疑問を安心に変えるNIPT
新型出生前診断
はじめに
経産婦と初産婦では、胎動の感じ方からつわり、陣痛、産後の回復まで、感じ方に違いが出やすいことが分かっています。同じ「妊娠」でも、一人目と二人目以降では体の反応がまったく違うと戸惑う方も少なくありません。
この記事では、経産婦と初産婦の違いを妊娠初期から産後まで時系列で整理し、実際にSNS上で見られた経産婦さんたちの声もあわせて紹介します。個人差が大きいテーマだからこそ、傾向と実例の両方を知っておくと安心につながります。
この記事でわかること
- 経産婦の定義と初産婦との違い
- 妊娠初期〜後期であらわれやすい体調の違い
- 陣痛・分娩時間・後陣痛の傾向
- 産後の回復や母乳育児で経産婦が感じやすいこと
- 経産婦でも受けられるNIPT(新型出生前診断)の基礎知識
【この記事の監修者】岡 博史(おか ひろし)
医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長 / Labo Director(ラボディレクター)
慶應義塾大学医学部卒業後、日本とアメリカの医師国家試験に合格。臨床研修後2年で医学博士を取得し、専門職大学の客員教員も務める。日本に20人ほどしかいないラボディレクター資格を保有し、世界最高峰のNIPT提供を目指す。著書『妊娠したら最初に読んで欲しい本』、YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」でも情報発信中。
初産婦とは
初産婦(しょさんぷ)とは、初めて妊娠・出産を経験する女性のことです。妊娠経過も出産の進み方も未経験のため、体調の変化ひとつひとつに戸惑いやすい時期といえます。
経産婦とは
経産婦(けいさんぷ)とは、妊娠22週以降の胎児を1回以上出産した経験のある女性を指す言葉です。長期間の間隔が空いていても、一度でも妊娠・出産経験があれば経産婦に該当します。
初産婦・経産婦という分類は、あくまで出産回数にもとづく医学的な区分です。年齢や体質による個人差のほうが大きく影響する場面も多いため、「経産婦だから必ずこうなる」と決めつけずに読み進めていただくのがおすすめです。日本産科婦人科学会でも、周産期に関する用語や定義を継続的に整理しています。

妊娠初期から出産までの流れに違いはある?
経産婦は経験があるぶん出産が楽になりやすい一方、必ずしも全員に当てはまるわけではありません。ここからは、出産経験の有無がお産に及ぼす影響を妊娠初期・中期・後期・出産・産後の順に解説します。
妊娠初期の初産婦と経産婦の違い
妊娠初期は、胎動を感じ始める時期やつわりの感じ方に違いが出やすい段階です。初産婦は分からないことが多く不安を抱えやすい一方、経産婦は経験を頼りに乗り越えやすいという声もよく聞かれます。
胎動の感じ方
胎動を感じ始める時期は、経産婦のほうが早い傾向にあります。早い人で妊娠4か月ごろから、遅くとも妊娠7か月ごろまでには感じることが多いようです。経験から胎動の感覚をつかみやすいことも理由のひとつです。加えて、やせ型で皮下脂肪が少ない人、羊水がやや少なめの人、ゆったりした時間を確保できている人は、より気づきやすくなります。
反対に、上のお子さんのお世話や仕事に追われていると、経産婦であっても胎動に気づきにくいことがあります。私自身、外来で「あれ、今日は動きが少ないかも」と経産婦の患者さんから相談を受けることが少なくありません。焦らず、静かな時間を意識してみてください。
つわりの感じ方
つわり症状そのものは、経産婦よりも初産婦にあらわれやすい傾向があります。ただし、つわりが重症化した妊娠悪阻(にんしんおそ)については、経産婦のほうが多いという報告もあります。一人目より二人目のほうが軽く感じるケースが一般的とされる一方、妊娠悪阻に至ると二人目のほうが重くなることもあるのです。
つわりはストレスや疲労によって悪化しやすいとも言われています。症状の感じ方には個人差があります。「一人目より二人目のほうが楽だった」という声があります。一方で「二人目のほうがつらかった」という声もあり、こうした背景が影響していると考えられます。実際、妊婦の20〜50%は無症状か、訴えるほどの症状が出ていないという報告もあります。
SNS上でも、つわりのつらさについて経産婦の立場から発信する投稿が見られます。あるユーザーは、パートナーへの愚痴投稿に共感しつつ「@kankoro_side40」さんが次のように綴っていました。「奥さんがつわり中のご主人の愚痴投稿、ご主人の気持ちも、めーーーっちゃ分かるけど、それでもやっぱり経産婦として言いたいのは『あなたの子供を身ごもってます』なのよ。つわりに関しては、妊娠という『2人の共同作業』なのよ。だから、自分だけが終わりなく苦しんでいるという事実が本当にしんどい。」というリアルな声です。二人目以降のつわりだからといって、周囲の理解や気遣いが不要になるわけではないと分かる投稿です。
疑問を安心に変えるNIPT
新型出生前診断
妊娠中期の初産婦と経産婦の違い
妊娠中期は、つわりが落ち着いて体調が安定し、お腹が大きくなっていく時期です。経産婦のほうが、初産婦のときよりお腹の膨らみを早く感じやすいという声もあります。
妊娠線
