妊娠中はお腹の赤ちゃんのことが気がかりで、身体を動かすことを不安に思う妊婦さんが多くいらっしゃいます。この記事では妊娠中の運動不足がもたらすデメリットや、おすすめする運動、また妊娠初期の流産と運動の関係性についてを医師が説明いたします。
お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
妊娠中の運動は医師も推奨。いつから始めていい?
妊娠中の運動は、体調が安定していれば医師に相談のうえ積極的に取り入れて構いません。日本産科婦人科学会も、合併症のない妊婦さんに対して適度な運動の継続を推奨しています。
妊婦健診の問診では「運動をすると流産しませんか」という質問を今もよく耳にします。身体を動かすことへの不安から、以前は習慣にしていたウォーキングやヨガをぴたりとやめてしまう方は少なくありません。
しかし、妊娠初期の流産の多くは胎児側の染色体異常が原因とされ、母体の運動量が直接の引き金になることはほとんどありません。激しい運動さえ避ければ、適切な時期・運動量の範囲で身体を動かしても、赤ちゃんに悪影響を与えることはないといえるでしょう。
米国産科婦人科学会(ACOG)や世界保健機関(WHO)も同様の考え方です。合併症のない妊婦さんに対し、1週間に150分程度の中強度の有酸素運動を推奨しています。日本国内に限らず、世界的にも妊娠中の運動は健康管理の一環として位置づけられているのが実情です。
妊娠中に運動をしてもよい時期の目安
妊娠週数によって、控えるべき時期と積極的に動いてよい時期が変わります。時期ごとの目安を知っておくだけで、必要以上に運動を避けてしまう事態を防げます。
妊娠初期(〜13週6日)
つわりや体調の変化が大きい時期です。無理に運動を始める必要はありませんが、体調が良い日にウォーキングなど軽い運動を短時間行なう分には問題ありません。
激しい運動でなければ、身体を気づかいながら少しずつ動かして構わないでしょう。
妊娠中期(14週0日〜27週6日)
16週以降は安定期と呼ばれ、つわりが落ち着き体調が安定しやすい時期です。医師や助産師に相談のうえ、運動を本格的に取り入れやすいタイミングといえます。
「運動が怖くて動かなかった」「食べづわりで体重が急増した」という声はよく聞きます。こうした状態が続くと、糖尿病や妊娠高血圧症候群を招くこともあるので注意が必要です。安定期に入ったら、無理のない範囲で軽い運動を習慣化してみてください。
妊娠後期(28週以降)
お腹が大きくなり、動くこと自体が大変になってくる時期です。それでも、出産と産後の育児には想像以上の体力を要します。
筋力低下を防ぐため、体調と相談しながら自宅でできる軽い体操やマタニティエクササイズを取り入れるのがおすすめです。
妊娠中の運動がもたらす5つのメリット
適度な運動を続けることで、妊婦さんにはさまざまな良い変化があらわれます。主なメリットは次のとおりです。
- 体重管理がしやすくなる(妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群の予防につながる)
- 血行が促進されることで、胎児への酸素供給がスムーズになる
- ホルモンバランスの乱れによる気分の落ち込みが和らぐ
- むくみや便秘、腰痛といったマイナートラブルの軽減が期待できる
- 出産時に必要な体力を維持し、産後の回復が早まりやすい
妊娠期間はホルモンの影響で心身が不安定になりやすく、「気分が落ち込む」「出産への不安が強い」といった声をよく聞きます。身体を動かす習慣は、こうしたメンタル面の不調をやわらげる手段としても有効です。

妊娠中の運動不足が招く5つのリスク
運動不足を放置すると、母体にも赤ちゃんにも見過ごせない影響が出てきます。特に次の5つは、妊婦健診でも指摘されやすいポイントです。
- 糖尿病・妊娠高血圧症候群のリスク上昇
- 心肺機能・筋力の低下
- 血行不良による肩こり・腰痛・むくみ
- 骨盤底筋の衰えによる尿もれ
- メンタルの不調・産後の体力低下
妊娠前から肥満傾向だった場合、運動不足のまま体重管理ができないと糖尿病や妊娠高血圧症候群につながりやすくなります。反対に、もともと痩せ型だった方が運動を控えすぎて体重が急増するケースも見受けられます。
また、胎児の重さで骨盤底筋(こつばんていきん)には常に負荷がかかっています。骨盤底筋は膀胱や子宮を支えるハンモックのような筋肉群で、ここが衰えると妊娠中や産後の尿もれにつながります。イスに座った状態で膣と肛門を引き上げ、数秒キープしてゆるめる運動を1日数回行なうだけでも、鍛える効果が期待できます。
