妊婦のコロナワクチン接種は安全?母体と胎児への影響【医師監修】

妊婦のコロナワクチン接種は安全?

妊婦に対し、コロナワクチンの接種が推奨されています。研究やデータにより、メリットがリスクを上回ると報告されているからです。 本記事ではコロナワクチンを接種したときの妊婦や胎児、母乳や生殖器に及ぼす影響をカンタンに説明しています。

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コロナワクチンが妊婦・胎児・母乳・生殖器に及ぼす影響とは?

妊婦(妊娠希望者)・胎児・母乳・生殖器に、コロナワクチンは直接の悪影響を及ぼさないとされています。

悪影響とは、

  • 流産・死産のリスク
  • 母乳にコロナワクチンの成分が含まれる
  • 胎児の発育に影響がある
  • 不妊になる(男女とも)

妊婦に対し、悪影響が確認されていないコロナワクチン

2022年2月現在、悪影響がないとされているコロナワクチンはmRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチンです。

具体的には、

  • ファイザー社
  • 武田/モデルナ社

アストラゼネカ社のワクチンは、ウイルスベクターワクチンとなり
妊婦、胎児や乳幼児への悪影響に関するデータは、未だ不十分な状況です。

妊婦はコロナワクチンを接種した方が良い?

妊婦に対してもコロナワクチン接種が推奨されています。妊娠中、新型コロナウイルスに感染し重症化すると、

  • 早産
  • 妊娠合併症※1
  • 胎児への悪影響

上記のリスクが高まるからです。
とくに、妊娠後期に重症化しやすいといわれています。

コロナワクチンが供給された頃は、コロナワクチンによる悪影響のエビデンス※2が少ない状況でした。

しかし2022年2月現在、エビデンスの数が増え、妊婦及び胎児への影響は少ないとされています。これらのことから、厚生労働省や日本産科婦人科学会が妊婦に対し、コロナワクチンの接種を推奨しています。


そして日本だけでなく、海外でも妊婦に対し、コロナワクチン接種を推奨している状況です。

  • CDC(米疾病対策センター)
  • ACOG(米国産婦人科学会)
  • 英保健当局

※1 妊娠合併症:妊娠がきっかけとなり、病気になること。悪化した場合、母子ともに命の危険を招く可能性もある。
※2 エビデンス:証拠・裏付け・科学的根拠と同義です。たくさんのデータや研究により、得られた信ぴょう性。

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妊婦は免疫力が低下しているので、重症化しやすい

新型コロナウイルス感染において、妊婦は重症化しやすい傾向にあります。

妊娠していない女性と比較すると、妊婦の免疫力※3が低下しているからです。
母親の身体が胎児を異物とみなして攻撃しないために、母親の身体は免疫力を落としています。

免疫力低下によって、呼吸器感染症にかかった場合、妊娠後期に重症化しやすいとされています。

※3 免疫力:病気の元になる菌・ウイルス・異物などが身体にはいったとき、その影響から身体を守る力。力が弱ければ影響を受けやすく、病気になりやすい。

コロナワクチンの胎児への影響

授乳中にコロナワクチンを接種しても大丈夫?

授乳中のコロナワクチン接種も問題はないとされ、さまざまな機関が推奨しています。母乳中にコロナワクチンの成分が含まれないと考えられているからです。

コロナワクチン接種後の母乳に含まれるのは、新型コロナウイルスに対する抗体※4です。これにより、乳児の新型コロナウイルス感染や重症化を防ぐとされています。

※4 抗体:身体の中に異物(病原菌、ウイルスなど)がはいった際に、それを除去しようとする物質。免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質で免疫力の源とされる。

妊婦は優先的にコロナワクチンを接種することができる

厚生労働省や日本産科婦人科学会から、各医療施設や自治体に、妊婦の優先的接種を呼びかけています。

妊婦、及び妊婦の同居家族・配偶者も優先的にコロナワクチンを接種できるケースもあります。各医療施設や自治体によって、事情が異なるので確認が必要です。

妊婦とともに同居家族・配偶者が優先的な対象となる理由は、妊婦が新型コロナウイルスに感染する一番の感染源は同居家族・配偶者だからです。具体的には、約8割が同居家族・配偶者から妊婦へ感染しています。