経産婦は前回の妊娠でお腹が大きくなった経験があるため、皮膚が伸びやすく妊娠線ができにくいと言われています。子宮と胎児が大きくなるスピードに、お腹の皮膚の伸びが追いつかないことが妊娠線の主な原因です。とはいえ、経産婦であっても油断は禁物。体質による差も大きいため、保湿ケアは継続して行ってください。
妊娠後期の初産婦と経産婦の違い
出産が近づくと、粘液栓・おしるし・前駆陣痛・破水といったサインがあらわれます。これらは初産婦と経産婦で大きな差はないとされていますが、感じ方には個人差があります。
おしるし
初産婦にははっきりしたおしるしがあり、経産婦は分かりにくいと言われることがありますが、必ずしもそうとは限りません。おしるしのある経産婦、おしるしのない初産婦もいるため、出産経験の有無より個人差によるところが大きいようです。
破水
一般的には、おしるし→前駆陣痛→破水の順で出産の前触れが起こることが多いのですが、破水が先にくる人も少なくありません。陣痛がこないまま破水する「前期破水」は、初産婦・経産婦による違いはなく、個人差が大きいとされています。破水かどうか判断に迷う場合は、自己判断せずすみやかに医療機関へ連絡してください。
前駆陣痛
前駆陣痛が始まる時期も、初産婦・経産婦の差ではなく個人差で前後すると言われています。妊娠36〜40週ごろに起こることが多いものの、早い場合は妊娠28週で現れることもあります。
出産
出産予定日は超音波検査による推定であり、出産の兆候自体に初産婦・経産婦の明確な違いはないと考えられています。ただし、胎児の下降するタイミングには違いが見られます。
初産婦の場合、胎児の下降は分娩開始の数週間前から始まることが多いようです。一方、経産婦は分娩開始の間近になってから下降するケースが多いといわれています。
疑問を安心に変えるNIPT
新型出生前診断
予定日より早い?遅い?
初産婦よりも経産婦の方が出産日が必ず早いというわけではありません。出産回数よりも個人差のほうが大きく、妊娠37週0日〜41週6日までの出産はいずれも正期産の期間にあたります。
胎児の下がり具合や子宮口の開き具合・柔らかさから出産予定日を予想することはできますが、確実な予測ではありません。

陣痛の感じ方初産婦と経産婦の違い
一般的に、2回目以降のお産にかかる時間は初産の半分程度と言われています。経産婦はすでに胎児が子宮頸管を通過しているため、子宮口が柔らかく開きやすいことが理由のひとつです。
ただし、これはあくまで傾向であり、全員に当てはまるわけではありません。@ichiko080さんは出産直後の投稿で、こう綴っていました。「産まれた!母子共に無事!経産婦、時間短くなるって聞いたけど当てはまらなかった!もう妊娠出産する事はないから貴重な新生児期を堪能するぞ」。経産婦でも分娩時間が短くならないケースがあると分かる、率直な投稿です。「経産婦だから早いはず」と思い込みすぎず、実際の経過に合わせて心構えをしておくと安心です。
陣痛
分娩時間の短さと、陣痛を感じる時間の短さは比例する傾向。分娩にかかる時間が短いほど、陣痛を感じる時間も短くなりやすいということです。陣痛の周期が一定になったら分娩の準備段階に入りますが、開口期から出産までの時間は、初産婦と経産婦で倍近く異なることもあります。
後陣痛
妊娠中、子宮は胎児の成長に合わせて大きくなります。分娩後は元の大きさに戻ろうと収縮し、その際に生じる痛みが後陣痛です。子宮の収縮には、子宮や胎盤に栄養を届けていた血管を締めて出血を止める大切な役割があります。
経産婦は子宮が収縮するスピードが速いため、後陣痛が強くなりやすいと言われています。出現時期には個人差がありますが、多くは出産当日から産後3日目にかけて痛みがピークに達し、その後は徐々に落ち着きます。産後4週間ほどは不定期に痛みが訪れ、子宮が妊娠前の状態に戻るまで産後8週間ほどかかることもあります。
疑問を安心に変えるNIPT
新型出生前診断
分娩時間
初産婦と経産婦では、陣痛の始まりから出産までの分娩時間に差が出やすい傾向があります。
分娩の所要時間の違い
分娩の所要時間の平均は、初産婦が12〜15時間、経産婦が4〜8時間と言われています。ただし前述のとおり、これは目安であり、全員に当てはまるものではありません。
陣痛促進剤の効果
予定日超過妊娠、前期破水、微弱陣痛、妊娠高血圧症などの理由で、陣痛促進剤を使って陣痛を誘発することがあります。効き目には個人差があり、すぐに陣痛が起こる人もいれば、数時間後や翌日に起こる人もいます。初産婦と経産婦を比較しても、陣痛促進剤の効果自体に違いはないとされています。促進剤が効かない場合は量を調整しながら様子を見るほか、医師の判断で帝王切開になることもあります。
産後の回復
出産後6か月までの疲労の自覚症状は、経産婦より初産婦のほうが多く訴える傾向にあります。出産後6か月まで、初産婦の自覚症状の訴えは経産婦の約2倍にのぼり、産後3か月がもっとも症状が強く出やすい時期とされています。
初産婦・経産婦を問わず、眠気やだるさ、肩こり、腰痛は自覚症状として多く挙げられます。帝王切開の場合はおなかの傷が治るまでおよそ6週間かかるとされ、経腟分娩に比べて回復を遅く感じることもあるようです。
母乳に変化はある?
