この記事のまとめ
妊婦健診は妊娠経過が順調なら標準でおよそ14回、初期は4週間に1回、中期は2週間に1回、後期は毎週1回のペースで受けます。毎回、体重・血圧・尿検査・子宮底長などの基本チェックを行い、時期に応じて血液検査や超音波、糖負荷試験などが加わります。多くの自治体では14回分の公費補助券(受診票)が配られ、費用の負担を抑えられます。本記事では頻度と各回の内容を早見で確認できるようにまとめました。忙しい妊娠生活でも健診日を優先し、気になることは毎回メモして担当医に相談してください。
この記事でわかること
- 妊娠初期・中期・後期の健診の頻度と、標準14回のスケジュール早見
- 毎回受ける基本検査と、時期ごとに加わる追加検査の中身
- 公費補助券(受診票)でどこまで補助されるかの目安
- 健診当日の持ち物と、スムーズに受けるための準備

妊婦健診の頻度と回数|標準14回のスケジュール早見
妊娠経過が順調な場合、妊婦健診は出産までに標準でおよそ14回受けます。頻度は週数が進むほど短くなります。初期は4週間に1回、中期は2週間に1回、後期は毎週1回が基本のペース。まずは全体像を早見でつかんでください。
妊娠23週ごろまでは、4週間に1回のペースで通います。24週から35週ごろは2週間に1回へ。36週から出産までは、週に1回のこまかな確認へと切り替わります。赤ちゃんが大きくなり、母体の変化も速くなる時期ほど、間隔を詰めて見守る流れです。
この回数と間隔は、厚生労働省が示す標準的な目安にもとづきます。体調や合併症のリスクによっては、健診の回数が増えることもあります。切迫早産や血圧の上昇があれば、担当医の判断で間隔を短くして経過を追います。
回数の内訳は、初期が4回前後、中期が6回前後、後期が4回前後というイメージです。合わせておよそ14回。ただし出産予定日を過ぎると、さらに健診が追加されます。各回で何をどこまで調べるのかは、妊婦健診の検査項目を網羅した記事でくわしく整理しています。全体の検査内容をまとめて知りたいときは、そちらも読んでみてください。
毎回受ける基本の検査|体重・血圧・尿・子宮底長
妊婦健診では、時期にかかわらず毎回おこなう基本の検査があり、これが母体と赤ちゃんの変化を追う土台になります。体重測定、血圧測定、尿検査、腹囲・子宮底長の計測、むくみの確認、赤ちゃんの心拍確認。この積み重ねが小さな異変に早く気づく助けです。順に見ていきます。
体重は、増え方のペースを見る大切な数字です。急に増えるとむくみや妊娠高血圧のサインのことがあり、増えなさすぎも心配材料になります。血圧の測定は、妊娠高血圧症候群を早く見つけるための要。尿検査では尿糖と尿蛋白を調べ、血糖や腎臓の状態をうかがいます。
腹囲と子宮底長は、赤ちゃんの育ち具合の目安です。おなかの上から計測し、週数に見合っているかを確認します。むくみは足のすねを押して調べ、心拍は超音波やドップラーで確かめます。地味に思える検査ほど、変化に早く気づく力を持ちます。
この体重チェックを、私は妊婦さんの相談に立ち会うなかで「毎回いちばん気にされる項目」だと感じています。数字が良かった日は、表情がぱっと明るくなる方が多いもの。Xでも@mikan_mata_logさんが、健診で体重の増加ペースを先生に褒められて心の中でガッツポーズ、赤ちゃんの推定体重も増えていて安心した、とつづっていました。毎回ドキドキしながら受ける健診。終わったあとのほっとする感覚は、多くの妊婦さんに共通する気持ちです。
時期別に加わる追加検査の早見|初期・中期・後期
基本検査に加えて、妊娠の時期ごとに追加される検査があり、初期の血液検査・中期の詳しい超音波・後期の分娩準備の検査が代表例です。いつ何が加わるかを知っておくと、健診前の心構えができます。下の表で時期別の追加検査を早見にまとめました。
| 時期 | 頻度 | 加わる主な検査 |
|---|---|---|
| 初期(〜23週ごろ) | 4週間に1回 | 血液型・貧血・感染症の血液検査、子宮頸がん検査、超音波での週数確定 |
| 中期(24〜35週ごろ) | 2週間に1回 | 血糖の検査(糖負荷試験)、貧血の再検査、赤ちゃんの発育を診る超音波 |
| 後期(36週〜出産) | 毎週1回 | B群溶連菌(GBS)検査、ノンストレステスト、胎位・推定体重の確認 |
初期は、妊娠の土台を確認する検査が集中します。血液型や貧血、B型・C型肝炎や風疹抗体などの感染症を血液で調べます。葉酸の摂取が気になる時期でもあり、栄養面の準備は葉酸についての記事も参考にしてください。