コロナワクチン接種・妊娠中の安全性とは

妊娠中のコロナワクチン接種によって、流産や死産のリスクは上がらないとされています。コロナワクチンを接種していない妊婦と比較しても、リスク妊娠中のコロナワクチン接種による胎盤への影響は非常に少なく、流産や死産のリスクは上がらないとされています。コロナワクチンを接種していない妊婦と比較しても、リスクは同程度です。同じく、接種後の胎児に対する長期的な影響も、リスクは上がらないといえるでしょう。

  • 胎児の発育不全
  • 先天性奇形
  • 新生児の死亡する確率

上記は、コロナワクチンが直接の影響に関係ないとされています。

コロナワクチン接種・授乳中の安全性とは

授乳中の乳児にコロナワクチンの影響は出にくいとされています。なぜなら、母乳に含まれるコロナワクチンの成分は非常に少量と考えられているからです。たとえば、mRNAワクチン(コロナワクチン)を接種した妊婦の母乳を調べた研究があります。
これによると、母乳にはmRNA(ワクチン由来のmRNA)が含まれなかったとされています。これらのことからコロナワクチンの成分が直接、母乳に移行することはなく、コロナワクチンの接種で得た抗体が母乳に含まれるので、コロナワクチンを接種しても授乳をやめる必要はないでしょう。

妊婦のコロナワクチン接種の流れ

かかりつけの産婦人科医に、

  • コロナワクチンを接種してよいか
  • コロナワクチンの接種を行っているか

上記を、問い合わせてみましょう。 

かかりつけの産婦人科でコロナワクチンの接種をしていない場合は、

  • 他の医療機関
  • 地方自治体

上記が実施する個別接種や集団接種を予約できます。

自治体のホームページには、コロナワクチン接種を実施している医療機関一覧が掲載されている場合があります。

接種当日は、「現在妊娠している可能性はありますか。または授乳中ですか。」の質問に必ずチェックを行ない、接種会場の問診医に、かかりつけ医からコロナワクチン接種の許可を得ている旨を伝えましょう。

前日までの準備

新型コロナウイルスだけでなく、その他の感染症に罹患しない生活習慣、副反応※5に対する準備をしましょう。

感染しないためには、基本的な対策が大切です。

  • なるべく人と会わない
  • なるべく人混みにいかない
  • マスクを着用する
  • 手洗い・消毒を徹底する

※5 副反応:ワクチン接種後、発熱・しこり・倦怠感が出ること。新型コロナウイルス感染の症状とは異なります。

副反応への対策(解熱剤・痛み止めについて)

副反応に対応する薬について、必ずかかりつけ医と相談しましょう。

妊婦がコロナワクチンを接種しても、副反応が酷くなる報告はありません。

しかし副反応によるストレスが、母体と胎児に影響を与える可能性があるので、しっかりと準備しましょう。

たとえば、代表的な副反応に発熱があります。

妊娠中でも安全に使用できる解熱剤は、アセトアミノフェンです。ドラッグストアでも入手することができます。また、アセトアミノフェンは痛み止めの効果もあります。

アセトアミノフェンは下記のようなコロナワクチンの副反応にも対応しています。

  • 注射部位の痛み
  • 関節痛
  • 頭痛

解熱剤の種類によっては胎児死亡を引き起こす可能性もあります。また解熱剤に限らず、妊婦の服用を禁忌とする市販薬も少なくありません。妊娠中の服薬については自己判断せず、必ずかかりつけ医に相談を行ないましょう。

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当日の持ち物

当日の持ち物は、コロナワクチン接種を主催している自治体や医療機関へ問い合わせましょう。

一般的には、

  • 母子健康手帳
  • 本人確認書類
  • 接種クーポン
  • お薬手帳
  • 健康保険証

上記が必要になります。

コロナワクチン接種をスムーズにするため、肩をすぐに出せる服装と体調不良などに備え、対応可能な同伴者と会場を訪れることが望ましいでしょう。

コロナワクチンの妊婦への影響

妊婦がコロナワクチンを接種する際に注意すること

コロナウイルスのワクチンの偽物に注意

妊婦への接種が推奨されているワクチンは、mRNAワクチンです。
妊婦に対する安全性のデータがあるのは、現在下記のワクチンとされています。

  • ファイザー社
  • 武田/モデルナ社

日本国内では少ないかもしれませんが、世界ではコロナワクチンの偽造品がダークウェブで扱われているとされ、WHO(世界保健機関)が2021年3月に警告を発しています。

