先天性異常とは、出生前から生じている異常のことです。いったい、どのような疾患があるのでしょうか。ここでは、代表的な先天性異常について特徴を紹介します。21トリソミー(ダウン症候群)を防げるのかについても解説しているので、参考にしてみてください。
お腹に赤ちゃんが来てくれた喜びとは裏腹に、この子がなんの異常もなく生まれてきてくれるのか不安に思ったことはありませんか?代表的な先天性異常としては、21トリソミー(ダウン症候群)が知られています。
しかし、先天性異常は21トリソミー(ダウン症候群)のみではありません。ここでは、主な先天性異常について特徴や症状を見ていきましょう。21トリソミー(ダウン症候群)が予防できるのかについても解説しています。
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先天性とは
先天性とは、「生まれつきの」という意味です。生まれつきもっている性質や疾患に対して使います。反対に、生まれた後に発症したものについては「後天性」という言葉を使うことが一般的です。
先天性異常疾患とは
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先天性異常疾患とは、出生時または出生前から存在する身体的・機能的な異常の総称です。原因は遺伝的要因・環境的要因・その両方が複雑に関係しており、すべての異常が予防できるわけではありません。
以下に、先天性異常疾患を**「予防できるもの」「予防が困難なもの」**に分類して解説します。
✅ 予防できる先天性異常疾患(予防可能性がある)
| 疾患名・異常 | 主な原因 | 予防策 |
|---|---|---|
| 神経管閉鎖障害(無脳症・二分脊椎など) | 葉酸欠乏・環境要因 | 妊娠前〜妊娠初期の葉酸摂取(400μg/日)で予防可能性あり |
| 先天性風疹症候群 | 妊娠初期の風疹ウイルス感染 | 妊娠前の風疹ワクチン接種(予防接種) |
| 先天性梅毒・トキソプラズマ感染 | 母体感染 | 妊娠中の感染予防(手洗い・加熱処理)、梅毒スクリーニング |
| 胎児性アルコール症候群 | 妊娠中の飲酒 | 妊娠前・妊娠中の禁酒 |
| 一部の薬剤性奇形(例:ワルファリン、レチノイド類) | 催奇形性薬剤の服用 | 妊娠計画前の薬剤変更、服薬管理の徹底 |
| 胎児薬物症候群 | 麻薬・違法薬物など | 妊娠前からの使用中止、禁煙支援や禁酒支援 |
一部の先天性異常は予防することができると言われています。たとえば、先天性風疹症候群は、風疹のワクチンを打つことで予防が可能です。
梅毒トレポネーマやヒト免疫不全ウイルス、B型肝炎ウイルスなど、感染を防ぐことで先天異常を回避できるものもあります。葉酸やビタミンAなど、栄養素の摂取量に気をつけることで防ぐことも可能です。
妊婦に葉酸が推奨されている理由とは?
妊娠中は葉酸をしっかり摂ろう、と一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。妊娠中に葉酸が必要になるのは、先天異常の一つである神経管閉鎖障害を予防するためです。
神経管閉鎖障害になると、神経管がうまく作られずに歩行障害や排便障害、水頭症などの症状が現われます。神経管が作られる妊娠初期の頃に葉酸の摂取量が不足していると、神経管閉鎖障害になるリスクが高まるのです。
1日に400μgの葉酸を摂取することで、神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。

葉酸とは
葉酸はビタミンの一種です。DNAやたんぱく質の合成などに関わる栄養素として知られています。かつてはビタミンMやビタミンBcとも呼ばれていました。食事からの摂取量が減ったり、吸収に何かしらの問題が生じたりしたときに不足しやすいと言われています。
葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害のリスクを高めるほか、巨赤芽球性貧血や神経障害、腸機能障害になりやすくなることが特徴です。葉酸を多く含む食品としては、枝豆やブロッコリー、鶏レバーや卵黄が知られています。
葉酸の摂取以外に、次のようなものも先天性異常の予防に効果的です。
予防接種
妊娠中に風疹にかかることが原因で起こる先天性異常が先天性風疹症候群です。先天性風疹症候群になると、難聴や白内障などの症状が現われます。妊娠前に風疹の予防接種を行うことで予防が可能です。パートナーから妊婦にうつる可能性もあるので、男性の接種も推奨されています。
ビタミンAや水銀を過剰に摂取しない
ビタミンAを摂りすぎると、催奇形性を起こす可能性があることがわかっています。代表的なのは耳の形態異常です。ビタミンAが入ったサプリメントは摂らず、食品から摂取することが推奨されています。
妊娠初期はビタミンAの摂取量が1日1,500μgREを超えないようにしましょう。水銀は胎児の中枢神経の発達に影響を及ぼす成分です。マグロやカジキなどは水銀の濃度が高いため、1週間で50~100g程度に摂取量を抑えることが推奨されています。
ヨウ素の摂取量に気をつける
妊娠中にヨウ素の摂取量が不足すると、胎児の流産や死産につながったり、先天性甲状腺機能低下症を招いたりする可能性があります。逆に過剰に摂取すると、甲状腺機能低下が起こりやすくなることも明らかです。
ヨウ素を多く含む昆布やわかめを摂りすぎないように注意しましょう。また、ポビドンヨードを含むうがい薬の使用も避けるようにしてください。
