妊娠9週目の母体変化とエコーでわかるダウン症【医師監修】(エコー写真の画像あり)

ダウン症エコー写真9週目

妊娠9週はエコー検査で分娩予定が決まる時期です。胎芽であった赤ちゃんがヒトの形へ成長しエコー検査で胎児心拍の確認ができる頃でしょう。この記事ではエコーで分かる胎児の様子とダウン症、そしてNIPT(新型出生前診断)についてを医師が解説します。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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出生前診断が税込4.5万~26.4万円

妊娠9週の赤ちゃん

妊娠9週は、妊娠3カ月目の2週目となります。まだ妊娠初期にあたる時期です。 

なお妊娠週数および月数の数え方ですが、週数は0週から「満」で数えるのに対し、妊娠月数は1カ月から「数え」で数えます。したがって、妊娠3カ月とは妊娠8~11週となります。

赤ちゃんの状態

妊娠9週の赤ちゃんの大きさ(胎児頭殿長:CRL)は20~30mm、胎嚢(GS)は5.7cm、体重は1~3g程度です。ちょうどいちご1個分くらいの大きさです。胎児はヒトらしい形に成長してきており、区切りができて頭と身体が分かれてきます。顔や手足の指などの細かい部位も少しずつできてくる時期です。また、生殖器の発達が始まるのも妊娠9週頃でしょう。

また、胎児心拍が最も速くなるのが妊娠9週です。胎児心拍は妊娠5週に90~100 回/分くらいであり、この頃にエコー(超音波検査)で初めて確認されることが多いとされています。妊娠9週までは心拍数はどんどん増え、妊娠9週の中ごろに170~180回/分でピークを迎えます。その後、妊娠週数が進むとともに胎児心拍は少しずつ減っていき、妊娠16週頃には150回/分程度で出産日まで安定します。

妊娠9週目のエコー写真

妊娠9週目のエコー写真です。

赤ちゃんの性別がわかる時期

お母さんは赤ちゃんの健康状態とともに性別も気になるのではないでしょうか。赤ちゃんの性別はいつわかるのかと、待ち切れないお母さんも多いことでしょう。

エコー検査では妊娠9週のまだ小さな赤ちゃんの性別を調べることはできません。なお赤ちゃんの性別は性染色体によって決まります。男の子であればXY染色体、女の子であればXX染色体です。

ヒロクリニックNIPTNIPT(新型出生前診断)では性染色体を調べることで、赤ちゃんの性別を調べることが可能です。NIPT(新型出生前診断)は妊娠初期より検査をおこなうことができるため、赤ちゃんの性別を早期に知ることができます。

世界最高水準のNIPT
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妊娠9週に現れる母体の変化

妊娠9週のお母さんの身体の中では、妊娠中に出るホルモン(hCG)の分泌量が増え、少しずつ妊婦さんらしい身体の変化が訪れます。

母体の変化とつわりの症状

妊娠9週頃になると妊婦さんらしく、腰回りが大きくなりはじめます。またホルモンの影響で、乳房も大きくなり始めます。 

つわりのピークが来るのもこの時期とされています。「つわりで一日中気持ち悪い」「つわりで栄養不足が心配」と言ったお母さん方の不安の声は少なくありません。つわりを抑える薬はありませんが、妊娠12週頃になるとつわり症状が軽くなり、妊娠16週頃につわりが治まるとされています。つわりが辛い時は無理に食事をする必要はありません。脱水状態にならないよう注意し、安静に過ごすことが大切です。

起こりやすいトラブルと気をつけたいこと

妊娠7〜9週は、流産の確率が最も高い時期といわれています。ただし、この時期に起こる流産の原因はほとんどが染色体異常であり、妊婦さんの生活や行動の問題で起こる可能性は低いとされています。

まだ胎盤が安定していないため、過度な仕事や運動によって切迫流産を起こすことも少なくありません。

また、つわりの症状がピークを迎える時期でもあります。つわりの症状には個人差があり、つわりが軽い方もいれば、水分を摂ることが難しいほど重いつわりの方もいます。つわりを抑える薬はないため、それそれがつわりが和らぐ方法を見つけることが大切です。しかし、重度の脱水状態を引き起こすと母子ともに危険であり、水分がとれない、体重減少が著しい場合は早期受診を心がけましょう。

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妊娠9週の検査

妊娠9週で実施されるおもな妊婦健診は以下の通りです。公費で受けることができる検査の他に、さまざまな自費検査もあるため、ご自身に必要であれば検討するとよいでしょう。なお、一般的な妊婦健診では、赤ちゃんの21トリソミー(ダウン症候群)などの染色体異常症を早期に見つけることは難しいとされています。

妊婦健診

妊婦健診とは妊娠中の母子の健康を守り、赤ちゃんの成長を調べるために大切な定期検診です。厚生労働省によると妊娠初期から妊娠23週までは4週に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは週1回の受診が推奨されています。妊婦健診は保険適用ではありませんが、お住まいの各自治体によって助成金が申請できるため、母子手帳を受け取る際に窓口などでしっかり確認しましょう。

1.健康状態の把握

問診・診察

2.検査計測

妊婦さんの健康状態と赤ちゃんの発育状態を確認するためのものです。血圧、浮腫(むくみ)、尿検査(糖・蛋白)、体重、身長(1回目の健診のみ)。特に母体体重は大切な測定ポイントとされ、痩せ型の女性(BMI<18.5)は、切迫早産や早産の危険が高くなるとされています。

一方、肥満傾向にある女性は(BMI≧25)は、妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・帝王切開分娩・巨大児のリスクが上昇します。その他にも死産や二分脊椎など生まれつきの病気(先天性疾患)のリスクも増えるとされ、注意が必要です。