実際に妊婦さんからの相談でも、こうした声を聞くことは珍しくありません。「流産が怖くて外出も控えていたら、気持ちがふさぎ込みやすくなった」という悩みです。自宅に閉じこもりがちになることで、不安定なメンタルがより悪化してしまうケースも見られます。
体力づくりへの焦りを感じている妊婦さんはSNSでも多く見られます。@mindseira2さんは「妊娠中期に入ったらちょっと運動しよ、体力ないの普通に悲しいんだ」と投稿しています。安定期を、運動再開のきっかけにしたいという気持ちがうかがえる投稿です。無理のない範囲で少しずつ動く習慣を取り戻すことが、こうした焦りの解消にもつながるでしょう。
妊娠中におすすめの運動6選と正しいやり方
妊娠中の運動は、ウォーキングや水中運動など負荷の少ない有酸素運動が基本です。体調や時期に合わせて、無理なく続けられるものを選んでみてください。
まずは全体像をつかめるよう、代表的な5つの運動を頻度や強度の目安とあわせて一覧にまとめました。表を見比べて、今の自分の体調に合うものから試してみてください。
| 運動の種類 | 頻度・時間の目安 | 向いている時期 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ウォーキング | 週3〜5回・20〜30分 | 初期〜後期 | 平坦な道を選び息が弾む程度で歩く |
| マタニティヨガ | 週1〜2回・30分程度 | 中期〜後期 | 呼吸法の練習も兼ねられる |
| マタニティスイミング | 週1〜2回・20〜30分 | 中期 | 浮力で腰やひざへの負担が少ない |
| 骨盤底筋トレーニング | 毎日・2〜3セット | 初期〜後期 | 座ったままでも実践できる |
| 踏み台昇降・足踏み | 週3〜5回・5〜10分 | 中期〜後期 | 手すりにつかまり転倒に注意する |
表の中でも、道具がいらず始めやすいのはウォーキングです。ここからは、それぞれの運動のやり方と注意点を詳しく見ていきましょう。
ウォーキング
特別な道具がいらず、いつでも始められる運動。1日20〜30分程度を目安に、息が弾む程度のペースで歩くとよいでしょう。転倒を避けるため、平坦で人通りの少ない道を選ぶことも大切です。
実際に散歩を中心に体重管理をした妊婦さんの声も参考になります。@dhchan666さんは「妊娠時にトータル20kg増えたけど産後6ヶ月で元に戻った。食べたい時は食べて適度に運動、妊娠中はちなみに散歩くらい」と振り返っています。特別なトレーニングでなくても、散歩の積み重ねが体重管理につながる一例です。
マタニティヨガ・マタニティスイミング
妊婦さんの体調や体型に合わせて考案された運動です。呼吸法を意識するマタニティヨガは、出産時の呼吸コントロールの練習にもつながります。
マタニティスイミングは浮力によって身体への負担が軽く、腰痛やむくみに悩む妊婦さんにも向いています。看護師や助産師が常駐する教室も多いため、体調不良時にすぐ相談できる環境かどうかを事前に確認しておくと安心です。
骨盤底筋トレーニング
座ったままでもできる、手軽な運動。イスに腰かけた状態、または立った状態で膣と肛門をゆっくり引き上げ、5秒キープしてから力を抜きます。これを10回程度、1日2〜3セット行なうのが目安です。
産後の尿もれ予防にもつながる運動のため、妊娠中期以降は意識して取り入れてみてください。
室内でできる踏み台昇降・足踏み運動
感染症や天候が気になる時期は、室内での運動が安心です。踏み台昇降運動は、ウォーキングに近い有酸素運動効果が期待できます。
必ず手すりや壁につかまり、身体を支えながら行ないましょう。高さは無理のない範囲にとどめ、5〜10分を目安にします。転倒が不安な方は、その場での足踏みだけでも血行促進とむくみ軽減の効果があります。
歩数を数値目標にして運動を続けている妊婦さんもいます。@ktmnattanさんは「運動不足解消のため、1日平均8,000歩を目指して結果7,523歩で目標達成できず。足を怪我して歩けなかった5日間が悔やまれる」と投稿しており、妊娠中期の運動記録として歩数を可視化する工夫がうかがえます。室内運動と組み合わせて歩数を管理するのも一つの方法です。
妊娠中の運動を中止すべきサイン・注意点