中期に入ると、血糖値を調べる検査が加わります。数値が高ければ、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)で詳しく確認します。この時期に気をつけたい体調は妊娠糖尿病の症状と予防の記事にまとめました。後期は、分娩に向けた検査が中心。B群溶連菌の有無や、赤ちゃんの位置と推定体重を確かめます。
妊娠の各段階でどんな準備が必要になるかは、妊娠中のスケジュールと検査の記事もあわせて読むと流れがつかめます。学会の公式情報として、日本産科婦人科学会や日本産婦人科医会の発信にあたると、より確かな知識になります。
公費補助券でどこまで補助される?費用の目安
多くの自治体では妊娠届の提出時に14回分の公費補助券(妊婦健康診査受診票)が交付され、健診費用の多くをまかなえます。ただし全額が無料になるとは限りません。補助の範囲は自治体によって差があります。仕組みを知っておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
受診票は、母子健康手帳と一緒に受け取ります。健診のたびに1枚ずつ使い、窓口での支払いを軽くする仕組みです。基本の検査は補助でおおむねカバーされますが、追加の検査や自費のオプションは自己負担になることがあります。里帰り出産で県外の医療機関にかかるときは、あとから払い戻す手続きが必要な場合もあります。
補助の内容や申請の方法は、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。公的な情報はこども家庭庁 母子保健のページも参考になります。出生前診断など自費の検査にかかる費用は出生前診断の費用の記事で整理しました。妊娠期の出費に見通しを持って備えてください。
妊婦健診の持ち物と当日の流れ
妊婦健診には、母子健康手帳・受診票・健康保険証・診察券を毎回持参し、聞きたいことをメモしておくと当日がスムーズになります。持ち物を前日にそろえておけば、忘れ物の不安が減ります。尿検査があるため、直前のトイレは少し控えめに。当日の流れも一度知っておくと落ち着けます。
受付を済ませたら、まず尿を採り、体重と血圧を測ります。その後に診察と超音波へ進む流れが一般的です。おなかを出しやすい服装だと、診察が楽になります。汗をかく季節は、着替えやタオルがあると安心。待ち時間が長いこともあるため、飲み物や軽い読み物を用意しておくと過ごしやすくなります。
体重の記録は、健診前にそわそわする方が本当に多い項目です。Xでも@Makki_0112さんが、健診の前に測ったら前回から2kg増えていて焦った、最近は暑さや雨で散歩をサボっていた、と正直な気持ちをつづっていました。体重の増減に一喜一憂するのは自然なこと。数字はあくまで経過を診るための材料です。気になるときは我慢せず、そのまま健診で相談してください。
健診で聞きたいことはメモに残す
診察はあっという間に終わることがあります。その場で質問が浮かばず、帰り道に思い出して後悔する。そんな声をよく耳にします。だからこそ、気になることは前もってメモへ。むくみ、張り、痛み、眠れなさなど、小さなことでも書き留めておいてください。
パートナーと一緒に受けられる健診もあります。超音波の画像を二人で見ると、赤ちゃんの成長を実感として分かち合えます。日程や検査の内容を家族で共有しておけば、通院の負担も分け合えます。ひとりで抱え込まない工夫が、妊娠期の支えです。
妊婦健診とNIPTを受けるタイミング
NIPT(新型出生前診断)は妊婦健診とは目的が異なる任意の検査で、受ける場合は妊娠10週ごろから可能です。妊婦健診が母体と赤ちゃんの経過を見守る検査であるのに対し、NIPTは特定の染色体の状態を調べる検査。位置づけの違いを知っておくと、選ぶときに迷いにくくなります。

NIPTは、母体の血液を採るだけで受けられる非確定的な検査です。主に21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーなど、対象の染色体にしぼって調べます。結果が陽性の場合でも、確定診断には羊水検査などが必要です。無限定に「異常のすべてが分かる」検査ではありません。この点は、受ける前に押さえておいてください。
妊婦健診の全体像や、NIPTとの組み合わせ方を知りたいときは妊婦健診の検査内容を網羅した記事もあわせて読んでください。ヒロクリニックNIPTでは、心拍確認後の早い時期から年齢制限なく受検でき、遺伝カウンセリングでの相談にも対応しています。不安を一人で抱えず、まずは気軽に問い合わせてください。