3.保健指導

食事や健康のアドバイスを始めとし、妊娠・出産・育児に対する不安や悩みの相談をおこないます。

4.必要に応じておこなう医学的検査

 4-1.血液検査
  1. 初期に1回おこなわれる項目:血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)・血算・血糖・B型肝炎抗原・C型肝炎抗体・HIV抗体・梅毒血清反応・風疹ウィルス抗体
  2.  妊娠30週までに1回おこなわれる項目:HTLV-1抗体 

以上の検査は、安全に出産をおこなうための検査です。B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒・HTLV-1は母子感染の可能性があるため、検査で陽性が確認された場合は治療について主治医とよく相談しましょう。

4-2.子宮頸がん検診(細胞診)

妊娠初期に1回 

4-3.エコー検査

妊娠23週までに2回。排卵日が特定できない場合、エコー検査により妊娠8〜10週の頭殿長(CRL)を計ることで、分娩予想日の推測に利用します。また、お腹の中の赤ちゃんの様子を直接見ることができる検査なので、広い意味での出生前診断とされています。

4-4.性器クラミジア検査

妊娠30週までに1回、母子感染を予防するための検査です。検査で陽性であった場合は赤ちゃんに感染することのないように、抗生物質を投与して治療をおこないます。

4-5.GBS検査

妊娠35~37週にGBS(B群溶血性連鎖球菌)の検査をおこないます。陽性の場合は、まれに新生児の肺炎や敗血症の原因となるため、分娩前に抗菌薬を投与します。

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自費の検査

1.細菌培養検査

膣内の細菌叢が正常かどうか、また悪い細菌がいないかどうかを調べる検査です。悪い細菌がいると、切迫流産や早産の原因となることがあります。

2.TPHA検査

梅毒の検査です。妊婦健診で受けられる梅毒血清反応は、妊婦さんの場合は偽陽性(本当は陰性なのに陽性と判定されること)となることが稀にあります。TPHA検査を組み合わせることで、より正確に判断することができるとされています。

3.トキソプラズマ抗体検査

ペット(特に猫)を飼っている方に必要とされる検査です。妊娠中に感染すると、赤ちゃんにも感染して先天性トキソプラズマ症を発症し、脈絡網膜炎、脳内石灰化や水頭症などを引き起こすことも少なくありません。感染が判明した場合は、妊娠中にお母さんの治療をおこなうことで、赤ちゃんへの感染をふせぐことが可能です。

4.乳がん健診

妊娠中の乳がんは進行が早いため、一年以内に乳がん健診を受けたことがない場合は妊娠早期に検査をおこなうと良いでしょう。

5.NIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)は妊娠初期より母体血液のみで検査をおこなうことが可能です。お母さんの血液中に含まれる赤ちゃん由来のDNAを採取・分析することで21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)など胎児のもつ染色体異常リスクの可能性を調べる検査とされています。

なお、ヒロクリニックNIPTでは、妊娠が超音波検査で確定したときからNIPT(新型出生前診断)の予約ができます。

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ダウン症はエコー検査でいつからわかるか 

妊娠中にお母さんが最も心配なことは赤ちゃんの健康状態でしょう。妊娠9週頃になるとエコー検査により、お腹の赤ちゃんの心拍がはっきり確認できます。しかし、この頃の赤ちゃんはまだとても小さく、エコー検査では21トリソミー(ダウン症候群)などを見つけることはできません。

エコー検査により21トリソミー(ダウン症候群)がわかるのは、一般的に妊娠11週以降とされています。エコー検査では赤ちゃんの後頭部、首のむくみを目視で確認をおこないます。後頭部・首のむくみは「NT値」(=Nuchal Translucency)という数値で表されますが、正常な赤ちゃんでも、NT値は徐々に厚くなる傾向があることから、エコー検査のみでは21トリソミー(ダウン症候群)はもちろん、他の染色体異常による先天性疾患を調べることは不可能といえるでしょう。そのため、妊娠中にはわからなかった赤ちゃんの先天性疾患が出産後に判明することも少なくありません。

NIPT(新型出生前診断)でわかる赤ちゃんの染色体異常症

妊婦健診によるエコー検査では、調べることのできない赤ちゃんの染色体異常による先天性疾患。妊娠早期に赤ちゃんの染色体異常症を見つけることは流産リスクを知ることにも繋がり、健やかな妊娠期間を過ごすために、とても大切といえるでしょう。

NIPT(新型出生前診断)とは妊娠早期におこなうことができる検査のことです。お母さんの腕から採血をおこない、赤ちゃんの染色体異常による先天性心疾患リスクの可能性を調べることができます。

NIPT(新型出生前診断)はお腹の赤ちゃんへ直接的な侵襲(ダメージ)はなく、21トリソミー(ダウン症候群)であれば、感度・特異度ともに99.9%と高精度に検出が可能な検査です。

また、ヒロクリニックNIPTは、つわりがピークを迎え外出が困難なお母さんのためにご予約・同意書・問診はすべてインターネットで完了できるシステムとなります。NIPT(新型出生前診断)についてのご質問や染色体異常症に関するご不安など、ぜひヒロクリニックNIPTにご相談ください。

【参考文献】

妊娠9週はエコー検査で分娩予定が決まる時期です。胎芽であった赤ちゃんがヒトの形へ成長しエコー検査で胎児心拍の確認ができる頃でしょう。この記事ではエコーで分かる胎児の様子とダウン症、そしてNIPT(新型出生前診断)についてを医師が解説します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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