体調を考慮せず運動を続けることは禁物です。以下のサインが出た場合は、すぐに運動を中止してかかりつけの病院を受診してください。
- 性器出血やおりものの異常な増加
- 規則的なお腹の張りや痛み
- 破水感、めまい、息切れ、動悸
- 頭痛や視界のかすみなど妊娠高血圧症候群を疑う症状
運動の前後はこまめな水分補給も忘れないようにしましょう。「安定期に入ったらすぐ以前と同じ強度で運動したい」という声も聞きます。しかし妊娠中は体調を最優先し、無理のない強度で行なってください。
運動強度の目安としては「会話をしながら続けられるペース」を基準にすると分かりやすいでしょう。息が切れて会話ができないほどの運動は、母体への負荷が大きすぎるサインです。持病がある方や医師から運動制限の指示を受けている方は、自己判断せず主治医の許可を得てから始めてください。

お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
妊娠初期の流産と胎児の健康リスクを知るためのNIPT(新型出生前診断)
妊娠初期の流産は主に胎児側の染色体異常が原因とされ、運動の影響はほとんどありません。とはいえ、赤ちゃんの染色体異常による先天性疾患のリスクを早期に知りたいと考える妊婦さんも多いのではないでしょうか。
ヒロクリニックNIPTのNIPT(新型出生前診断)は、エコー検査で妊娠を確認した後に受けられる検査です。比較的早い時期から、胎児の染色体異常リスクを調べられます。母体からの採血のみで完結するため、胎児への直接的な侵襲(ダメージ)はありません。
ダウン症候群(21トリソミー)については感度・特異度ともに99.9%以上とされ、結果報告率は99.98%です。NIPT検査実績は75,000件を超えており、東京衛生検査所(国内)で検査するため、最短2〜5日で結果を確認できます。
プランに迷う場合は、経験豊富な医師やスタッフに相談できる体制も整っています。年齢制限や紹介状は不要です。無理のない運動を習慣にしながら、健やかな妊娠期間を過ごすための一つの選択肢として検討してみてください。
よくある質問
妊娠中の運動について、妊婦健診の場でよく寄せられる質問をまとめました。
Q. 妊娠中の運動はいつから始めていいですか?
A. 体調が良ければ妊娠初期から軽いウォーキング程度は可能です。本格的な運動習慣は、つわりが落ち着き体調が安定しやすい妊娠16週以降(安定期)から始める方が多いでしょう。開始前に医師に相談してください。
Q. 妊娠初期でも運動して大丈夫ですか?
A. 激しい運動でなければ問題ないとされています。妊娠初期の流産の多くは胎児側の染色体異常が原因で、母体の運動量が直接影響することはほとんどありません。体調を優先し、無理のない範囲で動いてください。
Q. 妊娠中に避けるべき運動はありますか?
A. 転倒や腹部への衝撃リスクが高いスポーツ(スキー、乗馬、球技の激しい接触プレーなど)は避けてください。仰向けで長時間行なう腹筋運動や、高温多湿での激しい運動も控えましょう。
Q. 運動中に気をつけるべき体のサインはありますか?
A. 出血、規則的なお腹の張り、破水感が出た場合はすぐに運動を中止してください。めまい、息切れ、強い動悸がある場合も、かかりつけの病院を受診しましょう。
Q. NIPT(新型出生前診断)を受けるタイミングと運動は関係ありますか?
A. 直接の関係はありません。NIPTは母体からの採血で行なう検査のため、運動習慣の有無が結果に影響することはないとされています。エコーで妊娠を確認した後、早い時期から検査を検討できます。
【参考文献】
- MSDマニュアル – 妊娠中の高血圧
- 国立健康・栄養研究所 – 食生活の10のポイント
- ACOG(米国産科婦人科学会) – Exercise During Pregnancy
- WHO(世界保健機関) – WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour
お母さんと赤ちゃんのためにNIPT検査で安心を
監修:ヒロクリニック統括院長 岡博史 医師
妊娠中はお腹の赤ちゃんのことが気がかりで、身体を動かすことを不安に思う妊婦さんが多くいらっしゃいます。この記事では妊娠中の運動不足がもたらすデメリットや、おすすめする運動、また妊娠初期の流産と運動の関係性についてを医師が説明いたします。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。


