が必要です。

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中国でNIPTを受ける人の割合|どんな人が受けるのか

中国では、高齢での妊娠や、これまでの検査でリスクが指摘された妊婦さんを中心にNIPTが使われてきたと、公的な情報の範囲で報告されています。受検の広がり方には地域差もあり、一律には語れません。ここでは、どんな人が受ける傾向にあるのかを見ていきます。

受検の割合は調査によって幅があります。全ての妊婦さんが一律に受けるのではなく、年齢や過去の検査結果によって案内されるケースが中心とされてきました。都市部と地方でも、受けやすさに差があると指摘されています。数字を一つに絞りきれないのが実情です。

「どんな人が受けるのか」という疑問は、日本の妊婦さんも同じように抱いています。Xでも@kawaii_ippai_さんが、NIPTを受ける人は高齢出産や体外受精を経た人が多いのか気になる、調べられる範囲は限られるし迷う、と率直な気持ちをつづっていました。私も相談の場で、まさにこの「自分は受けるべきなのか」という声を何度も聞いてきました。素朴な疑問こそ、遺伝カウンセリングで話す価値があると感じています。

受けるかどうかを分ける要素の一つが、費用です。NIPTは自費で受けることが多く、金額が受検のハードルになりやすいのが現実。Xでも@osushikuita_iさんが、本当は全員受けたいのに値段が高すぎる、という本音をこぼしていました。誰もが同じように受けられるわけではない。この点は、国を問わず共通する悩みだと感じます。費用の考え方は出生前検査の費用をまとめた記事も参考にしてください。

中国のNIPTで指摘される課題|質のばらつきと個人情報

中国のNIPTでは、施設や検査の質のばらつき、遺伝カウンセリング体制、そして検査で得られる遺伝情報の取り扱いといった課題が指摘されてきました。普及が早かったぶん、運用や倫理の整備が後から追いかける形になった面があります。良い面と課題の両方を、中立に見ていきます。

まず質の面です。検査を提供する施設が急速に増えると、説明の丁寧さや結果の解釈に差が生じやすくなります。陽性や陰性という言葉だけが独り歩きすると、妊婦さんが不安を抱えたまま次の一歩を選びにくくなります。検査そのものより、その前後の説明が支えになるのです。

もう一つは、遺伝情報の取り扱いです。報道では、大規模な検査事業で集められた遺伝データの二次利用について懸念が示されたことがあります。検査を受けるときは、個人情報がどのように保管・利用されるのかを確認する視点も欠かせません。安心して受けるための、静かな前提だと考えています。

こうした課題は、NIPTを否定するものではありません。むしろ、どこで・どんな体制で受けるかを大切にする理由になります。検査の基本的な仕組みはNIPTの原理を解説した記事で確認できます。仕組みを知ると、結果の受け止め方も落ち着きます。

日本のNIPTとの違い|認証施設と遺伝カウンセリング

日本では認証施設と非認証施設の区分があり、遺伝カウンセリングを重視する運用が進められている点が、大きな違いです。受けられる年齢や説明の体制も含めて、両国の運用を並べて整理します。比べてみると、選ぶときの視点が見えてきます。

中国と日本のNIPT運用の違い 中国 早くから広く普及 受検数が多い 質のばらつきが課題 情報管理に懸念の指摘 日本 認証施設と非認証施設 遺伝カウンセリング重視 年齢の制限は緩和傾向 確定検査は羊水検査など どちらも非確定的な検査という点は共通です
中国と日本のNIPT運用の違いの対比イメージ

日本のNIPTには、学会などが関わる認証施設と、それ以外の非認証施設があります。認証施設では、検査の前後に医師や専門職による遺伝カウンセリングを受けやすい体制が整えられています。陽性だったときの確定検査への流れも、あらかじめ案内されるのが一般的です。

下の表に、両国の運用の違いを並べました。あくまで一般的な傾向であり、施設ごとに差がある点は前提としてください。自分がどこで・どう受けたいかを考える手がかりになります。

観点中国の一般的な傾向日本の一般的な傾向
普及の広がり早くから広く普及・受検数が多い認証施設を中心に段階的に拡大
主な対象21・18・13トリソミーなど21・18・13トリソミーなど
カウンセリング施設により差があると指摘認証施設で重視される
確定検査への流れ施設によりばらつき羊水検査などへ案内
中国と日本のNIPT運用の一般的な傾向の比較

大切なのは、どちらが優れているという話ではないという点です。国ごとに制度や社会背景が異なるだけ。日本で受けるなら、遺伝カウンセリングのある体制を選び、疑問をその場で相談できることが安心につながります。学会の情報は日本産科婦人科学会や、出生前検査認証制度等運営委員会の発信も参考にしてください。

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NIPT(新型出生前診断)とは|対象の染色体に限定した検査

NIPTは、妊婦さんの採血だけで、赤ちゃんの特定の染色体の状態を調べる非確定的なスクリーニング検査です。お腹に針を刺さないため、体への負担が少ないのが特徴。ここで、検査の位置づけをあらためて確認します。中国の話を理解する土台にもなります。

