隠れVanishing TwinとNIPTの関係【医師監修】

隠れバニシングツイン

Vanishing Twin(バニシングツイン)は、症例によっては、双胎児であるにもかかわらず単胎児と診断されていることがあり、この状態を「隠れVanishing Twin」と定義します。「隠れVanishing Twin」では、NIPTの検査結果に影響が出ることがあります。

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Vanishing Twin(バニシングツイン)とは

英語で「Vanishing」は「消える」という意味で、Vanishing Twin(バニシングツイン)とは、元々双子の胎児であった片方が、自然と消滅し一人になってしまうことです。

多くの場合、遺伝子異常があり生存が不可能になるために、胎児が縮小・消滅してしまう現象です。

「隠れVanishing Twin」とは

妊娠当初から双胎児(双子)と診断されていた場合には、妊婦健診の間に片方の胎児が確認できることによってVanishing Twinと診断されます。

しかし、症例によっては、双胎児であるにもかかわらず、単胎児と診断されていることがあります。これは片方の胎児が小さすぎるために心拍が停止していていたり、心拍の活動が見られる前の段階では見つけにくく、超音波検査(エコー検査)で確認できないことがあるからです。

このように妊娠当初から胎児が一人と考えられていた症例のなかで、実は双子の胎児の一人が消失していたケースを「隠れVanishing Twin」と定義します。

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「隠れVanishing Twin」の場合の検査結果の問題

遺伝子検査では、このような、本来双胎児であったが単胎児であると認識されている「隠れVanishing Twin」の場合、消失または縮小された一方の胎児の遺伝子を拾ってしまうことが多くあります。胎児のサイズが小さくても、精度の高いNIPT検査では、その遺伝子を母体の血液中で検出することが可能だからです。

一般的に、Vanishing Twinの原因としては18番染色体トリソミーや13番染色体トリソミーなどの染色体異常が関係していることが知られています。

トリソミーを有する胎児が消失した場合にNIPT検査をすると、陽性として検出されますが、生存しているもう一方の胎児に対して確定診断のために羊水検査を行うと陰性という結果が出るので、この場合はNIPTの検査結果が偽陽性となります。

しかし、この「隠れVanishing Twin」の場合に遺伝子検査上で陽性であることは、妥当な検査結果なのです。

よくある質問
皆様からよくいただく質問をまとめました。NIPTについて安心して検査を受けられるよう、皆様の疑問にお答えいたします。...

NIPT(新型出生前診断)の種類と「隠れVanishing Twin」

一般的にNIPT(新型出生前診断)は一つの方法しかないと考えられていますが、その使用する機器のタイプによって、現在ではいくつかの種類があります。

広く普及しているWhole genomeというタイプのNIPT検査機器であるVeriseq V2 systemでは、「隠れVanishing Twin」の二つの胎児の遺伝子を区別できないために、どちらの胎児が異常があるかはわかりません。妊娠時から双子とわかっていた場合は、それほど問題にならないのですが、この「隠れVanishing Twin」の状態の場合、NIPTの検査結果が偽陽性と診断されてしまうことがあります。

一方、Targetタイプのキプロス式では、二人の胎児の遺伝子を区別することができるため、片方の胎児がトリソミーを持ち、もう片方が正常である、というように診断することが可能です。

既にVanishing Twinと診断されていてNIPTを検討されている場合には、キプロス式の検査をおすすめします。ただしキプロス式の検査では、一つ一つを深く読むために限られた染色体しか検出できないという性質があるので、検査ができるのは13,18,21の3つの染色体のみです。

対してWhole GenomeタイプのVeriseq V2 systemを用いた検査では、全ての染色体を調べることができるので、全染色体の本数、常染色体の部分欠失や重複も検出できます。

このように、現在では複数の検査方法を併用することによって、NIPTも幅広い検査を行うことが可能になってきています。NIPTの受験を検討されている方は、状況に応じて検査方法を選択されると良いでしょう。

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Vanishing Twin(バニシングツイン)は、症例によっては、双胎児であるにもかかわらず単胎児と診断されていることがあり、この状態を「隠れVanishing Twin」と定義します。「隠れVanishing Twin」では、NIPTの検査結果に影響が出ることがあります。

NIPT(出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


Private: 岡 博史先生.

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NIPT専門クリニック 医学博士
慶應義塾大学 医学部 卒業

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