Tetrasomy 18p 症候群

抱っこされる赤ちゃんの手

染色体18短腕重複症(テトラソミー18p)は、18番染色体の短腕が4本存在する非常に稀な染色体異常症です。発達遅延、筋緊張異常、骨格異常などの特徴や、治療法について詳しく解説します。

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この記事のまとめ

染色体18短腕重複症(テトラソミー18p)は、18番染色体の短腕が通常の2本ではなく4本存在する稀な染色体異常症です。この疾患は、発達遅延や筋緊張異常、小頭症や骨格異常を含む多様な特徴を持ちます。本記事では、新生児期の症状、臓器系の異常、治療法、そして発症メカニズムについてわかりやすく解説します。

染色体18短腕重複症(テトラソミー18p)とは

18p

染色体18短腕重複症(テトラソミー18p)は、18番染色体の短腕(18p)が通常の2本ではなく、細胞内で4本存在する非常に稀な染色体異常症です。この異常は主に胚発生の初期段階で自然発生的に(de novo)起こり、遺伝することはほとんどありません。ただし、稀に親の一部または全ての細胞において18pの異常染色体がモザイク状に存在することがあります。この場合、次世代への遺伝のリスクがわずかに高まる可能性があります。

chromo18

主な臨床的特徴

染色体18短腕重複症の臨床的特徴は多岐にわたり、発達や身体機能に影響を及ぼします。

発達と認知への影響

患者は発達遅延や認知障害をほぼ例外なく経験します。認知能力の範囲は軽度から重度までさまざまで、軽度の認知障害を持つ患者では、特に社会的スキルや自己調整能力の発達不足が生活上の大きな課題となります。

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頭部と顔面の異常

小頭症、低い位置にある耳、小さな口、高いアーチを持つ口蓋など、特徴的な顔面の外観が見られます。これらは診断の手がかりとなる一方で、患者の生活に影響を与える場合があります。

筋緊張の異常

患者の大多数に筋緊張の異常が確認されます。低緊張(筋力の低下)が最も一般的であり、約50%の患者に見られます。一部では高緊張や筋肉の硬直も報告されています。

骨格系の異常

骨格系の異常としては、側弯症や後弯症がよく見られます。また、足の奇形(偏平足や内反足)、先天性股関節脱臼、指の変形(内彎指や癒合指)も報告されています。

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新生児期の症状

新生児期には多くの患者が以下の症状を示します。摂食困難は最も一般的で、全体の83%に見られます。この問題は低緊張や高いアーチを持つ口蓋、胃食道逆流が原因とされています。黄疸は57%、呼吸困難は31%の新生児に発生し、特に黄疸は場合によって光線療法を必要とします。

水分補給

臓器系の異常

心臓の異常

約25%の患者に心臓の奇形が報告されています。動脈管開存、心房中隔欠損、心室中隔欠損が一般的で、これらの多くは自然に改善しますが、手術が必要なケースもあります。

腎臓と泌尿器の異常

馬蹄腎や尿管の異常が見られることがあります。男性患者の39%には停留精巣が報告され、その一部は手術を要しました。

心臓

神経学的特徴

筋緊張異常が際立っており、低緊張は特に一般的です。25%の患者にはてんかん発作が確認されており、熱性けいれんも一部の患者で見られます。また、MRI検査では脳梁の細さや脳室の拡大など、脳の構造的異常が報告されています。

治療と支援

治療は症状の緩和と支持療法が中心です。外科的治療、理学療法、言語療法、教育的サポートが含まれます。また、遺伝カウンセリングは家族にとって重要な支援手段となります。

発症メカニズム

染色体18短腕重複症は、母体の減数分裂IIにおける不分離やセントロメアの分裂異常により発生すると考えられています。また、母親の高齢がリスク因子として関与している可能性も示唆されています。

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おわりに

染色体18短腕重複症は非常に稀な疾患であり、報告例は限られています。しかし、患者一人一人の症状や特徴を正確に理解し、それに基づいて適切な支援を提供することが重要です。医療的介入と家族のサポートがあれば、患者の生活の質を向上させることができます。

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引用文献

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染色体18短腕重複症(テトラソミー18p)は、18番染色体の短腕が4本存在する非常に稀な染色体異常症です。発達遅延、筋緊張異常、骨格異常などの特徴や、治療法について詳しく解説します。

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医師監修 監修日:2024年11月15日
岡 博史 (医師・医学博士/ヒロクリニック統括院長)

日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年11月15日
花澤 司 (医師/ヒロクリニック大宮駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

医師監修 監修日:2024年11月15日
陽川 英仁 (医師・医学博士/ヒロクリニック大阪駅前院 院長)

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)

この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

参考文献

  1. Sebold C, Roeder E, Carter E, et al. Tetrasomy 18p: report of the molecular and clinical findings of 125 individuals. Am J Med Genet A. 2015 Oct;167A(10):2232-40.
  2. Cody JD, Heard PL, Carter EM, et al. Tetrasomy 18p: report of the molecular and clinical findings of 43 individuals. Am J Med Genet A. 2007 Nov 1;143A(21):2508-17.
  3. GeneReviews® [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2024. Tetrasomy 18p. 2011 Oct 13 [updated 2016 Dec 15; cited 2024]. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1410/

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