❌ 予防が難しい・できない先天性異常疾患(自然発生的)
| 疾患名・異常 | 主な原因 | 備考 |
|---|---|---|
| ダウン症候群(21トリソミー) | 染色体異常(非遺伝性) | 高齢妊娠でリスク上昇。基本的に予防不可能。 |
| エドワーズ症候群・パトウ症候群 | 染色体異常 | 自然発生的で予防困難 |
| 微小欠失症候群(22q11.2欠失、1p36欠失など) | 染色体の部分的欠失・重複 | ランダムな発生。予防困難。 |
| 単一遺伝子異常(例:嚢胞性線維症、脊髄性筋萎縮症) | 常染色体潜性・顕性などの遺伝 | 保因者スクリーニングによりリスク予測は可能だが、予防は困難 |
| 先天性心疾患の多く(非環境性) | 原因不明・遺伝的背景 | 一部は染色体異常や遺伝子異常に関連 |
| 構造異常(口唇口蓋裂・四肢異常など) | 多因子性(遺伝+環境) | 妊娠中の環境因子が影響するが予防は限定的 |
ただし、染色体異常を防ぐ有効な方法はあまりありません。しいて言えば、高齢出産を避けることが挙げられるでしょう。多くの染色体異常は、出産年齢が高齢になるほど発生率が増加するためです。
とはいえ、若い年齢で妊娠出産をしたからといって、先天性異常を防げるというわけではありません。このことから、先天性異常には防げるものとそうでないものがあると言えます。
21トリソミー(ダウン症候群)
ダウン症候群は、21トリソミーとも呼ばれます。染色体は2本ずつの組み合わせになって対で存在しているのが正常な状態です。しかし21トリソミー(ダウン症候群)の場合は、21番目の染色体が2本ではなく3本になっています。
筋肉の緊張の低下や発達の遅延がよく見られる症状です。心臓疾患や消化器疾患、甲状腺の機能低下などを合併していることもあるでしょう。心臓疾患に関しては、小児の約半数に見られます。
首の後ろの皮膚が余っており、耳の位置が低かったり目がつり上がっていたりすることが特徴です。妊娠中のエコー検査で、首の後ろにむくみが見つかって21トリソミー(ダウン症候群)が発覚することもあります。
しかし、生まれるまで>21トリソミー(ダウン症候群)がわからないこともあるものです。生まれてすぐでも気づかれず、しばらく成長してから発覚することもあります。
21トリソミー(ダウン症候群)の死因は、多くが心臓病や白血病です。平均寿命は55歳と言われています。正常な小児の平均IQは100ほどですが、21トリソミー(ダウン症候群)では50ほどです。発達に遅れが見られることが多いため、学校生活や仕事では周りのサポートが必要となるでしょう。
ダウン症ははNIPT(新型出生前診断)で検査することができます。予防することは難しいですが、NIPTをうけることによって予見することは可能です。
📝 まとめ
| 分類 | 例 | 備考 |
|---|---|---|
| ✅ 予防可能 | 神経管閉鎖障害、感染症、胎児性アルコール症候群など | ワクチン・栄養・生活習慣で対策可能 |
| ❌ 予防困難 | 染色体異常、遺伝子異常、自然発生性奇形など | 多くが偶発的で予防不可能、出生前診断での把握は可能 |
【参考文献】
- 難病情報センター –先天性
- MSDマニュアル家庭版 – 先天異常の概要 – 23. 小児の健康上の問題
- 厚生労働省 – 第7表 死因順位1)(1~5位)別死亡数・死亡率(人口10万対)
- MSDマニュアル家庭版 – ダウン症候群(21トリソミー) – 23. 小児の健康上の問題
- MSDマニュアル プロフェッショナル版 – 18トリソミー – 19. 小児科
- MSDマニュアル家庭版 – 13トリソミー – 23. 小児の健康上の問題
- 国立感染研究所 – 先天性風疹症候群とは
- 日本産婦人科学会 – 食事と先天異常
- ヘルスサイエンス・ヘルスケア Volume 16,No.2(2016 – 高齢出産は先天異常を増やすか?生殖補助医療先天異常データの分析
- 厚生労働省e-ヘルスネット – 葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
- 難病情報センター – 脊髄髄膜瘤(指定難病118)
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 – 「健康食品」の安全性・有効性情報「葉酸解説」
- 北海道大学 – 葉酸摂取のすすめ
- 厚生労働省 – 6. 2. 5.ヨウ素( I )
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先天性異常とは、出生前から生じている異常のことです。いったい、どのような疾患があるのでしょうか。ここでは、代表的な先天性異常について特徴を紹介します。21トリソミー(ダウン症候群)を防げるのかについても解説しているので、参考にしてみてください。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
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日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
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