出生前診断はいつからいつまで?診断方法や種類などを詳しく解説!【医師監修】

出生前診断はいつからいつまで?

高齢出産が増えている日本で、今、注目を集めているのが「出生前診断」です。しかし、「どんな検査でいつからできるのかわからない」というのが本音でしょう。今日はその疑問を解消するための知識をお届けします。

妊娠15週目までの方はまだ間に合います
気になるNIPTの費用について

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出生前診断にはどんな種類があるの?

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に、どのような病気を持っているかを調べる検査のことです。

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に、どのような病気を持っているかを調べる検査のことです。

実はこの出生前診断には、「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類があります。

NIPT(出生前診断)とは
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新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

非確定的検査とは?

「非確定的検査」とは、お母さんやお腹の中の赤ちゃんに、苦痛や危険といったリスクが少ない検査方法です。

しかし、陽性であった場合には確定的検査を受けて診断を確定させなければなりません。非確定的検査には、次の4つの検査方法があります。

1.超音波検査(エコー検査)

超音波検査は、お腹の中の赤ちゃんに超音波エコーを使って先天性異常がないかを調べる検査です。

通常の妊婦検診のように、母体の腹部にエコーをあてることで、胎児の身体の画像を描出します。

そのため、流産のリスクはありません。そして、この超音波検査には、2種類あります。

a)妊婦健診での超音波検査(通常超音波検査)

通常の妊婦健診で行われる検査方法です。

胎児の成長や発育状況を確認するために行われ、胎児の首の後ろの厚さや胎児の発育状況等から、胎児の疾患の可能性を発見します。

費用は、2000円ほどで、妊娠初期(5~6週)から受けることができます。

しかし、この検査は妊婦検診とセットで行われるため、産婦人科によって費用が異なることがあります。

b)妊婦健診胎児ドック(胎児スクリーニング超音波検査)

胎児の内臓(心臓など)の形態や機能の変化を調べる精密な超音波検査のことを指します。

精密な超音波検査機器のため、この検査を受けることができる医療機関は限られています。

しかし、この検査では、胎児の染色体の変化等については「可能性」しか分からないため、診断の確定には確定的検査を行うことが必要です。

費用は1~2万円ほどで、妊娠初期(妊娠10~13週)、妊娠中期(妊娠18週~20週)、妊娠後期(妊娠28週~30週)の期間で受けることができます。

2.母体血清マーカー検査(クアトロ検査)

母体血清マーカー検査(クアトロ検査)は、妊娠15週~17週ごろの母体から採血した血液の成分を調べる検査のことです。

胎児の染色体の変化や開放性神経管欠損症の確率を算出します。

開放性神経管欠損症には、二分脊椎(脊柱の一部が正常に形成されない病気)や無脳症(脳が発達しない病気)があります。

この検査は、採血のみで母体への負担が少ない反面、お母さんの年齢や体重、妊娠週数、家族歴などが確率に影響されることや、正確なことは確定的検査をするまでは分からないといったデメリットがあります。

費用は、2~5万円ほどで、妊娠15~17週の期間で受けることができます。

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3.コンバインド検査

コンバインド検査は、組み合わせ検査と呼ばれ、妊娠11~13週ごろに精密超音波検査(エコー)と、母体から採血した血液成分を調べる血清マーカー検査の2つを組み合わせた検査を行います。

超音波検査単体、母体血清マーカー検査単体よりも精度が高いとされていますが、あくまで確率といったものなので、確実な診断は確定的検査を受ける必要があります。

費用は3~5万円ほどで、妊娠11~13週の期間で受けることができます。

4.NIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)は、「non-invasive prenatal genetic test(無侵襲的出生前遺伝学的検査)」の略で、母体から採血された血液の中に含まれる胎児由来のDNAの量を推定することにより、胎児のダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)などの染色体の異常を調べることができる検査です。

10週以降に母体から採取した血液によって調べることができる非確定的検査で、精度が非常に高いのが特徴です。

費用は20万円前後で、妊娠10週以降で受けることができます。

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確定的検査とは?

