羊水検査について~NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違いとは?~【医師監修】

羊水検査

この記事では、NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違いを解説します。具体的な検査方法や、検査の精度、検査可能な時期や流産・死産につながるリスクの違いなど、どちらの検査を利用する際も、NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の特徴をよく理解しておきましょう。

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気になるNIPTの費用について

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NIPT(新型出生前診断)とは

NIPTとは、新型出生前診断とも呼ばれる、胎児の健康状態を知るための診断のことです。

お母さんの腕から採血を行い、血液検査によって、胎児のダウン症といった染色体異常を調べます。

検査の所要時間は、検査を受ける施設によっても異なりますが、診察や採血を含めて約1時間程度の場合がほとんどです。

従来の非確定検査としては、母体血清マーカーや、コンバインド検査といった検査方法が一般的でした。

しかし、これらの検査を行えるのは、早くても妊娠11週以降です。

一方で、NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週0日目からの検査が可能です。

そのため、赤ちゃんの状態を早く知ることができる検査方法として注目されています。

また、NIPT(新型出生前診断)では赤ちゃんの性別も知ることができます。

その精度は超音波診断よりも高いもので、ほとんどの場合、赤ちゃんの性別を間違って予測することはありません。

NIPT(新型出生前診断)の検査結果は、「陰性」か「陽性」で判定されます。

例外として、検体(血液)のDNAの量が基準を満たさない場合や、服薬中のお薬のために検査ができない場合は、結果が「再検査」と表示され、再検査を実施することがあります。

保険適応外の自費診療で、費用は検査の内容や施設によって、約9~24万円(税抜)程度です。

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NIPT(新型出生前診断)の精度

染色体検査の正確性を計る基準には、「感度」と「特異度」の2種類があります。

出産後に陽性であった妊婦のうち、検査で陽性が出ていた方の割合が感度です。また、出産後に陰性であった妊婦のうち、検査で陰性が出ていた方の割合が特異度です。つまり、感度と特異度が高いほど、検査の精度も高くなります。

NIPT(新型出生前診断)の検査精度は、21トリソミーに関しては、感度99.9%、特異度99.90%を誇ります。従来の血液による出生前診断と比較して検査精度の高いNIPT(新型出生前診断)は、赤ちゃんの異常染色体数をより正確に発見することができます。

しかし、NIPT(新型出生前診断)は非確定検査と呼ばれ、それだけでは胎児の異常についての確定診断には及ばない検査となります。

確定診断に至るには、次に説明する羊水検査を受ける必要があります。

羊水検査について
羊水検査について
NIPT(新型出生前検査)は、スクリーニング検査であり、確定検査ではありませんので、陽性と診断された方には羊水検査を行うことを推奨しておりま...

羊水検査とは

NIPT(新型出生前診断)での検査は、あくまで染色体異常の可能性を診断するいわゆる非確定検査です。

そのため、NIPT(新型出生前診断)で検査結果が陽性の場合は、確定診断である羊水検査が必要となります。

羊水検査の検査方法は、妊婦さんのお腹にエコーを当てながら、腹壁に長い注射針に似た針を刺して(羊水穿刺)、10〜20mlの羊水を吸引するといったものです。

吸引によって得られた羊水によって物質や羊水中の胎児細胞をもとに、染色体や遺伝子異常の有無を調べます。

保険適応外の自費診療で、費用は検査の内容や施設によって、約10~20万円(税抜)程度です。

羊水検査の検査方法

代表的な羊水検査の検査方法は、以下の3種類です。

<検査方法>

  • 染色体分染法
  • FISH法
  • マイクロアレイ法

①染色体分染法

染色体分染法は、蛍光色素を用いて、染色体の数や構造に異常がないかを検査する方法です。

顕微鏡を使って検査を行うため、顕微鏡でも見えないごく小さな欠失やモザイクについては、発見できないことがあります。

G分析法と呼ばれる検査方法が一般的です。

②FISH法

FISH法は、染色体の特定の箇所を、蛍光染色で光らせ、異常がないかを検査する方法です。

特定の染色体異常を発見するための検査となるため、大きな欠失や重複の確定診断に用いられる方法であり、遺伝子レベルのごく小さな欠失などについては、発見できないことがあります。

