7q11.23重複症候群とは|ウィリアムズ症候群と対をなす疾患と大動脈拡張

7q11.23重複症候群は、ウィリアムズ症候群と同じ領域が「欠ける」のではなく「増える」ことで起こります。表出言語の障害が目立つこと、ELNの重複による大動脈拡張、心臓と発達の管理について解説します。

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このテーマの総合ガイド微小欠失症候群とは(総合ガイド)

検査結果に「7q11.23重複」と書かれ、ウィリアムズ症候群という名前も一緒に出てきて混乱されているかもしれません。

結論からお伝えします。7q11.23重複症候群は、ウィリアムズ症候群とまったく同じ領域が、欠けるのではなく増えることで起こる疾患です。両者は対をなす関係にあり、症状も対照的な部分があります。

とくに大切なのは、言葉を話すこと(表出言語)の障害が目立つ点と、大動脈が広がる変化に注意が必要な点です。

💡 この記事でわかること

  • 7q11.23重複症候群がどのような変化なのか
  • ウィリアムズ症候群との対照的な関係
  • 表出言語の障害が目立つこと
  • ELN遺伝子の重複と大動脈拡張
  • NIPTで分かる範囲と、確定診断の流れ

1. ウィリアムズ症候群と対をなす疾患です

ウィリアムズ症候群(ウィリアムズ・ボイレン症候群)は、7番染色体長腕11.23(7q11.23)が欠けることで起こります。本記事の7q11.23重複症候群は、同じ領域が増えることで起こります。

この領域は繰り返し配列に挟まれているため、欠失と重複のどちらも起こりやすいことが知られています。

2. 主な症状

領域報告されている内容
言葉運動・言語発達の遅れ。とくに表出言語(話すこと)の障害が目立つと報告されています
発達・知能知的障害。程度には幅があります
筋緊張筋緊張低下(体がやわらかい)
頭囲大頭(頭囲が大きめ)
神経てんかん、脳の構造的な異常
心臓・血管大動脈拡張(後述)
行動・顔つき行動面の問題、特徴的な顔つき

報告にもとづく整理です。すべてが必ず現れるわけではありません。

3. ★大動脈への注意|ELN遺伝子

この領域にはエラスチン(ELN)という、血管の弾力に関わる遺伝子が含まれています。

ウィリアムズ症候群ではELNが1つ足りないため、大動脈弁の上が狭くなる(大動脈弁上狭窄)ことが知られています。一方、本記事の重複ではELNが1つ多いため、大動脈が広がる(大動脈拡張)ことが報告されています。

症状が乏しくても、心臓と大血管の定期的な評価が勧められます。循環器の専門医とご相談ください。

4. NIPTでわかりますか

標準的なNIPTの対象には含まれません。基本のNIPTが対象にするのは21・18・13トリソミーという染色体の「数」の変化です。本記事のような部分的な欠失・重複は、微小欠失部分欠失・重複まで対象を広げたプランでのみ扱われます。

そのうえで、NIPTは非確定的なスクリーニング検査です。公益社団法人日本産科婦人科学会の指針でも、NIPTの結果はスクリーニングの範囲にとどまるとされています。陽性所見が出た場合は、羊水検査などの確定検査で判断します。対象範囲は検査プランによって異なります。迷われる場合はプラン診断もご利用ください。

5. 確定診断の検査

中心になるのは染色体マイクロアレイ検査(CMA)です。従来の顕微鏡による染色体検査(G分染法)では見つけられない、数百kb〜数Mb単位の微細な過不足を検出でき、どこからどこまでが変化しているのかという範囲まで分かります。

見つかった変化がご両親から受け継いだものか、偶発的に生じたもの(デノボ)かを確かめるため、ご両親の検査を併せて行うことがあります。

よくある質問

Q. ウィリアムズ症候群と同じ病気ですか。
別の疾患です。同じ7q11.23領域について、ウィリアムズ症候群は欠けている状態、本記事は増えている状態で、症状も対照的な部分があります。

Q. 心臓の検査は必要ですか。
必要です。ELN遺伝子が1つ多いことにより大動脈が広がる変化が報告されており、循環器での定期的な評価が勧められます。

Q. 言葉の遅れにはどう対応しますか。
表出言語の障害が目立つと報告されています。言語聴覚療法を含む早期の療育をご検討ください。

監修:岡博史(おか ひろし) / 医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director。慶應義塾大学医学部卒業。日本とアメリカの医師国家試験に合格し、医学博士。国内でも数少ないラボディレクター資格を保有しています。本記事は医療広告ガイドラインに配慮し、GeneReviews・OMIMほか公的機関・学会情報および査読済みの学術論文を参照して作成しています。記載の頻度・数値は報告例が少なく文献により幅があり、診断・治療の最終判断は担当医にご相談ください。

7q11.23重複症候群は、ウィリアムズ症候群と同じ領域が「欠ける」のではなく「増える」ことで起こります。表出言語の障害が目立つこと、ELNの重複による大動脈拡張、心臓と発達の管理について解説します。

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医師監修 監修日:2026年9月6日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

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