出生前診断は、妊娠中に胎児の健康状態や異常の有無を確認する検査で、非侵襲的検査(NIPT、超音波検査など)と侵襲的検査(羊水検査、絨毛検査など)があります。検査の選択肢やタイミングは、妊婦さんの年齢やリスクに基づき、医師と相談して決定します。
この記事のまとめ
出生前診断は検査ごとに受けられる時期が違い、NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週頃から検討できます。コンバインド検査は11〜13週頃、絨毛検査は11〜14週、母体血清マーカー検査(クアトロテスト)は15〜18週頃、羊水検査は15〜16週以降が目安です。NIPTで陽性が出たときの確定は羊水検査などになり、結果まで約2〜3週間かかります。だからこそ妊娠初期のうちに情報を集め、いつ検討・予約するかを早めに考えておくと、気持ちに余裕が生まれます。受ける/受けないはどちらも尊重される選択です。迷ったときはかかりつけの産婦人科や遺伝カウンセリングに相談してください。
この記事でわかること
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出生前診断はいつから受けられる?
出生前診断は検査の種類ごとに受けられる時期が異なり、もっとも早いNIPTは妊娠10週頃から検討できます。「いつから受けられるの?」という疑問には、ひとつの答えがありません。検査によって、適した週数がそれぞれ決まっているからです。まずは全体像をつかんでください。
採血だけで受けられるNIPTは、比較的早い時期から検討できる検査です。一方で羊水を採る羊水検査は、羊水が十分たまる時期を待つ必要があります。つまり「早く受けられる検査」と「時期を待つ検査」があるということ。この違いが、時期を考えるうえでの出発点になります。
非確定的検査と確定的検査で時期が違う
出生前診断は、大きく非確定的検査と確定的検査に分かれます。NIPTや母体血清マーカー検査、コンバインド検査は、可能性を調べる非確定的な検査です。採血や超音波が中心で、早い時期から受けられます。出生前診断の種類と選び方もあわせて読むと、全体の位置づけがつかめます。
一方の確定的検査は、絨毛検査と羊水検査です。染色体を直接調べて診断を確定させる検査で、非確定的検査より少し遅い時期に行います。役割が違うため、受けられる時期にも差が出ます。この順序を知っておくと、あとで慌てずに済みます。
検査別の受検時期を表で整理
NIPTは妊娠10週頃から、羊水検査は15〜16週以降と、検査ごとに時期がはっきり決まっています。言葉だけでは覚えにくいので、主な検査の時期と特徴を一覧にまとめました。予約を考えるときの早見表として使ってください。
| 検査名 | 分類 | 受けられる時期の目安 | 方法 |
|---|---|---|---|
| NIPT(新型出生前診断) | 非確定的 | 妊娠10週頃から(施設により9〜10週) | お母さんの採血 |
| コンバインド検査 | 非確定的 | 妊娠11〜13週頃 | 超音波+採血 |
| 絨毛検査 | 確定的 | 妊娠11〜14週 | 絨毛を採取 |
| 母体血清マーカー検査(クアトロテスト) | 非確定的 | 妊娠15〜18週頃 | お母さんの採血 |
| 羊水検査 | 確定的 | 妊娠15〜16週以降 | お腹に針で羊水を採取 |
表を見ると、採血で受けられる検査ほど早い時期から動けることがわかります。NIPTと絨毛検査は妊娠初期、クアトロテストや羊水検査は妊娠中期という大まかな区分け。それぞれの検査の中身は、NIPTとクアトロテストの違いや母体血清マーカー検査の記事でも詳しく解説しています。
NIPTがもっとも早く受けられる
時期の面で選択肢が広いのが、NIPTです。妊娠10週頃、施設によっては9〜10週から受けられます。針を刺さず採血だけで済むため、赤ちゃんへの負担が少ないのも早期に受けやすい理由です。NIPTの全体像はNIPTの解説記事にまとめています。
ただしNIPTは、13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的検査です。陽性が出ても、それだけで診断が確定するわけではありません。確定には羊水検査などが必要という性質を、時期を考える前に押さえておいてください。
確定診断まで考えた時期の逆算