経産婦は授乳経験から乳頭・乳輪がやわらかく伸びやすいため、授乳をスムーズに進めやすい傾向があります。一方、初産婦は乳頭・乳輪が小さめで、授乳が軌道に乗るまで少し時間がかかることがあります。
とはいえ、経産婦だからといって母乳育児が必ず楽になるわけではありません。2人目・3人目で高齢出産になるケースもあります。上のお子さんの世話に追われて授乳の時間を確保しづらくなり、疲労の蓄積から母乳育児が難しくなることもあります。
妊娠・出産に関する一般的な情報は、日本産科婦人科学会や日本産婦人科医会の公開情報でも確認できます。気になる症状がある場合は、自己判断せず、かかりつけの産婦人科に相談してください。
妊娠が確定したらNIPT(新型出生前診断)
NIPT(新型出生前診断)は、初産婦・経産婦を問わず、エコー検査で妊娠が確認できていれば受けられる検査です。検査方法は、お母さんの血液を採血するだけです。この血液から、胎児の21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)などの染色体異常を調べます。
従来の血液による出生前診断と比較しても、感度・特異度の面で検査精度がきわめて高いとされています。当院ではNIPT(新型出生前診断)の検査を国内の検査機関(東京衛生検査所)で行っており、最短2〜5日での結果報告が可能です。私も外来で、経産婦の方から「上の子の育児と検査スケジュールの調整が難しい」という声を伺うことがあります。そうした事情に配慮し、年齢制限なし・紹介状不要で受けられる体制です。
疑問を安心に変えるNIPT
新型出生前診断
経産婦と初産婦の違いに関するよくある質問
経産婦と初産婦の違いについて、患者さんからよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 経産婦とはどのような人を指しますか?
妊娠22週以降の胎児を1回以上出産した経験がある女性を指します。出産からの期間が空いていても、経産婦に分類されます。
Q2. 経産婦は初産婦より陣痛が軽く、お産が早いのですか?
子宮口が開きやすく、分娩時間が短くなる傾向はあります。しかし個人差が大きく、経産婦でも初産と変わらない、あるいはそれ以上に時間がかかるケースがあります。
Q3. 経産婦は胎動を感じやすいのですか?
経験があるぶん胎動に気づきやすいと言われています。ただし体形や生活リズムによって感じ方は異なり、忙しい時期は経産婦でも気づきにくいことがあります。
Q4. 経産婦は後陣痛が強くなるのはなぜですか?
経産婦は子宮が収縮するスピードが速いため、後陣痛を強く感じやすいとされています。多くは産後3日目ごろにピークを迎え、その後は徐々に落ち着きます。
Q5. 経産婦でも母乳育児で困ることはありますか?
授乳経験があるぶん軌道に乗りやすい一方、上のお子さんの世話で授乳時間を確保しづらく、疲労が重なって母乳育児が難しくなることもあります。
Q6. 経産婦でもNIPT(新型出生前診断)は受けられますか?
受けられます。エコー検査で妊娠が確認できていれば、初産婦・経産婦を問わず検査可能です。年齢制限や紹介状も不要です。
まとめ
初産婦と経産婦では、身体的にも精神的にも、経験による違いが出やすいことが分かりました。ただし、いずれも個人差の影響が大きく、「経産婦だから必ずこう」と決めつけられるものではありません。
不安なことが多い妊娠期だからこそ、正しい知識を得て、ご自身のペースでマタニティライフを過ごしてください。妊娠が確定したら、初産婦・経産婦を問わず受けられるNIPTの活用もあわせて検討してみましょう。
【参考文献】
- 社団法人日本産科婦人科学会編 金原出版 – 産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第2版
- 母性衛生,45(2),260-268,2004 國分真佐代 – 出産後6ヵ月までの母親の身体活動と自覚疲労の推移
- 日本産科婦人科学会
- 日本産婦人科医会
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。