培養操作が必要ないため、染色体検査より早く結果が出るのも特徴です。

③マイクロアレイ法

マイクロアレイ法は、複数の染色体を細かい粒度でバラバラにして、蛍光物質を用いて詳しく観察し、異常がないかを検査する方法です。

①の染色体分染法より、約100倍も精緻な検査となり、その分検査の精度が高いという特徴があります。

羊水検査の精度

羊水検査は、それだけで結果がわかる確定診断です。羊水に含まれる胎児細胞を検査するもので、その精度はほぼ100%です。

しかし、羊水検査で正常と診断された胎児でも、100%の確率で正常とは限りません。羊水検査は、あくまで胎児の異常の確率を診断するものとなります。

羊水検査とは【医師監修】
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NIPTは、遺伝子の量から染色体の数や全染色体領域部分欠失疾患をみる検査ですが、羊水検査は染色体そのものを羊水からみる検査です。...

NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違い

NIPT(新型出生前診断)と羊水検査には、大きく分けて次の3つの違いがあります。

<NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違い>

  1. 検査可能な時期
  2. 検査可能な疾患の種類
  3. 流産や死産につながるリスク

違い①検査可能な時期

NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週以降から検査を行うことができますが、羊水検査は妊娠15~16週以降でないと受けることができません。

早期に受けられるNIPT(新型出生前診断)の結果が陽性の場合は、妊娠15〜16週以降に、確定診断のために羊水検査を受ける必要があります。

胎児に及ぼすリスクの少ないNIPT(新型出生前診断)は、羊水検査を受ける前の、リスクの少ないスクリーニング検査として活用されています。

羊水検査について~NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違いとは?~【医師監修】
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この記事では、NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違いを解説します。具体的な検査方法や、検査の精度、検査可能な時期や流産・死産につながるリ...

違い②検査可能な疾患の種類

ヒロクリニックでは、13,18,21番以外でもすべての常染色体のトリソミー、モノソミー、部分欠失、部分重複を調べることが可能で、また性染色体の異常も検査することが可能です。

違い③流産や死産につながるリスク

羊水検査では、子宮に針を刺し羊水を吸引するため胎児に及ぼすリスクもあります。

子宮に針を刺すことで、感染症にかかったり出血を起こす、羊水の漏出、破水が起こり、流産や早産を引き起こすことがあります。

また、子宮に物理的刺激を与えることで子宮が収縮を起こし、最悪流産に至ることもあります。

羊水検査での流産 ・ 死産の確率は1/300と言われています。

一方で、NIPT(新型出生前診断)はお母さんの腕からの採血によって検査をするため、流産のリスクがなく、安全性の高い検査と言えます。

まとめ

NIPT(新型出生前診断)と羊水検査には、どちらも胎児の健康の状態を知り、ダウン症といった染色体異常を調べるための検査です。

NIPT(新型出生前診断)は非確定診断である一方で、羊水検査は精度がほぼ100%の確定診断となります。また、検査可能な時期や、胎児に及ぼすリスクの面でも違いがあります。

妊娠10週以降の早い時期から検査可能なのはNIPT(新型出生前診断)で、羊水検査が可能なのは、妊娠15〜16週以降です。また、検査を受けてすぐに結果が出るわけではなく、NIPT(新型出生前診断)の場合は一般的に最短2日~7日、羊水検査の場合は一般的に2〜3週間の時間がかかります。

ほとんどの場合、検査は予約制なので、予約を取れるまで待つ必要がある場合もあります。そして、検査結果が出るまでの時間や、検査の結果を受けてご両親が今後の方針を話し合う時間を考えると、計画的に検査の予定を組むことが大切です。

検査をご希望の場合は、医師のカウンセリングを受けた上で、検査可能な時期に合わせて早めの段階で予約を入れておくと安心です。どちらの検査を利用する際も、両者の検査内容と違いを理解しておきましょう。

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この記事では、NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違いを解説します。具体的な検査方法や、検査の精度、検査可能な時期や流産・死産につながるリスクの違いなど、どちらの検査を利用する際も、NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の特徴をよく理解しておきましょう。

羊水検査について詳しく見る

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記事の監修者

岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士
慶應義塾大学 医学部 卒業

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