これから生まれてくる赤ちゃんと家族の未来をイメージした写真

NIPTでは、妊婦さんの血液に含まれる、細胞の外を流れるDNA(cfDNA)を分析します。そこから、対象となる染色体の数に偏りがないかを調べます。主な対象は21・18・13トリソミーなどで、検査によっては一部の微小な変化も含みます。ただし、あらゆる病気や障害がわかるわけではありません。

確定診断ではなくスクリーニング検査

NIPTは、医学的には診断ではなくスクリーニング検査に位置づけられます。陽性という結果が出た場合、それだけで確定するわけではありません。確定には、羊水検査絨毛検査といった別の検査が必要です。だからこそ、結果を受け取ったあとに相談できる体制が支えになります。

「陰性なら完全に安心」と考えたくなりますが、そこにも限りがあります。NIPTが調べるのは、あくまで対象の染色体に限られるからです。検査の性質を正しく知っておくと、結果に振り回されずに済みます。基本の仕組みはNIPT(新型出生前診断)の解説ページでもまとめています。受ける前に一度目を通しておくと安心です。

よくある質問

Q. 中国ではNIPTはいつごろから広まったのですか?

中国では2011年ごろにNIPTが導入され、少子化や高齢での妊娠の広がりを背景に、早くから多くの妊婦さんに使われてきたと公的な情報の範囲で報告されています。導入当初は運用ルールが十分に整っていませんでしたが、2016年ごろからは当局の指針に沿って行われるようになったとされています。数字や制度は変化するため、最新の状況は公的機関の情報で確認してください。

Q. 中国のNIPTで調べられる主な疾患は何ですか?

主に21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・13トリソミー(パトウ症候群)と、一部の微小欠失が対象とされています。これは日本を含む多くの国と共通する枠組みです。ただしNIPTは対象の染色体に限定した非確定的な検査で、あらゆる病気や障害がわかるわけではありません。陽性の場合は羊水検査などの確定検査が必要です。

Q. 中国と日本ではNIPTの受け方にどんな違いがありますか?

日本には認証施設と非認証施設の区分があり、認証施設では遺伝カウンセリングを受けやすい体制が整えられています。中国は早くから広く普及した一方で、施設や検査の質のばらつき、カウンセリング体制が課題として指摘されてきました。どちらも非確定的な検査という点は共通です。日本で受けるなら、相談できる体制のある施設を選んでください。

Q. 中国でNIPTを受ける人はどのくらいいますか?

受検の割合は調査によって幅があり、一つの数字に絞ることは難しいのが実情です。全ての妊婦さんが一律に受けるのではなく、高齢での妊娠や過去の検査で指摘があった方を中心に案内されるケースが多いとされています。都市部と地方でも受けやすさに差があると指摘されています。国ごとの受検率の傾向は、世界の受検率をまとめた記事もあわせて参考にしてください。

Q. NIPTを受ければ赤ちゃんの状態はすべてわかりますか?

いいえ、わかる範囲には限りがあります。NIPTが調べるのは対象の染色体に限られ、あらゆる病気や障害を確認できるわけではありません。陰性でも対象外の状態は分かりませんし、陽性でも確定には羊水検査などが必要です。結果の意味を正しく受け止めるためにも、遺伝カウンセリングのある施設で説明を受けながら進めてください。

Q. 日本でNIPTを受けるときは、どこに相談すればよいですか?

まずは、遺伝カウンセリングを受けられる施設に相談してください。検査で何がわかり、何がわからないのか、陽性だったときにどう進むのかを、事前に確認しておくと安心です。費用や対象疾患は施設によって差があります。気になることがあれば、受ける前の面談で遠慮なく質問してください。妊娠期の公的な情報はこども家庭庁 母子保健も参考になります。

著者・監修

岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。

Q&A

  • Q
    NIPT(新型出生前診断)を受けるための条件はありますか?
    ヒロクリニックでは、エコー検査によって胎児の心拍が確認されていれば、誰でも検査可能です。年齢制限も設けていないため、赤ちゃんの状態を事前に知っておきたい妊婦さんは、活用を検討しましょう。
  • Q
    NIPT(新型出生前診断)では医療保険の給付は受けられますか?
    NIPT検査は医療給付の対象外です。また、医療費控除も受けられないため注意しましょう。
  • Q
    NIPT(新型出生前診断)で性別は判明しますか?
    ヒロクリニックのNIPT(新型出生前診断)では胎児の性別も判別可能です。母親の血液を採取して胎児のDNAを分析することで、性染色体の情報から性別を判別します。

中国でのNIPT(新型出生前診断)の現状と受ける人の割合、対象疾患について詳細に解説します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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医師監修 監修日:2024年5月17日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年5月17日
花澤 司 (医師/ヒロクリニック大宮駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年5月17日
陽川 英仁 (医師・医学博士/ヒロクリニック大阪駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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