「確定的検査」とは、非確定的検査で陽性の場合に、確定的検査を受けて診断を確定するものです。

ただし、確定的検査は、非確定的検査に比べて検査自体に痛みがあったり、流産・死産などの危険性があったりとリスクが伴います。

確定的検査には、次の2つの検査方法があります。

1.絨毛検査

妊娠11~14週ごろに母体のお腹に直接針を刺して絨毛細胞を採取し、胎児のDNAや染色体の変化を調べる検査です。

母体への負担はもちろん、合併症として流産や出血、破水、腹痛、胎児の受傷などがあり、流産の確率は約1%(1/100)といったリスクがあります。

費用は10~20万円ほどで、妊娠11~14週の期間で受けることができます。

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2.羊水検査

妊娠15~16週以降に母体のお腹に直接針を刺して、羊水から胎児の細胞を採取し、胎児のDNAや染色体の変化を調べる検査です。

絨毛検査と同様に母体への負担はもちろん、合併症として、流産などのものが挙げられます。

しかし、流産の確率は絨毛検査よりも低く、約0.3%(1/300)程度とされています。絨毛検査に比べて、手技が比較的容易であることや検査可能時期が遅いことなどの理由から、確定的検査は羊水検査を選択する人が多いと言われています。

費用は10~20万円ほどで、妊娠15週以降の期間で受けることができます。

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なぜ先天性疾患が起こるの?

先天性疾患を持って生まれる赤ちゃんの割合は、出生数全体の3~5%ほどと言われます。

ここで疑問なのは、そもそも知的障害などの「先天性疾患」は、なぜ起こってしまうのでしょうか?

ほとんどの先天性疾患の原因は不明ですが、感染性要因、遺伝的要因、そしてある種の環境要因が、先天異常発生のリスクを高くすると言われます。

また母体の年齢も危険因子のひとつで二十代と比べると、そのリスクが高まります。 

遺伝、染色体が要因

染色体と遺伝子に異常が生じることが原因です。

このような異常は両親から遺伝しますが、親自身にその異常の影響が出ている場合と、親はその異常が出ていなくても、ある病気の原因となる異常遺伝子をもっている場合があります。

しかし、多くの先天異常は赤ちゃんの染色体異常や遺伝子変異によって引き起こされます。

遺伝的要因によって生じる先天異常は、多くの場合、体の1カ所だけの明らかな奇形にとどまらず、ほかの部分にも影響を及ぼします。

環境因子や有害物質(催奇形物質)が要因

催奇形物質とは、先天異常を引き起こす、あるいはその可能性を高める物質のことを言います。

催奇形因子は、放射線(X線を含む)や特定の薬剤、毒性物質(アルコールを含む)、タバコなどがあります。

NIPT(新型出生前診断)はいつからできる?

これら先天性疾患をいち早く発見し、なおかつ精度が高く、母体に負担の少ない検査を選ぶなら、間違いなく「NIPT(新型出生前診断)」がおすすめです。

しかし、「いつからいつまで受けられるの?」と疑問を持つ方は少なくありません。

実のところ、NIPT(新型出生前診断)は、妊娠10週0日以降であれば検査可能です。

「いつまで受けられる」といった決まりはありませんが、15週ごろまでの検査が一般的と言われています。

もし今、迷っているのであれば、電話などで相談だけでもしてみると良いかもしれません。

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まとめ

ご紹介した出生前診断は妊婦健診のように、必ず受けるべきものといった決まりはありません。

しかし、今の日本は、「20代で結婚」といった人は少なくなり、晩婚化が進んでいます。

そのような背景もあって、高齢出産・高齢妊娠が増えており、出生前診断の需要が高まりつつあります。

もし子供のリスクを少しでも早く知っておきたいのであれば、是非、受けておきたい検査です。

妊娠18週目までの方はまだ間に合います

高齢出産が増えている日本で、今、注目を集めているのが「出生前診断」です。しかし、「どんな検査でいつからできるのかわからない」というのが本音でしょう。今日はその疑問を解消するための知識をお届けします。

羊水検査について詳しく見る

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記事の監修者

川野 俊昭先生

川野 俊昭先生

ヒロクリニック博多駅前院 院長
日本産科婦人科学会専門医

産婦人科医として25年以上、主に九州で妊婦さんや出産に向き合ってきた。経験を活かしてヒロクリニック博多駅前院の院長としてNIPT(新型出生前診断)をより一般的な検査へと牽引すべく日々啓発に努めている。

略歴

1995年 九州大学 医学部卒業
1995年 九州厚生年金病院 産婦人科
1996年 九州大学医学部付属病院 産婦人科
1996年 佐世保共済病院 産婦人科
1997年 大分市郡医師会立アルメイダ病院 産婦人科
1998年 宮崎県立宮崎病院 産婦人科 副医長
2003年 慈恵病院 産婦人科 医長
2007年 日本赤十字社熊本健康管理センター診療部 副部長
2018年 桜十字福岡病院 婦人科
2020年 ヒロクリニック博多駅前院 院長

資格

日本産科婦人科学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
日本抗加齢医学会専門医

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