NIPTで陽性が出た場合、確定の羊水検査は15〜16週以降で結果まで約2〜3週間かかるため、時期は逆算して考えると安心です。スクリーニングだけで終わるとは限りません。次のステップまで見据えると、いつ動くべきかが見えてきます。
NIPTで陽性が出たとき、次に案内されるのは確定診断の羊水検査です。羊水検査は妊娠15〜16週以降にしか受けられません。さらに採取した細胞を培養してから調べるため、結果までは約2〜3週間かかります。この時間の積み重ねが、意外と大きいのです。
私が妊婦さんの相談に立ち会ってきた経験でも、時期の逆算を知らずに「もっと早く動けばよかった」と感じる方がいました。妊娠初期のうちに情報を集め、予約の検討を始めておく。その一手間が、あとの心の余裕につながります。逆算という視点を、ぜひ持っておいてください。
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いつ検討・予約を始めるとよいか
妊娠がわかった初期の段階で情報収集を始め、心拍が確認できた頃に予約を検討すると、時期に追われずに済みます。検査当日だけでなく、そこに至るまでの準備期間も見込んでおくことが大切です。段取りを整理しておきましょう。
情報収集は妊娠初期から
検査の種類や時期、費用、陽性だったときの流れ。調べることは思ったより多くあります。妊娠がわかったら初期のうちに、早めに情報を集め始めてください。夫婦で読む時間や、疑問を整理する時間も必要です。ぎりぎりで動くと、落ち着いて選べなくなります。
受けると決めるまでの過程は、人によってさまざまです。Xでも@siso_chukiさんが「NIPTを受けることにした。大学病院に行かないと。出生前診断を受けるのが夫と2人目妊活の約束だったので」とつづっていました。パートナーとの約束や話し合いが、受検を決める背中を押すこともあるのだと感じます。決断のきっかけは、家庭ごとに違っていていいのです。
予約は施設の受付時期を確認して
人気の施設や検査は、希望の日に予約が取りにくいこともあります。受けたい時期が決まっているなら、早めの予約が安心です。NIPTなら妊娠10週頃を目安に、その前から予約状況を確認しておいてください。施設ごとに受付開始の週数が異なる点にも注意してください。
確定診断の羊水検査を受ける可能性まで考えるなら、なおさら初期からの段取りが効いてきます。NIPT・結果確認・確定検査という流れを、カレンダーの上でざっくり並べてみてください。全体の時間感覚がつかめると、焦りが減ります。

受ける前に知っておきたい注意点
受ける前には、確定と非確定の違いを理解し、遺伝カウンセリングを活用し、結果が出たらどうするかを夫婦で話し合っておいてください。準備が整っているほど、結果を落ち着いて受け止められます。ここでは大切な四つの注意点を挙げます。
確定検査と非確定検査の違いを理解する
まず押さえたいのが、検査の性質です。NIPTや母体血清マーカー検査は非確定的検査で、可能性を調べます。羊水検査や絨毛検査は確定的検査で、染色体を直接見て診断します。NIPTで陽性でも、確定には羊水検査などが必要です。この違いを知らないまま結果を見ると、必要以上に不安になりがちです。
NIPTは対象の疾患で高い検出率が報告される一方、あくまでスクリーニングという位置づけ。羊水検査などの確定診断とは役割が違います。羊水検査の基礎知識や、羊水検査の適切な時期もあわせて確認しておくと安心です。
遺伝カウンセリングを活用する
数値や専門用語だけでは、判断に迷うのが自然です。そんなときに頼りになるのが遺伝カウンセリングです。検査でわかること・わからないこと、結果の意味、次のステップを、専門家が一緒に整理してくれます。ひとりで抱え込む前に、話を聞いてもらってください。
出生前検査の考え方は、公的な情報源も参考になります。日本産科婦人科学会や、認証施設の仕組みを示す出生前検査認証制度等運営委員会の情報を見ておくと、施設選びの助けになります。認証施設を選ぶことも、注意点のひとつです。
結果が出たらどうするかを夫婦で話す
検査を受ける前に、結果が陽性だったらどう考えるかを夫婦で話しておいてください。確定診断まで望むのか、リスクをどう受け止めるのか。事前に言葉にしておくと、いざというときに気持ちが揺れにくくなります。検査は情報を得る手段であって、受けること自体が目的ではありません。