よくある質問
Q. 妊婦健診は全部で何回受けますか?
妊娠経過が順調な場合、出産まで標準でおよそ14回受けます。内訳は初期が4回前後、中期が6回前後、後期が4回前後というイメージです。予定日を過ぎると健診が追加されます。体調や合併症のリスクによっては回数が増えることもあり、担当医が状態に合わせて判断します。
Q. 健診の間隔はどのように変わりますか?
初期の妊娠23週ごろまでは4週間に1回、中期の24週から35週ごろは2週間に1回、後期の36週から出産までは毎週1回が基本のペースです。赤ちゃんが大きくなり母体の変化も速くなる後期ほど、間隔を詰めてこまかく確認します。切迫早産などがあれば、さらに間隔が短くなることがあります。
Q. 毎回どんな検査を受けますか?
時期を問わず、体重測定・血圧測定・尿検査・腹囲と子宮底長の計測・むくみの確認・赤ちゃんの心拍確認を毎回おこないます。これに加えて、初期は血液検査、中期は血糖の検査、後期はB群溶連菌検査や胎位の確認などが時期ごとに加わります。基本検査の積み重ねが、変化に早く気づく土台になります。
Q. 公費補助券を使えば費用は無料になりますか?
多くの自治体で14回分の受診票が交付され、基本の検査費用の多くをまかなえます。ただし全額が無料になるとは限りません。追加の検査や自費のオプションは自己負担になることがあります。里帰り出産などで県外の医療機関にかかる場合は、あとから払い戻す手続きが必要なことも。詳しくはお住まいの市区町村の窓口で確認してください。
Q. 健診の持ち物は何を用意すればよいですか?
母子健康手帳・受診票・健康保険証・診察券を毎回持参してください。尿検査があるため、直前のトイレは控えめに。おなかを出しやすい服装だと診察が楽になります。聞きたいことはメモに残しておくと、短い診察時間でも相談し忘れを防げます。待ち時間に備えて飲み物があると安心です。
Q. NIPTは妊婦健診と一緒に受けられますか?
NIPTは妊婦健診とは目的が異なる任意の検査で、妊娠10週ごろから受けられます。母体の血液を採るだけで、主に21・18・13トリソミーなど対象の染色体を調べる非確定的な検査です。陽性の場合、確定には羊水検査などが必要になります。妊婦健診と並行して受けられますので、迷うときは遺伝カウンセリングで相談してください。
著者・監修
岡 博史(おか ひろし)/医療法人社団福美会 ヒロクリニック統括院長・Labo Director(ラボディレクター)。慶應義塾大学医学部卒業後、日本と米国の医師国家試験に合格し、医学博士を取得。日本に約20人しかいないラボディレクター資格を保有。YouTube「ひろし先生の正しいエビデンス妊娠ch」などで、エビデンスにもとづく妊娠・出生前診断の情報を発信しています。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会 産業医/東京衛生検査所 指導監督医
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医/産婦人科(NIPT・出生前診断)
この記事は、 ヒロクリニックNIPTの編集・監修体制 にもとづき、資格を持つ医師が内容を確認しています。
参考文献
- 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023. 東京: 日本産科婦人科学会; 2023.
- 厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課. 妊婦健康診査の望ましいあり方について. 東京: 厚生労働省; 2009.
- World Health Organization. WHO recommendations on antenatal care for a positive pregnancy experience. Geneva: World Health Organization; 2016.
- Villar J, Ba'aqeel H, Piaggio G, Lumbiganon P, Miguel Belizán J, Al-Mazrou Y, Carroli G, Farnot U; WHO Antenatal Care Trial Research Group. WHO antenatal care randomised trial for the evaluation of a new model of routine antenatal care. Lancet. 2001 Jun 2;357(9270):1551-9.
- National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Antenatal care (NICE Guideline NG201). London: NICE; 2021.