妊娠12週以降の接種を

妊娠12週以前は器官形成期※6であり、この時期を避けてコロナワクチンの接種が推奨されています。

器官形成期は、母親の身体と胎児が不安定な時期とされています。器官形成期の「不安定故に起こる異常かコロナワクチン接種の異常か」の区別ができず、混乱を招きます。

現時点で安全とされているコロナワクチンは、催奇性(さいきせい)※7や障害を起こさないとされています。かかりつけ医に、コロナワクチンを接種してもよい時期を確認してみましょう。

※6 器官形成期:臓器や組織になるものができる時期。たとえば、中枢神経や心臓、手足と目鼻など。胎児がもっとも母親の身体にはいった物質の影響を受けやすい時期。
※7 催奇性:ウイルスや放射線、薬剤が原因で胎児が奇形となる性質。

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なるべく接種日の数日前に健診

妊婦の身体は不安定で、コロナワクチンの予約をした日と接種日では体調が大きく異なる可能性があります。とくに、安定期(5か月以降)までは体調が変化しやすい時期です。

体調に不安がある際は、コロナワクチンを予約する前と接種日の直前に、かかりつけ医の健診を検討してみましょう。

妊婦のコロナワクチン接種は、どこでできる?

妊婦に対し妊婦に対し、優先的なコロナワクチンの接種は、おもに下記で実施されています。

  • 医療機関
  • 地方自治体

医療機関によっては妊婦の方へのコロナワクチン接種を実施していない場合があります。必ず事前に確認を行ないましょう。

妊娠中のコロナワクチン接種の相談はかかりつけ医に

現在、妊婦へのコロナワクチンの接種が推奨されています。

コロナワクチンの接種で得られるメリットが、デメリットやまだ発見されていないリスクを上回るとされているからです。

  • 厚生労働省
  • 日本産科婦人科学会
  • CDC(米疾病対策センター)
  • ACOG(米国産婦人科学会)
  • 英保健当局

現時点(2022年2月)で上記の機関が見解を発表しています。しかし、妊婦はコロナワクチン接種の努力義務からは除外されています。

妊娠中のコロナワクチン接種についての質問や不安は、かかりつけ医に相談を行ないましょう。

より健やかな妊娠と出産のためにNIPT(新型出生前診断)

コロナワクチン接種以外でも妊婦さんは赤ちゃんの健康について、常に不安に思うことでしょう。中でも赤ちゃんの染色体異常による先天性疾患のリスクを、一般的な妊婦健診で見つけることは難しいとされています。

ヒロクリニックNIPTによるNIPT(新型出生前診断)は、妊娠10週0日より検査を行うことが可能です。NIPT(新型出生前診断)とは、母体からの採血のみの検査となり、赤ちゃんへの直接的な侵襲(ダメージ)はありません。

NIPT(新型出生前診断)は、ダウン症(21トリソミー)に関して感度・特異度ともに99.9%と、非常に高精度なスクリーニング検査とされています。

ヒロクリニックNIPTは外出や人混みが不安な妊婦さんのために、ご予約・同意書・問診のすべてをネットで完了できます。また、NIPT(新型出生前診断)についてのご質問や不安なことは、ヒロクリニックNIPTの医師やスタッフに何でもご相談ください。より健やかな妊娠、出産を迎えるために最良のNIPT(新型出生前診断)プランを一緒に考えましょう。

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妊婦に対し、コロナワクチンの接種が推奨されています。研究やデータにより、メリットがリスクを上回ると報告されているからです。 本記事ではコロナワクチンを接種したときの妊婦や胎児、母乳や生殖器に及ぼす影響をカンタンに説明しています。

NIPTについて詳しく見る

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記事の監修者

川野 俊昭先生

川野 俊昭先生

ヒロクリニック博多駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科医として25年以上、主に九州で妊婦さんや出産に向き合ってきた。経験を活かしてヒロクリニック博多駅前院の院長としてNIPT(新型出生前診断)をより一般的な検査へと牽引すべく日々啓発に努めている。

略歴

1995年 九州大学 医学部卒業
1995年 九州厚生年金病院 産婦人科
1996年 九州大学医学部付属病院 産婦人科
1996年 佐世保共済病院 産婦人科
1997年 大分市郡医師会立アルメイダ病院 産婦人科
1998年 宮崎県立宮崎病院 産婦人科 副医長
2003年 慈恵病院 産婦人科 医長
2007年 日本赤十字社熊本健康管理センター診療部 副部長
2018年 桜十字福岡病院 婦人科
2020年 ヒロクリニック博多駅前院 院長

資格

日本産科婦人科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医

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