妊娠期の健康や相談窓口については、こども家庭庁 母子保健の情報も参考になります。信頼できる情報にあたりながら、パートナーと考えを共有する。その積み重ねが、納得できる選択につながっていきます。
受ける・受けないはどちらも自由
出生前診断を受けるかどうかに正解はなく、受ける選択も受けない選択も、等しく尊重されます。時期や注意点を知ったうえで、最後に決めるのはあなたとご家族です。どちらを選んでも、その気持ちは大切にされていいものです。
実際に、悩んだ末に受けないと決める方もいます。Xでも@mmy338さんが「結局NIPTを受けないことにした。胎児ドックも受けたかったが予約が取れず、今日の検診で指摘もなかったので、出生前診断を悩んだ末に何もしないという結論になりそう」とつづっていました。私はこうした声にふれるたび、受けないという判断もまた、真剣に考えた末の選択なのだと感じます。
まず何から始めればよいか
最初の一歩は、正確な情報を手に入れることです。検査の時期と性質を知り、疑問を書き出し、パートナーと共有する。そのうえで、専門家に相談する場を持ってください。ヒロクリニックNIPTでは、出生前診断に関する相談を受け付けています。受ける・受けないを決める前の、情報整理の段階から気軽に頼ってください。
不安なまま検索を続けるより、一度きちんと話を聞いてもらうほうが、気持ちが整うものです。NIPTは13・18・21トリソミーなど対象を絞った非確定的検査で、確定には羊水検査などが必要という前提を踏まえたうえで、あなたに合った選び方を一緒に考えます。オンラインで相談できる窓口もあります。
よくある質問
Q. 出生前診断は妊娠何週から受けられますか?
検査によって異なります。もっとも早いNIPTは妊娠10週頃から、施設によっては9〜10週から検討できます。コンバインド検査は11〜13週頃、絨毛検査は11〜14週、母体血清マーカー検査(クアトロテスト)は15〜18週頃、羊水検査は15〜16週以降が目安です。時期は発育や施設で前後するため、担当医に確認してください。
Q. いつ頃から検討・予約を始めればよいですか?
妊娠がわかった初期の段階から情報収集を始めてください。NIPTを受けるなら妊娠10週頃を目安に、その前から予約状況を確認しておくと動きやすくなります。確定診断の可能性まで考えると、初期のうちに全体の流れを把握しておくほど、時期に追われずに済みます。
Q. NIPTで陽性が出たら次はどうなりますか?
NIPTは13・18・21トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的検査のため、陽性でも診断は確定しません。確定には羊水検査などが必要です。羊水検査は妊娠15〜16週以降に受け、結果までは約2〜3週間かかります。この流れを見越して、初期のうちに情報を集めておくと余裕を持てます。
Q. 受ける前に注意すべきことは何ですか?
確定検査と非確定検査の違いを理解すること、遺伝カウンセリングを活用すること、結果が出たらどうするかを夫婦で話し合っておくこと、認証施設を選ぶことが挙げられます。検査は情報を得る手段であり、受けること自体が目的ではありません。迷ったら専門家に相談してください。
Q. 出生前診断は必ず受けなければいけませんか?
いいえ、受けるかどうかは自由です。受ける選択も、受けない選択も、等しく尊重されます。検診で指摘がなく、悩んだ末に受けないと決める方もいます。正確な情報を集め、パートナーと話し合ったうえで、ご家族に合った選択をしてください。どちらの選択も間違いではありません。
Q. 検査ごとの受検時期の違いは何のためですか?
検査の方法や、赤ちゃんの発育状況に合わせて、安全に受けられる時期が決まっているためです。採血で受けるNIPTは早い時期から可能ですが、羊水を採る羊水検査は羊水が十分たまる時期を待ちます。時期を守ることが、赤ちゃんとお母さんの安全につながります。担当医の判断に従ってください。
著者・監修
岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。
出生前診断は、妊娠中に胎児の健康状態や異常の有無を確認する検査で、非侵襲的検査(NIPT、超音波検査など)と侵襲的検査(羊水検査、絨毛検査など)があります。検査の選択肢やタイミングは、妊婦さんの年齢やリスクに基づき、医師と相談して決定します。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。

